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メトの《ドン・カルロ》新旧 [ドン・カルロ]

お友達ブログのりょーさんの記事 『SIRIUSインターネットラジオの「72時間Freetrial」の聴き方』で、メトの《ドン・カルロ》を聴いてみました。りょーさん、紹介と懇切丁寧な視聴方法ありがとうございます。
 このプロダクションは1979年5月からのもので、1983年の公演(ドミンゴ、フレーニ)は、DVDでも発売されています。所謂、伝統的演出で、衣裳も豪華なものです。ライモンディも1989年に同じプロダクションに出演していて、ちょっと映像がありますので、新旧フィリッポII世ということで、お声と写真をご紹介。



ルネ・パペ:42歳

ルッジェーロ・ライモンディ:当時47歳


 ライモンディは、1968年26歳から、2003年60歳まで、毎年のようにフィリッポII世を歌っていて、主要レパートリーの一つです。メトには、1972年と1989年にフィリッポII世で登場しています。
 パペのイタリアオペラははじめて聴きましたが、メトの引越し公演のフンディングは、とてもよかったのに、ヴェルディには違和感ありです。最近はこういう歌い方が流行っているのかしら。私は好きではありません。イタリア語が美しくないし、歯にものがはさまったかんじというか、老成した声でちょっとびっくり。美声で若手バス歌手第一人者と評判だそうですが、美声もいろいろってことかな。
 もう一つ気になったのは、レイミーの大審問官、声の揺れがおさまったというウワサでしたが、なんのなんの、そうとうなもんです。ライモンディとほぼ同年(半年若い)ですが、ライモンディには、このような揺れはありませんので、年齢的なものだけではないと思います。ロッシーニで転がす訓練をしすぎたとかかしら???
 新国の開幕公演の《ドン・カルロ》も、イタリア人ゼロでしたが、メトも同じですね。
 フィリッポII世のアリアをアップしました。パペの歌唱は私にはびっくりなんですけど、みなさんはいかがかしら。やっぱりドイツものの声なんじゃないですかね.....

2006年12月4日
レヴァイン指揮

ドン・カルロ:Johan Botha
エリザベッタ:Patricia Racette
ロドリゴ:Dmitri Hvorostovsky
フィリッポII世:René Pape
エボリ:Olga Borodina
大審問官:Samuel Ramey
僧:Andrew Gangestad
テバルド:Kate Lindsey
天の声:Jennifer Check
1989年2月
レヴァイン指揮

ニール・シコフ
マーガレット・プライス
ベルント・ヴァイクル
R・ライモンディ
タチアナ・トロヤヌス
Jan-Hendrik Rootering
Michael Devlin
Diane Kesling
ヘイ=キュン・ホン
1972年6月メトライブ
M.プラデッリ指揮

フランコ・コッレッリ
ガブリエラ・トゥッチ
ロバート・メリル
R・ライモンディ
F・コッソット
ジョン・マカーデイ
ポール・プリシュカ
フォン・シュターデ
J・アルトマイヤー
※ルネ.パペ(1964.9.4〜ドレスデン)

関連記事:
フィリップ二世(オペラ、ドン・カルロ)-Ruggero Raimondi Mensch und Maske
オペラ歌手のオペラ演出:R.ライモンディ(4)その2《ドン・カルロ》
オペラ歌手のオペラ演出:R.ライモンディの場合(4)の1《ドン・カルロ》


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コメント 22

ヴァラリン

あ、私も昨日がお休みだったら、聴きたかったんですけどUPして下さって、嬉しいです!ありがとうございます。

パペさんのフィリッポは2年前にベルリンで聴いて以来ですが、その時もこんな感じだったと思います。記憶が蘇ってきましたf(^^;

今年のOpernwelt誌で、最優秀男性歌手を受賞してますけど、その評が「ルネ・パーペはどんな時でもルネ・パーペだ」だそうです。(byフンメルさんの御宅)

この一文、彼の特徴を端的に現していると思います。ここをどう捉えるかによって、彼をどう評価するかが変わってくるかと思いますけど、私は「何を歌っても、パペさんじゃん」ってのが覆い隠せないような気がして、それが彼に対してちょっと辛辣になってしまう理由だったりします。

それにしても、42歳で「若手バス歌手」ですか…溜息。
by ヴァラリン (2006-12-06 11:50) 

keyaki

ヴァラリンさん、
そうでした、ご覧になってるんですよね。エリザベッタはアイロンがけしたり、裸の逆さ吊りの下の大きなテーブルで、やつらはお食事という演出で、しかも、これって、ベルリンの定番になってるんですよね。
そういう演出でなら、こういう、美しくないというか様式感のない歌唱スタイルの方が、ピッタリなのかもしれませんけど、あの豪華でオーソドックスな演出には、合わないとおもいます。指揮者は、こういう歌い方を望んでいるんでしょうか。歌手に勝手に好きに歌わせているようにしか思えません。

>最優秀男性歌手
こういうのが今風で、人気があるってことなんですね。今までの歌唱スタイルを打ち破っているというところが受けているということかしら。

バス、バリは、40歳前後から本領発揮でしょうから、オペラ界ではまだ若手かな。(笑
by keyaki (2006-12-06 13:17) 

ヴァラリン

わー、全曲ありがとうございます。やっぱり気張りすぎかも。

>ベルリンの定番

でもあの上演がきっかけでリンデンに興味を持った結果、ダーリンに出会えましたからね。
あれも、日にちが違えばパペさんのザラストロでしたから、偶然ですよね~~
(っていうか、パペさんが出てくるもんだと思い込んで観てたので、その衝撃度と言ったら(笑))

YouTubeで、メトのガラコン時のパペさんのこのアリアを見つけました。この時のほうが、いい意味で力が抜けているような気がしますが、映像はなくてもいいかもf(^^;↓
http://www.youtube.com/watch?v=aiHiU1q8dwQ

ついでにザルツのガラコン時のレポレッロも↓
http://www.youtube.com/watch?v=lNo73mDgOBI

やっぱり、何を歌ってもパペさんはパペさんだわ。。。って思っちゃいますぅ。。。

(ココログがメンテで管理画面に入れないので、ここで遊ばせて頂いて、すみません^^;)

>バス、バリは、40歳前後から本領発揮

ダーリンも将来歌いたいって言ってますよ。この役。
やっぱりバスにとっては究極の役でしょうか。アリアは好きなんですけど、役自体にはあんまり魅力を感じないへそ曲がり(笑)
by ヴァラリン (2006-12-06 13:59) 

ヴァラリン

もう一つ見つけました↓
http://www.youtube.com/watch?v=HzNfk1wZbJ4
こっちの方が若いみたいですね。
by ヴァラリン (2006-12-06 14:10) 

keyaki

ヴァラリンさん、長いメンテですね。
ソネットもエラーが出て、記事をアップするのも一苦労、かといって、メンテナンスをすると更に不具合が....ですものね。

パペさんの画像ありがとう。最初のは身体が揺れ過ぎでしょう。どれも時々吐きそうな声になるのがいただけません。
今は、こういう歌い方が人気なんですね。
フィリッポを歌うまでには、ヴェルディの諸役も歌っているのが普通ですけど、パペって、突然フィリッポなのかしら?
まあ、こういうフィリッポが気に入らないのは私だけのようですので、大いに言わせてもらっても大丈夫でしょう。
by keyaki (2006-12-06 15:52) 

Sardanapalus

やっぱり「ドン・カルロ」はこういった豪華な演出が良いですね!

>パペ
>ヴェルディには違和感あり
私もパペのイタリアオペラは初めて聞きましたが、この歌い方はあまり好きではないです。ドイツものでは結構好きな歌手なんですが(^_^;)ヴァラリンさんの仰るように、ちょっと力みすぎ?リアルに嘆きすぎ?個人的に、フィリッポはもっと落ち着いた感じが好みです。

>最近はこういう歌い方が流行っているのかしら
2005年にマドリッドの「ドン・カルロ」を指揮したヘスス・ロペス・コボスは「ヴェルディの音楽では常に『美しく』死ななくてはいけない!」と言ったそうですから、こういう歌い方だけが人気という訳では無いと思いたいですけどね。良く話題に出ますけど、イタリア人の有望なバス歌手がなかなか世界に出てこないというのが悲しいです。イタリア国内だけで食べていけちゃうからかなぁ?どうも最近の低音歌手はイギリス~ドイツ~ロシア辺りが元気ですよね。
by Sardanapalus (2006-12-06 22:53) 

TARO

53時間ですよ、53時間!
3日間にわたるメンテナンス――いったい何やってるんだ!
(と、自分のブログに入れないので、他所様で愚痴ってみました。)
by TARO (2006-12-06 22:57) 

keyaki

TAROさん
まだ終ってないってことですか?
どうしちゃったんでしょう。
by keyaki (2006-12-07 00:26) 

keyaki

Sardanapalusさんもはじめてですか、パペのイタオペ。
ライモンディが、同じ演出のドン・カルロに出演していて、そのほんの一部がビデオになってるんですよ。
それで、ブログネタに、と思いついて、録音して聴いたんですけど、なんじゃこりゃ....でした。
指揮はレヴァインですけど、歌手さんたち、それぞれが好き勝手に歌っているってかんじですよ。

マドリードのもウーゴ・デ・アナの演出で豪華でしたよね。フィリッポもスカンディウィツィと、ジャコモ・プレステアのダブルキャストでしたね。スペインの劇場は適材適所の魅力的なキャストが多いような気がします。
パペ世代のフィリッポっていないかもですね。
by keyaki (2006-12-07 00:58) 

keyaki

TAROさん
とぼけとことを書きましたが、勝手に一日とちょっとのメンテナンスだと思ってました。丸二日とちょっとのメンテなんですね。
今日の3時までということですね。
by keyaki (2006-12-07 10:22) 

TARO

そうなんです。丸二日+5時間。
ココログのトップページにメンテナンスの知らせは出てたんですが、どうせいつものだろうと思って、ろくに見てなかったんです。
そしたら3日にわたるというので、まあ驚きました。

パペはドイツものを歌わせれば最高のバス歌手の一人だと思いますが、ウイークポイントが一つあって、「底知れない不気味さ」みたいのが出せない人なんですよね。あまりにもクリアーで知的なので。――と思ってましたが、ウイークポイントはもう一つあったみたいですね。ドイツの劇場なら違和感なかったかもしれませんが。ライモンディと比べてしまうと、なおさら。
by TARO (2006-12-07 14:00) 

keyaki

>ライモンディと比べてしまうと、なおさら
っていうか、一世代前のギャウロフ、一世代後のフルラネット、Scandiuzziなんかともあまりにもかけはなれていますよね。
声がゆれゆれでなければレイミーの方がいいんじゃないですか。
チェレッティじゃないですけど、ヴェルディは『美しく』歌われるべきです!
と言いたくなります。
今は、カラヤンのようにイタリア語の発音までうるさく言ったり、細かい指導をする指揮者はいないということでしょうか。レヴァインも昔はやっていたとおもうんですけどね。
by keyaki (2006-12-07 14:51) 

Sardanapalus

>指揮はレヴァインですけど、歌手さんたち、それぞれが好き勝手に歌っているってかんじ
パペの歌唱だけでもこれは指揮と合ってるのか?という印象でした(^_^;)レヴァインもうちょっと頑張って!と言いたいかも。

>パペ世代のフィリッポ
そうなんですよね。ちょっと思い出そうとしてみたんですけど、この世代でぱっと名前が出るのって殆どがバリトンなんですよ。強いて言えばターフェル?でもレパートリーにはしてませんよね。
by Sardanapalus (2006-12-07 18:34) 

yumemi

パペはイタリア語が気になってわたしはダメです 。 それにもっと綺麗に歌ってほしいです。 ライモンディはイタリア語はやっぱり良いし、変な誇張せずに歌ってくれていますね。 ヴェルディはあんまり誇張しないで歌ってほしい! ちなみに私が一番好きなフィリッポは昔の人ですが、チェーザレ・シエピです。

後はこのブロードキャストの出演者ではDmitri Hvorostovskyが気に入りました。 舞台姿を写真で観たらかっこ良いし、youtubeで声も聴いたら声も悪くないので、これからお気に入りになりそうな予感がします。
by yumemi (2006-12-07 20:01) 

keyaki

Sardanapalus さん
いなくはないんですけど、ライモンディのように、若い時から、レパートリーにして、しかも頻繁に大劇場で歌っているバスがいないですよね。
コロンバーラがちょうどパペと同じ年で、フィリッポも歌っていますけど、今もルチアのライモンドを歌ったりしてますので、実力はあるんでしょうけど、大物ってかんじがしないですし、ペルトゥージもヴェルディも歌っていますが、どちらかというとベルカントものに傾いているようで、フィリッポは歌ってないようですし、フリットリのご主人にしても、年齢はちょっと上ですが、ベルカントとかモーツァルトですよね。
イタリア人歌手にとっては、ヴェルディを歌うということは特別のことで、なかなか気安く歌えないということもあるのかもしれませんね。

>ターフェル
さすがにって、なにがさすがにですけど、ヴェルディは歌ってないようです。ほっとしました。(笑
by keyaki (2006-12-08 09:36) 

keyaki

yumemiさん
メトのドン・カルロお聴きになったんですね。
Hvorostovskyも太い声ですので、バスティアニーニっぽいかもしれませんね。ファンの人はこれがいいんだとおっしゃるのですが、私は、あのブレス音が気になっちゃって。舞台では、聞こえないのかもしれませんが、同じ録音で他の歌手のブレスは聞こえませんから、発声方法が違うのかな?とおもってます。ライモンディもポップスとか歌う時は、ブレス音が聞こえるように歌っていますので。今回の放送でもかなりの息づかいでしたけど 、yumemiさんは気になりませんか?

バスティアニーニとシエピ、とてもいい組み合わせだとおもいます。あの当時は、フィリッポはシエピとクリストフということだったんでしょうね。
私もシエピはシエピで好きですけど、シエピが好きな人は、ライモンディをけなさないときがすまないようですよ。こういう人は、シエピのそっくりさんを望んでいるんでしょうね。ですから、そっくりの声でなければ、評価しないということでしょう。こちらに記事がありますので、話のタネにご覧になって下さい。
http://blog.so-net.ne.jp/keyaki/2005-05-10
by keyaki (2006-12-08 10:18) 

yumemi

確かに、ブレスの仕方は正直言うと気になりますね。 完璧な人なんていないだろうけど、これはスラブ系の特徴かも。マキシム・ミロノフもブレスが気になるしーー。

バスティのロドリーゴとの組合わせは私は断然、シエピとが好きです。 クリストフも悪くはないけど、声の美しさではシエピが上だと思います。 

リンク先の記事拝読してコメント残してきました。 ヒスヲタさん(^^;)って、いるんですねえ。何かと現代の歌手を昔の歌手と比べてけなすの好きってーー;;。 

私はバスティ好きだけど、今のバリトンはダメとは思いませんけどね。 好きなタイプというのはあるけど、やっぱりできれば実演でも聴ける人を見つけたいですもの。 
by yumemi (2006-12-08 11:44) 

yumemi

書き忘れました。 ペルトゥージは1月にヴェローナまで聴きに行きます。 綺麗な声のバッソですよね。 実演で感動したと言えば、コンスタントに良いのかどうかは判りませんが、今年5月のジェノヴァのチェネレントラでアリドーロだったオルフィラが良かったです。 でも2人とも、ロッシーニ/ベルカント系ですね。
by yumemi (2006-12-08 11:59) 

keyaki

yumemiさん
ペルトゥージは、今までライモンディの専売特許だったファジョーニ演出のマスネの《ドン・キショット》を数年前にやってますので、ライモンディのレパートリーとも重なる部分があるのですが、今後はわかりませんが、ロッシーニ/ベルカント系の道を行っているようですね。今のところヴェルディはアッティラとファルスタッフくらいのようですね。
一月と言えば、もうすぐですね。イタリアの小さい劇場で聴くのは、ほんとうに贅沢なことですね。

ファルスタッフといえば、まだどなたからもつっこまれてませんが、ターフェルは、ヴェルディを歌ってましたね。ファルスタッフです。失礼しました。
まあ、ファルスタッフも本当は、ヴェルディを歌える人が歌うのがいいんでしょうけど、まあ、他のヴェルディとはちょっと違うということでしょうか。
by keyaki (2006-12-08 13:14) 

yumemi

3月にはメトでフローレスのアルマヴィーヴァを観るので、小さい劇場、そして大きな劇場と両方体験してきます。 共演はシラグーザ、メイ、演出がウーゴ・デ・アナです。 ベルカントは小さいところでが良い、が私のモットーだったんですが、今回のメトの理髪師はフローレスをフィーチャーした宣伝で見事にミーハーな私は誘惑に完敗です。でもせっかくのメトだけどドン・バジリオがライモンディでないのが残念。 ネットラジオ放送を聴いたら、やっぱりカンパネラ指揮のメト理髪師はリズムが重たいです。 昔風ですね。 ボローニャの方がスピーディだったし、ジェルメッティ指揮のマドリッド理髪師の方が軽やかでお洒落だったと思います。
by yumemi (2006-12-08 18:49) 

Sardanapalus

>ライモンディのように、若い時から、レパートリーにして、しかも頻繁に大劇場で歌っているバス
いたらとっくにスター歌手になってるでしょうね。やはりライモンディのような歌手はなかなか出て来ないでしょう。ヴェルディを歌うのに必要な喉になるまで待っている歌手も多いのかな~と思います。

>ファルスタッフといえば、まだどなたからもつっこまれてませんが、ターフェルは、ヴェルディを歌ってましたね
反応が遅くなりました。そう、ターフェルのファルスタッフはDVDにもなってます。詳しく調べてませんが、ターフェルの歌うヴェルディはそれくらいかな?名前を挙げておいてナンですけど、彼のフィリッポは想像できませんね(^_^;)
by Sardanapalus (2006-12-08 21:06) 

ヴァラリン

便乗してフィリッポ2世のアリアクイズを思い立ちました。
長いアリアですので、聴く方も大変かもしれませんが(^^;こちらを覗いていらっしゃる方々も、宜しければいらしてくださいね。
by ヴァラリン (2006-12-09 19:30) 

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