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メト・ライブビューイング Grigolo & Damrau「ロメオとジュリエット」始まる (2017.2.25〜3.3まで) [オペラの話題]

◎土曜日にご覧になった方の感想がネットにちらほらアップされていますが、好評のようです。
 「ロメオは今シーズン最大のヒットとなっている、17日の公演は、ほぼ満席状態で他のオペラよりも若い観客が多かった.....」とゼネラルマネージャーのピーター・ゲルブが述べています。最近のメトは半分埋まればいい方(劇場が大き過ぎなのも一因)というような状態なので、これは快挙といえるでしょうしかもどちらかというとマイナーな演目なのに。
(2017.2.26)


 今日から1週間各地の映画館で、グノー作曲「ロメオとジュリエット」が上映されます。
MET Live Viewing 2016-17 グノー《ロメオとジュリエット》
上映期間:2017年2月25日(土)~3月3日(金)
指揮:ジャナンドレア・ノセダ 演出:バートレット・シェール
出演:ヴィットーリオ・グリゴーロ、ディアナ・ダムラウ 他
上映時間:3時間15分(休憩1回)(2017.1.21収録)
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 グリゴーロとダムラウのトップレベルの歌唱がお楽しみいただけます。演技過剰、動き過ぎと批判されることもある二人がコンビを組むと、生き生きした十代のロメオとジュリエットに......またグリゴーロの運動能力(猫とか猿とか、シルク・ドゥ・ソレイユでも通用するとか)もご覧頂けます。バルコニーシーンで一瞬のうちに登っちゃいますからお見逃しなく。

「ロメオとジュリエット」関連記事:
2)メト「ロメオとジュリエット」(2016.12.31〜2017.1.28)
1)メト「ロメオとジュリエット」(2016.12.31〜2017.1.28) ☆リハーサルはじまる ☆ 舞台写真
グリゴーロの "Roméo et Juliette" 公演記録....スカラ座(2011年6月) LA Opera(2011年11月)Arena di Verona (2014年8〜9月)
グノーの「ロメオとジュリエット」:ロメオのハイC
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その他のダムラウとの共演記事:
Damrau, Grigolo & Hampson ガラコンサート(Ingelheim Am Rhein, 2016.8.20)
Vittorio GrigoloとDiana Damrau (Broad Stage 2015.11.29)
ディアナ・ダムラウと「マノン」(2015.3.9〜28) 6公演 ☆ 舞台写真 ☆
スカラ座「ルチア」(2015.5.28〜6.11) 両手に花 ダムラウとモシュク

過去記事から:
◎スカラ座「ルチア」(2015.5.28〜6.11)のトレイラー。エドガルド結婚式乱入の場、ちょこっと見られますが、早送りかと思うくらいエドガルドもルチアも目まぐるしく動いていています。グリゴーロとダムラウってけっこう似た者同士な感じ。


◎ディアナ・ダムラウと「マノン」(2015.3.9〜28) 。この舞台写真、すごくかわいい....43才(ダムラウ)と38才(グリゴーロ)には見えない....
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メトの「ウェルテル」:ヴィットリオ・グリゴーロ(2017年)とヨナス・カウフマン(2014年) [オペラの話題]

 3年前にカウフマンが歌った「ウェルテル」、今現在、グリゴーロが歌っています。カウフマンの後任として責任重大なんて書いた記事もありましたが、心配無用、絶賛と言えるレビューが出ています。
 メトのYouTubeのチャンネルにだいたい同じシーンがアップされています。これは比べてみたくなりますね。イタリア声とお団子(クネーデル)声、好きずきですが、私自身は、お団子が喉につまったような声は苦手です。

◎1幕:ウェルテル登場シーン、自然に囲まれた美しさに感激して歌う「おお恵みに満ちた自然よ"Ô nature, pleine de grâce”」、たまたまグリゴーロのビデオクリップが前半、カウフマンのは後半です。





◎3幕:クリスマスイヴの夕方、二度と戻らない….と去って行ったウェルテルが突然現れる。「この家は何も変わっていないでしょう」「本当に何も変わっていない。心だけが変わってしまった。ここで一緒に本を読み、歌ったのに....」ウェルテルはクラヴサンの上にあった原稿、彼がオシアンの詩を翻訳したものを手にする。アリア「春風よ、何故に私を目覚めさせるのか "Pourquoi me réveiller"」
 (これもグリゴーロのビデオクリップが前半、カウフマンのは後半)





 カウフマンの歌唱、これって完璧吠えてますね。

☆グリゴーロの「おお恵みに満ちた自然よ"Ô nature, pleine de grâce”」2017.2.16 ライヴ
iPad/iPhone用MP3


☆グリゴーロの「春風よ、何故に私を目覚めさせるのか "Pourquoi me réveiller"」2017.2.16 ライヴ
iPad/iPhone用MP3

今回の「ウェルテル」のレビューで2014年の「ウェルテル」に言及している記事:
NYTimes:A Stylishly Blood-and-Guts Tenor in the Met Opera’s ‘Werther’ / ZACHARY WOOLFE
When Mr. Eyre’s “Werther” staging had its premiere in 2014, with Jonas Kaufmann and Sophie Koch as the star-crossed couple, it felt mannered and detached. This new revival could not be more different, and if there is very little gentility about it, nor much of the poised stylization of traditional French style, it has a vitality that is utterly arresting. This is a fully Italianate Massenet: A Grigolo has crashed Paris. 
Observer:Death Becomes Him: Tenor Vittorio Grigolo Leaves Blood on... / James Jorden
Even Eyre’s lurid staging of the suicide scene made sense with Grigolo in the show. When Jonas Kaufmann offered his cerebral take on the part here three seasons ago, it looked like a bad slasher movie. But when Grigolo’s gunshot wound first soaked his shirt, then his face and hands, and finally even Charlotte’s dress, the effect was heartbreaking.

参考:団子声、ドイツ語 "Knoedel" (団子)
ドイツでは、喉になにか詰まったような声のことを "geknoedeln"というようです。ヨッヘン・コヴァルスキーが、「私はテノールとしては、文字通り極めて "geknoedeln" です。」と述べています。つまり、コヴァルスキーは、テノールの場合は、お団子声になるが、アルトだと自然な声がだせたので、アルトに転向したそうです。(僕はベルリン出身のコヴァルスキーから)

関連記事:
メト「ウェルテル Werther」(2017.2.16〜3.4)☆ レビュー☆ 舞台写真
ヴィットリオ・グリゴーロとヨナス・カウフマン比較記事
オペラ:Jonas Kaufmann contre Vittorio Grigolo (L'HEBDO 2014.10.31)


メト:I Puritani 清教徒(2017.2.18 ライブ放送 Camarena, Damrau, Pisaroni, Markov )ハイC♯ D♭ D がいっぱい [テノールの高音]

 「清教徒」は、テノールの高音が期待されるオペラですが、ライブ放送を聞いてみました。(BBC Radio3で1ヶ月オンデマンドで聞けます)
 まず、私の好きな、ジョルジョ(バス)とリッカルド(バリトン)の二重唱、メトのYouTubeのチャンネルにアップされていました。昔は、最後はバリトンが1オクターブ上げて終るのが慣例だったようですが、これは楽譜通りです。上げた方が盛り上がりますけど、バリトンの声域としてはA♭ってどうなんでしょう。


♪「ラッパを鳴らせ Suoni la tromba,e intrepido」フルバージョン
iPad/iPhone用MP3
トランペットにのって勇壮に歌われるバスとバリトン、まさに男の二重唱で大変盛り上がります。観客の拍手が鳴り止まず、二回繰り返したりすることもあります。こちらがその記事、Bi〜s!Bi〜s!熱狂の渦 2回歌っちゃいま〜す(清教徒:ラッパを鳴らせ)、すごいですよ、大騒ぎ。最後は1オクターブ上げて終ってます。

☆テノールの高音:
♪「いとしい乙女よ、あなたに愛をA te o cara, amore talora」 76 - 83
iPad/iPhone用MP3
登場してすぐに歌わなければならないし、3点Do♯=C♯もあり、至難のアリア。

♪二重唱「わたしの腕の中にvieni fra le mie braccia」 256 -

iPad/iPhone用MP3
原調で歌っているので3点Re =D (伝統的修正で、移調する場合が多い、普通は半音下げ、全音下げもある)

♪四重唱「私は彼女に裏切られたと思ったCredeasi,misera! Da me tradita,」274 - 280
iPad/iPhone用MP3
scoreにリンク
アルトゥーロのソロから始まり、主要登場人物4人が続く。3点Re♭=D♭が2回、さいごの最後に3点Fa=F、楽譜にはありますが、普通は歌いません。カマレーナもハイFは回避しています。歌ったとしてもかなり奇妙な声ですから.....無理する必要無し。ハイFとはどんなものか聞きたい方は過去記事で、《清教徒》パヴァロッティ、RR共に初役☆MP3 おまけ3点F

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ジョルジョ:ルカ・ピサローニ (Luca Pisaroni 1975.6.8 - )
エルヴィーラ:ディアナ・ダムラウ (Diana Damrau1971.5.31 - )
アルトゥーロ:ハビエル・カマレーナ (Javier Camarena 1976.3.26 - )
リッカルド:アレクセイ・マルコフ(Aleksey Markov 1979.5.26 - )

pdf

◎過去記事にハイライトの音声ファイルと、どういう場面で歌うのか、簡単な説明があります。パヴァロッティを偲んで:《清教徒》パヴァロッティ、RR共に初役☆MP3 おまけ3点F
ルチアーノ・パヴァロッティ、ガブリエラ・トゥッチ、アルド・プロッテ、ルッジェーロ・ライモンディ
 昔の演奏の方が盛り上がるなぁ...... 3点Fの録音もあります。

《清教徒》の3点Re(D):二重唱"vieni fra le mie braccia"☆★MP3

♫弱音の美しいハイD♭(Re♭)

復活祭企画! テノールの高音:ロッシーニ:《スタバト・マーテル》 のハイD♭(Re♭)

[テノールの高音]





ソーニャ・ヨンチェヴァ Sonya Yoncheva (1981.12.25 - ブルガリア)もうタチアナは歌わない.... [オペラ歌手]

 今、人気のソーニャ・ヨンチェヴァ、モンテカルロの1月20日と27日の「マノン」を降板、理由は腰痛、それから、パリ国立歌劇場の「エウゲニ・オネーギン(6/3, 6, 11, 14)」を、タチアナは歌わないということで降板したと話題になっていましたが、あらららら.....理由は不明ですが、3月20日のグリゴーロとのコンサートをキャンセルしました。メトの「椿姫」が、2月の24日〜3月18日(7公演)まであるので、もともとちょっとスケジュールがきつすぎですよね。

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Vittorio Grigolo, Sonya Yoncheva, Pier Giorgio Morandi

 「タチアナはもう歌わない....」というのは、劇場側にいつ伝えたんでしょうね。この公演、前半がネトレプコで後半がヨンチェヴァだったんですけど、劇場側が、チケットの売行きを考えてシランプリしてた可能性も有りかなぁ.....というのは、もともとスカラ座の「ボエーム」とダブルブッキングだったようです。

パリ国立歌劇場:Eugène Onéguine
 2017年5月16, 19, 22, 25, 28, 31 (ネトレプコ)
 2017年 6月3, 6, 11, 14 (ヨンチェヴァ

スカラ座:La bohème
 2017年6月7, 10, 13, 15, 20 / 7月14(ヨンチェヴァ)
 2017年6月30 / 7月3, 5 10 (ペレス)

 ちょっと意外ですが、ヨンチェヴァは、この公演がスカラ座デビューなんです。オペラ歌手は、やっぱり、スカラ座の舞台には立ちたいでしょうね。

グリゴーロとの共演:
ROH「ホフマン物語」(2016.11.7〜28) アントニア
フランスオペラアリア集"The Romantic Hero" ロメオとジュリエットの二重唱
パリ祭(2013.7.14) エッフェル塔広場コンサート
ヴェローナ音楽祭 (2013.6.14〜9.8):☆ Gala Verdi 出演 (2013.7.17) ジルダ
コンサートツァー☆ドルトムント1/12 → ハンブルグ1/15 → ミュンヘン1/18 → ....
ミュンヘンでのコンサート(2011.1.18)の模様がyoutube(上の画像からリンク)でご覧になれます。ビデオを見る限り元気いっぱい大サービスしていますが、体調が悪く、コンサート中止という事態にもなりかねない状態だったようです。それで、ヨンチェヴァに特別に参加してもらったのではないかと思います。プログラムを少し変更して、なんとか公演を乗り切り、コンサートの最後にはグリゴーロ自身から謝罪の挨拶があったそうです。

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OPERALIA - 2010 WORLD OPERA COMPETITION CONCERTO DELLA FINALE DEL CONCORSO/2010.5.2

 ソーニャ・ヨンチェヴァ(1981.12.25 - ブルガリア)は、2010年、28才の時にドミンゴ主催のOperaliaで優勝、ソプラノが優勝したのは、はじめてだそうです。テノールの優勝者は23才のStefan Pop。この時のファイナルコンサートは5月2日にスカラ座で開催されました。ヨンチェヴァはマスネの「マノン」からGavotteを歌いました。(youtube)
 ヨンチェヴァはすでにブルガリアで活躍していましたが、オペラリアでの優勝が、国際的なキャリアにつながったといえると思います。
 夫は、指揮者のDomingo Hindoyan (1980.2.15 - ヴェネズエラ)、2014年10月6日生まれの息子のマテオがいます。

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