《ドン・カルロ》ドミンゴ、カップチッリ、岡村喬生:ヴェローナ音楽祭1969☆MP3 [ドン・カルロ]
『ドミンゴが、ドン・カルロで
※Verona Arena(1969.7.2録音):Eliahu Inbal指揮
Caballè,Domingo,Cossotto,Cappuccilli,Petkov,Foiani,Okamura
Espace 2のネット放送:ジュネーヴ大劇場《ドン・カルロ》全曲放送★MP3 [ドン・カルロ]
Espace 2は、初めての試聴でしたが、はじまって、15分くらいから、ずーっとではないのですが、断続的に回線状態が悪く、プチプチと途切れて、やっぱりネット放送はベスト・エフォート型サービス....とがっかり。今までの経験から、切断してしまうことはたまにありましたが、こういう聞き辛い状態ははじめてです。
最初は"RSR Espace 2"のホームページの右上のスピーカーマークをクリックして、そこから聞いていたのですが、もしや...と思って、『iTunesのストリーム』に切り替えてみました。これは"OperaCastの"128K MP3"から接続するとMP3のせいだと思いますが、私のパソコンでは『iTunes』が立ち上がることになっています。2幕のエリザベッタとロドリゴが話している場面でしたが切り替えにあたふたして録音は数分の空白ができてしまいました。その間にカルロが出て来て歌も数行欠けてしまいましたが、その後は、全く途切れることなく気持ちよく聞く事ができました。これが、偶然回線状態がよくなっただけで、最初のままでも途切れなかったのかどうかは、分かりません。
おいおいヴィットリオ・グリゴーロの別館にドン・カルロの音声ファイルをアップしたいと思います。こちらで、
★このシーンの解説と3種類の二重唱が聞けます。
1989年メト《 ドン・カルロ》-1-★☆MP3カルロ&ロドリーゴ
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今夜、ジュネーヴ大劇場の《ドン・カルロ》放送 、但し抜粋 [ドン・カルロ]
ジュネーヴ大劇場《ドン・カルロ》ORFで放送:グリゴーロの"カルロ"ハイライト版 MP3(2008.9.1)
今、終りました。慌てて直しましたが、下記の「お知らせ」で開始時間を大ウソ書いてました.....
抜粋でしたが、よく考えれば、ドン・カルロが目立って歌う場面をちゃんと放送していたと思いますので、ヴィットリオ・グリゴーロの紹介みたいなものだったのかもしれません。あとは、9月6日に予定通りにEspace2で放送してくれることを祈るのみです。(2008.8.31:22:45)
緊急のお知らせ!(2008.8.31:20:20)
ジュネーヴ大劇場の《ドン・カルロ》放送
Ö1 Programm So, 31.08.2008:ウィーン現地時間:8月31日(日)15:06〜
日本時間:8月31日(日)22:06〜
抜粋で、しかもデンマーク王立劇場の《ドン・カルロ》と混ざってます。
キャスト:Stephen Milling, Irene Theorin, Nikolai Shukoff, Randi Stene, John Lundgren u. a. (aufgenommen im Königlichen Opernhaus Kopenhagen am 8. Dezember 2007)
スカラ座創立200年記念《ドン・カルロ》イタリア語5幕特別版2幕VideoClip [ドン・カルロ]
《ドン・カルロ》5幕版の1幕について:チョン・ミュンフン指揮 [ドン・カルロ]
↑VideoClip: RRドキュメンタリーより |
前の記事で紹介しましたが、『ヴェルディが初演前に削除した冒頭部分を復活させた演奏が、1975年ミュンヘンでも上演されていました。』....と、プレートル指揮の音声ファイルをアップしましたが、また、また手持ちの音源で、このタイプのがありました。やっぱり、「イタリア語5幕版といっても、とにかく見てみなきゃ、聞いてみなきゃわからん....」ということです。
今回の演奏は、1988年4月、指揮は、チョン・ミュンフン(1953.01.22- )、ボローニャ歌劇場です。この公演は、R.ライモンディのドキュメンタリービデオでちょこっと紹介されていたのですが、ずーっと詳細が不明でした。ところが、ネットのお蔭で、2006年に主要キャストが判明、更に、最近、inHouseながら録音をシェアすることができました。ありがたいことです。
この公演については、録音を提供してくださった方が、次のように紹介しています。
「ボローニャ歌劇場の過去20年の公演の中でもとても優れたプロダクションだと思います。これはイタリア語5幕版で、通常は省かれる一幕の最初にシーンと、3幕の『王妃の庭』の場面のバレーが含まれています。チョン・ミュンフンは、すばらしいキャストを指揮しました。特にオルドネスは完璧なコンディションでドン・カルロを歌っています。また、ロドリゴ役のコーニも、1993年のムーティ指揮の※スカラ公演より、はるかにすぐれています....Buon Ascolto」
※パヴァロッティが、ドン・カルロ初役で、DVDも発売されています
1988年チョン・ミュンフン指揮《ドン・カルロ》イタリア語5幕版の1幕冒頭の音声ファイルをアップします。
★Myung-Whun Chung指揮:RR,Millo,Coni,Casolla,Ordonez
♪音声ファイル:5幕版1幕冒頭部分:きこりたちの重苦しい嘆きの合唱で始まり、エリザベッタが登場して貧しい人たちに実際に語りかける
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
ついでに♪音声ファイル:カルロとロドリゴの二重唱
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
★参考Don Carlo 楽譜
ついでの話:
VideoClipで、ライモンディが、アーケード(柱廊)を通って、ボローニャ歌劇場にスタスタ歩いて行っていますが、ライモンディの家は、ボローニャのチェントロ、Piazza Maggioreの近くの"Via della Zecca"にあって、劇場とは徒歩で10分程度の距離です。現在、ライモンディ自身はモンテカルロに住んでいますが、彼の育った建物の階下は、ホテルになっているそうです。この地域は、中世の町並みが残っていて、建物の側面にアーケード(柱廊)があり、大きめの建物は中にも通り抜けのできる回廊があります。地図(ボローニャ歌劇場とチェントロ)
参考: フィリッポII(ドン・カルロ)主な公演 1968ー2003
ヴェルディ:ドン・カルロ録音
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1977〜79年スカラ座《ドン・カルロ》死神の山車! VideoClip
《ドン・カルロ》の公演記録追加:トムとのツーショット
1989年メト《 ドン・カルロ》-1-Mp3カルロ&ロドリーゴ の二重唱いろいろ
フィリップ二世《ドン・カルロ》-Ruggero Raimondi Mensch und Maske-
《ドン・カルロ》5幕版の1幕について:ジョルジュ・プレートル指揮 [ドン・カルロ]
アバド指揮のスカラ座創立200年記念《ドン・カルロ》イタリア語5幕特別版の1幕について、前の記事で紹介しましたが、これと同様の形態、つまりヴェルディが初演前に削除した冒頭部分を復活させた演奏が、すでに1975年ミュンヘンで上演されていました。プレートル指揮、シェンク演出の《ドン・カルロ》です。
イタリア語5幕版といっても、1886年版またはモデナ版を基にしてはいますが、いろいろあるようですし、ミラノ版または4幕版といわれるものもロマンツァの二節目がカットされたり、ロドリーゴが死んだ後、カルロとフィリッポの二重唱が復活されたり......とにかく見てみなきゃ、聞いてみなきゃわからん....ということのようです。
スカラ座創立200年記念《ドン・カルロ》イタリア語5幕特別版1幕VideoClip [ドン・カルロ]
アバド指揮、ロンコーニ演出 イタリア語5幕版第1幕前半(期間限定) |
前の記事にも書きましたように、プレミエのTV中継はカラヤンの要望?妨害?で断念したものの、一ヶ月後の1978年1月7日に、隠し球のドミンゴとM.プライスでTV放送をすることに成功しました。
それにしても、この《ドン・カルロ》は特別版ですから、その日に駆けつけて歌うというわけにもいかなかったと思いますが、よく引受けましたよね。ドミンゴは、ドン・カルロは1967年からレパートリーにしていますし、レコーディングもしていますので、慣れた役だとは思いますが、12月18日から初役の《ウェルテル》でミュンヘンの舞台に立っていたようですから、その合間をぬって練習したんでしょうか。
スカラ座創立200年記念公演《ドン・カルロ》TV中継にカラヤンがNo! [ドン・カルロ]
1978年は、ミラノ・スカラ座創立200年。そこで《1778 STAGIONE DEL BICENTEMARIO 1978》と銘打って、1977-78シーズンは、アバド指揮、ロンコーニ演出のイタリア語特別5幕版《ドン・カルロ》で幕開けしました。この開幕公演を欧州各国にTV中継することになっていたのですが、カラヤンの横やりで中止に追い込まれたんだそうです。
12月31日の記事のコメントに詳しく書かれていますが、こんな事情があったとは今の今まで知りませんでした。しかし、世界初の特別版《ドン・カルロ》のプレミエが収録されていないのは、なんか変だな....と思っていましたので、長年の疑問が解決して、すっきりしました。情報ありがとうございます。当時は日本の音楽メディアでも話題になったそうですが、私はといえば、育児書ばかり読んでいた頃で、しかもオペラには全く関心がなかったんですよね。
1977〜79年ミラノ・スカラ座《ドン・カルロ》フィナーレ 死神の山車! [ドン・カルロ]
↑VideoClip:1978年 ミラノ・スカラ,アバド指揮 |
29日の記事でも、1977〜79年ミラノ・スカラ座、アバド指揮の《ドン・カルロ》を取り上げましたが、その映像を手に入れましたので、めずらしいフィナーレの部分を紹介します。
この映像は1978年1月7日の公演で、主要キャストは、ネステレンコ,ドミンゴ、ブルゾン、M.プライス、オブラスツォワ....どういうことでこの日の舞台がテレビ中継されたのかは不明(イタリアで放送されたのかどうかもわかりません)ですが、みんな若い! でも....ああぁ、なんでライモンディじゃないの!残念!です。
1989年メト《 ドン・カルロ》他-9-★☆いよいよ最後☆めずらしい終幕もアップ [ドン・カルロ]
♪1989年メト《 ドン・カルロ》録音入手記念記事 その9 終わり
↑1989年ウィーン:VideoClip 写真は1979年カラヤンのもの |
左写真をクリックするとVideoClipにリンクしています。暗くてほとんど見えませんが、最後の場面とカーテンコールです。
「その6」でも紹介したオーストリアの音楽評論家カール・レーブル Karl Löblのクラシック音楽番組の一部ですが、1989年ウィーン国立歌劇場で、久々にアバド指揮、ピッツィの新演出の《 ドン・カルロ》が上演されたので企画された番組ではないかと思います。ウィーンでは、1982年以来,実に7年ぶりの上演でした。
過去記事でも話題にしましたが、この演出は、未だにウィーンで上演されていますが、どうやら最後にカルロが、自分の短剣で胸を刺す演出に変えられているようです。プレミエでは、台本通り、修道院に引き込まれています。
1989年メト《 ドン・カルロ》他-8-★☆ロドリーゴの死☆フィリッポとカルロの二重唱 [ドン・カルロ]
♪1989年メト《 ドン・カルロ》録音入手記念記事 その8
3幕2場(4幕2場/5幕もの)
■獄中の場
♪音声ファイル(1):Son io, mio Carlo
反逆罪で牢に入れられたカルロのもとにロドリーゴがやって来る。カルロは会えたことを喜ぶのだが、「もうなにする気力もない、エリザベッタへの恋に苦しみぬいて死ぬだけだ、あとは頼む..」とあきらめている。「こんな所からは,早く出なければいけません。私は、あなたを救ったのです...」とロドリーゴ。「えっ、どういうことですか?」とけげんそうに尋ねるカルロ。
「おぉ、カルロ、お別れを言いに来ました。
1989年メト《 ドン・カルロ》他-7-★☆むごい運命よ(呪われし美貌) [ドン・カルロ]
♪1989年メト《 ドン・カルロ》録音入手記念記事 その7
3幕1場(4幕1場/5幕もの):フィリッポII世の書斎
■エリザベッタが駆け込んでくる
♪音声ファイル(1)
エリザベッタが宝石箱が盗まれた....と駆け込んできます。フィリッポは、これかな...と机の上の宝石箱を見せ、それをこじ開けます。そこにはカルロの肖像画が大事にしまってあるではないですか....なんということを、まさか息子のカルロと....。エリザベッタは困惑するものの、毅然とした態度で、身の潔白を主張します。しかし、フィリッポは、なんとそらぞらしい、恥知らずめ!と怒りに震えるフィリッポ。私は間違ったことはしていません....。不貞の妻が何を言うか!あまりの言葉にエリザベッタは気を失います。あわてて助けを呼びます。エボリが駆けつけ、気絶した王妃を見て、大変なことをしてしまった...と後悔します。実は、宝石箱を盗み、あらぬ不貞を告げ口したのは嫉妬に狂ったエボリだったのです。陛下!世界のなかばを支配するあなたが、ご自分を抑えることができないのですか? とロドリーゴ。
1989年メト《 ドン・カルロ》他-6-★☆フィリッポのアリア〜大審問官との問答 [ドン・カルロ]
↑三者三様フィリッポのVideoClip |
いよいよ、というかやっと、バス歌手になったからには一度は歌ってみたいというアリア「王妃は、私をもう愛していない....」のある場面、3幕(4幕/5幕もの)です。
オーストリアの音楽評論家カール・レーブル Karl Löblのクラシック音楽番組でフィリッポ歌いとして実力、人気のある3人の歌手を紹介しています。このVideoClipは、前にも紹介しましたが、それぞれ個性があって、なかなか面白い試みなので、再度アップします。
恐らく、1989年ウィーン国立歌劇場で、久々にアバド指揮、ピッツィの新演出で《 ドン・カルロ》が上演されるので企画された番組ではないかと思います。ウィーンでは1982年以来、7年ぶり上演です。ライモンディは、新演出のものですが、あとのネステレンコとギャウロフは、1982年のカラヤン演出のものです。
1989年メト《 ドン・カルロ》他-5-★☆MP3 Autodafè 1979年カラヤン指揮 [ドン・カルロ]
♪1989年メト《 ドン・カルロ》録音入手記念記事 その5
2幕2場(3幕2場/5幕もの):壮大かつ最も劇的な場面。演出はなかなか難しいようです。
■大フィナーレ:Autodafèの場(異端者火刑の場)
マドリッド中心部にあるアトーチャ聖母大寺院前の広場、中央には、異端者処刑のための火刑台が作られている。
↑VieoClip:フランドルの使節の直訴に怒るフィリッポ
1989年メト《 ドン・カルロ》他-4-★☆MP3 カルロ,エボリ、ロドリーゴ [ドン・カルロ]
♪1989年メト《 ドン・カルロ》録音入手記念記事 その4
★参考Don Carlo 楽譜
2幕1場(3幕1場/5幕もの):
あぁ、勘違い、その上暗くて間違っちゃったの巻
(シコフ、トロヤヌス,ヴァイクル)
■王宮内の王妃の庭園
「真夜中に、王妃の庭の月桂樹の下で、待ってます....」この手紙でエリザベッタが待っていると早とちり、それはそうでしょう、エボリが呼びだしたなんて夢にも思わないのが当然。
1989年メト《 ドン・カルロ》他-3-★☆MP3 ロドリーゴ&フィリッポ [ドン・カルロ]
♪1989年メト《 ドン・カルロ》録音入手記念記事 その3
■サン・ジュスト修道院前の広場 の続き
エリザベッタは、悲しみをこらえてお付きの者と共に退場。
ロドリーゴもその場を立ち去ろうとしますが、国王フィリッポに、待て!と呼び止められます。そなたのような高貴な血筋の軍人が、なにもしないで留まっているとは...私がしてやれることはないか...とフィリッポ。
♪以下のシーンは、こちらのビデオクリップでご覧になれます。暗くてほとんど見えませんが....1989年ウィーン、アバド指揮、ピッツィ演出です。この時がプレミエですが、今でもこの演出で上演されているようです。
それではとフランドルの惨状を訴えるロドリーゴ。しかし、平和のために改革派どもに鉄槌をくだしたのだ、血によって平和が得られるのだ、死もまた、わが手にかかれば、豊かなものとなり得るのだ....とフィリッポ。
1989年メト《 ドン・カルロ》他-2-★☆MP3 エボリ、エリザベッタ&カルロ [ドン・カルロ]
♪1989年メト《 ドン・カルロ》録音入手記念記事 その2
1幕2場(5幕ものなら2幕2場)エボリ、エリザベッタ、カルロ,フィリッポ全員登場します。
エボリはメゾソプラノにとっては、魅力的な役ですから、人気の高い歌手さんがやることが多いんでしょうね。今回は、コッソット、トロヤヌス、ファスベンダー、バルツァ、ボロディナの歌をアップしました。拍手もカットしないでそのままに...バルツァ、これは、カラヤンがしびれを切らして見切り発車してます。
エリザベッタも定評のあるフレーニ、M.プライス、リッチャレッリ。2006年のメトのRacetteは、私にはお初、見た目はいいのかな? ライモンディに言わせれば、数をこなせばうまくなる...というものでもないようですけど、今後の成長を期待というところでしょうか。今年6月のボローニャの《ファルスタッフ》のアリーチェさんでした。失礼しました。ネット放送で聴きましたが、すっかり忘れていました(その時の記事)。写真を見る限りでは別嬪さんです。
1989年メト《 ドン・カルロ》-1-★☆MP3カルロ&ロドリーゴ [ドン・カルロ]
バス歌手なら一度は歌ってみたいフィリッポII世...ライモンディは、27歳から30年以上にわたって主要レパートリーの一つとして歌っています。従って、共演者も様々、共演者の一覧表なんてのを作っています。 ところで、数日前に、1989年メトロポリタン歌劇場の録音を手に入れることができました。
Don Carlo................ Elizabeth of Valois.... Rodrigo.................... Princess Eboli.......... Philip II................... Grand Inquisitor....... Celestial Voice........... Friar........................ Tebaldo................... Conductor................ February 11, 1989 キャスト詳細............. |
Neil Shicoff Margaret Price Bernd Weikl Tatiana Troyanos Ruggero Raimondi Jan-Hendrik Rootering Hei-Kyung Hong Michael Devlin Diane Kesling James Levine Matinee Broadcast ★メトデータベース |
『ヒゲのオタマジャクシ世界を泳ぐ』《ドン・カルロ》フィリッポII [ドン・カルロ]
先日の記事で紹介した『ヒゲのオタマジャクシ世界を泳ぐ』は、Ceciliaさんのブログでも「はらはらドキドキおすすめの一冊です」と紹介されています。
小田実の『何でも見てやろう』のオペラ歌手版のようなもので、今とは、ずいぶん時代が違う、古き良き時代ということかもしれませんが、オペラに興味のある人には、面白い本です。小沢征爾の「ボクの音楽武者修行」もほぼ同じ時代ですが、この頃は、海外に行くだけでも大変なことだったんですよね、ほんと。
岡村喬生は、日本風に言えばライモンディのことを「同門のおとうと弟子」と言っているように、年は10歳も離れていますが、同時期にサンタ・チェチリア音楽院に在籍していました。ですから、ライモンディのローマ時代の先生だったマリア・テレサ・ペディコーニ先生とか、ピエルヴェナンツィ先生の名前も出てきますし、レナート・ファザーノが、サンタ・チェチリア音楽院の学長でした。
《ドン・カルロ》フィリッポII世の映像 [ドン・カルロ]
《ドン・カルロ》のフィリッポII世は、バス歌手にとって重要な役でもあり、一度は歌ってみたい役でもあるようです。
岡村喬生の著書『ヒゲのオタマジャクシ世界を泳ぐ』にも、ついにケルンで、フィリッポを歌った時の感激が書かれています。フィリッポのアリア"Ella giammai m'amò!"を知って、20年目にやっと念願がかなったとか。このアリアは、"E"音が楽々出ないと無理で、岡村喬生は、高音が苦手で、オペラ歌手として舞台に立ちながら、高音が出せるようにレッスンを続け、15年目に"F♯"まで出るようになり、ケルン歌劇場のオーディションで、このフィリッポのアリアを歌って、専属第一バス歌手になり、紆余曲折20年目にケルンでフィリッポを歌ったということです。そうそう、岡村喬生は、ローマに留学してついた先生が、 サンタ・チェチリア音楽院のペディコーニ先生で、「.....私が恩師ペディコーニ先生のレッスンを受けている時、同じバスの背の高い、歌をまだはじめたばかりの青年が横でおとなしく聴いていたのが目に浮かぶ。真摯なその青年がライモンディ(16か17歳)だった。今は、押しも押されもしない、イタリアを代表する世界的なバス。偉くなったものである。....」と語っています。その後、岡村喬生もライモンディもピエルヴェナンツィ先生のレッスンを受けているんですね。
※愉快なピエルヴェナンツィ先生のエピソード:
エピソード:声楽授業(8)ローマ編(ピエルヴェナンツィ先生)
エピソード:声楽授業(9)ローマ編(ピエルヴェナンツィ先生の初レッスン)