SSブログ

藤原の「アドリアーナ・ルクヴルール」 [オペラ生舞台鑑賞記録]

 生オペラは、新国専門ですが、久々に藤原歌劇団主催のオペラに行ってきました。(東京文化会館って、幕間は、芋の子を洗うような状態、文化的とはいえない!)
デッシー&アルミリート出演が最大”売り”の公演だったようですが 、ヴィラロエルとジョルダーニに変更になりました。
代役の二人はあちらでは、一流の舞台に立っている歌手さんですし私は、キャストの変更に不満はありませんでした。

舞台は、なんでも1966年ローマ歌劇場のものだそうです。所謂、舞台装置は書割りですが、なかなか美しい舞台でした。
(へたに日本で作るより本場ものを借りて来るのは賢いやりかたかも、衣裳も借りてきたものでしょうね、かなり豪華でした)
4幕のアドリアーナの部屋の場面は、カーテン越しに日が射し込んで、さわやかな風も入ってくる・・・という美しい舞台、また、公爵の館での夜会の場面での大きなシャンデリアも本物ではなくて、書いたものですが、なかなかよくできていました。

マウリツィオをめぐる、女優アドリアーナとブイヨン公爵夫人の女の争い、迫力ありました。カバリエとカレーラス、フレーニとコッソット、一番最近のではデッシーのスカラ座の録画を見ましたが、全部ちょっとたいくつしてしまいます。やはり、生舞台は、いいですね!
ヴィラロエルは、DVD(トロヴァトーレ、イエルザレム)で、見ているソプラノで、とても美人なのですが、ちょっと厚化粧すぎるんじゃないのという印象。今回もばっちり厚化粧で美しかったです。最後の場面でもこのままの化粧で出てきたらどうしよう・・・なんて思っていましたが、ちゃんと口紅もおとして薄化粧でしたので、ほっとしました。ビブラートがきついと嫌う方も多いので、どんなものかと思っていました。第一声は、すごいビブラートで、おお、納得、これではつらいものがある・・でしたが、最初だけで、あとは全く気になりませんでした。
ジョルダーニは、押し出しも良く、コスチュームものが似合う体型と容姿でした。容姿だけでいえば、線の細すぎるアルミリアートよりよかったかもしれません。声質は、あら、若い頃のドミンゴ(もちろんCD)に似てると思いました。
ブイヨン公妃のカッシアンは、迫力のあるメゾ声で、若手とは思えない存在感でした。
主要キャストで日本人は、ミショネ役の堀内さん、見た目はどうしても見劣りしますね。
最近の新国の公演と比較すると客の入りも良いように感じましたが、新国路線に不満を感じている層が来ているのか、藤原のファンがもともと多いのか・・・なんて思いました。私も、久々にイタオペを満喫しました。(29日3階L舞台に近くよく見えました)

演出・・・・・・・・・・・・・・・マウロ・ボロニーニ
アドリアーナ・・・・・・・・・・・ヴェロニカ・ヴィラロエル(1962- チリ)
マウリツィオ・・・・・・・・・・・マルチェロ・ジョルダーニ(1962 シチリア)
ブイヨン侯爵夫人・・・・・・・・・エレーナ・カッシアン
ミショネ・・・・・・・・・・・・・堀内 康雄
指揮・・・・・・・・・・・・・・・菊池彦典
演奏・・・・・・・・・・・・・・・東京交響楽団

※デッシー&アルミリートのキャンセルは、デッシーのお母様が亡くなられたと言う理由です。なんでも数カ月前にお父様を亡くされ、続いてお母様ということで、とても歌える気持ちにはなれない・・・ということでした。
※ダニエラ・デッシー(1957.05.14- イタリア)
※ファビオ・アルミリアート(1958.08.17- イタリア)


nice!(0)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 5

オクタヴィアン

私はこのオペラ、もう本当に大好きなので、この次に日本で上演されるのはいつだろう...と思うと、ちょっと悲しくなってしまいます。音楽は美しいし、もっともっと上演されても良いと思うんですが、思い入れが強すぎるのか、どのソプラノで聴きたいかな...と考えると、デッシーぐらいしか思いつかないんです。
それと、このオペラは今回のようなオーソドックスな演出がピッタリの作品だと思うんですが、ヘタに読み替えとかされていなくて安心しました。チラシには、ローマ歌劇場の歴史的装置を使用と謳われていたので心配はしていなかったんですが。どうか、この装置を捨てないでおいて、新国でもどこでも良いから再演していただけるように、切にお願いしたいくらいです。
by オクタヴィアン (2005-08-30 23:57) 

keyakiさん、こんばんは!TBありがとうございます。29日なら同じ日にいらしていたのですね。お会いできなくて残念です。

ヴィラロエルの厚化粧、わたしも気になりました。髪型といい、なんか妖艶な松尾和子という感じで…。ジョルダーノの声質が、ドミンゴに似ているというのも同感です。

藤原の路線ってノヴォちゃんの前の新国の路線なわけで、日本の多くのオペラ
ファンは、これで育ってきたわけですよね。観客に支持されて当然だと思いました。二期会のように身内に支えられてといった感じもなく、正当な路線を追求していると思います。
by (2005-08-30 23:59) 

オクタヴィアン

私はヴィラロエルが京唄子を若くした感じ...に見えました。^^;
by オクタヴィアン (2005-08-31 00:20) 

pesca

Keyakiさんはじめまして~。
私も見に行きましたよ。ジョルダーノやっぱりドミンゴに似てますよね。
ドミンゴを若くして、少しだけ腺を細くした感じ。でも良かった。
ミショネ堀内さん、あの体格が余計に寂しさを感じませんでした?
by pesca (2005-08-31 18:19) 

keyaki

るる さん、コメントありがとう!
ライモンディの若い頃の録音はドミンゴ、カレーラス、パヴァロッティと一緒のが多いんですよ。ですから、私、この三人の声はわかるんですね。
ほんと、ドミンゴじゃん!でした。体格が同じくらいで、顔の骨格も似ているようですよね。

ハンナさん、あの状態では、お会いできませんよね。
オクタヴィアンさんは、今回は一回だけだったんですか。
京唄子は、もっと口が大きくなくては、ドマスみたいに・・・
ヴィラロエルは、自分で舞台化粧するのかしら? 

最後のマウリツィオの「アドリアーーーーナーー」は
「ミミーーーー」に似てますね。
by keyaki (2005-08-31 20:32) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。