新国立劇場《カヴァレリア&道化師》2006.4.7 [オペラ生舞台鑑賞記録]
新国で《カヴァレリア・ルスティカーナ》と《道化師》を見て来ました。
今日の公演は、観客かなぁ??ブラヴォの大安売りをする集団が上の方にいて、かなりシラケました。自然に湧き上がる拍手喝采歓声ならば、言うこと無しなんですが、一体全体あれはなんなんでしょう。そもそも今日の演目は"番号オペラ"ではありませんヨ。それにも拘らず、歌が途切れる度に、オケが鳴っていようがおかまいなしなんですよ。特にカヴァレリアがひどかった。
先週の《運命の力》は、3月31日の記事にも書きましたが、盛り上がっていましたが、節度のある拍手で、気持ちよく鑑賞できたというのに、、。
この演目は、一昨年のプレミエ(2004.9)にも行きましたが、今回のは、総合的に新国標準に達してなかったのではないでしょうか。指揮やオケが良くても、オペラは、舞台に乗っかっている人達にかかっているとつくづく思いました。全体的、総合的にバランスが悪いというか、決してワーグナー歌手さん達のせいだけではないと思いますけど。
しかし、今日の舞台が楽しめなかった一番の原因は、ブラヴォと喝采の大安売りのせいです。
(席は一階、舞台に近すぎず遠すぎで、先週よりは体調は良かった)
追記1(2006.4.8)
昨夜のもやもやを解消するためと、拍手がどうなっているのかに関心があってムーティ指揮、マイヤーとクーラのカヴァレリアの映像を引っぱり出して見ました。途中の拍手はいっさい無し、カーテンコールの盛大な拍手喝采だけでした。
追記2(2006.4.9)
今回の公演のプレミエ(2004.9) が、NHKで全曲放送されていました。すっかり忘れていましたが、私が見に行った日の録画です。確認のため見ましたが上演中は、今回の演奏の流れブッチ切り拍手もブラヴォもありませんでした。今回だけの異常現象のようですね。
7日、私も見ましたが、大安売りに同感です。甚だしく感興をそがれました。
記録用のカメラが入っていましたから、それも一因かと、いらぬ憶測を
したくなるほど。
by Lynn (2006-04-08 06:26)
30年近くオペラ見続けてきましたのに、何故か「カヴァレリア」の舞台に、演奏会形式にさえぶつかったことがありません。イタリアでは盛んに舞台に掛かってるし、小生も嫌いじゃないんですが、わざわざ出掛ける気にまでならなかったということかな。「道化師」には2度ぶつかりましたが、何故かいつもセットは「カヴァレリア」じゃなかったのもフシギ。
昔から日本にはコンサートでも「ベラボー屋」と呼ばれるヘンな人種がいましたねぇ。のべつ幕無しベラヴォーで、間も外れてるという。
先日仏TVでArte(独仏共同出資の公共文化チャンネルで番組は全般に高質)の「プロのサクラ」についてのドキュメンタリー見ました。少なくともヴェローナでは今でもプロのサクラがいて、歌手からカネせびってブラヴォー・喚声
を「適所で効果的に」浴びせてるとか。capo di claqueというおっさんが顔隠さずに出てきてましたが、ホンモノですかね。他にも何人か。まあ岡村崇生氏も昔ヴェローナに出たとき、カプッチッリに訊いてカネ払ってみたらブラヴォーに加え「タカオ!」の声まで掛かったとか著書に書かれてましたし、番組に出てきたディ・ステーファノ(だったと思う)も「世界中の劇場にある、私もブー喰らうのはイヤだからカネ払った」とか言ってましたから、あるんでしょうな。番組でスカラのloggionistaが「自分たちはサクラの不当なブラヴォーに対抗して、ブーで応酬するのだ」と言ってましたが、そう言えばこれには思い当たるフシがあります。
http://www.arte-tv.com/de/kunst-musik/Fans_20und_20Ihre_20Idole/TV-Programm/1055088,CmC=1055070.html
ドナルド・キーン氏が昔サクラに雇われた話を書いてましたが、皆さんの中で雇われた経験者いません?小生は雇われたことも体験を耳にしたこともありませんが。残念です。
by 助六 (2006-04-08 07:03)
Lynnさん、
やっぱり変でしたね、新国始まって以来の珍事じゃないですか。
推理好きの私としては、いろいろ考えちゃいました。
日本人が多かったのでその関係者なのかという推測も出来なくはないですが、あそこまでやる親戚縁者はおらんでしょう。
日本人歌手で体験した、なんじゃこりゃブボラヴォは、所謂大御所と呼ばれるどこかの大学の教授とかもしていて2足のわらじを履いている「大先生兼歌手」で、○○一門というかお弟子さん達のブボラヴォですが、これは伝統にのっとって、ちゃんとアリアの後にやってました。
どこでブラヴォと拍手があったかというと一番多かったのは、アルベルト・クピードということから考えると
1、クピードに親衛隊がいる
2、クピードの一族が大挙してやって来た
3、新国久々のイタリア人テノール歌手で、イタリア人歌手嫌い?のノヴォ芸術監督にイタリア人テノールを出演させるとこれだけ盛り上がるんだぞ!とアピールしたい人達が集まってしまった
とにかく私の席は、上からの大騒ぎが直撃でしたから、本当に興ざめもいいとこでした。
カーテンコールでもシュナウトとクーピドが手をつないで出て来ましたが、凄いブラヴォで、シュナウトが、なんなの?という戸惑いの表情を見せてました。
by keyaki (2006-04-08 09:33)
凄かったですね・・ 私も初体験でした。
クピードに対してって感じのが多かったですが、
どうもオーケストラ(=指揮者)に対してのもあったみたい。
間奏曲が終わるか終わらないところでもやってたから・・・
一昨年、ジャコミーニ@道化師にも大喝采だったけど、
今回みたいな変な感じじゃなかったですよね〜〜〜
by euridice (2006-04-08 09:59)
助六さん、
私もどちらもRR氏とは縁のない演目ですし、新国でやらなければ見に行かないです。
>「適所で効果的に」
これならば、大変に結構なことですよね。
>ブー喰らうのはイヤだからカネ払った
お金を払わないとブーを浴びせるというのは、もう一種のタカリですよね。
マジエラさんの本にも、ライモンディの父のチェーザレは、ボローニャ歌劇場で公演を盛り上げるオペラ好きグループを作っていたと書いてありましたけど、こういうのは、もちろん「適所で効果的に」ということで、劇場側にとっても有り難い常連客ということでしょうね。
こういっちゃなんですが、新国の常連さん達は、シュナウトとクリスティアン・フランツがなんでこんな演目を歌うんかい! という好奇心で行っている人達が多かったのではないかと思いますので、、、えぇ、、なにを言おうとしたのか、、とにかくヴェリズモオペラのブラヴォ集団にはまいりました。あれじゃ逆効果!
by keyaki (2006-04-08 10:06)
昔はTBSというサクラ集団がいると、まことしやかに囁かれてましたが。トーキョー・ブラボー・サービス。実在したかどうかは知りません・・・
by TARO (2006-04-08 11:14)
サクラ集団、プロのサクラ、お金払わないとブー…
へぇぇぇ!!!(゜_゜;)
客席の反応で公演の良し悪しを判断しちゃいけないってことですか...
ところで、RAIのトスカが放送中止って、なんでなんですか?
by (2006-04-08 14:09)
euridice さん
演奏する前に指揮者にブラヴォでしたね。
指揮者にしてみれば、今日の歌手達のできはいまいちだったのに、この拍手喝采はなんでだろうぉ? で悩んでいるかも。
by keyaki (2006-04-08 14:56)
TAROさん
TBSですか、(笑
ブラヴォー隊って、同好会のようなのをやっている方がいますが、これは、ちゃんとマナーを守るというのも目的のようですから、場を盛り上げるのには効果的でしょうね。
イタリア歌劇団のデル・モナコのパリアッチのDVDの解説に武石氏が、この公演の時に、「衣装をつけろ」の後で楽しみにしていたデル・モナコの泣きの演技を「無神経なヴラヴォ屋」達が妨害した、、ということを書いています。ご存知のように歌が終わった後も演奏が続き、そこでいつもならデル・モナコの素晴しい泣きの演技があるはずなのに、その無神経な拍手喝采で、やらなかったそうです。後でイタリア人に「日本の聴衆はチケット代の半額を損をしましたね」と言われたとか、、、、
そう、歌っているときだけがオペラじゃないですよね。
by keyaki (2006-04-08 18:18)
りょーさん、桜の季節ですね。
>客席の反応で公演の良し悪しを判断しちゃいけない
そうね、 今回のケースはなんだかよくわかりませんが、ブラヴォの連発は鼻白むものがありますね。
サクラでもなんでもいいけど
>「適所で効果的に」
じゃないと許せないですよ。
とにかく昨晩のは以上異様でした。ちょっとクーピドで検索かけたらどうやら熱狂的なファンの存在もあるようですね。
穿った見方をすれば、クーピドさんお疲れ気味なのか一本調子でしたから、ファンがわざと歌っている途中とかで援護射撃をした、、なぁんちゃって、、、
本当のファンなら、静かに固唾をのんで息もしないで聴きますよね。
イタリアではどんなかなぁ、、と、ちょっとれいのクーラのカヴァレリアを見てみましたが、途中の拍手は一切なし、気をそがれる事無しに一気に最後まで、、この演目はこうでなきゃね。カーテンコールは拍手喝采すごかったですよ。
>RAIのトスカが放送中止って、なんでなんですか?
またトスカかよぉ、と思ってましたけど、中止にされると、なんでなのぉ!です。
理由はわかりませんが、プログラムから消えてました。
復活祭が16日で、まあ,復活祭の週なんで、トスカが最後に自殺するから中止にしたのかしら 、、ね、わかりませんけど。
前に中止になったのは、M.アルバレスとのファウストで、四旬節かなにかで、神を冒涜するような演出は、この時期やりたくない、、とかなんとか合唱団が演出家に抗議文を渡したとかの騒動もあったりしたせいか、放送中止、もちろんはっきりした理由はわかりませんけどね。
by keyaki (2006-04-08 20:27)
デル・モナコの泣きが見られなかったとは、それは残念でしたねぇ!
ほんと、節度の無いブラボーは御免ですね。気持ちよく盛り上がるのは大歓迎ですし、いいんですけど、、、作為的なのは気持ち悪いー。いい迷惑ですね。
トスカ、上演そのものは中止じゃないんですよね???
by (2006-04-09 01:01)
TBありがとうございます。
「えっ、何故ここで?」という勘違い拍手もありましたね。
周囲はオペラ初めてっていう感じの方が多くて、幕が
しまり始めた途端に拍手がはじまってしまって…。
by (2006-04-09 10:42)
ご無沙汰してますm(__)m
早速書き込みありがとうございました。今日からぼちぼち復活しますので、また宜しくお願いしますね。
カヴァレリア…は好きなんですけど、道化師は何となく馴染めずにいます。道化師はフランツ君がそのまま歌ったんですね(^。^;
>演奏の流れブッチ切り拍手もブラヴォ
はは^^;とりあえずドイツでも、アメリカでも未経験です…
(アメリカで字幕に反応して大笑いするひとは沢山いますけど、それとは意味合いが全然違いますものね^^;)
by ヴァラリン (2006-04-13 15:54)
こちらこそよろしくお願いします。
>フランツ君がそのまま歌ったんですね(^。^;
かなり老けメイクしてたのか、数年で老けたのか、、、、カヴァレリアよりよかったですよ。
by keyaki (2006-04-13 16:29)