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夢の実現か野望か無謀か、ドミンゴのボッカネグラ [シモン・ボッカネグラ]

 みなさん、すでにご存知かとおもいますが、1月21日、66歳(多分)の誕生日をむかえたプラシド・ドミンゴが、2009年ベルリン国立歌劇場で《シモン・ボッカネグラ》のタイトルロールを歌うと、24日に発表しました。シモンは、究極のバリトン役なので、当然初役!でニュース!ニュース!というわけです。
 ドミンゴは、2005年4月に、最後のambition(大望、野望、野心、夢)として、シモン役を歌いたいと抱負を語っていましたが、これが実現することになります。ということは、この役を最後に引退かともうけとれますが、ベルリンで歌った後、ミラノ・スカラ座、コヴェントガーデンでも歌うということですから、いつが、最後かは不明です。
 ドミンゴがなにを歌おうが、ご自由になんですが、ルッジェーロ・ライモンディもバスのフィエスコではなくシモンを歌いたい....なぁんて言っていましたので、まあ、なんていうか....なによぉ... ちゃんと歌えんの、という気持ちもあったりします。
 1995年のメトの《シモン・ボッカネグラ》の公演(DVD化されている)で、アドルノを歌っていますが、なにを今更、アドルノなんか歌ってんのよ! と思ったものですが、この頃から、シモン役をねらっていたということでしょうかねぇ。《ボッカネグラ》は、バリトンにとっては、憧れの役ですが、ドミンゴが歌うことをバリトンの歌手さんたちはどうおもっているのでしょうか。
 一時代、シモン役は、カップチッリ(アバド指揮、ストレーレル演出があまりにも有名)が一手に引き受けていた感がありましたが、カップチッリの後は、ブルゾンに引き継がれていたとのではないかとおもいますが、現在、これを当たり役とする歌手は出ているのでしょうか。
 なんでもそつなくこなすドミンゴですので、さて、さて......最後の花道にふさわしい公演になるよう、成功をお祈りします。
ドミンゴの生年は理由はわかりませんが、1933、34年説有り。しかし、ここまでくるとこの説は??だと思います。それこそ世界遺産か、妖怪じゃないですか...

Verdi: Simon Boccanegra 《シモン・ボッカネグラ》の録音では、ライモンディとドミンゴ共演しています。もちろんそれぞれ本来の声域の役です。ボッカネグラ=カップッチッリ、アメリア=リッチャッレッリ、フィエスコ=ライモンディ、アドルノ=ドミンゴ

■挑戦者ドミンゴは、すでにバリトン役の《セビリアの理髪師》のフィガロを歌っている。ただし、レコーディングのみ。


《シモン・ボッカネグラ》関連記事:
ヴェヒターのシモン:1971年《シモン・ボッカネグラ》
息の長さ:カップチッリのシモン
オペラの演出ストレーレル《シモン・ボッカネグラ》
ドミンゴ関連記事:
・2006-02-24驚異の122ロール!プラシド・ドミンゴ(1)略歴
・2006-02-26驚異の122ロール!プラシド・ドミンゴ(2)レパートリー
・2006-03-06驚異の122ロール!プラシド・ドミンゴ(3) DVD,CD一覧


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コメント 18

euridice

ホフマンの「大地の歌」を手に入れたばかりなので、ふと思いついて、検索してみたら、やっぱりというか、驚きというか、ありました。ドミンゴの「大地の歌」

『ドミンゴがマーラーを歌う、というある種無謀ともいえる組み合わせが見事に当たり、新たな地平を切り開いているように思う。』との批評です。偶数番は、メゾではなくバリトン(ボー・スコウフス)指揮、サロネン。
by euridice (2007-01-31 21:00) 

なつ

三大テノール・ブームの頃だったか、ドミンゴは『ドン・ジョヴァンニ』を歌いたがっているという記事を読んだ覚えがあります。
もとがバリトンだったというし、低声の大役にも野心があるようですね。
by なつ (2007-01-31 22:55) 

keyaki

euridice さん
ふーーん、どなたの批評ですか。『無謀』だけ一緒だわ。(笑
私のは、単なる、語呂合わせですけど。

バリトンがタイトルロールって、あとは、リゴレットとナブッコくらいかしら。となると、やっぱりシモンがかっこいいかな。プロローグ以外は、若くなくていいわけだし。
by keyaki (2007-02-01 00:12) 

TARO

ドミンゴのシモンって、すごくイメージ湧きますけどねぇ。
少なくともマンリーコやロドルフォやましてネモリーノあたりよりは、ずっとドミンゴのキャラに適してますよね。あとは音域と音色の問題ですけど、音色にちょっと渋さを欠きますかね。

ドミンゴは70年代にハイティンク、ジャネット・ベイカーと「大地の歌」を録音することになってて、結局キャンセルしたことがありました(代役でジェイムズ・キングが2度目の録音)。
by TARO (2007-02-01 00:35) 

keyaki

なつさん
シャンパンの唄を歌っているLDがありましたね。ヘロヘロで、ご愛嬌というかんじですけどね。ドン・ジョヴァンニは、バス歌手も歌いますから、全部は、ちと無理なのかもしれませんね。

>もとがバリトン
っていったって、サルスエラとかミュージカルを歌ってて、オペラ劇場のオーディションで、あんたの声はテノールよ、って言われたわけなんで、声質はテノールなんですよね。
本当に、シモンに向いていれば、もっと早くに挑戦してもよかったのではないかしら。今までのレパートリーだと、やれ衰えただのと批判されますけど、バリトンに初挑戦ですし、歌う前から好意的なんじゃないですか。スカラ座の天井桟敷はどうするのかしりませんけど。
by keyaki (2007-02-01 00:44) 

keyaki

TAROさん

>ドミンゴのシモンって、すごくイメージ湧きますけどねぇ。
見た目は、確かにそうですね。この際、フィエスコはライモンディにやってほしいですね。

ドミンゴの声って、最近の声は知りませんが、すっごく甘いですよ。
ライモンディとの共演も多いので、けっこう聴いてますが、若い時より、年々、甘くなってきている時期があるんですよね。
音域は、シモンなら大丈夫なんでしょうね。カップチッリが得意だったということは。
by keyaki (2007-02-01 00:53) 

euridice

keyakiさん
>どなたの批評ですか。
斎藤弘美 --- CDジャーナル2000年02月号

全文は
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00005G871/503-9477410-6971914
by euridice (2007-02-01 07:47) 

ヴァラリン

「シモン」は未経験の私ですが
> 2009年ベルリン国立歌劇場で
に反応しました(^^ゞ

2年も先の話ですね。やるなら今すぐやればいいのに…
リンデンでってことは、指揮はバレンボイムなのかしら。
(だとすれば、フィエスコはリンデンの看板バスさん…?の可能性もありますけど、どうなのかしら??)

ドラマティックソプラノは、年齢に応じてメゾの役を歌ったりする歌手さんもいますけど、テノールがバリトンの役にチャレンジってのは、すーごく昔のひとですけど、ラモン・ヴィナイくらいしか思いつきません。
でもこの人は、もともとバリトンで、いっときテノールを歌った時期があって、その後またバリトンに戻った(オテロとイアーゴ、両方歌っているみたいですし。トリスタンとかジークムントも歌ってるけど、テルラムントの録音もある)という、変わった経歴ですしねぇ。。。
by ヴァラリン (2007-02-01 09:07) 

keyaki

ヴァラリンさん、
>> 2009年ベルリン国立歌劇場で
に反応しました(^^ゞ

そうでしょうとも、わかります。
彼がフィエスコの可能性だってありますものね。
ライモンディは、26歳でフィエスコを歌ってますし、28歳でこの役でウィーンデビューしてます。バス歌手にとっては、重要な役ですよね。

>リンデンの看板バスさん…?
パペですか。そうかもですけど、爺さん役なんで、ここはベテランのライモン爺にしてほしいな。
by keyaki (2007-02-01 11:36) 

keyaki

euridiceさん
ワァ、ベタ誉めなんだか、やぶれかぶれなんだかわかんない批評ですね。

もう一人の方は、正直に「ドミンゴの歌唱はオペラみたい」とお書きになってますね。
by keyaki (2007-02-01 11:41) 

euridice

>わかんない批評ですね。
>ベタ誉めなんだか、やぶれかぶれなんだか
どっちにしても、読むのも恥ずかしいって感じ・・・じゃない?
by euridice (2007-02-01 17:09) 

tsukune☆彡

>シャンパンの唄を歌っているLDがありましたね。
セビリアわが愛とか、そんなタイトルのLDじゃなかったでしたっけ?
他にフィガロとかを歌っていたりして...
なんと、間もなくDGからDVDになるそうですYO!
ちょっと季節外れというのはヘンですけど、当時は結構色々な意味で話題になったかもしれないけど、今さら誰が買うのかな...という気がしちゃいます。^^;
by tsukune☆彡 (2007-02-01 18:18) 

euridice

>フィガロとか
フィガロと伯爵の二役でしたね。同じ画面に並んで出て一緒に歌うわけ。

>ライモン爺
ドミ爺&ライモン爺なら集客力抜群じゃない?
アメリアはとびきり若くて魅力的な美人を配して。
DVDもお願いします。
by euridice (2007-02-01 19:50) 

Sardanapalus

ドミンゴが2009年にシモン、という話は聞きましたが一体何箇所で歌う気なんですかね?(^_^;)見た目としては問題ないですから、共演者は誰になるのかを含めて話題の公演になりそう。少なくとも、動きの面でアップアップだったジークムントよりは年齢的に合ってますよね。

ドミンゴがドン・ジョヴァンニをやりたがっていたという話はよく聞きます。ツェルリーナとのデュエットもあちこちで歌ってますが、流石に今となってはあきらめた…でしょうか?
by Sardanapalus (2007-02-01 19:57) 

keyaki

tsukune☆彡さん、euridiceさん
そうそう、フィガロと伯爵の二役やってましたね。
結局、舞台で歌ってない、というか、歌えないのをやってるんですよね。これもレパトリーの数に入れてるってことはないですよね。
なんでも、ほんとそつなくこなしちゃいますからね。
by keyaki (2007-02-01 21:55) 

keyaki

Sardanapalus さん
いっそのこと映画のように、プロローグは、若いバリトンさんにやってもらうっていうのもいいかも。けっこう、長いし、歌もいっぱいですからね。
シモン・ボッカネグラって、アバドが熱心に上演していたくらいで、あまり上演される演目ではないですよね。だから数少ないバリトンがタイトルロールのオペラなのに、歌いたくても歌うチャンスのないバリトン歌手さんもいるはずですよね。
それに、歌うとしたらやっぱり、あぶらののりきった40過ぎから 50前半ってとこですよね。ドン・ジョヴァンニより狭き門かもしれませんね。
by keyaki (2007-02-01 22:11) 

yumemi

もう止めた方が良いのにーー、なんて言ってしまったらファンの方に叱られるでしょうね。 フィガロくらいだったら何とかなるかもしれないけど、今度はボッカネグラって? 確かに、元バリトンなんだから音は出るでしょうし、私はドミンゴの声は嫌いじゃないですけど、彼の声はやっぱり恋人役の声ですよ〜。 カニオを歌っても怒り狂ってる親父って言うより、裏切られた恋人って感じがするしーー。
by yumemi (2007-02-02 07:50) 

keyaki

yumemiさん
高い声が得意だからテノールというわけではなく、声質ですよね。
テノール役に不満があるのもよくわかりますので、最後は、複雑で魅力的な役、シモンをやってみたいんでしょうね。シモン・ボッカネグラは男のドラマですもんね。
by keyaki (2007-02-02 10:24) 

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