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《ドン・カルロ》の公演記録追加:トムとのツーショット [ドン・カルロ]

トムとサムではないですが、左下の、トムとルッジの写真、ずーっと気になっていましたが、ネット情報で判明。チューリッヒ歌劇場での公演でした。ついでに、これもずーっとわからなかったチョン・ミュンフン指揮、ボローニャ歌劇場の《ドン・カルロ》のキャストもわかりました。その他、ジュネーヴ大劇場とビルバオでの公演の情報も。ジュネーヴ大劇場のキャストには、ギャンビルの名前も........。もう一つ興味深いのは、フワン・ポンスがバスの役(今はバリトン)で出演していることですね。
■以前話題にした時の記事はこちらです。
1993年5月8日、チューリッヒ歌劇場、アダム・フィッシャー指揮

ドン・カルロ
エリザベッタ
ロドリゴ
フィリッポII世
エボリ
フランシスコ・アライザ
ガブリエラ・ベニャチコヴァ
トーマス・ハンプソン
ルッジェーロ・ライモンディ
マルヤーナ・リポヴシェク
※ウェルナー・ドゥッゲリン演出の《ドン・カルロ》は、チューリッヒの定番で、今も上演されています。ライモンディは、2002年にも、シコフ、ブルゾンと共演。今シーズンもライモンディは出演しませんがシコフ、クーラ、ガザーレ、ヌッチ、スカンディウッツィ等が出演します。



1988年5月4日 ボローニャ歌劇場管弦楽団 チョン・ミュンフン指揮

ドン・カルロ
エリザベッタ
ロドリゴ
フィリッポII世
エボリ
大審問官
アントニオ・オルドネス
アプリーレ・ミッロ
パオロ・コーニ
R・ライモンディ
ジョヴァンナ・カゾッラ
ホセ・ガルシア
※ライモンディのドキュメンタリーで紹介されていましたが、公演年月日と出演者は不明でした。
■前に話題にした時にTAROさんから、『エリザベッタは、多分アプリーレ・ミッロ』とコメントもらいましたが、あってました。

1977年9月3日 ビルバオ、Maurizio Arena指揮
ドン・カルロ
エリザベッタ
ロドリゴ
フィリッポII世
エボリ
大審問官

ホセ・カレーラス
カーティア・リッチャレッリ
ピエロ・カップッチッリ
ルッジェーロ・ライモンディ
フィオレンツァ・コッソット
ルイジ・ローニ
フワン・ポンス※まだバスだった頃、バリトンに転向する前

1977年1月22,29日、ジュネーヴ大劇場、Jesus Lopez Cobos指揮
ドン・カルロ
エリザベッタ
ロドリゴ
フィリッポII世
エボリ
大審問官
レルマ伯爵
ホセ・カレーラス
カーティア・リッチャレッリ
マッテオ・マヌグエッラ
ルッジェーロ・ライモンディ
エヴァ・ランドーヴァ
ルイジ・ローニ
ロバート・ギャンビル

■ついでの話:
フワン・ポンス(1946生)、バスからバリトンに転向のいきさつ
 ポンスの生家は貧しかったので、家計を助けるために13歳からミノルカ島の靴工場で働いていました。子供の頃から歌うことが好きで、大人になってからも町の教会の合唱団で歌っていました。1970年、24歳の時に、バルセロナの劇場のオーディションを受けるように勧められ、その結果、靴職人の道を中断して、オペラ歌手を目指すことになります。オーディションでもサルスエラを歌ったくらい、全くオペラの知識もなく、歌も知らなかったのですが、猛勉強して、数年後にはバス歌手として活躍しはじめたのです。
 仕事も増え、生活も安定してきた頃、アイーダで共演したカバリエに呼ばれ、「あなたは、正真正銘のバリトンよ、歌手として大成したいなら勉強し直しなさい」と。ポンスは、「そんなぁ......やっと稼げるようになったのに、妻子も養わなければならないし、今まで、必死に覚えたバスの歌を捨てて、また一から出直しなんて経済的にも無理です。」しかし、カバリエが、援助するとまで言ってくれたので、勉強し直す決心をしたということです。バス歌手のオファーが来ても、泣く泣く断り、ついに1978年にバリトンとして舞台に復帰します。
 ところで、ポンスが、世界の歌劇場で活躍するようになったきっかけは、1980年のミラノ・スカラ座の《ファルスタッフ》なんです。この公演は大成功で、「ポンスは、ファルスタッフのみを歌うべきである、ファルスタッフ歌い」と絶賛されたのです。実は、この公演は、ストレーレルの演出で、ライモンディに最初にお声がかかったのですが、ライモンディは、まだ自分には早すぎると断った公演です。どこにチャンスがあるかわからないものですね。(参考:スカラ座の名歌手たち)

参考:フィリッポII(ドン・カルロ)主な公演1968ー2003


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コメント 16

Sardanapalus

>トムとルッジの写真
以前話題にしてくださった時にこれはなんだ?って盛り上がりましたよね(笑)ぱっと見ゴッド・ファーザーかと思わせる衣装ですが、大柄な2人とも似合ってますね。詳細が判明したとは、嬉しい限りです。

>レルマ伯爵  ロバート・ギャンビル
(^^)デビュー直後とかでしょうか?レルマって原作ではけっこう重要人物ですけど、オペラじゃ王の取り巻きの一人ですよね。
by Sardanapalus (2006-10-13 23:33) 

euridice

>>レルマ伯爵  ロバート・ギャンビル
1955年生まれということですから22歳ってことですね。
by euridice (2006-10-13 23:40) 

keyaki

Sardanapalusさん、euridice さん
>以前話題にしてくださった時
そうそう、前の記事リンクしました。
リハーサルで私服かともおもったんですが、これ、衣裳ですね。このチューリッヒの演出は、衣裳は現代風だけど、読み替えはないそうです。

>レルマ伯爵
>オペラじゃ王の取り巻きの一人ですよね
そうです。王の親衛隊長みたいですね。
舞台にはけっこうよく登場しますが、歌うのは2カ所だけのようです。
フィリッポのところに大審問官がやって来る場面で一声
Il Grande Inquisitor!
それから、ロドリゴが死んだ後、フィリッポと一緒に来て、群衆が騒ぎはじめた時に二声
Il popolo è in furor!"
È l'infante ch'ei vuoi!

>ロバート・ギャンビル
なんか、思わぬところで、出てくるんですよね。ギャンビルさん。22歳ってことは、もしかしたら初舞台かも。
なんせ、彼の経歴は、なぜか1999年のタンホイザーからはじまってますからね。
《アルジェのイタリア女》のリンドーロもはっきり言って、さえませんでしたし、1986年にフェントンですからね。イタオペはきっぱり、さっぱり捨てて、ドイツものに転向したのは、賢い選択だったかもですね。
by keyaki (2006-10-14 01:45) 

わーい、ドン・カルロの話題ですね。
レルマ伯、5幕版だともうちょっと出てきますよ~。
エリザベッタにフランス国王の意向とフィリッポⅡの結婚申し込み?を伝える役目でけっこう長く歌います。でもギャンビルさんの歌ったジュネーブの公演は4幕版だったでしょうね^^;

>このチューリッヒの演出は、衣裳は現代風だけど、読み替えはないそうです。

そうなんですか~。
読み替えと現代風の違いを意識してませんでしたが、なるほど違いますね。
by (2006-10-14 18:15) 

keyaki

さすがりょーさん、
なるほど、ほんと、5幕版では、一声じゃないですね。
かなり重要な役というか、お役目ですね。

年末はクーラはドン・カルロづけなんですね。
りょーさん、見に行くのかな。
ウィーンもチューリッヒもキャストが同じようですね。
by keyaki (2006-10-15 01:07) 

助六

ボローニャのチョン指揮「ドン・カルロ」配役、気に掛かってましたが、昔の雑誌引っ張り出すのが面倒で「まあそのうち」とか思ってそのままになってました(笑)。既に懐かしくなり始めてる面々ですね。
この年の年末、ボローニャに行ったら劇場前のバールに早くもチョンのサイン入り顔写真が飾ってあり、「好評」はホントみたいだなとか思ったのを覚えてます。アジア人指揮者が「ドン・カルロ」みたいな難しいレパートリーでイタリアで成功するのは、中々のことですものね。彼は程なくバスティーユの音楽監督に決まりましたが、フランス人と結婚してバスティーユの準備に加わっていたエファ・ヴァーグナーの発案とかいう話でした。個人的にはオペラティックな感覚に不足がある彼のイタリアものは遂に好きになれずじまいでしたが。
by 助六 (2006-10-15 08:58) 

keyaki

助六さん、これって、話題の公演だったんですね。
ライモンディ以外は、当時の新進とか若手で揃えてますけど、
アントニオ・オルドネスは、わかりませんが、あとはみなさんベテランとして活躍中ですね。
by keyaki (2006-10-15 10:45) 

TARO

チョンのキャスト、ソプラノがミッロというのは何かの記事で見たんですが、どれだったのか捜し出せませんでした。当時の「音楽の友」と「レコード芸術」はバックナンバーを見たんですけど、どっちも違ったみたいで。
ジョヴァンナ・カゾッラのエボリ姫は、ちょっと聴いてみたい感じですね。
男性歌手には無知なのでアントニオ・オルドネスと言う人は知りませんが、このキャストにほうりこまれるくらいだから有名だったんでしょうね。

ビルバオのキャスティングが見事ですね。ジュネーヴと大分重なってて、一座っぽいです。

ところで話は変わりますが、昨日ルツェルン来日に行ってきました。アバドさんはとっても元気で安心しました。
by TARO (2006-10-15 13:10) 

keyaki

TAROさん、上京されてたんですか。
アバドさん、日本まで来るということは、お元気な証拠でしょうね。

ほんとにビルバオのキャストは、全員集合!ってなかんじですね。
>アントニオ・オルドネス
この方、1988年のカレーラス復帰ガラコンサートに出演してまして、「スペインの新進テノール、ここ数年来、めざましい活躍を続けている...」とありますが、まあ、ほとんどの歌手がそうですが、並の歌手さんとして、活躍されているようです。
カゾッラは、スマートなトーゥランドット姫としても健在ですね。
by keyaki (2006-10-15 13:49) 

Bowles

TAROさん

同じプログラムを金曜に聴きました。今日の室内楽も聴きに行ってきましたが、この前のポッリーニのリサイタルの時のように、客席でアッバードの姿をみかけました。様子だけを見ていると、年下のポッリーニよりずっと元気そうで(?)一安心。

keyakiさん、ごめんなさいね、関係ない話で。
by Bowles (2006-10-15 19:05) 

TARO

>keyakiさん

午後に仙台を発って、最終1つ前の東北新幹線で日帰りという強行軍でした。若い頃は11時30分上野発・朝6時ごろ仙台着の寝台車で帰るなんてことをやってましたが、最近は新幹線の日帰りですら疲れます。これを年齢(とし)というんでしょうか?西洋美術館のブリューゲル(?付き)に寄る時間もとれず。

イタリア・オペラのテノールはデビュー後のほんの一時期に、若くて張りがあって新鮮な声を響かせてくれれば、仮にそれで終わってもいいのかも。それが華というものだし。

>Bowlesさん

初日に行かれたんですか。フルートのジャック・ズーンは、聞きしに勝る素晴らしさでしたね。
ソプラノのハルニッシュという人は、モツレクにくっついてた録音から、勝手に想像してたよりも綺麗な声でした。単にアバドの個人的なひきでというだけじゃなくて、それなりにちゃんとした歌を歌う人なんだということも確認できました。(勿論「神よ、私の心を」K418をグルベローヴァやドゥセと比べたりしないという前提でですが。)
by TARO (2006-10-16 01:21) 

keyaki

TAROさん、
新幹線だと、時間的には、私が、サントリーホールに行くのと同じくらいなんでしょうけど、移動距離が長いと、疲れますね。
by keyaki (2006-10-17 16:25) 

euridice

この記事とは関係ないですが、
「全記事リスト」便利ですね。制作、お疲れさま!^^!
by euridice (2006-10-18 16:28) 

keyaki

euridiceさんのを参考にさせて頂きました。というか同じですけど。ありがとうございます。
自分でも記憶だけにたよれなくなってきましたので、とりあえず一覧表を作らなくては、と思ってました。
by keyaki (2006-10-19 02:47) 

rosina

好き嫌いは別として、ハンプソンもロドリーゴとしてはかなり実績がありますよね。声は軽めだけど、メタリックだからカヴァリエバリトン役が似合います。やっぱり今年暮れのドン・カルロ@スカラ座は、ロドリーゴ役でチューリッヒに負けていますね・・・。
by rosina (2008-09-01 23:10) 

keyaki

rosinaさん、私も好き嫌いは別として、有名な歌手には一目置いてます。
チューリヒのも放送があるといいですけど、あそこはねぜかラジオ放送しないですよね。

by keyaki (2008-09-02 14:32) 

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