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オペラ歌手のキャンセルいろいろ [オペラ歌手]

オペラ歌手のキャンセル、直前キャンセルは体調不良によるものでしょうが、いろいろあるんですね。

ふーーんとおもったのが、男性歌手の育児休暇、あちらでは当然の権利だそうです・・・。
2001年ザルツブルグ春の音楽祭の「ファルスタッフ」、ターフェル&ハンプソン組がライモンディ&ガッロ組になりました。
指揮者がアバドでしたから、ライモンディにお鉢がまわってきたのでしょうね。 (昔から代役はお得意ですから)
育児休暇ということでキャンセルしたのはターフェルですから、ハンプソンはそのとばっちりですね。
ライモンディは1998年ベルリン、1999年フェッラーラでファルスタッフを歌っていて、そのときの相方がガッロなんですね。ですから、ガッロとなら、急にでもなんとかなるということだったのかしら。

もうひとつ、赤ちゃんがらみではないかと思われているのは、サミュエル・レイミーのキャンセル。 まあ、60才ではじめてパパになったのですから、そうかもしれないなぁともおもいます。
レイミーはパリ・バスティーユでフランス語版の「シチリアの晩鐘」に出演予定でした。
それをキャンセルしたのが、レイミージュニアが誕生してすぐなんです。もちろん体調不良ではありません。
パパ・レイミーとしては、なんでこの時期、フランスくんだりまでいかにゃならんのか、かわいい我が子のそばにいたいとおもうのは当然でしょうね。
彼はどうしたかというと、ちょうどその時期、クリーブランドで「ドン・カルロ」が上演される予定で、フィリッポ2世は、フルラネットでした。
なんと彼と役を交換したんですよ。こういうのって個人交渉なのかな。 「ねえーねえ、フェルッチョ、パリのプロチダと交換してくれない、お願い」とかなんとか。
これには、もう一説ありまして、「シチリアの晩鐘」はフランス語版でしたので、準備不足で間に合いそうになかったのではないかとも言われています。
まあ、いずれにしろ、どちらもうまくいったそうです。めでたし、めでたし。
どちらのケースも残念だったファンの方もいるでしょうが、ま、お目出度いことですから、とやかく言う奴がやぼってことですかね。

写真は、ライモンディがジェルモンを歌うはずだった「椿姫」です。フランスアマゾンでは、"raimondi"で検索するといまだにこのCDも出ます。
これは、1992年の世界にテレビ中継された「再現トスカ」の二匹目のドジョウをねらって企画されたもので、2000年6月パリからの生中継でした。後日NHKでも放送されました。
ライモンディの代わりに歌ったのはローランド・パネライ、舞台ならともかく、後輩にたのまれて、無理矢理カメラの前に引き摺りだされた戸惑いのようなものを感じるのは、事情を知っているせいかしら?

追記:ライモンディはほんとの急病で、当時パネライは76才、ライモンディの苦境をみかねての出演です。しかしNHKで放送の時には、たしか宮本亜門とアナウンサーが対談形式で紹介してましたが、ふせたのか知らなかったのかそういうコメントは全くなし。
普通のオペラファンなら、なんで今更パネライなの?とおもった人は多いはずです。このへんを説明しないのはなぜでしょうねぇ。


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