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追記)「フィガロの結婚」のフィガロ役と伯爵役 [フィガロの結婚]

前の記事は、ライモンディは1968年からフィガロを持ち役にしていましたが、ある時点から伯爵に転向、理由は?というご質問をいただきましたのでその回答のつもりの記事です。
一般的には、伯爵はバリトン、フィガロはバス(バス・バリトン)ということになっています。(TAROさんのモーツァルト・オペラの声が参考になります)
オペラ歌手は、いつも自分の歌いたいものが歌える・・・というほうが稀だと思います。キャリアを築いてくれば、可能でしょうが、オファーがきても歌いたくない役は断るという程度で、この役をやりたい! という希望がかなうのは難しいとおもいます。しかし、そういうことに執念を燃やしている歌手がライモンディなんです。
「ブラヴォー オペラ歌手20人が語るその芸術と人生」という本でも伯爵の人物像の彼の解釈をかなり詳細に語っています。 「伯爵は、道化役どころか、非常に複雑な性格の持ち主で、演技面で様々な可能性を持っている人物です」ライモンディは伯爵を歌うことを心から楽しみにしているということです。

ライモンディの伯爵とフィガロを映像で見ると、どちらも当たり役だとおもいます。さすが、歌役者です。ファンとしては甲乙つけがたい、フィガロの方がたくさんアリアがあるし、でも伯爵も・・・というかんじです。
タイミングよく、お友達からのメールにがこのことが書いてありますので、ちょっとご紹介します。
新国のフィガロ役のムラーロが映画版トスカのアンジェロッティで、バス声だったのでちょっとびっくりしたという私の感想メールに対しての返信です。
あのアンジェロッティですね。いいですよね、いかにもbasso profondoの響きで。(みかけもいかにものクマちゃんですが)
bassのFigaro・・・RRはバス?バス・バリ? 両方の書き方を見ますよね。ま、RRはprofondoじゃないから。
RRのはFigaroも伯爵も見ることが出来ましたが、どっちがいいでしょうね?
伯爵は、彼の場合どうもドン・ジョヴァンニと重なってしまって、区別がつかなくなります。その意味ではFigaroの方がスキかな?
ドン・ジョヴァンニや伯爵とは対照的に、なんだかとてもおマヌケで愛嬌のある善人でカワイイですもの。時々みせる、あの、目を丸~くする表情なんて。

>ドン・ジョヴァンニと重なる
ライモンディが意図している、伯爵像ですね。
ライモンディが言っている「フィガロを演じる方法は三種類しかない」は
マヌケ、善人、カワイイ・・・かなぁ

◆ビデオクリップ:写真左上)をクリック 『フィガロの結婚』3幕、伯爵のスザンナに対するご執心ぶり・・さすがライモンディ伯爵(環境によっては、読み込みに時間がかかります)
◆ビデオクリップ:フィガロのアリア(Non più andrai..。他)ケルビーノをかなりいじめてます
◆ビデオクリップ:Aprite un po' quegli occhi客席を明るくして、観客に向かって「あんた達も目をあけてよくみたほうがいいよ」と忠告
※写真右上)フィガロ(ライモンディ)、スザンナ(ビデオと同じMcLaughlin )

ちなみに、ライモンディは、自称バス・バリトンとか、バッソ・カンタンテ、オペラ関連の書籍では、「バス」に入れられているか、「バス、バス・バリトン」と表記されているようです。


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コメント 6

euridice

今のところ、最も印象的な伯爵は、フィッシャー・ディースカウとライモンディです。どっちが一番?か、選べません・・・ フィガロ?
やっぱりこのオペラって、伯爵のほうが重要人物だと思います......
by euridice (2005-04-17 09:47) 

keyaki

ビデオクリップでご覧頂けるライモンディが伯爵の「フィガロの結婚」は、1994年に日本でも上演されたんですよね。
私、この時期、まったくチェックしてなかったというかオペラ離れしてましたので、知りませんでした。
この映像は、当時BSでも放送され、その後LDでリリース、未だにDVD化されませんね。
BSで放送されたものとLDは編集が違うのか、アングルが違うのか、撮影日が違うのか、微妙に?かなり?違います。NHKもしつこく再放送するものもあるのに、これはしないですね。
指揮、演出、歌手が揃っていて、総合芸術としてのオペラを心から堪能できます。

>やっぱりこのオペラって、伯爵のほうが重要人物だと思います......
そうですね。ライモンディの唯一見られるフィガロは伯爵がトーマス・アレンでスマートな伯爵ぶりで気に入っていますが、フィガロが目立っているなぁ・・・と感じます。
by keyaki (2005-04-17 14:12) 

ヴァラリン

ビデオクリップ、拝見させて頂きましたm(__)m
私はRR氏が伯爵の、ウィーンの映像でこのオペラにハマったくちですので、やっぱりRR氏=伯爵というイメージが強烈です(^^;
あれは確かに、キャラズレが殆どないし、演出も今見ても古くないですものね。気が利いてるし・・
BSでも放送したんですか。
そういえば、この映像の存在を知ったのは、N○Kのおしゃれ工房(今も放送してます??)で、『オペラを見てみませんか』という主旨の特集があったときに、確かリンボウ先生が紹介してたのが最初だったと記憶してます。で、フィガロ入門にはこの映像じゃぁ~~と、気合を入れたわけです(^^;

この映像、どうしてDVDにならないんでしょうね?本当に不思議です・・
by ヴァラリン (2005-04-18 23:29) 

keyaki

ヴァラリンさん
この「フィガロの結婚」は、オペラを見てみたい・・・という人の布教用にもピッタリですね。
by keyaki (2005-04-20 00:15) 

おさかな♪

keyakiさん
先日、おうちでトスカの上映会をしたところ、ライモンディさんのファンが続出!
あと、keyakiさんのコメントを隅々まで読んでいる人もいました。(トスカの上映時間は2時間以内、とか・・)
keyakiさん、おさかな♪ブログの常連さんに人気ですヨ☆
by おさかな♪ (2005-04-20 01:50) 

keyaki

おさかな♪さん、ありがとう!
その映画版「トスカ」も布教活動にはもってこいですネ。

おさかな♪さんのブログも楽しいし、そこに集まって来る若い方達のブログも覗かせていただいてます。

RRと指揮者シリーズをはじめました。テレビの大画面で見ると古い録画は画質が悪いのですが、パソコンで小さくするとまあまあかな。(特に私のPCはきれいに見えるのが自慢なんですけど)
ところで、おさかな♪さんのパソコンで、私のビデオ・クリップは見られますか?
時間がかかる場合は、ネットサーフィンかPCででもお仕事しながら気長にダウンロードしていただければとおもいます。もちろん光ならあっというまだとおもいますが。
by keyaki (2005-04-20 10:17) 

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