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チューリッヒ歌劇場 ペレイラからホモキに....新体制の2012-2013シーズン発表(2012.3.1) [オペラの話題]

 20年に及ぶ、アレキサンダー・ペレイラ(1947.10,11-ウィーン)の時代が終わり、インテンダントは演出家のアンドレアス・ホモキ(Andreas Homoki, 1960.2.16 - ドイツ)、音楽監督ファビオ·ルイジ(Fabio Luisi,1959.1.17.ジェノヴァ) というチューリッヒ歌劇場新体制のシーズン発表がありました。ここ数年チューリッヒに出演していたヴィットリオ・グリゴーロもルッジェーロ・ライモンディも出演しないので、記事にするのはパスするつもりでした。しかし、出演歌手を見ていて、国際的に知名度の高い歌手がほとんど消えているではないですか......各シーズン12以上の新演出オペラを舞台にのせ公演数の多さと新人からベテラン、人気歌手を取り揃え歌手の層が厚いのがチューリッヒ歌劇場の特徴だと思っていましたが、ペレイラとともに去りぬ.....みたいです。その代わりに、喧嘩して出て行ったエディタ・グルベローヴァが戻ってきましたが、彼女も65才ですからね.......
 ホモキは、「リハーサルの時間を多くとってアンサンブルを充実させたい」と述べていますが、来シーズンは新演出11(世界初2演目を含む)、再演20、今シーズン(新演出13、再演22)となっています。詳細はこちらでPDFをダウンロードしてご覧いただくとして、簡単にまとめてみました。

新演出11(100+α)
☆イエヌーファ(10) 2012年9月23,26,30/ 10月4, 7, 16, 20, 24, 28, 31日
 Fabio Luisi/Patrick Lange指揮,Dmitri Tcherniakov演出
 Kristine Opolais,Michaela Martens,Hanna Schwarz,Christopher Ventris,Pavol Breslik

☆ヘンデルプロジェクト"Sale"(世界初演)(10) 2012年11月4,7,9,11,14,18,20,22,25,27日
 Laurence Cummings指揮,Christoph Marthaler演出

☆Frank Schwemmer:DIE SCHATZINSEL子供のためのトレジャーアイランド(世界初演)(17)
 2012年11月17,25/12月2,4°,8,11°,14°,16,30,31/ 2013年1月2,12/4月21/5月9,20/6月9/7月13
 Thomas Rösner指揮,Nadja Loschky演出

☆さまよえるオランダ人(13) 2012年12月9,12,19,23,26*,29/ 2013年1月2*,5,11,17,23/7月3,5日
  A.Altinoglu指揮,A.Homoki演出/Bryn Terfel,Anja Kampe,Liliana Nikiteanu,Matti Salminen

☆リゴレット(10) 2013年2月3,5, 8,10,13,17,26/6月29 /7月11,13日
 F.Luisi指揮,T.Gürbaca演出/Saimir Pirgu,Quinn Kelsey,Aleksandra Kurzak,Christof Fischesser

☆三人姉妹Drei Schwestern/Peter Eötvös(6) 2013年3月9,15, 24*/ 4月3, 5,11,14*日
 Michael Boder指揮, Peter Sommerer指揮,,Herbert Fritsch演出/I.Rusko,A. Goryachova,J. Riley,N.Rebeca Olvera

☆ムツェンスクのマクベス夫人(10) 2013年4月7,10,13,17,20,23,28/ 5月3/ 6月19, 21日
 Teodor Currentzis指揮,Andreas Homoki演出/Tatjana Serjan,Kurt Rydl

☆ドン・ジョヴァンニ (11) 2013年5月26.29/ 6月1,4,7,9,14,20,22,25,27日
 R.Ticciati指揮,S.Baumgarten演出/P.Mattei.M.Rebeka,P.Breslik,R.Siwek,J.Kleiter,R.Drole,A.Goryachova

☆ベッリーニ:異国の女 La straniera (6) 2013年6月23,28/ 7月2, 6, 10, 14日
 F.Luisi指揮,C.Loy演出/Edita Gruberova,Veronica Simeoni,Gregory Kunde,Franco Vassallo

★寛容なソクラテス Der geduldige Sokrates(6) 2013年4月25,27/ 5月2,4,6,8日
 Christopher Moulds指揮,Claudia Blersch演出

★タヒチ島の騒動 Trouble in Tahiti/バーンスタイン (1+α) 2012年9月22+未定
 Tom Barthel指揮,Aglaja Nicolet演出


再演20(92)
・サロメ(6) 2012年9月27,30*/ 10月5/ 6月16*/ 7月 7,14日
 C.Meister指揮,Sven-eric Bechtolf演出/Nicola Beller Carbone,Tómas Ttómasson

・ロベルト・デヴェリュー(4) 2012年9月28 / 10月9, 14, 19日/A.Yurkevich指揮,G.del Monaco演出
 Edita Gruberova,Veronica Simeoni,John Osborn,Alexey Markov

・トスカ(6) 2012年9月29*/ 10月6, 10/ 12月18, 22, 31/2013年1月6日
 F.luisi/M.Armiliato指揮,R. Carsen演出/C.Naglestad,M.Giordani,L.Gallo/t.hampson

・ルチア(6) 2012年10月21,27, 30/ 11月3,11*,16日
 Karel Mark Chichon指揮,Damiano Michieletto演出/Alexey Markov,Jane Archibald,Ismael Jordi

・フィガロの結婚 (6) 2012年11月6,10,18,23/ 12月1,4日/C.Hogwood指揮,Sven-Eric Bechtolf演出
 Christopher Maltman,Rachel Harnisch,Martina Janková,Ruben Drole

・仮面舞踏会 (6) 2012年11月24,30/ 12月5,8,11,14* 日
 N.Santi指揮,D.Pountney演出/Ramon Vargas,AlexeyMarkov,Tatjana Serjan,Yvonne Naef,Sen Guo

・後宮からの誘拐(7) 2012年12月16,20,30*/2013年1月4,18,27/ 2月6日
 P.Lange指揮,T. Langhoff演出/J.Aarchibald,R.Olvera,M.Maertens,J.Camarena, M.Laurenz

・カヴァレリア・道化師 (4) 2013年1月1,6*, 9, 12日/A.Vedernikov指揮,G.Asagaroff演出
 Waltraud Meier,Zoran Todorovich/Elena Moşuc,Zoran Todorovich

・タンホイザー (4) 2013年1月13, 20, 26/ 2月2* 日/Marc Albrecht指揮,Harry Kupfer演出
 Peter Seiffert,Anja Harteros,Vesselina Kasarova,Thomas Hampson

・絹のはしご (4) 2013年1月19,25, 27, 30日/Riccardo Frizza指揮,Damiano Michieletto演出
 Sen Guo,Anna Goryachova,Javier Camarena

・ボエーム (4) 2013年2月15,17, 28/ 3月3日/Fabio Luisi指揮,Philippe Sireuil演出
 Inva Mula,Sen Guo,Stefano Secco,Massimo Cavalletti,Christof Fischesser

・カルメン (4) 2013年3月8,10,13,17*日/Patrick Fournillier指揮,Matthias Hartmann演出
 Kate Aldrich,Rachel Harnisch,Yonghoon Lee,Simone Alberghini

・蝶々夫人 (5) 2013年3月14,17,24,30* / 4月6日/Carlo Rzzi指揮,Grischa Asagaroff演出
 Adina Nitescu,James Valenti,Judith Schmid,Ruben Drole

・パルジファル (3) 2013年3月23,28/ 4月1日/Ulf schirmer指揮,Claus Guth演出
 Stuart Skelton,Evgeny Nikitin,Jan-hendrik Rootering,Angela Denoke

・リナルド (4) 2013年4月12,14,19,21*日/Ivor Bolton指揮,Jens-Daniel Herzog演出
 S.Prina,M. Hartelius,L.Zazzo,J.Archibald,A. Goryachova,R.Drole,M.des IOS

・ファルスタッフ (6) 2013年4月26,28* / 5月4,7,10,12日/Nello Santi指揮,Sven-eric Bechtolf演出
 Ambrogio Maestri,Elena Moşuc,Massimo Cavalletti,Ivana Rusko,Javier Camarena

・椿姫 (5) 2013年5月5,8,11,15,18日/Keri-Lynn Wilson指揮,Jürgen Flimm演出
 Diana Damrau,Saimir Pirgu,George Petean

・ルサルカ (4) 2013年6月2* ,6, 12, 15日/Eivind Gullberg Jensen指揮,Matthias Hartmann演出
 Pavel Černoch,Liliana Nikiteanu,Michelle Breedt,Christof Fischesser

・ばらの騎士 (4) 2013年6月30,4, 9, 12*日/Fabio Luisi指揮,Sven-eric Bechtolf演出
 Alfred Muff,Vesselina Kasarova,Rachel Harnisch,Martin Gantner

*コジ ・ファン・トゥッテ(4) 2013年2月7, 9, 13, 15, 17日
 Thomas Rösner指揮,Sven-eric Bechtolf演出/ヴィンタートゥール劇場(Theater Winterthur)

 確かに、世界の大劇場で活躍している歌手が少なくなっているような感じです。ライモンディ、ヌッチ、ポンスあたりは世代交代かもしれませんが、クーラ、フローレス、ベチャラ、フリットリ、バルトリ、エヴァ・メイ....皆さん契約切れなんでしょうか。今後戻ってくるんでしょうか。世界的にオペラハウスは財政的にひっぱくしているようですから、ギャラの高い歌手を減らしたような感じもします。自分でどこで何を歌うか決められるような歌手は、ほとんど人脈で動いているようですし、けっこうインテンダントの交代は影響があるのかもしれません。グルベローヴァが戻ってきたのもペレイラ氏がいなくなったからだと思いますし、ライモンディも、パリ・ガルニエの常連だったのにぱったり出なくなったのは、インテンダントとのトラブルが原因でしたしね。

参考までに、今シーズンいて来シーズンはいない主役級歌手たち
女声歌手:Cecilia Bartoli,Fiorenza Cedolins,Barbara Frittoli,Emily Magee,Eva Mei,Anna Netrebko,Anita Rachvelishvili, Isabel Rey,Martina Serafin,Beatrice Uria-Monzon

男声歌手:Carlos Alvarez,Piotr Beczala,Johan Botha,José Bros,José Carreras,Carlo Colombara,Jose Cura,Placido Domingo,Juan Diego Flórez,Vittorio Grigolo,Simon Keenlyside,Leo Nucci,Michele Pertusi,Juan Pons,Ruggero Raimondi,Roberto Saccà,Fabio Sartori,Neil Shicoff,Antonino Siragusa,Vladimir Stoyanov,Rolando Villazon

関連記事:
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 アレキサンダー・ペレイラ:1947年10月11日ウィーン生。1991/1992シーズンにチューリッヒ歌劇場のインテンダントに就任。(Wiener Konzerthausの元総支配人)芸術的、経済的成功により、2011年まで任期が延長されている。
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Sardanapalus

確かに、昨年までのスター歌手揃いのプログラムと比べると、少し大人しめですね。しかも、新演出はドイツ語圏の演出家ばかり…これがホモキ体制ということでしょうか?個人的にRegietheaterは苦手なので、映像化されやすいチューリヒの演出が今後そっち寄りになってしまうのは残念です。

>新演出
>ドン・ジョヴァンニ
あら、てっきり現行演出かと思っていました。あの007みたいなジョヴァンニの演出ならマッテイ似合いそうだったのに。Baumgartenの新演出となると、きっと論議を呼びそうなものになりそうですね。
by Sardanapalus (2012-03-03 19:40) 

keyaki

Sardanapalusさん
演出家がインテンダントって、どうなんでしょうね。

>新演出はドイツ語圏の演出家ばかり…これがホモキ体制ということでしょうか?
なるほど、歌手のことしか見てませんでしたが、お仲間の演出家を引き連れて来たってことですね。
レジーテアターって、これもさじ加減ですよね。なんでも行き過ぎはよくないです。

>Baumgartenの新演出となると、きっと論議を呼びそうなものになりそうですね。
議論を呼ばない演出なんて価値がないということですね。

ミキエレット演出のルチアが再演になってますが、グリゴーロに出演してもらってDVDにして欲しかったです。残念です。

by keyaki (2012-03-04 21:15) 

M. F.

パトリック・ランゲ(指揮)が2演目に入っていますが、こんな所にもコーミッシェ・オーパー人脈が.

ペーテル・エトヴェシュの《三人姉妹》は指揮者が二人要ります.Co-DirigentのPeter Sommererが二人目なのでしょう(Herbert Fritsch演出).世界初演はナガノとエトヴェシュ自身の指揮で、その時同様三人姉妹をカウンターテナーでやってくれると面白いですが、さすがに集めるのが難しいのかほとんど女声での再演しか見ないですね…."SALE - Ein Händel-Projekt von Christoph Marthaler"は初演とは言っても芝居の新制作みたいなものなのでしょう.マルターラー(ドイツ語圏と言ってもスイスですが)はバーゼルでの《ジェロルシュタイン大公妃殿下》も途中から全く別ものになっていたりとか、今回もわざわざ副題付きなところが「らしい」ですね(笑).
by M. F. (2012-03-12 07:31) 

keyaki

M. F.さん
>ペーテル・エトヴェシュの《三人姉妹》は指揮者が二人要ります.Co-DirigentのPeter Sommererが二人目なのでしょう
ありがとうございます。訂正します。

新しいオペラにうといので、ネットで検索してもいまいちわからなくて....チューリヒは、やっぱりめずらしいオペラと新演出が多いですね。小さい劇場の強みですね。

by keyaki (2012-03-13 11:03) 

履歴書の見本

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
by 履歴書の見本 (2014-06-15 10:45) 

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