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1989年メト《 ドン・カルロ》他-3-★☆MP3 ロドリーゴ&フィリッポ [ドン・カルロ]

1989年メト《 ドン・カルロ》録音入手記念記事 その3
■サン・ジュスト修道院前の広場 の続き
エリザベッタは、悲しみをこらえてお付きの者と共に退場。
 ロドリーゴもその場を立ち去ろうとしますが、国王フィリッポに、待て!と呼び止められます。そなたのような高貴な血筋の軍人が、なにもしないで留まっているとは...私がしてやれることはないか...とフィリッポ。

♪以下のシーンは、こちらのビデオクリップでご覧になれます。暗くてほとんど見えませんが....1989年ウィーン、アバド指揮、ピッツィ演出です。この時がプレミエですが、今でもこの演出で上演されているようです。
 それではとフランドルの惨状を訴えるロドリーゴ。しかし、平和のために改革派どもに鉄槌をくだしたのだ、血によって平和が得られるのだ、死もまた、わが手にかかれば、豊かなものとなり得るのだ....とフィリッポ。

♪音声ファイル: "Orrenda,orrenda ....ネロだったと言われますよ..."
 なんと恐ろしいことを、そんな平和は墓場の平和ではありませんか。後世、あなたがネロだったと言われませんように!陛下がお与えになるのは平和ではなく恐怖です。司祭は処刑人,兵士は盗賊です。フェリッポの名は呪われています....与えるなら神のように人に幸福と自由をお与え下さい! とロドリーゴ。
 ロドリゴの不遜とも言える進言に、君は奇妙な夢想家だなと、もうなにも言うなと、フィリッポは、とりあおうとせず、大審問官には用心しろ! と忠告します。そして、国王に対して、へつらうことなく率直な物言いをするロドリーゴを気に入り、側近に加えよう...とまで言いますが、このままで結構です、陛下、とロドリーゴ。
 ますます、その人柄に惚れたフィリッポは、父としても夫としても不幸な我が身を嘆き、その胸の内を明かします。未だに自分に対して心を開こうとしない王妃エリザベッタと息子カルロとの仲に疑いを抱いたフィリッポは、真相を探ってくれと彼に頼むのです。ロドリーゴは、フィリッポが自分に心の悩みを打ち明けたことに驚きながらも、内心この立場を利用しようと考えるのでした。フィリッポは、別れ際に再び「大審問官には用心しろ! 用心するのだぞ!」と意味深長な言葉を繰り返します。

★参考Don Carlo 楽譜
オペラ全体の中でも非常に重要な場面で、フィリッポとロドリーゴの対話が、実にドラマチックに展開していきます。
ロドリーゴが、怒りを爆発させる"Orrenda, orrenda pace! ..."〜フィリッポの "ti guarda dal grande Inquisitor! ti guarda! ti guarda!"まで
 ♪ヴァイクル&RR
★1989年NYメト:レヴァイン指揮;Shicoff,M.Price,Weikl,Troyanos,RR

 ♪カップッチッリ&RR
★1979年ウィーン:カラヤン指揮;Carreras,Freni,Baltsa,Cappuccilli,RR

最新のはこんな感じ.....
 ♪ホロストフスキー&パペ
★2006年NYメト:レヴァイン指揮;Botha,Hvorostovsky,Pape,Borodina,Racette


参考:
フィリッポII(ドン・カルロ)主な公演 1968ー2003
ヴェルディ:ドン・カルロ録音

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オペラ歌手のオペラ演出:R.ライモンディの場合(4)の1《ドン・カルロ》
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フィリップ二世-Ruggero Raimondi Mensch ミュンヘン、RRのフィリッポ


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コメント 2

おさむ

これは凄い二重唱ですよね カプッチッリとカラヤンのorrenda paceの後フォルテは神のいかずちの様です これぞオペラです ドンカルロが単なる恋愛劇に終わりません 絶大なる地位にありながらも全く心満たされないフィリッポ 平和に対するはきちがえ 現代社会にとてもあてはまると思うのです
by おさむ (2007-11-19 18:04) 

keyaki

おさむさん、
《ドン・カルロ》という題ですが、フィリッポをはじめ、ロドリーゴ、エリザベッタ、エボリ,大審問官まで入れてもいいでしょうね、いずれ劣らぬユニークな性格に描かれ、それぞれの人間関係が、国家レベルに及び、歴史ドラマとしてもとても面白いですね。
なんでもフランス初演はいろんな理由で失敗だったそうですが、その一つにワーグナーをはじめとする外国の作曲家の影響が強すぎると批評されたとか....
しかし、これぞヴェルディのオペラ!ですよね。
by keyaki (2007-11-21 00:16) 

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