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オペラ傑作歌唱で初笑い:ターフェル(ヴォータン)のGeh'! ☆ ロメオ(ベチャワ)のハイC失敗... [テノールの高音]

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 YouTubeでなんとなく見つけてしまったものですが、何度聞いても笑ってしまいます。前にも取り上げたことのあるイタリアRai3のラジオ番組"La Barcaccia"、話題のオペラ公演の紹介とか、オペラ歌手をゲストに招いたり、電話インタビューしたり、また、"perlae nere"というコーナーでは、ケッサク歌唱を放送したりしている、さすがイタリアと言える番組なんですが、この"perlae nere”で取り上げられたものから、特に面白かったものを二つ。偶然にも両方ともメトの公演です。

1.ターフェル Bryn Terfel のヴォータン (メト20011.6)
2.ベチャワのロメオ(メト2011.3)
iPad iphone用MP3

☆参考:
グリゴーロのロメオ:LAオペラ(2011.10)
G(ソ)のままでハイCに上げていない
指揮は両方ともドミンゴ
iPad iphone用MP3

↑普段はこの程度の"Geh'!"
画像をクリックするとビデオにリンクしています

ちょっと説明:
☆ブリン・ターフェルのヴォータン
 ヴォータンが、ジークムントを殺したフンディングに向って「Geh'.....行け」と言う場面、最初の「行け」はつぶやくように、2回目の「Geh'! 行け!」は威圧するように....かな....その2回目の"Geh'!"、きっとフンディングはこの声で即死でしょうね。司会者の大笑いにつられて笑ってしまうのかとも思いましたが、何度聞いても笑っちゃいます。

☆ベチャワのロメオ:グノーのRoméo et Juliette 3幕フィナーレ
 怒りにかられてティボルトを殺してしまったロメオに所払いが宣告され、"もう一度ジュリエットに会いたい! je veux la revoir! "と叫ぶ場面で、どうやら、最後のソをハイCに上げて歌うのが慣例のようなんですが、そのハイCが完全に裏返ってしまって、ラジオで聞くと笑えます。(舞台を見に行った方は会場が一瞬凍り付いたとか...完全な失敗を笑う人はいませんからね)
 ちなみに、ヴィットリオ.グリゴーロは、6月にスカラ座、10月にはLAオペラでロメオを歌っていますが、ここは、あえてハイCに上げていません。私の見た楽譜はハイCはありませんし.....グリゴーロのロメオは歌唱面でも非常に好評なんですが、トロヴァトーレの "Di quella pira l'orrendo foco"と違って、ここをハイCに上げないことを批判するレビューは全くありませんでした。それなのに、ベチャワはどうして無理をするんでしょうか......? 参考までに同じ部分の歌唱をアップしました。

関連記事:
スチュアート・ニール、ハイCの着地に失敗しました! "Di quella pira l'orrendo foco"
ゲオルギューとグリゴーロ★☆Rai3のラジオ番組"La Barcaccia"
マリーナ・ポプラフスカヤの"Sempre libera"のケッサク歌唱(メト2011.1.15の椿姫)

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コメント 6

Sardanapalus

明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします。

新年最初から楽しい記事をありがとうございます。ターフェルのGehは私も大笑いしてしまいました!!こんな声を出すときもあるんですねぇ。

テノールの高音がひっくり返っちゃうのは、私も別の歌手で体験したことがありますが、確かに客席の雰囲気は凍りつきましたし、私も冷や汗が出ました。変に無理して慣例の高音を歌うより楽譜通りでいいじゃない、と思ってしまうのは、私が低音好きだからでしょうかね?
by Sardanapalus (2012-01-03 20:42) 

ペーターのファンです。

新年おめでとうございます。

年明け早々の初笑いをありがとうございます。ターフェルのGeh~~!これ、司会者笑いすぎでしょうと思いながら一緒に爆笑しました。
もう一つの方は、なかなか調子良さそうと思ったところに不意打ちで、音声だけだとこれも笑ってしまいます。わざわざ危ない橋を渡らずとも、きちんと歌うことが何よりでしょうに。こんなのが放送されて残ってしまうオペラ歌手は大変な仕事ですね。

短い年始の休みも今日で終わりですが、笑う門には福来るの気持ちで出勤できそうです。今年もよろしくお願いいたします。
by ペーターのファンです。 (2012-01-03 21:24) 

keyaki

Sardanapalusさん
今年もよろしくお願いします。
ターフェルのGehは、ほんと演技に没頭し過ぎて歌手だということを忘れたんでしょうか。

グノーのロメオとジュリエットのテノールの有名なバルコニーシーンのアリアは、最高音がB♭なので、どうしても高音を誇示したいハイC病なんでしょうか.....YouTubeでいろいろ確認したのは全部、皆さん上げて終わってるんですよ。それほど有名というか人気があって頻繁に上演される演目ではないのですから、なにも無理して上げることはないですよね。
特にベチャラは、BBCで放送した椿姫のアルフレードも、あまりよくなかったので、若者系の役からは手を引いた方がいいような感じもします。声はワインのようなものだそうですから、ベチャラは、成熟し過ぎてちょっとお酢になりかかっているのかも。
by keyaki (2012-01-04 10:13) 

keyaki

ペーターのファンさん
新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

>ターフェルのGeh~~!これ、司会者笑いすぎでしょうと思いながら一緒に爆笑しました。
ほんと、劇場で聞いていた人たちは、ぜんぜん可笑しくなかったかもしれませんが、スティンケッリ氏が、その場にいたら、劇場が爆笑の渦になっていたかも。この番組は1988年からやっている長寿番組なんですけど、だいたいベチャラのような気の毒な声の裏返りとか調子っぱずれの歌唱をとりあげていますから、おやまあ...ひどいね....という反応で、こんな爆笑はめずらしいです。
NHKで放送されたのでご覧になった方も多いと思いますが、スカラ座開幕公演のドン・ジョヴァンニも「がっかりっだね....」ということで紹介されていました。その後別の日に"perlae nere”にも取り上げられていました。
by keyaki (2012-01-04 11:07) 

Kinox

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

ターフェルのは始め司会者がふざけてまねしているのかと思いました。こんなリキ入れちゃったなんておかしい、本人もきっと録音を聴いたら大笑いするでしょうね。スカラのジョヴァンニははっきり言って今までターフェルからは聴いたことのないようなやせた声でしたよね。ヴォータンの歌いすぎなのかなぁ。

ベチャラはちょっとこれはひどいと苦笑するしかない感じですね。そうですか、楽譜にはないんですか。楽譜にないHi Cでも慣例になっているものは結構ありそうなので、やらなきゃいいのに、というわけにはいかないとつい思ってしまうものなんでしょうかね。まあこれにめげないでグリゴロに見習ってがんばりましょう、でしょう。
by Kinox (2012-01-04 12:03) 

keyaki

Kinoxさん
こちらこそよろしくお願いします。
初笑いに参加していただいてありがとうございます。

スカラ開幕公演の「ドン・ジョヴァンニ」のターフェルのレポレッロは、歌唱よりキャラクターとしてすぐれているというところでしょうか。確かターフェルは直前にジークフリートのヴォータンでしたよね。ワルキューレより出番が少ないとはいえ、ワーグナーとモーツァルトを交互にというのは、調整が難しいでしょうね。
ネ トレプコに比べればバルバラ・フリットリはいいけど高音に難有りという評価のようです.....数年前のインタビューで、オファーはあるけど、トスカなん か絶対に歌いません、私の声には合いません....と言っていたのに昨年はトスカを歌っちゃったんですね...ということはトスカ向きの声になっちゃっ たってことでしょうか。
フィリアノーティは、術後からまだ元には戻っていないし....

「ロメオとジュリエット」は、知らないオペラではありませんが、まじめに聞いたことがなかったんですが、グリゴー ロが歌っている録音を聞いて、そんなところにハイCなかったんですけど.....ということであわてて調べてみました。グリゴーロは、ボエー ムでは、「1幕の終わりの最後の "amor,"を、原典主義者の好むプッチーニの書いたEではなくハイCにします」と言っているように楽譜になくても上げたりしているんですが、ロメオの あの場面では頑張ってハイCに上げる必要がないと判断したんでしょうね。ベチャラは、歌い過ぎかも...グリゴーロの倍....グリゴーロが少な過ぎなのかもしれませんが、彼は、歌唱とかレパートリーに関してはかなり慎重なんですよね。
by keyaki (2012-01-04 14:23) 

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