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ジョセフ・カレヤのニューアルバムから「アリヴェデルチ ローマ」 [オペラ歌手]

 ジョセフ・カレヤ Joseph Calleja のニューアルバムがリリースされたようです。"Be My Love: A Tribute to Mario Lanza"というタイトルなので、マリオ・ランツァのレパートリーを網羅しているんでしょうね。イタリアのRadio3のLa Barcaccia で紹介していましたので、"Arrivederci Roma"の部分だけアップします。
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★カレヤ:La Barcaccia 2012.10.8放送から
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★グリゴーロ:CD"Arrivederci"から
 マリオ・ランツァが英語で歌ったのかどうか知りませんが、なぜわざわざ英語バージョンなのか、カレヤはマルタ出身ですが、マルタって公用語が英語(イタリア語だと思っていましたが)だそうですけど.....ヴィットリオ・グリゴーロの昨年発売のアルバム "Arrivederci" で "Arrivederci Roma"を歌っているから英語にしたのかな....."La Barcaccia"の二人も「英語だ...イタリア語じゃない」とつぶやいていますよ。アリヴェデルチはグリゴーロが歌っているね...と言ってますので、ついでにグリゴーロの"Arrivederci Roma"もアップします。この番組では続いてカヴァレリア・ルスティカーナの" "Mamma, quel vino è generoso"も流しています....こちらで、"LA BARCACCIA del 08/10/2012"をクリックすると聞けます。

 ジョセフ・カレヤは、評判も上々のようですし、今後更に活躍する若手テノールの一人だと思います。カレヤの声も歌もなんかもっさりしていて、私は魅力を感じませんが、安定していて良いテノールだと思います。
 ドイツのジャーナリストが「最近のテノールのCD事情」というタイトルでこんなことを書いています。

『ビラゾンの休業で漁夫の利を得たのが、マルタ人のヨゼフ・カレヤとかポーランド人のピョートル・ベチャラのような二番手のなかなか良い歌手だ。もちろん声はすばらしいのだが、彼らには舞台でのカリスマ性がない。舞台ではビラゾンの代役を延々と務 めて彼を凌駕したけれど、カレヤはデッカからの二枚(2004年と2006年)のレコードのあとお呼びがかからないし、ベチャラは小レーベルのオルフェオで素敵なCDを複数出したに過 ぎない。』

 これは2010年の記事ですが、カレヤは、ここにきてデッカから2011年、2012年と立て続けにCDを出しています。カレヤとグリゴーロは、コンサートで一緒に歌ったこともあるんですよ。レパートリーもかぶっていますが、カレヤの方が日本も含めてあっちこっちでいろいろ歌っているので、知名度が高いかも.....グリゴーロより働き者だし(グリゴーロは、シーズン発表で決まっていたオペラをなぜか次々キャンセル).....

関連記事:
ビリャソン 2度目の休業★☆ドミンゴのOperalia'99 テノール三羽烏-Villazon-filianoti- Calleja
最近のテノールのCD事情(カウフマン、ベチャラ、カレヤ、グリゴーロ)
新国《愛の妙薬》2010.4.15
プッチーニ・ガラコンサート: Teatro Pérez Galdós(2008.12.16〜)
ボローニャ歌劇場《一日だけの王様 un giorno di regno》イヴレーア伯爵 (2001.4.4〜22)
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コメント 6

助六

お久しぶりです。

カレヤはパリにも来年初め「ランツァへのオマージュ」と題するオケ晩リサイタルで来演するんですよね。プロモーション・ツァーの一環なんでしょう。私は都合が悪く行けませんが。

ランツァには全編伊語で歌ったヴァージョンもカレヤが今回やってるように出だしだけ伊語で始めて後は英語というヴァージョンもあります。
カレヤもランツァの例に倣うという口実があると同時に英語圏客受けも狙ったんじゃないかな。

マルタはマルタ語(マグレブ系アラビア語に近いとか)、英語の2ヶ国語が公用語で、伊語は通用語の一つということらしい。
マルタ語はEUの23公式言語の一つですから、ブリュッセルではEU官僚の翻訳官が全文書をマルタ語に訳してるわけで、気が遠くなりますね。
地中海ヴァカンスを兼ねた英語講習を売り込んだりしてますね。
私はマルタに行ったことありませんが、行った英語の達人の話では、一般の人の英語はやはり結構訛りがあるということでした。
パリのマルタ観光局に資料をもらいに行った時におばさんに訊いたら、「伊語もまったく大丈夫」との返事でしたが当然実態は知りません。

10年ほど前マルタ出身のソプラノ・ミリアム・ガウチは仏ラジオのインタヴューに普通にきれいな英語で答えていたのを覚えています。

若手ではソプラノのクレア・デボノがマルタ出身ですね。クリスティ門下で今のところバロックが主ですが。

>カレヤの声も歌もなんかもっさりしていて、私は魅力を感じません

私は彼は07年にチョーフィとのオケ伴ジョイント・リサイタルと09年にネトレプコの相手で「トラヴィアータ」上演を歌うのを聞いただけですけど、いや正にそういう感じ。
声はややパリトンっぽい音色で太め、量感もあるんですが(「Arrivederci Roma」の録音より実演はより厚く聞こえます)、ニュアンスが見事にゼロで何か幹がおっ立つというか、ぬぼーとしてますね。

「Arrivederci Roma」は音色・ニュアンス・品、すべての点でグリゴーロの方がはるかにいいですね。
やはり何か「ぬぼー」としているランツァに近いという意味では、カレヤの歌唱は趣旨に合ってるのかも知れませんが(笑)。

ビリャソンも07年パリのホフマンだけは心底感心しましたが、その他は特に感心したことはないので、ほんとに一番手なのかやや疑問も残ります。07年のホフマンも私が見た最終日は大好評でしたが前半の数回は不安定だったと聞きます。
ビリャソンの最近の動向は知りませんが、最後に聞いた10年4月のピアノ伴(グリモー!)リサイタルがもし復帰後の彼の声の真実であるならば、かなり厳しいと思います。

ベチャワは2000年に初めてパリで聴いた時には(当時は確かチューリッヒの座付きだった)タミーノでさえレガートがボロボロに欠けてしまう状態だったので、08年のベルリンDOBの「仮面」新演出で独3紙誌がこぞって彼をブチ上げてたのには(1紙は『パヴァロッティ以来』とさえ!)仰天しましたが、その後も10年の「売られた花嫁」、今年12年2月の「リゴレット」とも何てことありませんでした。でも今夏のロドルフォはまあ結構イタリアッぽい声を聞かせてくれました。相手のネトレプコの方が発声はよほどスラヴ。ただネトレプコは終幕の表現力は中々でそれなりに感心したんですが、そういうわけで私はベチャワの実力は未だ分からず仕舞いです。

でもそう言えばビリャソン、カレヤ、ベチャワの3人ともドル箱ソプラノ・ネトレプコの相手を務めてるわけだから、事実としてはブルックの言ってる通りではありますね。
グリゴーロはネトレプコとは共演してるの?
by 助六 (2012-10-17 01:18) 

keyaki

助六さん
今のテノール事情は、ブルック氏の言う通りだと思います。
しかし、二番手というのは、なんかかなりラッキーなかんじがします。
「そこそこ」を好む人が多いし、評論家も、まあまあであれば叩いたりしない、そもそも最初から要求するものが低いんだと思います。

カレヤは、新国でネモリーノを歌ってくれましたが、楽しくないんですよね。ちょっと長い歌だとたいくつしゃちゃう。
上の記事にリンク貼ってますが、
「テノール三羽烏-Villazon-filianoti- Calleja」のビデオでもカレヤの歌はたいくつ.....ニュアンスに欠けると言うことでしょうね。

>グリゴーロはネトレプコとは共演してるの?
ROHでビリャソンの代わりに「マノン」に出ましたよ。
これで、オペラ歌手としてのグリゴーロの評判、知名度が一気に上がりました。ネトレプコ人気をかっさらった伝説の公演だったんですよ。
フランス人のレビューでも、ネトレプコのフランス語はダメだけどグリゴーロのはいいとほめられてましたし。
今、スカラ座で「ボエーム」をやっていて、4人のミミ(ゲオルギュー、アグレスタ、ハルティッヒ、ネトレプコ)と二人のロドルフォ(ベチャワとグリゴーロ)ですが、グリゴーロはネトレプコ以外の3人のミミの相手をつとめます。意図的かたまたまかは分かりませんが。(ネトレプコ、ちゃんとでるのかなぁ?)
ソプラノ好きの助六さんは、もうご存知かもしれませんが、マリア・アグレスタは、メゾから転向したソプラノだそうですけど、評判がいいようですよ。
来年早々のメトの「リゴレット」もベチャワとグリゴーロなんですけど、HD上映がベチャワというのは、納得できないですね。ザルツブルグの「ボエーム」はBSで放送しましたが、ベチャワの変身振りに吃驚、顔だけ妙に痩せていて、老けただけかもしれませんが、健康上なんか問題あるのかと思いました。彼の公爵は見たくないです。多分歌も「そこそこ」のレベルだと思いますし。
by keyaki (2012-10-17 09:24) 

momo

カレヤは今年のスカラ座の来日公演でもマントバ公を歌う、という事ですが、ホントに来るんでしょうか?なんかプロムスの7日の晩のコンサートで歌う、とかいう話ですが、、、。日本公演は9日ですよね。NBSは何も変更してないし、、、。

代わりにグリゴロが来るといいですね。。ていうのは彼に失礼でしょうか?
by momo (2013-05-05 20:43) 

masi

今ミラノでニーベルンクの指輪を鑑賞しています。昨日はジークフリートでした。終演後レストランで食べていたらバレンボイムがやって来たのですが同伴者はなんとグリゴーロでした。
by masi (2013-06-28 14:42) 

keyaki

masiさん
ミラノで連日ワーグナー三昧とは何と贅沢な。
27日の夜に、バレンボイムとですか…
ベルリンのDOBでは歌っていますが、リンデンの方はいつも立ち消えになってますから、バレンボイムに口説かれてたのかなぁ。
グリゴーロは、29日にジェノヴァのPortfinoで開催された癌の研究協会のチャリティーディナーショーで歌ってますから、ミラノあたりにいるんですね。

by keyaki (2013-07-07 20:57) 

masi

二人はまるで親子の様に活談していました。
ワルキューレの終演後にもバレンボイムが現れたので,サインをねだったら『とても疲れているんだ』と言うので引き下がろうとしたら,『何処から来たの』と聞くので『わざわざ日本から』と答えたら,『それじゃあ,』と言ってサインしてくれました。このときはレネ・パペとワルトラウト・マイヤーも一緒でした。神々の黄昏の後は誰も現れなかったので,舞台上で打ち上げをしているのかな、と思いました。
とても素晴らしく,凄まじく,言葉ではいい表せられないリングでした。全員の気合いの入り方が並外れていました。良く思うのですが、スカラのイタオペはルーティンに感じられ,それはそれで素晴らしいのですが,彼らが本気を出して取り組むのはそれ以外のレパートリーではないかと。例えば三月に上演された『犬の心臓』と言う現代オペラは本当に面白く,もう一度見たいと思った程です。昨シーズンで最も良かったと思うのは『影の無い女』で、イタリア人も熱狂していました。

by masi (2013-07-16 18:39) 

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