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マルセロ・アルバレス(ラダメス・ロールデビュー)のインタビュー(2010.4.23):オペラ歌手のギャラについても一言... [オペラの話題]

Verdi Tenor
 ここ数年の間に、次々レパートリーを広げているマルセロ・アルバレスですが、ロンドンで、4月27日プレミエ、マクヴィカー演出の《アイーダ》でラダメス・ロールデビューです。この公演を控えてのインタビュー、アイーダの演出のこととか、ラダメスについてのインタビューですが、本題よりも後半の部分が面白い.......オペラ歌手のギャラについて、具体的なことも書かれていたりで、興味を引かれました。
 世界的な不況に見舞われている昨今、オペラ歌手も例外ではないということでしょう.....

 1980年代、一声10万円(ドル?)と言われてたパヴァロッティの時代は終わり、今は、歌劇場のギャラの最高額は12年前に固定されたまま変わっていない......アルバレス自身は、トップクラスのギャラをもらっているが、40%は税金にもっていかれるし、エージェントの手数料、ホテル代、宿泊費、アパートメントの家賃の高騰、手元にはほとんど残らない.....貧しくはないけど....世界最高のテノールの生活かどうか......若い歌手たちは、月500ポンド(500×143円=71500円)で歌っているという現実....彼等はどうやって生き残れるんだろう.....



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新国《愛の妙薬》2010.4.15 [オペラ生舞台鑑賞記録]

 おぉ....いつものカーテンではなくて、素敵な色合いのパッチワーク風の紗幕が降りています。アルファベットが並んでいますが、なにか意味があるのかしばし眺めましたが、特別なにもないようです。この紗幕の雰囲気と、演出チームの趣味から、もうこれはポップ調のすっきりくっきり舞台ではないかという予感がしました。予感は的中で、舞台にはElisirの巨大文字と両脇には日独伊の「トリスタンとイゾルデ」の巨大な本、合唱団の衣裳は赤青緑黄色系、ソリストさんたちの髪の毛もネモリーノがニンジン色、アディーナがプラチナブロンド、ドゥルカマーラが緑、ベルコーレが紫ととても賑やか....ドゥルカマーラの登場は、馬車とかバスとかバイクとか....観客にとっては、どのように登場するのか楽しみでもあるわけですが、今回は、プロペラ機......

 実は、私にとっては、《愛の妙薬》は、部分的には面白いところもあるのですが、たいくつなオペラとしての位置づけでした。はじめて面白いと思ったのが、DVDにもなってますが、リヨン歌劇場のゲオ&アラのと、マチェラータ音楽祭のマチャドとエスポージト(シュロットがドゥルカマーラ)のを見てからです。ルッジェーロ・ライモンディが2006年にドゥルカマーラを歌ったこともあって、まったくもって現金ですが、今では好きなオペラの一つに昇格......ということで、新制作でもあり、楽しませてもらいました。

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復活祭企画! テノールの高音:ロッシーニ:《スタバト・マーテル》 のハイD♭(Re♭) [テノールの高音]

 第二ブログに書きましたが、BBC Radio3から復活祭の嬉しいプレゼントがありました。ヴィットリオ・グリゴーロが歌っているロッシーニのStabat Materが放送されました。ローマのバジリカで2004年4月7日にジェルメッティの指揮で演奏されたライブです。
 ロッシーニの《スタバト・マーテル》のテノールのソロの部分"Cujus Animam"にはハイD(Re)♭がありますが、グリゴーロはファルセット(でしょうね?)で、非常に静かに弱音で歌っていました。これはかなりめずらしいのではないかと思います。ほとんどのテノールが(必死で)D♭を普通の声で歌っています。
 ファルセットで歌うと、だいたいが「避けた」とか「逃げた」とか非難されるのがおちなんですね。いいとか悪いとか、正しいとか正しくない...とかは抜きにしても、これは、なかなか聞けない歌い方だと思います。グリゴーロ自身がバチカンでソリストをしていた...という経歴もあるし、私の贔屓のテノールだし、こういう歌い方の方が、次の"inclyti"のフォルテも生きてくるし...聖母の悲しみ、苦しみを表現できるかな......でも、これを他のテノールがやっていたら、「避けた」とか「逃げた」とか言ってしまうのか.....グリゴーロ自身も毎回ファルセットで歌っているかどうかもわからないし......なんて、いろいろ思いますが.....興味のある方は、どうぞ....
☆ジュリーニ指揮:1967年ローマ ☆ジェルメッティ指揮:2004年ローマ
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これは、ファルセットではなく頭声ではないかとのご指摘をいただきました。ずいぶんと細い声なので、ファルセットかな...と思ったのですが......そうなると、胸声とか頭声とかファルセットというよりは、弱音で歌っているかどうかの違いなんですが、グリゴーロ以外は、どのテノールも思いっきりフォルテで歌っているということです.......つまり、フォルテでしか高音を出せないということかな.....ここは弱音で歌うことが可能であれば、その方がいいと思いますけど.....

 普通に歌っている音源はフローレスのがゴロゴロありますが、グリゴーロがまだボーイソプラノだった頃、パヴァッロティと共演してオペラ歌手に憧れたということなので、パヴァロッティのを選んでみました。グリゴーロ以外にファルセットのような静かな歌唱はないかといろいろ聞きましたが、ありませんでした。この部分だけをたくさん聞いていると、この高音を歌うためにけっこう構えているのがわかります。やっぱり、ハイD♭(Re♭)を出すためにかなり緊張するんですね。

◎グリゴーロの"Cujus Animam"、YouTubeで13分くらいから....



 別にもう一つハイD♭(Re♭)を端折って、H♭(Si♭)から歌っているのもあります。
☆プレヴィターリ指揮:1974年ローマ
私がチェックした演奏で2件ありましたから、これは、けっこう一般的なのかもしれません。これが、《スタバト・マーテル》初体験の人は、ロッシーニの楽譜では、D♭(Re♭)があるというのを知らない可能性もあると思います。

 いずれにしてもテノールの高音は、いろいろなにかと話題になります。今まで、keyakiのブログでも《ボエーム》《清教徒》《シチリアの晩鐘》《セビリアの理髪師》を取り上げています。

『テノールの高音』関連記事:
"冷たい手 Che gelida manina"の半音下げの移調は誤摩化し、賞味期限のつけかえみたいなもの...
《清教徒》の3点Re(D):二重唱"vieni fra le mie braccia"☆★MP3
パヴァロッティを偲んで:《清教徒》パヴァロッティ、RR共に初役☆MP3 おまけ3点F
は〜い、ハイDですヨ:ベッリーニ《Il pirata 海賊》
《シチリアの夕べの祈り》テノールの歌のカット ハイDの処理
《セビリアの理髪師》Cessa di più resistere ハイFあり

関連記事:
ロッシーニ の"Stabat Mater"(2004.4.7ローマ) BBC-Radio3で7日間オンデマンド放送
BBC-Radio3でロッシーニ の"Stabat Mater"放送:2004年4月7日ローマで収録
《スタバト・マーテル》放送 MP3
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