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ルッジェーロ・ライモンディ特別番組(2009.6.26France3放送)の内容 [RR関連]

 France3のルッジェーロ・ライモンディ特別番組は、ネットで見ることはできませんでした。番組の中で《トゥーランドット》録音のためのカラヤンのお宅でのピアノ練習の様子が流されたそうです。これは、1981年に放送されたフランス教養チャンネル、アンテヌ2のジャック・シャセルの「グラン・テシキュ(名人)」という番組の一部で、この時の名人はもちろんライモンディです。私の手持ちのビデオは、画質は良くないですが、その映像と、番組紹介のビデオクリップから、あのモーリス・ベジャールとの共同制作の幻のテレビ番組『ある歌手の内面を探る六つのアリア』の一部、クレド(イヤーゴの独白)の部分ビデオクリップをアップしました。下の写真をクリックするとリンクしています。
  
*何を話しているのか皆目わかりませんが、リッチャレッリとの楽しそうなお喋りの後にカラヤンとの練習風景となります。ティムールは一言だけで、ドミンゴがメインですが、ま、ティムール役ですから仕方がない...

番組の内容について、前記事のコメントにパリ在住の助六さんが情報を寄せて下さいましたので、こちらにちょっと追加して転載します。

★75年ガルニエの《ドン・ジョヴァンニ》映像
Mackerras / A. Everding ; Raimondi, Moser / M. Price, Te Kanawa, Berbie, Burrows, Evans

★80年パリ・オペラ・コミックの《カルメン》映像
P. Dervaux / P. Fagioni ; T. Berganza, P. Domingo / A. Vanzo, K. Ricciarelli TV放送

★80年ジュネーヴのベジャール演出《ドン・ジョヴァンニ》の映像とユーグ・ガルのコメント

★80年ガルニエのJ・ロージー演出《ボリス》の映像と、同じくガルのコメント
Raytcheff / J. Losey ; V. Cortez, W. Ochman, K. Riegel, R. Soyer

★82年モーリス・ベジャールとの共同制作の娯楽番組『ある歌手の内面を探る六つのアリア"Six personnages en quête de chanteur"』の一部

★86年ナンシーのライモンディ演出・主演の《ドン・ジョヴァンニ》の映像と、当時ナンシーの監督でライモンディを演出に招いた演出家アントワーヌ・ブルセイエのコメント
(ブルセイエがライモンディを役者に起用してピランデッロの「山の巨人たち」(お芝居)を仏語・伊語両方でやりたかったが、遂に実現しなかった.....)
M. Soustrot / R. Raimondi ; R. Raimondi, K. Huffstodt, M. Kemmer, L. Watson, J. Pruett

★アラン・レネ監督の映画「人生は小説」の抜粋

★《トスカ》、《セビリャの理髪師》の映像

★スコット、L・ミカエルのコメント

★家族、イザベル夫人とクリスティアーノ(前妻との間の三男)の談話


インタビュアーはAlain Duault、ルッジェーロ・ライモンディのモナコの自宅アパートメントでの収録

*フランス教養チャンネル、アンテヌ2の番組「グラン・テシキュ(名人)」:
1972年から、芸術や芸能界の有名人を招いて、その生活と仕事に焦点をあてる生放送のイヴニングショー。ホスト役はジャック・シャセルで、主賓の「グラン・テシキュ(名人)」とそれにふさわしい何人かのゲストが招かれる。カラヤン、ルービンシュテイン、ドミンゴ、イヴ・モンタン、フランソワ・トリュフォー等も出演している。

*《トーゥランドット》録音:
トーゥランドットにリッチャレッリを採用ということで、賛否両論の《トゥーランドット》です。ウィーンのムジークフェラインザールで1981年5月11〜18日に録音、そのための練習です。

*《ある歌手の内面を探る六つの歌》:ピランデッロの「作者を探す六人の登場人物」より
ライモンディは、彼が今までに関わった最も面白い企画として、振り付け師のモーリス・ベジャールとともに作成した『ある歌手の内面を探る六つのアリア』というテレビの娯楽番組をあげた。ライモンディが演じた、このシュールでしかも皮肉な番組の主役は、自分探しをしているひとりの歌手で、仮想の女性に恋をし、結局、彼女によって死においやられる。その途上、彼はボリス・ゴドノフの死、エスカミーリョの闘牛士の歌、ドン・キホーテの死、メフイストフェレスのセレナーデ、クレド(イヤーゴの独白)、ドン・ジョヴァンニの墓所の場から「シャンパンの歌」を歌う。.......... ヘレナ・マテオプーロス著 岡田好恵訳<ブラヴォー、ディーヴァ オペラ歌手20人が語るその芸術と人生>より
1980年9月にモーリス・ベジャールの演出で「ドン・ジョヴァンニ」(ジュネーブ大劇場)を演じている。そこで、ベジャールと意気投合して、このテレビ映画を制作するにいたった。
《カルメン》 闘牛士の歌、《ファウストの刧罰》メフィストフェレスのセレナーデ、《ボリス・ゴドノフ》ボリスの死、《ドン・ジョヴァンニ》 シャンパンの歌、《オテロ》クレド(ヤーゴの独白)、《ドン・キショット》 ドン・キショットの死

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助六

デノケの心地よいリサイタル(クルト・ヴァイルなんか)から戻ってきて、ブログ開けたらカラヤンのリハーサル風景のヴィデオが…。 シーズン終わりの二重のプレゼントに驚喜しました。ありがとうございます。当地は天気も異例に良く、もう言うことなし。

私の環境ではちょっと音量が低く、細部が聞き取れないのが残念ですが、カラヤンがライモンディに「O mio figlio! Tu!」の「Tu」の母音をしっかり伸ばし、各旋律線を隈なく美しく確保するよう支持しているのは、厚いレガートが強調されアーティキュレーションのメリハリが後退する傾向があるカラヤン晩年のオペラ演奏スタイルに直結している様に思え、面白く見ました。

TV放映時には見れませんでしたが、シャンセルが立ち会って口挟んだりしてますから、正にTV収録へのサービスで仏語でやることにしたんでしょうね。

シャンセルは訪問したカラヤンの家はヴィーンの森の一角みたいな言い方してますが、ザルツ近郊のアニフの家ではないということでしょうかね。アニフに行ったことがないもんで分かりませんが。

先立つライモンディとリッチャの歓談は、音量が低いのでイマイチ分かりませんが、大体;

RR: バルバラの話したら? ダメ?
KR: うーん、意味あるかしら。
RR: 昔の話だし。
KR: そうね。12年くらい前のことだったと思うけど。つまりライモンディさんに惚れちゃってたのよね。でも勇気がなくて。何度か電話したのを憶えてるけど自分だとは言わずに「バルバラです。バルバラに電話してね」と言ってたの。でも彼はただの一度も「会おう」とは言ってこなかった。だから彼がドン・ジュアンだというのは分からないわ。
RR: 何てこった(笑)! 今までずっとドン・ジュアンについて議論してきたのに、これでオジャンになっちゃったじゃないか(笑)。
KR: あの頃あなたは忙しかったものね。
RR: いやいや、でも面白かったのは大分前、ニューヨークで君がその話してくれて、漸くバルバラが誰だったか分かったこと。
シャンセル: その後、口説いたとか。
RR: いや。
KR: いいえ。

その頃ライモンディとリッチャの接触があったのは、どういう機会でしょうね? リッチャは駆け出しの頃ですよね。
by 助六 (2009-06-29 08:56) 

keyaki

助六さん
こちらこそ、長年の謎が解けました。
リッチャレッリとのお喋り、そんなことを言ってたんですか。バルバラは、オペラでよく出てくる意味かな...と思ってましたが、リッチャレッリが、とても可愛い表情で喋ってますね。ライモンディは、同僚には手を出さない主義でしょう....だから女声歌手さんたちには信頼されているみたいですね。
リッチャレッリとの共演は1975年のミュンヘンの《ドン・カルロ》がはじめてみたいです。12年前というと1969年頃ですから、共演はしてなくてもヴェネツィアで交流があったのではないでしょうか。彼女はヴェネツィアの音楽院だし、ライモンディもフェニーチェと契約していた時期ですから。
by keyaki (2009-06-30 01:45) 

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