SSブログ

《ファウストの刧罰》"LA DAMNATION DE FAUST" [ファウスト/ファウストの刧罰]

情報ありましたらお願いします! 
情報ありがとうございます。インタビューでの発言が気になりますが、、、

1995年5月11〜19日ミラノ・スカラ座《ファウストの刧罰》にR.ライモンディは出演したのかなぁ?.......
小澤指揮: Cole/Hadley, von Stade/Graham,Raimondi,Scheidegger
指揮が小澤というのがひっかかります。ライモンディは来日時のインタビューで、1980年パリ・オペラ座の《ボリス・ゴドノフ》の小澤指揮が流れて以来、小澤さんとは共演するチャンスがなかった、、と語っているからです。

バス、バス・バリトンの声域の主要な役の一つに、グノーの《ファウスト》、ボイトの《メフィストフェレ》、ベルリオーズの《ファウストの刧罰》メフィストフェレスの役があります。
R.ライモンディの場合、オペラ歌手としデビューして2年後、24歳ではじめての大役がグノーの《ファウスト》のメフィストでした。その後、彼のレパートリーの重要なものの一つとなり、いろいろな演出でメフィストを演じています。ドン・ジョヴァンニに次いで公演回数が多いのではないかと思いますが、一番最近の公演は2004年のマルセロ・アルバレスとの公演です。
ボイトの《メフィストフェレ》は、レパートリーにしていません。ライモンディにとっては魅力的な音楽ではないということです。
"ライモンディは、ボイトのメフィストフェレには興味がない。プロローグの後には人物像が薄くなっていると思っている"1994年インタビューより
ベルリオーズの《ファウストの刧罰》は、公演回数はそれほど多くありませんが、演奏会形式、オペラでの上演、両方歌っていますので、ご紹介したいと思います。
《ファウストの刧罰》豆知識:
独唱,合唱、管弦楽を有する《ファウストの刧罰》は、ベルリオーズが考え出した「劇的物語」という形式で書かれている。歌劇に似ているが本来、演奏会用に作られたものである。従って演奏会において上演されるのがふつうであるが、こんにちでは歌劇としてもしばしば上演される。
全四部からなり、歌劇でも四幕であるが、元来歌劇として書かれたものでないだけに、場面の変換が多い。
この劇音楽中、管弦楽のみで奏される三曲「ラッコチー行進曲」「妖精の踊り」「鬼火のメヌエット」は組曲としてしばしばオーケストラの演奏会で奏される。

第一部
1.ハンガリーの平原。ゲーテの原作にはないが、老博士ファウストをただ一人ハンガリーの平原におく。ファウストは、太陽の昇る美しい情景を讃えるモノローグ「冬去り、春来れば」を歌う。
2.農夫たちのロンド、合唱。ファウストは若人たちの合唱に失われた青春をうらやむ。
3.とつぜん勇ましい軍隊ラッパが遠くからきこえてくる。「ラコッチー行進曲」で、出征する軍隊の行進がつづく。(ベルリオーズは、演奏旅行中に聞いたハンガリー民謡の「ラコッチー行進曲」を構想中の「ファウストの刧罰」に入れたくなり、ゲーテの原作にないハンガリーの場面をこしらえてしまった。ドイツの批評家達はゲーテの原作を勝手に変えたことを批難したそうです。)
第二部
4.ドイツ北。ファウスト博士の書斎。毒薬自殺を考え、毒を飲もうとする。
5.そこに悪魔のメフィストフェレスが忽然と現れる。メフィストは、望むものすべてを与えよう、という。ファウストは、一度はこのメフィストの誘いを断るが、甘言にのり二人は外に出て行く。
6.ライプチヒのアウエルバッハ地下酒場。若い学生達が合唱しながら酒宴をしている。学生達の一人ブランデル(B)が「鼠の歌」を歌う。ブランデルの命令で一同はアーメンを主題とした「アーメン・フーガ」を歌う。メフィストは、ブランデルの歌をほめて自分も「蚤の唄」(写真左)を歌う。(この歌詞は後にムゾルグスキーが作曲して有名になっている)
酒宴はさかんになるが、ファウストはこの快楽にひたりきれず、もっと純真な悦びを求める。メフィストは彼を伴って外にでる。
7.メフィストフェレスのアリア。エルベ河畔の野原、ファウストは美しい青年となり、草原で寝ている。メフィストは妖精を呼び、妖精達は眠っているファウストのまわりを舞う。夢の中でファウストはマルガレーテの幻をみる。(写真左)
8.遠くから「兵士たちの合唱」と「学生達の合唱」きこえてきて、やがて去って行く。
第三部
9.誰もいないマルガレーテの部屋にメフィストに伴われてファウストがやってくる。ファウストは静かに「セレナーデ」を歌い、マルガレーテへの愛を語る。
10.彼女が入ってきたので二人は隠れる。
11.マルガレーテが入ってきて「トゥーレ王の物語」(写真左)を歌い、眠くなってくる。
12.メフィストは彼女を眠らせて、鬼火の精を呼びだす。彼女のまわりを飛び跳ねて踊る。管弦楽の「鬼火のメヌエット」
メフィストは「セレナーデ」(写真左)を歌い、鬼火とともに消えて、マルゲリータが目覚める。そこにファウストが立っている。
13.二人は夢の中で以前から知り合いであったことを語り合う美しい愛の二重唱をうたう。
14.メフィストも現れて三重唱となるが、夜が明けてくるのでメフィストはファウストをうながして立ち去る。外から街の人達の合唱が聞こえてくる。
第四部
15.マルガレーテは、糸車をまわしながら、胸の中の不安、焦燥、夢心地を歌う。やがて、軍隊の帰営ラッパがきこえ、学生や軍人の合唱が街を通るが、その中にファウストの姿は見えない。
16.場面は変わって、森と洞窟、ファウストが一人で大自然を讃えて歌う。
17.そこへメフィストがやってきて、マルガレーテは嬰児殺しで、死刑の宣告を受けたと知らせ、ファウストに地獄落ちの刧罰が下ることを告げる。そして地獄から黒馬ウォルテとジャウールを呼び、二人はこれに跨がって地獄へ走る。
18.地獄への道。二人の馬は疾走し、ファウストは地獄へと落ちて行く。メフィストは勝利に喜ぶ。(写真左)
19.悪魔と地獄の怪物の合唱が、管弦楽のフォルテッシモとともに響きわたる。やがて地獄は消え、この世にうつると、はるか天国の歌声がきこえてくる。
20.天使の合唱がマルガレーテの昇天をうたう「マルガレーテ、地上の罪は消えたり、悦べ、汝は救われたり」。かくて「ファウストの刧罰」は終わる。(名曲解説全集参照)
上記のように場面が多い、全20景。これを舞台にするのはなかなか難しいでしょうね。ファジョーニの演出の舞台は画質が悪くてはっきりわかりませんが、好評だったのでしょうか。
《ファウストの刧罰》公演記録 R.ライモンディ:メフィストフェレス
1983年
リヨン歌劇場

TV放送
セルジュ・ボード指揮
ファジョーニ演出
デヴィッド・レンドール
トゥルディレーゼ・シュミット
1984年4月21日
Paris
 
1995年
5月11, 12, 13, 14, 16,
17, 19日
ミラノ・スカラ座
小澤征爾指揮、ルカ・ロンコーニ演出
ハドリー/コール
フォン・シュターデ/グレアム
ライモンディ/ヴァン・ダム
シャイデガー(ブランデル役)
コール、グレアム、RRの組み合わせで
12日の公演報告あり、RRの日程は不明

2002年12月3,5日
カルロフェリーチェ劇場
ジェノヴァ

3日RAI3放送
ミッシェル・プラッソン指揮
マルチェロ・ジョルダーニ
ソニア・ガナッシ

Trudeliese Schmidt, トゥルデリーゼ・シュミット1942.11.07- 2004.6.7(ドイツ Ms)
David Rendall デイヴィッド・レンドール 1948- (イギリス T)
Sonia Ganassi,ソニア・ガナッシ,1966.06.08- (イタリア Ms)
Marcello Giordaniマルチェッロ・ジョルダーニ(イタリア T)
※写真をクリックするとビデオクリップが見られます。上から、▼メフィストの「蚤の唄」、▼エルベ河畔の場面の一部、▼マルガレーテの「トゥーレ王の物語」、▼地獄落ちの場面の一部


nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 4

助六

当時の仏誌見ましたら、まず配役予定は、
ハドリー/コール
フォン・シュターデ/グレアム
ライモンディ/ヴァン・ダム
シャイデガー(ブランデル、シングル・キャスト)
となってます。普通、前が表、後ろが裏配役ですよね。

初日5月11日の批評がありましたが、配役はハドリー、フォン・シュターデ、ヴァン・ダム、シャイデガーです。「ライモンディに先立って登場したヴァン・ダムは」なる一節がありますから、初日時点ではライモンディは後日歌う予定だったのでしょう。普通に考えてライモンディが表配役で、初日を歌うはずだったのではないかと思うのですが、「キャンセルしたライモンディに替わってヴァン・ダムが歌った」といった記述は評文にはまったくありません。

という訳で確証は全くありませんが、ライモンディは初日キャンセル、結局一度も歌わなかった可能性も大いにありそうです。このロンコーニ演出(というか空間処理術というか)、最初トリノで出てパリにも来た後スカラに行ったのですが、舞台装置はかなり驚倒モノだったので、RRは嫌がったかも。

この公演は「音楽の友」なんかにもレポートあると思いますが。
by 助六 (2006-04-13 07:17) 

keyaki

わぁーー、お尋ねしてよかったぁ。
助六さん、ありがとうございます。
実は、とっても気になって(こういうくだらないことが気になるんですよね)昨日、新国の資料室に「音楽の友」でも見に行こうかな、、と思ったら、水曜日が休館日!
それで、今日でも帰りがけに寄ろうかな、、、と思ってました。わが町の図書館は「音楽の友」は2003年からしかないんですよ。
手持ちのグランド・オペラにほんのちょっと記述があって、小澤とフォン・シュターデの名前があがっていただけでした。

私が見つけた、キャストの書き方がおかしい上に更にヴァン・ダムが抜けていて、ライモンディ/シャイデガーになっていたのが致命傷ですよね。
実は、5月12日に見た人のレポートをネット上で見つけましたが、その人は、コール:ファウスト、グレアム:マルガリーテ、ライモンディ:メフィスト、シャイデガー:ブランデルとして、歌手はすばらしかった、コールとライモンディは期待通りで、グレアムははじめて聞いたがよかった、、、でも舞台がねぇ、、、このキャストでスタジオ録音するなら買うけど、ライブとかビデオだったら買わないヨ、、、と書いてました。
どうやら、舞台装置がすごくて、かなりそれらが音を出していたようです。
このレポートからも、ヴァン・ダムとのダブルキャストで歌ったということは間違いないようですね。
こういうレポートを発見したのに素直にライモンディが歌ったとはにわかに信じられなかったのは、来日時のインタビューの件があるからです。
しかし、ライモンディが小澤がボリスでキャンセルしたのは、ショスタコヴィチ版を振れる指揮者がいなくて代役の指揮者を捜すのが大変だったので、特に印象に残っていたにしても、小澤の指揮で歌ったことを忘れるってありなのかしら???それともインタビュー記事がいい加減なのか???

ライモンディ/ヴァン・ダムって、すごいダブルキャストですね。
二人ともほぼ同年、「年喰って衰え」てますが、まだ現役で活躍中というのは私には嬉しいことです。
by keyaki (2006-04-13 10:05) 

サンフランシスコ人

昨日、メトロポリタン歌劇場からのFM生中継で、小澤征爾の「スペードの女王」の放送がありました。
by サンフランシスコ人 (2008-12-15 04:06) 

サンフランシスコ人

今日のニュース....

http://www.sfgate.com/news/article/Ozawa-citing-health-pulls-out-of-Tanglewood-7947158.php

"Ozawa, citing health, pulls out of Tanglewood appearances"
by サンフランシスコ人 (2016-05-27 02:50) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。