新国立劇場《魔笛》の男性三役(2006.1.24鑑賞) [オペラ生舞台鑑賞記録]
ハンペ演出の《魔笛》を見ました。男性主要三役がヨーロッパから、あとは日本人キャストです。
ザラストロ、タミーノ、パパゲーノ、それぞれ役柄にピッタリ。(写真左)
三人ともドイツ語圏の歌手というのも、いまどきめずらしいかもしれません。ドイツ語にうるさい方々も会話の部分が心地よかったのではないかと思います。そのドイツ語のせりふの中に、タミーノが「チョットマテッ!」、パパゲーノが「イラナァーイ!」と日本語をさらっと混ぜて、笑いをさそっていました。
タミーノのトローストとパパゲーノのシャリンガーは、お得意のレパートリーだけあって、満足、文句無し。
トローストは、シンプルな白の衣裳で、バレエの王子様のようにも見えました。パッチリした青い目で、スタイルもよく、今まで見た、といっても映像ですけど、一番絵になってました。
ザラストロのライターは、威厳のある声で背も高くて格好いい。注目の若手のようです。
シャリンガーは、達者な歌と演技で笑わせてくれました。客席に向かって「とめてくれないとほんとに自殺しちゃうよ」というところでは、「ダメ!」と叫びたい衝動にかられました。(ドイツだったら客席から"Nein!"と声がかかるのかしら? そうすると3人の童子が困ってしまいますね)
カーテンコールには、パパゲーノとパパゲーナの子供が10人くらい登場してかわいらしかったですよ。
音楽は、全体的にジングシュピールのところは調子良く心地いいのですが、歌になると指揮が足をひっぱているようなかんじがしました。2幕からは、お互いに慣れてきたのかよくなったとおもいますが、、、。2幕から皇后陛下がご覧になっていましたので、気合いが入ったのかもしれません。(2006.1.24 1階席前方で鑑賞)
※新国立劇場のサイト:舞台写真とキャスト詳細
左)Rainer Trost (Tenor) 1966 - Stuttgartドイツ
中) Alfred Reiter( Bass ) Augsburgドイツ
右)Anton Scharinger (Baritone) 1961 - オーストリア
★ついでにDVD:
モーツァルト《後宮からの逃走》フィレンツ5月音楽祭の収録
ライナー・トローストがベルモンテで出演。クルト・リドルのオスミンが達者な歌と演技でイタリア語を入れたりして、客席を大いにわかせています。
モーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》(シャトレ座)
ライナー・トローストがフェランドで出演。
Orfeoさんのブログに紹介記事がありますのでどうぞ。
モーツァルト《魔笛》(チューリヒ歌劇場)
アントン・シャリンガーが十八番のパパゲーノ役。Orfeoさんのブログに紹介記事がありますのでどうぞ。
euridiceさんのブログにも紹介記事があります。《パパゲーノは灰汁の強いおっさんで、とにかくよくしゃべります》と書いてありますヨ、そうその通り、あの「首吊って死んじゃうよ!」という場面、普通でもあんなに喋るのかしら??
わー、素敵な合成写真!!
keyakiさんのお宅で《魔笛》の話題というのも珍しいですね(^^;
(でも嬉しいです~~)
ライナー・トロスト、良かったんですね。前に一度、パリだったかの《コジ》の映像を見たことがあるはずなのですけど、全然記憶ナシです(^^;
もう一度、しっかりと見てみます!!
気になるザラストロ(^^;なんですけど、あー、ホントに長身…
痩せてても背が高いと、舞台栄えするんですよねぇ…(溜息)
若いザラストロで見ると、このオペラそのものがちょっと新鮮な感じがしませんか?
>パパゲーノとパパゲーナの子供が10人くらい登場
こういうのは微笑ましいですね(^^)
by ヴァラリン (2006-01-26 05:52)
あらら、keyakiさんに先を越されてしまいました。でも、ほんと素敵な合成写真^^! 下の方の写真もいいですね。私も観ましたので、記事にしたら、TBさせてください。
全く同感!の公演でした。
by euridice (2006-01-26 07:27)
トロストがかっこいいので、パチパチ切り抜いちゃいました。こんなシンプルな白の衣裳がさまになる、オペラ歌手にもいるんですね。かなり前の席でしたが、オペラグラスで追っかけました。髪の毛は金髪じゃないようですけど、きれいな青い目をしていました。ヒールのないブーツなので、バレエダンサー風でしたよ。歩き方がさまになって美しかったです。
ザラストロの歌もはじめてじっくり聴きましたが、かなり低い音があって、難しそうですね。ヴァラリンさんが、この役で、ヴィノ君ステキ!とファンになったということは、実力のある歌手に違いないと思いました。背が高いのはやっぱり有利ですけど、こればっかりは仕方がないですものね。
>若いザラストロで見ると、このオペラそのものがちょっと新鮮な感じがしませんか?
若いほうが、変な団体というのではなくて、純粋な感じがあっていいとおもいます。わざと変なカツラをかぶらせたりされてないということは、若いザラストロが演出家の意図でもあると思いました。
とにかく、音楽的にはモーツァルト歌手として定評のある方々と噂には聞いていましたが、見た目にも素晴らしく、嬉しい公演でした。
by keyaki (2006-01-26 16:10)
トロスト、本当はモネ歌劇場の来日公演で「ドン・ジョヴァンニ」でオッターヴィオ歌うはずだったんですよね~。ああ、残念。こんな素敵なタミーノなら、パミーナが一目ぼれするのも納得です。ザラストロもパパゲーノも正に役柄にぴったりですね。男声陣の充実している「魔笛」公演をご覧になったとは羨ましいです~。
>客席に向かって「とめてくれないとほんとに自殺しちゃうよ」というところでは、「ダメ!」と叫びたい衝動に
キーンリーサイドのパパゲーノの話ですが、最後に「1、2、3」と数えるところで客席から指笛が返ってきたときは、アドリブの台詞で「誰?どこにいるの?(中略)なんだ、空耳かよ」という感じで自殺未遂シーンにもっていったそうですから、シャリンガーならベラベラとお得意の台詞を連発しそうですね。一度はそんな公演も見てみたいです(笑)
by Sardanapalus (2006-01-26 22:07)
keyakiさんとedcさん、お二人のレポートを読んで触発され、新しく記事を書き、TB&リンクさせて頂きました。ザラストロについて、熱く語ってます(^^;ので、また遊びに来て下さいね(^-^)
>ヴァラリンさんが、この役で、ヴィノ君ステキ!とファンになったということは、実力のある歌手に違いないと思いました。
はい(^。^)いつかKeyakiさんにも聴いて頂きたいです~~(笑)
by ヴァラリン (2006-01-27 08:28)
Sardanapalusさん
そうなんですよね。トロストを楽しみにしていた方も多かったので、がっかりだったんですよね。新国はキャンセルじゃなくてよかったです。
オペラ歴もそこそこになってくると、特にテノールの容姿には全く期待しないというか、あきらめてますから、嬉しいですね。
>>客席に向かって「とめてくれないとほんとに自殺しちゃうよ」というところでは、「ダメ!」と叫びたい衝動に
やっぱり、なにか言いたくなっちゃいますね。アドリブでうまく返してくれると楽しいでしょうね。
by keyaki (2006-01-28 11:37)
ヴァラリンさん
ザラストロの言っていることって、めちゃくちゃなんで、変な教祖様のような格好をさせたりしない、若いザラストロの方がいいですよね。
TBありがとうございます。早速拝見!
そうそう、エレガント!これ重要ですね。
by keyaki (2006-01-28 11:47)
私もなんとか最終日に滑り込んで観て来ました! 夢のような素敵な舞台で、やっぱり魔笛はこういう演出で観たいと感じました。
keyakiさまがご覧になった日は皇后さまもお出ましだったのですね。オペラがお好きなようですが、お立場上、そうそう簡単にお出かけにもなれないのでしょうね。なんだか、皇后さまがご覧になったのが、こんなに素敵な舞台だったのがなんとなく嬉しくなったりもしました。(^^ゞ
今日は、歌手たちがみな素晴らしい歌を聴かせてくれて、あっという間に終わってしまったという感じ。特に、シャリンンガーのパパゲーノと砂川さんのパミーナが良かったと思います。
by オクタヴィアン (2006-01-30 00:39)
keyakiさま、こんにちは。TBありがとうございます。同じ日だったとは偶然ですね。幕間はおせんさんと3階ロビーで話し込んでいたのでお会いできませんでしたね。この魔笛が新国で初めて上演されたモーツァルト作品だったのではないでしょうか。わたくしの敬愛する初代芸術監督の想いがこもったプロダクションだったのですね。ということでわたくしもTBさせていただきます。
by (2006-01-30 02:32)
おそーくなりましたが、やっとこちらまだでたどり着きました♪ほんとに新国では久々にまあまあの公演でしたね。毎回これぐらいのが観られるとそんなに文句はないのですが・・。ということでTBさせていただきますね。
by nafoo113 (2006-02-02 23:06)
nafooさん、TBありがとうございます。
YAHOOのほうが、まだましかもしれません。
so-netも重くて、四苦八苦してます。
by keyaki (2006-02-03 01:33)