SSブログ

2019年9月 ROH引越し公演「ファウスト」「オテロ」☆ ファウストはグリゴーロの予定 [オペラの話題]

第二ブログでもお知らせしましたが、「ROHの内部調査終了」が発表され、その結果、6月のルチアは出演しないことになりました。この結果に追随して2月のメトの「椿姫」も出演しないことが確定しました。しかし、他のヨーロッパの劇場では、全く問題にしていない程度のことを、英米のオペラハウスが大袈裟に騒ぎ立てるのはなぜでしょうか。ROHは当事者で合唱団にストでもされたら怖いというのはあるかもしれませんが、メトの措置は解せません。とにかくこんな結果になって残念です。
参考記事:Vittorio Grigolo dropped by Royal Opera House over 'inappropriate and aggressive behaviour' at curtain call
(2019.12.6)


◎ROHの所謂「組合」からパワハラ?セクハラ?モラハラ?で訴えられて東京公演最終日を降板させられた事件後、スカラ座ウィーン国立歌劇場と普通に出演したグリゴーロ、つまり、騒いでいるのはROHとメトだけ......ということですが、11月23日イタリアのテレビ番組 "Verissimo" に出演。Silvia Toffaninの30分に及ぶインタビューに答えました。グリゴーロの弁護士Bava氏も出演。(下の画像をクリックするとビデオにリンクしています)

クリック:ビデオにリンク

Vittorio Grigolo, tutto sulle molestie. E con una battuta gela la Toffanin a Verissimo
(2019.11.24)



◎9月22日のグリゴーロ の降板理由(詳細は第二ブログ)
 吃驚としか言いようのないことが起こっていたようです。ROHは、私たちに嘘の理由を言ってまで、グリゴーロ を降板させなければならなかったんでしょうか。高いチケットを買ったのは、グリゴーロ のファウスト見たさの方が多いはずです。劇場側の都合で降板させたのなら、希望者には返金するのが当然だと思います。
 誰がリークしたのか、イギリスの大衆紙The Sunの「グリゴーロが、観客の面前で、セクハラだのなんだの」と言う記事があっという間に拡散して、グリゴーロ の今後の予定にも影響が出ています。10月1日からのスカラ座の出演は契約通りと言うことですが、ROH側の対応は、まともなんでしょうか。これが今の世界標準のセクハラの考え方なんですか。セクハラは、本人に自覚がなくても相手がセクハラと感じたらセクハラなんだって言われますが、それだって程度問題でしょう。男の方、気をつけてください。次はあなたの番かも知れませんよ。

※セクハラかハラスメントかどっちで合唱団員に訴えられたのかは分かりませんが、メディアではだいたいセクハラってことになっています。
(2019.9.27)


ファウスト役変更のお知らせ......あらららら、オペラでは、よくあるパターン、特に来日公演とかだと、アンダーを連れてきていたんだ......代役はロシア出身のゲオルギー・ヴァシリエフ Georgy Vasiliev だそうです。
(2019.9.21)



(2019.9.20)


 マルゲリータのレイチェル・ウィリス=ソレンセン Rachel Willis-Sørensen(1984生まれ アメリカ出身)のインスタグラムから、なりきりグリゴーロが面白い.....その他、台風にびっくりした様子もレポートしています。
gri_faust2019tokyo.jpg Rachel_2019faustROH_tokyo.jpg
(2019.9.19)


 9月6日に東京で記者会見が行われました。グリゴーロもダルカンジェロもちゃんと来ましたね。
画像をクリックすると「会見レポート」にリンクしています。写真もたくさんあります。
ROH_pressconference1_fixw_730_hq.jpg
(2019.9.8)


◎The Japan Timesにグリゴーロのインタビュー記事が掲載されました。
The Royal Opera's Vittorio Grigolo is on a mission to bring opera to the masses
by Kris Kosaka/2019.9.3
(2019.9.4)


◎NBSのサイトにグリゴーロのインタビュー記事が掲載されています。
英国ロイヤル・オペラ2019年日本公演 ヴィットリオ・グリゴーロ(『ファウスト』主演)インタビュー

「フランス・オペラも得意にしていますね」という質問に対して、「子どものとき、フランスに住んでいたこともありますので、」とありますが、これは間違いです。14才でローマのフランス人学校の中学Collegeに入学して、高校にあたるLyceeを卒業しています。ですからフランス語は堪能、本人もフランス大好きで第二の母国とも言っています。両親は将来オペラ歌手にしたかったようですから、フランス語を覚えさせたかったんだと思います。グリゴーロは、普通の中学だと思っていたのか、皆がフランス語を喋っているので吃驚したそうです。

参考記事:フランス語とマスネのマノンについて(ヴィットリオ・グリゴーロのトーク)
(2019.8.10)

=  =  =  =  =  


(2019.7.10)


 来日公演の記事を書いたのはなんと3年前(2016.9.2)、いよいよまじかに迫ってきました。マルゲリータがダムラウから知らないソプラノに変わっていますが、グリゴーロとダルカンジェロは来てくれるようです。(NBSのサイト)
 日経に記事が出ました。

ROH2019rainichi.jpg
(2019.7.7)

=  =  =  =  =  

 NBSから2019年9月 ROH引越し公演の概要が発表されました。3年も先のことで、現実味がありませんが、予定されているキャストは超豪華で、特に「ファウスト」は、3年後でもオペラ的に言えばまだまだ旬の若手スター歌手勢揃いです。ジェラルド・フィンリーは、ヤーゴのようですが、「ファウスト」のヴァランタンも歌っていただきたい。
royal_01.png
royal_02_1.jpgヴィットリオ・グリゴーロ Vittorio Grigolo
ディアナ・ダムラウ Diana Damrau
イルデブランド・ダルカンジェロ Ildebrando D' arcangelo

royal_02.png グレゴリー・クンデ Gregory Kunde
ジェラルド・フィンリー Gerald Finlay

上記の演目および出演者は2016年9月1日の予定です。今後、出演団体側の事情により変更になる場合があります。
 だそうです。

 グリゴーロは、今まで、バレンシア(2009年)とROH(2011年)でしか「ファウスト」を歌っていません。しかも両方とも同じマクヴィカーの演出です。どちらも好評でした。
 「一昨年のマノンの成功が、一時的なものではなかったことを証明した......彼の魅力には抵抗できません....彼は、音を着実にむらなく均一に作り 出すことができる。そして “Salut! demeure chaste et pure”を感受性豊かに歌った....彼のJack-the-Ladな魅力は圧倒的だ。彼は、歌うことと舞台が好きで、彼自身の100%を与える...」(Telegraph)
ROHの「ファウスト」:高評価レビュー続々 評論家も興奮

 2011年の「ファウスト」は、LiveCinemaで上映され、ヨーロッパでは今でも時々テレビで放送されています。この際クラシカ・ジャパンでも放送して欲しいものです。以下第2ブログに掲載しているビデオクリップです。

↓  ↓  第2ブログから  ↓  ↓  

 映像のハイライト版を作ってYouTubeにアップしたかったのですが、ROH関連のものは「全世界でブロック」されてしまうので、苦肉の策で、キャプチャー画像に音声をつけてアップしました。改めて見てみるとちょっと画像を早く動かし過ぎで目障りですね.....我慢してご覧下さい。

 ファウストがマルゲリータをしつこく口説く "Love Duet" の場面、グリゴーロとゲオルギューの二人があっけにとられるくらいラヴラヴで、グリゴーロの好き好きオーラ全開です。この場面、けっこう長いのですが、あきさせません。何回キスしてるんでしょ.....今までに世界で上演した「ファウスト」で最多記録でしょうね。



 「ワルプルギスの夜」、悪趣味(でも面白い)なバレエがユニークなんですが割愛、最初の部分だけですが、メフィストが歌う「朝の光が射すまで...」この歌好きなんです。メフィストは女装してます。初演のターフェルは女装というよりそのまんまでドレスを着てるだけって感じでしたが、パーペの女装は、けっこういい人っぽいおばさん風。



 ファウストのアリア「この清らかな住まい」



 Royal Opera House制作の「ファウスト」のトレイラー。2011年のHD上映版をなかなか面白くまとめてます....ニュー・シネマ・パラダイスのようにキスシーンの連続とか。これは、2013-2014シーズン再演の宣伝用で、キャストは、カレイヤ、ネトレプコ、ターフェル、キーンリサードとまたまた豪華でしたが、ネトレプコが降板しちゃったんですよね。



René Pape(Méphistophélès)、Dmitri Hvorostovsky(Valentin)、
Angela Gheorghiu(Marguerite)
、Vittorio Grigolo(Faust
)

☆グリゴーロの「ファウスト」関連記事:[ファウスト]

◎おまけ:ワルプルギスの夜「夜が明けるまで」、バレンシアの舞台写真にRuggero Raimondiの歌をつけました。シュロットのイヴニングドレス似合ってますね。



1971,Metライブ:Ruggero Raimondi(歌唱)
2009,Palau de Les Arts - Valencia:Vittorio Grigolo(写真)、Erwin Schrott(写真)


nice!(2)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 2

コメント 6

barbara

keyakiさん、こんにちは。
本当にあまりに先過ぎて、嬉しい気持ちを抑制するのが大変です(笑)。
フランス物を歌うグリゴーロも大好きなので、待ち遠しいです。
ダルカンジェロとグリゴーロが同時に聴ける幸運が本当に来ると嬉しいですね。ダムラウとは相性も良いみたいですし、マエストロと歌手の奇跡の舞台になる事が予想されます。
World's best Tenorsも無事届いて、勿体ないので少しずつ読み進んでます。読んでいるとウキウキし過ぎてイタリアに飛んで行きたくなるので困ります。Italia.Un Sogno、予算的にも厳しそうなので是非映像で残して欲しいですね。そうすればクラシカ・ジャパンで放映して貰えるかもしれないですし。
by barbara (2016-09-03 12:05) 

keyaki

barbaraさん
ほんとうに、このキャストで実現するのを期待しています。

改めて過去のファウストの批評を読むと大大大好評だったんですね。
2009年のバレンシアのファウストの時のスペインでのインタビューで、
「全盛期は2年位ですぐに消えて行く。 最も良い方法は若い時に才能を発見する事以上に、その才能を管理し、お金の為ではなくその才能に相応しい形で歌う事だ。」
キャリアの初期からのスタンスを貫いているんですね。オファーがくればなんでもかんでも歌うのではなく、自分の声にあったものを歌うって、当たり前なんですが、なかなか難しいことのようですね。

>World's best Tenors
ブログで拝見しましたが、早かったですね。
メーリは、グリゴーロより年上と思っている方がいらして、グリゴーロより若いんですよ...と教えてあげたことがあります。彼の歌は情熱ゼロなので若くても若さがないので、若いと思われないのかも。

>Italia.Un Sogno
成功するといいですね。雑誌のインタビューで、ショーの目的は教育的なもので、学校とか外国でもやりたい.....とも言ってました。
そういえば、私が子供の頃は藤原義江とか砂川美智子が校内演奏会に来てくれていました。

by keyaki (2016-09-03 14:47) 

barbara

2009年のインタビューでそんな事を言っていたのですか!
グリゴーロの自分のキャリアと資質をきちんと理解して、歌手としてぶれないスタイルを貫く所も心から敬意を感じる所です。
まあまあな容姿とそこそこ歌える事で無理をして歌ってしまう歌手、チャンスを逃したくない気持ちもわかりますが、仕事を選ぶ事が継続と成長に繋がるのですよね。それが出来るのも資質の一つですね。

>彼の歌は情熱ゼロ
わかります!マエストロ ムーティに可愛がられているようなのでなるべく好意的に見るようにはしてるのですが、本当につまらないのですよね。継続して聴くと飽きちゃいます。目立つDivaのお相手テノールには適しているのかもしれませんが。

私の母も学生の頃、藤原歌劇団の『椿姫』で藤原義江さんと砂川美智子さんが学校に来てくれてオペラ初体験したそうです。それで一気にオペラに目覚めたと言っていました!その頃多かったのですね。
グリゴーロの演奏を聴いて、"オペラ歌手になりたい!”と思ってくれる子供達が増えるとイタリアの芸術が守られる事にも繋がりますね。
グリゴーロの活動全てを応援したい気持ちになります。
成功して是非日本でもお願いしたいですね。
by barbara (2016-09-03 17:03) 

大友 学

グノーのファウストは、1973年のNHKイタリアオペラが最も印象的です。A・クラウス、ギャウロフ、スコット、サッコマーニらによる伝説的名演を御記憶の方もおられましょう。全編これ優美な、すぐに耳に馴染んでしまうメロディの連続。これほど親しみやすいオペラはないと確信しています。パリのオペラ座で一番上演回数が多い作品であるのもうなづけます。再び外国の名舞台を味わえるなんて、本当に楽しみです!
by 大友 学 (2017-12-08 21:20) 

ネモリーノ

チケット破り捨てました。無念です。

by ネモリーノ (2019-09-21 19:48) 

サンフランシスコ人

「マルゲリータのレイチェル・ウィリス=ソレンセン Rachel Willis-Sørensen.....」

http://archive.sfopera.com/reports/rptOpera-id1997.pdf

2015年、サンフランシスコに登場したのです.....
by サンフランシスコ人 (2019-09-24 01:07) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。