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ジュセッペ・ディ・ステファノ [訃報]


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 2008年3月3日午前5時、ジュセッペ・ディ・ステファノが、ミラノ近郊のサンタ・マリーア・オエ(Santa Maria Hoè)の自宅で亡くなりました。1921年7月24日生まれですから、享年86歳、ご冥福をお祈りします。
 ご存知のように2004年11月30日ケニアのモンバサの別荘で強盗に襲われ、意識不明の重体に、12月23日に、ミラノのサン・ラファエレ病院に移送されました。しかし、昏睡状態のまま、意識が戻ることなく亡くなったのではないかと思います。あれから4年もたっていたんですね。イタリアのフォーラムで、彼の録音を聞かせるとわかるようだ....と家族が語ったという話も一時期あったんですが、残念です。

 二十世紀を代表する名テノール、マリオ・デル・モナコ(1915.7.27 - 1982.10.16)、フランコ・コレッリ、ジュセッペ・ディ・ステファノ、ついにお三人とも亡くなったんですね。
 ディ・ステファノは、フランコ・コレッリ( 1921.4.8 - 2003.10.29)と同年ですから、R.ライモンディとの共演があってもよさそうなものですが、レパートリーの関係か、オペラの舞台からは早めに引退したのか、共演はありません。ちなみにミラノ・スカラ座1972年《カルメン》、ウィーン1966年《トスカ》、NYメト1965年《ホフマン物語》がラスト・パフォーマンスです。

『陽気な男で、鋭敏で、極めて人なつっこく、話し好きなディ・ステファノは、プライベートでの自由の方を偉大な歌手としての人生よりも優先させた。これが彼の早すぎる衰えの根本的な原因だった。彼が、真価を発揮しうるレパートリーについては、今世紀後半における最も魅力あるテノールだった。』
『彼がその輝かしい響きと、演技面での素養を見せた最後のきらめきは、1953/54と1954/55のスカラ座のシーズンでの《エウゲニ・オネーギン》と《カルメン》だった。....しかし、60年代半ばまで、常に聴衆(とりわけスカラ座の天井桟敷の人々)のお気に入りとして支持された.....』
チェレッティ著「テノールの声」より

 R.ライモンディとのつながりとしては、ジュセッペ・ディ・ステファノのレーベルで1969年9月22日の《ファウスト》のライブ録音(写真左上)が発売されています。出演者のフレーニ、クラウスのともに、弱冠27歳のライモンディを次のように紹介しています。『ルッジェーロ・ライモンディは、バス-バリトンの諸役において、いかに彼の歌唱が、常にバランスを保っているかを証明している。事実、正にピッタリである。...........
Buon ascolto 皆様のPippo Di Stefanoより

 私の思い出としては、高校の音楽の授業のレコード鑑賞で、ジュセッペ・ディ・ステファノのナポリ民謡を聞きました。その頃から、マリオ・デル・モナコと並んで、名前だけは知っていました。

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サンフランシスコ人

今日のサンフランシスコ・クロニクル(カリフォルニア州サンフランシスコに本拠地を置く日刊新聞)に、訃報記事が掲載してました。
by サンフランシスコ人 (2008-03-05 03:42) 

TARO

実はTBしたときにコメントも投稿したんですが、なぜか認証がうまくいかず何度屋ってもはじかれてしまいました。またやってみます。
コメントの内容は、TBさせていただきますというのと私もナポリ民謡が最初でしたというものなので、別にどってことないんですが。
by TARO (2008-03-05 13:17) 

keyaki

サンフランシスコ人さん、日本の記事は、数行ですが、そちらの記事は、経歴とか逸話とかちゃんと載せてますね。
by keyaki (2008-03-06 10:20) 

keyaki

TAROさん、そうだったんですか。いろいろ問題続出で、なかなか正常になりませんね。リニューアルといっても、なんのため、誰のためのリニューアルかよくわかりませんが、新たにIDを取得しなくても、いくつでも新しいブログを作ることができる、というのは、便利でしょうね。

>私もナポリ民謡が最初
最初からオペラ、というわけではないようなので、ナポリ民謡もなかなか聞かせますよね。今の歌手で言えば、アラーニャでしょうか。
by keyaki (2008-03-06 10:26) 

サンフランシスコ人

「日本の記事は、数行ですが、そちらの記事は、経歴とか逸話とかちゃんと載せてますね。」

ステファノはサンフランシスコ・オペラに出演しました。 『ランメルモールのルチア』、『リゴレット』、『ラ・ボエーム』

by サンフランシスコ人 (2008-03-06 11:41) 

YUKI

ステファーノの逝去は残念でしたねぇ。
強盗に襲撃された事を聞いたのは数年前だったので、それから何年も経っていることで、もしかすると回復しているのでは?・・・とも思ったくらいでした。
しかし亡くなられたのですね。。。

録音を聴かせたら分かる様な反応があったという事は・・・かすかな回復の兆候かな?・・・って気もしますねぇ。
ご家族の方やファンは辛かったと思います。

彼に関しては今の所はカンツォーネしか聴いていませんでしたが、「カタリ」や「帰れソレントへ」等は素敵でしたねぇ。

ご冥福をお祈り致します。

関連記事を書いていたのでTB送信させて頂きました。
by YUKI (2008-03-07 17:54) 

あるテノ-ル

僕の中でイタリア テノールといえばジュセッペ・ディ・ステファノでした。20年ほど前の中学のころ親が買ったcdで気に入ったのがジュセッペ・ディ・ステファノの民謡でよくまねて歌いました。とにかく僕の中で最高の歌手です。
安らかにお眠りください。ご冥福をお祈りいたします。ありがとうござしました。
by あるテノ-ル (2009-04-01 09:56) 

keyaki

あるテノ-ルさん
コメントありがとうございます。
私も中学か高校の音楽鑑賞でナポリ民謡で聞いたのが、ジュセッペ・ディ・ステファノなんです。私は、あるテノ-ルさんの倍くらい前ですけど....

by keyaki (2009-04-02 00:34) 

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