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ヴェルディの"Requiem" [レクイエム/スタバト・マーテル]

復活祭の時期は、各地でヴェルディ《レクイエム》が演奏されているようです。ネット放送のブログオペラキャストさんの2006年4月14日の記事で、ニューヨークフィル、マゼール指揮のヴェルディ《レクイエム》が紹介されています。ソリストは、私でも知っている今活躍中の面々でしたので、ちょっと聞いてみました。
ソリスト:
フィオレンツァ・チェドリンス(S)、ルチアーナ・ディンティーノ(MS)、フランコ・ファリーナ(T)、オルリン・アナスタソフ(B)

今まで馴染んできたものとは異質。このレクイムが、いくらオペラチックとはいえ、二流のオペラを聞いているような感覚におちいりました。ソリストのみなさん、オペラ歌手としては一流でしょうけれど、様式感に欠けるバラバラ歌唱で、力が入りすぎでうるさい。それにしてもこの声の大きな揺れは....? ここまで言うとみなさん聞いてみたくなりませんか。
26日まで、こちらで聴けますので、どうぞ!
※上から3行目の"Online: Wed, Apr 12 - Wed, Apr 26 "の右のRealPlayerをクリック

バスがR.ライモンディのヴェルディ《レクイエム》の主なもの
※写真をクリックするとビデオクリップが見られます
バーンスタイン指揮:アーロヨ、ヴィージー、ドミンゴ
Salva me〜Lacrymosa  画質を落としたので、バーンスタインの激しい動きについていけてませんね。
ムーティ指揮:コトルバシュ、ハマリ、ルケッティ
Confutatis〜 
ムーティとは若い頃は共演してます
アバド指揮:フレーニ、オブラスツォワ、パヴァロッティ
Lacrymosa 2001年のインタビューでアバドは、「今までの中で、最も美しい想い出のレクイエム...」と語っている
シノーポリ指揮:ザンピエリ、ファスベンダー、ルケッティ
Mors stupebit,Confutatis
シノーポリとのピアノリハ
RAITVライモンディ特集番組から
CD、DVD
ヴェルディ:レクイエム1969
CD
バルビローリ指揮:カバリエ、コッソット、ヴィッカーズ
ヴィッカーズが異質というか不思議な感じ

Verdi: Requiem1970
CD
バーンスタイン指揮:アーロヨ、ヴィージー、ドミンゴ
同じソリストのライブのDVDもあり

Verdi: Requiem1970
CD
カラヤン指揮:ヤノビッツ、ルードビッヒ、ベルゴンツィ
ザルツブルグ音楽祭ライブ

Giuseppe Verdi: Messa De Requiem/Quattro Pezzi Sacri1991
CD
アバド指揮:ステューダー、リポヴシェク、カレーラス


Bernstein in London: Verdi Requiem1970
DVD
バーンスタイン指揮:アーロヨ、ヴィージー、ドミンゴ
VHS、LDで出ていたものがDVDでリリース
発売がドリームライフなのでまだ買ってません。
Requiem 1982
DVD
アバド指揮:M.プライス、ノーマン、カレーラス
評論家の吉田秀和氏称賛のエッセイ

※参考:Verdi:Requiemの主な公演とレコーディング 1969ー1991


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コメント 12

助六

取りあえず、ざっと拾い聞きしてみました。

>二流のオペラを聞いているような
そうかもねぇ。マゼールの指揮のせいでしょうかね。写真を見るとさすがにおじいちゃんぽくなっちゃたけど、「ディエス・イレ」などは速いテンポで昔に劣らぬクセ者振りで一安心と言いますか。彼も昔に較べてギラついたところが随分減り落ちついたのは事実だけど、「マノン・レスコー」「トーランドット」「ドン・カルロ」とか多かれ少なかれ、この手の細部をえぐった表現でしたね。プッチーニなんかは和声や楽器法のディテールが浮き上がって面白かったりもするけど、ヴェルディのイディオム、特に「レクイエム」のそれとは本質的には異質ですね。でもさすがに緩徐セクションは大人しくなったね。個人的にはテンポが遅くなり「巨匠化」したマゼールなんか余り聞きたくなくて、むしろ「クセ者」でいて欲しいのですが。「フィデリオ」みたいなヘタに正攻法の演奏では退屈になりかねない曲では、彼のヒネクレ振りは面白かったし、昔ベルリンのアンサンブルと録音した「トラヴィアータ」なんかキャスト含め面白さでは随一でしたが。
でもニューヨーク・フィルは、特に金管はやっぱり欧州の並のオケよりうまいですね。2年前フィレンツェ5月祭のオケと合唱がメータ指揮でこの曲やりましたが(ディンティーノも歌ってた)、残念ながらイタリアのアンサンブルのドラマを吐き出す底力信じてる小生でも、イタリアのオケと合唱ってここまでヘタだったっけ、イタリアのヴェルディがこれでは余りに悲しいと思わざるを得ない技術的貧しさだったもので。

チェドリンスもディンティーノも広いヴィブラートが気になります。チェドリンスは3年前トスカで聴いたときにはとても自然なテクニックを持った人に思えましたが、レオノーレとか歌いすぎなのかなとかちょっと心配になってしまう。ディンティーノは92年にスカラのオープニングでエボリ歌った時から(ラジオで聞いただけですが)、その頃から役に声が付いていかない感じでしたから、仕方ないのかなというところ。ファリーナは基本的に声がなくて音程危ないけど、アナスタソフは健闘で言われなければスラヴ系とは気が付かないレガート力と思いました。私は特に「力が入りすぎ」とは思わなかったんですが。録音やマイクの位置、ライヴ故の表現強調もあるのではないかと思います。
何れにせよ、この曲オペラティックな外向性と一応宗教曲としての内向性のバランスが大変微妙で、マゼールでは当然前者に重点が行き、歌手もその方向に流れる傾向はあると思います。バランス取れてたのはアバドとか晩年のジュリーニあたりですかね。

>声の大きな揺れ
ってどういう意味ですか。ソプラノとメッツォさんのヴィブラートの大きさ、あるいはテノールさんの音程の不安定さって意味かなとかも思ったんですが。高音のフォルテが割れるのは圧縮音声のせいでしょうし。
by 助六 (2006-04-19 08:57) 

助六

打ち間違い。レオノーレじゃなくてレオノーラ!
by 助六 (2006-04-19 09:06) 

keyaki

助六さん、いつでも聞けるのはいいですね。コメントありがとうございます。
>オペラティックな外向性と一応宗教曲としての内向性のバランス
私は行きませんでしたが、ムーティが先日日本で指揮したソリストは、フリットリ、サバティーニ、ダルカンジェロ、メゾは知らない人なので忘れましたが、フリットリもダルカンジェロもモーツァルトとかお得意なので、このNYフィルの演奏は、ソリストが目立ちすぎというのが第一印象なのですが、恐らくそれはなかったのでは、、と想像してます。

>ヴィブラートの大きさ
そうです。ソリスト全員のが気になったので、録音のせいかとも思いましたが、音の高さではなくて、力が入りすぎのところでそれがあるかなぁ、、と思いました。

アイーダと、エボリとプロチダの競演というかんじで、これぞ、真のヴェルディのレクイエムなのかもしれません。
声をひけらかすタイプのオペラがお得意のソリストをあえて選んだのかそのへんはわかりませんが、ソリストが目立ちすぎ、じゃない耳立ちすぎ、、(笑
by keyaki (2006-04-19 14:04) 

euridice

私のヴェルディのレクイエム体験は、カラヤン指揮とバーンスタイン指揮とアバド指揮(もちろん全部録音)ぐらいだと思います。どれも、独唱者は合唱の一部という程度の存在という気持ちで聞いてきましたが、これは、独唱者がとっても目立って、ちょっとびっくりしました。ヴェルディ作曲各種オペラが浮び上がる.....という印象ですね^^!
by euridice (2006-04-19 14:22) 

Sardanapalus

私も聞かせていただきました。keyakiさんの言葉を話半分で聞き始めたのですが、独唱が始まるたびに椅子から落ちそうになりました(笑)皆フォルテの声が癖ありすぎでしょう!ここまでソリストが目立っているレクイエムを聴くのは初めてです。さすが?マゼール。助六さんの仰るようにマイクの置き場所やミキシングのせいもあるかもしれませんが、これじゃあ正に「死者も起きだす」レクイエムですね。
by Sardanapalus (2006-04-19 21:21) 

keyaki

euridiceさん、Sardanapalusさん
>皆フォルテの声が癖ありすぎ
そうそう、そうですよ、癖ですね。

こういう宗教曲は、オペラより指揮者の要求が細部にわたり厳しいものだと思うのですけどね。それぞれが自己流に歌っているようなかんじがします。
by keyaki (2006-04-19 23:36) 

ヴァラリン

RR氏のビデオクリップ、バスのパートを把握する為に、とても役立ちました。ありがとうございます!
記事の中で紹介&リンクさせて頂きました。

この曲に殆ど馴染みがなかったので、いい演奏かどうかは???ですが、とりあえずこのNYフィルの演奏よりかは、遥かに感性に合う演奏だったようですf(^^;
(こっちのほうが一定期間、いつでも聴けて、尚且つ音がいいのが悔しいかも^^;)

皆様の厳しいお耳にかなう演奏か、ソリストかどうかは自信がありませんが、バス(←調子がいいとは言い難いのです…)のパートを中心に音声クリップも作ってみました。
どうぞ、お時間のある時に遊びにいらして下さいね。

というわけで、レクイエム繋がりでTBさせて頂きますね。
by ヴァラリン (2006-04-20 15:33) 

TARO

ずっと時間がなくて、ようやく聴くことができましたが、マゼール相変わらずですねえ。この曲の宗教曲としての側面をちゃんと打ち出したものとしては、アバドの演奏が(当然のように)評価されてるわけですが、アバド嫌いのマゼールとしては、絶対に正反対の派手派手でやるしかないと思ってるんでしょうか。
ただディーエス・イレなど、これだけ派手な大盛り上がりの連続で作っていながら、空虚な感じを与えないのは、さすがマゼールという感じもしました。
ソリストもここまでオペラティックに歌わせなくてもという感じ。ディンティーノはたしかにエボリかアムネリスでも歌ってるみたいな歌い方ですね。こうも必死で歌ってるのが続くと、だんだんあきてくるかも・・・

それにしてもNYフィルのはバイエルン放響に比べて音質いいですね。このぐらいだと圧縮音声でも聞けるんですが、バイエルンのはちょっと厳しいかも。逆だと良かったのに。
by TARO (2006-04-21 02:01) 

keyaki

>アバド嫌いのマゼール
えぇ、そうなんですか。指揮者同士なんて、一緒に仕事することなんてあり得ないのに、好きも嫌いもないでしょうに、どこに接点があるんでしょう。同年代だから、ライバルってことかしら。
僭越ながらソリストの選択自体が間違っとるぞ、と言いたいですけど、それも意図したものと言われれば、あぁ、そうですかなんですけどね。

マゼールといえば、2年前にセビリアでカルメンをやるというので大プロジェクトを企画した中心人物だったんですが、なんとご本人が白内障だったかな、オペで直前キャンセル、代役の指揮者が見つからなくて、延期ということになったんですが、結局どうなったんでしょうねぇ。ライモンディもかり出されてたんですけどね。
by keyaki (2006-04-21 02:19) 

TARO

指揮者同士の好き嫌いは結構あるみたいですよ。
往年の名指揮者だと、カラヤンはオーマンディが大嫌いで、セルとは仲良しだったりとか。

マゼールはベルリン・フィルの音楽監督の地位をアバドにさらわれたのが、悔しかったらしくて、当時なんだかいろいろ言ってましたね。でも別にアバドが欲しくて獲ったわけじゃないし、やつあたりとしかいいようがないんですけどね。
アバドと犬猿の仲なのは、ドホナーニとムーティ。互いに避けてたらしいのが生前のカラヤン。
親しいのはメータ、ハイティンク、バレンボイム、ラトルあたりでしょうか。シャイーやハーディングは当然ですが。
by TARO (2006-04-22 14:16) 

サンフランシスコ人

「復活祭の時期は、各地でヴェルディ《レクイエム》が演奏されているようです。」

イタリアで?

「ニューヨーク・フィルは、特に金管はやっぱり欧州の並のオケよりうまいですね。」

非常にうまいです。ニューヨーク・フィルの定期によくいきました。
by サンフランシスコ人 (2008-02-20 12:32) 

keyaki

ニューヨークにもお住まいになっていらしたんですか、それともニューヨークまでお出かけに?  時差があるくらい遠いんですよね。

>イタリアで?
ヴェルディのレクイエムは世界各地でことあるごとに演奏されているようですから、復活祭の時期とは関係ないと思いますが、多分、昨年のこの時期、復活祭音楽祭とか、いろんなところで演奏しているなぁ...と目についたんで、そういうように書いたんではないかと思いますが、各地がどこかは、記憶にないです。
by keyaki (2008-02-22 00:33) 

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