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10月3日はルッジェーロ・ライモンディ 68才の誕生日 [RR関連]

お誕生日おめでとうございます。ルッジェーロ・ライモンディ、歌手生活45年、68才です


右端からドミンゴ、グリゴーロ、フレミング、ライモンディ(2008年11月WNOオペラ)
" IMMAGINA"(モリコーネが、ライモンディのアルバムの為に書いた曲)にのせて、ライモンディの若い時から今の写真をご覧下さい

 LA OPERA開幕公演《愛の妙薬》リハーサル中にアキレス腱断裂という思いがけない事故で現在療養中ですが、11月17日からの《ファルスタッフ》では、復帰してくれることを期待しています。このキャンセル騒動に絡めてロサンゼルス・タイムズの記事に面白いエピソードが紹介されていました。
 オペラ歌手は、休暇中でも同僚の歌手の急病で代役で呼び出されることがあり、お互いに助け合っているわけですが、カラヤンからの呼び出しは、いつも緊急で、リスクを伴うものだったようです。最初は1970年8月26日、28才の時のことです。オペラのリハーサルでローマにいたところ、あれよあれよと言う間にカラヤン差し向けの自家用飛行機にのせられて、その日の夜、ザルツブルグでヴェルディのレクイエムを歌ったそうです。なんとこれが、カラヤンとの初仕事だったんです。
 今回ロサンゼルス・タイムズで紹介された代役騒動も、「スカラ座の名歌手」という本に載っている有名な話しですが、最後にちょっといい話しが付け加えられていました。

『私は休暇でボローニャにいたのですが、今夜の「ドン・カルロ」のバスがいないから来て欲しい.......とカラヤンからの電話があったのです。当時は、カラヤンの申し出を断るという選択肢はありませんでしたから、迎えに来たカラヤンの自家用飛行機でザルツブルグにかけつけました。結果は思いもかけないいいことがありました。公演終了後、楽屋に両親がやって来たんです。まさか私が歌うとは知らずに『ドン・カルロ』を見に来ていたんですよ。大変だったけど、苦労が報われました。人生こんな素晴らしいこともあるんですね。』

★カラヤンに代役指名を受けたときのエピソード:「スカラ座の名歌手」より
ライモンディという歌手の性格には、好感を呼ぶところが多々あるが、その一つがいつでも惜しまず自分の演奏を提供する気前のよさである。窮地に陥った指揮者や公演や演奏会を救いに最後の瞬間に彼がやって来るという話は、今やほとんど伝説になるほど有名である。彼とカラヤンと彼との出会いは、彼のこの数ある救助活動の一つの機会に生じている。
カラヤンはザルツブルグでヴェルディの『レクイエム』を指揮することになっていた。準備が整い、いよいよ演奏会という日、バス歌手(ギャウロフ)が急病で倒れた。テレビ録画も予定されていた演奏会は危うい。その頃のライモンディはまだ歌いだして間がなかったが、すでにヴェルディの『レクイエム』を二種類レコーディングしていた。一つはバルビロッリ、一つはバーンスタインの指揮である。このレコードはカラヤンの耳にも入っていたらしく、カラヤンは窮地の中で叫んだ。あの若いイタリア人バスにやらせるんだ。
ライモンディはその時の様子を語る。
「僕はあるオペラのリハーサルでローマにいたんですが、ザルツブルグの劇場から、マエストロ・カラヤンが僕に歌わせたいと言っていると電話がかかってきたんです。冗談だと思ったもので、電話に出る気になれなくてね。ところが本当だったんですよ。断るもなにも、その場ですぐさま皆が僕を無理矢理連れ出して、飛行機に乗せてしまったんです。ザルツブルグでは車が僕を待っていて、カラヤンのところに運んでいきました。マエストロは少し僕と話をし、それから『レクイエム』の会場につれて行ったんです。一度だけリハーサルをして、すぐに本番で歌いました。大成功でした。(1970年8月26日ザルツブルグ音楽祭)

この前の八月には、やはりザルツブルグで、カラヤンのために全くリハーサルなしで歌いましたよ。僕は休暇でボローニャにいたんですが、午後三時に頃にカラヤンが電話してきてその夜の『ドン・カルロ』のバスがいないと言うんですね。気違い沙汰でしたけど、カラヤンにすげない返事もできなかったもので。彼は自家用飛行機を迎えによこしました。六時にザルツブルグへ着き、六時半には舞台に立っていました。まあ、つつがなくいきましたけどね。
こういう冒険は極めて危険です。もしまずくいけば全て失うんですから、歌手生活を賭けてやるわけです。どういうコンディションで舞台に立つか、それは批評家の知ったことではありませんからね。こういう気狂い沙汰をやるたびに、僕は恐怖のために心臓麻痺を起こしそうになってます」(1978年8月17日 ザルツブルグ音楽祭)


★今までのお誕生日の記事:
10月3日はルッジェーロ・ライモンディのお誕生日(2008.10.3)
66歳のお誕生日特集:ライモンディ・ファミリー☆★VideoClip
ルッジェーロ・ライモンディ、65歳記念特別放送
聖母マリアの衣(2005年誕生日の記事)
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サンフランシスコ人

「ロサンゼルス・タイムズの記事に面白いエピソードが」

金融危機のため、サンフランシスコでロサンゼルス・タイムズを見かけないですね。
by サンフランシスコ人 (2009-10-06 03:08) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
景気の悪い話しばかりですね。
日本では、新聞代はなぜか値下がりしないですね。
昔は大手三紙に地方紙一紙という家庭もありましたが、今は一紙がやっと、とってないとこも多いようです。
by keyaki (2009-10-08 22:57) 

サンフランシスコ人

サンフランシスコでは、今年新聞代が二倍になりました。
by サンフランシスコ人 (2009-10-12 07:54) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
えぇ! そうなんですか。
ということは日本ではまだまだ新聞をとる人が多いということですね。
でも日本はアメリカの10年、20年遅れ...ということもありますから、数年後には日本の新聞も値上げするかもしれませんね。しかし、日本の新聞界は、未だに新聞の拡張員がいて、おまけ合戦してるという妙な世界です。
by keyaki (2009-10-12 10:13) 

サンフランシスコ人

「日本ではまだまだ新聞をとる人が多い.....」

アメリカには新聞を読解できない人が多いです。
by サンフランシスコ人 (2009-10-13 06:57) 

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