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メフィスト [ファウスト/ファウストの刧罰]

えうりでぃちぇさんのブログで、グノーのファウストを取り上げていらっしゃいますのでこちらでも。
ライモンディにとって、このメフィストは、主要なレパートリーとなっています。 オペラ歌手デビュー後、初の大きな役であり、演出家のファジョーニと出会い、役者としても大きく成長するきっかけになった役でもあるのです。 1966年から主要歌劇場で、いろいろな演出で歌っています。その中でも、1985年ウィーンの ケン・ラッセル演出の「ファウスト」は、いろいろな面で変わっています。マルガレーテがシスターだったり、ジーベルがびっこをひいていたり、メフィストはめんどうみのいい兄貴分だったり(化粧が濃いですけど普通のかっこうしてます)・・・

同じような題材のオペラは、ベルリオーズの「ファウストの刧罰」とボイトの「メフィストフェレ」があります。
ライモンディは、「ボイトのメフィストフェレには興味がない。プロローグの後には人物像が薄くなっているとおもっている」そうです。従ってレパートリーにはしていません。

※メフィストフェレ(グノー:ファウスト)主な公演(1966ー2004)一覧
※写真をクリックすると十字架を食べちゃうメフィストが見られます。(ケン・ラッセル演出)
関連記事:復活祭の時期はファウストのような演目は、避けた方がいいかもしれません。昨年のナポリサンカルロ劇場では、合唱団が抗議したそうです。


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コメント 11

TARO

>「ボイトのメフィストフェレには興味がない。プロローグの後には人物像が薄くなっているとおもっている」そうです。従ってレパートリーにはしていません。

ええっー!?そうなんですか。びっくり。メフィストの人物像という意味でしょうか?
それはまあイヤーゴとかフィリッポに比べれば、薄いでしょうけど・・・
ボイートの方もレイミーで見たことがありますが、薄い厚いはともかく、全体としてはとても面白いオペラだと思いました。(共演はデッシーとクピード。)
by TARO (2005-03-20 14:38) 

euridice

歌手にも「とりあえずやりたくない役」はあるようですね^^; 例えば、P.ホフマンにとってはエリック@オランダ人が共感できない役だそうです。http://www.geocities.jp/euridiceneedsahero/0304.html#erik
by euridice (2005-03-20 14:50) 

keyaki

ライモンディって、つまりはただ歌えるから歌うというよりは、歌いたいものを歌うという主義なのかなぁ、例の訴訟にまでなったリーバーマンの「森」にしても....
カルメンのエスカミーリョも人物像があいまいとかで、歌うことを拒否してたんですよね。まぁ、説得されて納得できれば歌ってますね。
あと、これはたまたま病気になって、ドタキャンしてますけど、「ペレアスとメリサンド」のゴローは、アバドがどうしても歌って欲しいということで引き受けたらしいですけど・・・
こんな風に言ってます。
「リハーサル中に気管支炎の発作に二度襲われたことで気分が滅入り、ドビッシーのオペラに戻る気はもうなくなった。ゴローは全然歌いたくなかった。執着したのはクラウディオ・アバドだった。私には合わない役だ。私にとって、ペレアスとメリザンドはオペラというよりはむしろ交響詩だ。全部がまるでちょっと鎮静剤みたいだ。緊張は常時抑制されている。」
つまり、彼にとっては、つまんないんでしょうね。
「マクベス」は、歌いたいそうです。もちろん夢だそうですけど。
by keyaki (2005-03-20 15:07) 

TARO

あー、でもゴローをライモンディに歌って欲しいというのは、わかるなぁ。
メリザンドはちょっと異界からきた少女という感じがありますが、ライモンディをゴローに配すことによって、単にペレアストメリザンドを嫉妬するだけじゃない、いわばメリザンド側の世界(異界)の要素をゴローにも(ということはオペラの世界全体に)持たせたかったんじゃないでしょうか。
by TARO (2005-03-21 00:34) 

ユルシュール

keyakiさん、
>ペレアスとメリザンドはオペラというよりはむしろ交響詩だ。
あの作品は私には未だによく分からないのですが、ライモンディ氏がおっしゃっていること、何となく分かるような気がします。ひとつの長大な音楽の詩の世界というか、そう、まさに交響詩という言葉が合っているのかもしれません。

「とりあえずやりたくない役」……そういえばヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレスは「カトリック教徒が殺人を犯した後にその手で十字架を触るだなんて信じられない」という理由でトスカ役を引き受けなかったそうです。うーむ、彼女自身カトリックでしたから……声に合わない(彼女の声にはトスカはあまりにドラマティック過ぎる)という理由もあったとは思いますが。
http://www.guardian.co.uk/obituaries/story/0,,1391786,00.html
もちろん人それぞれでしょうが(オファーされた役は断らないという主義の人もいるかも)、やはり自分が共感できない役よりも共感できる役に手が伸びるのは自然なことだと思います。
by ユルシュール (2005-03-21 20:18) 

euridice

宗教的理由って、とにもかくにも個人の信条ですから他人がとやかく言えませんね。

ジョン・ヴィッカーズがタンホイザーを歌わない
理由もそう言われているような・・・ 

このメフィスト、十字架食べちゃったり、他にも涜聖行為やってますね・・、RRもれっきとしたカトリックでしょうから、公演が終わる度に○○してたりして〜〜(冗談ですよ、不謹慎かな? ご免遊ばせ〜〜)
by euridice (2005-03-21 23:37) 

keyaki

ユルシュールさん、いらっしゃいませ。

歌劇場の専属契約をしていれば、そうもいかないでしょうけど、ソリストは、納得できないものは歌うべきではないですよね。好きな役でも、演出によってはお断りというのもあるでしょうね。

>euridice さん
ライモンディの場合は、普段できないことを楽しんでやってるんでしょうね。
by keyaki (2005-03-22 02:07) 

ふくろう

>ジョン・ヴィッカーズがタンホイザーを歌わない
>理由もそう言われているような・・・ 

これは彼自身が「あんな不謹慎な役は大嫌いだ!」といってました。
彼は信心深いそうですよ。
ヘップナーがずっとジークフリートを歌わなかった理由も、
「あんなアホな男の役はご免だ!」でしたが、
ジークフリートを歌える歌手がいないと散々口説かれて、
遂に諦めたか(?)歌い始めました。
3幕だけならとりあえずCDが出ましたから聴けますね。
このCD、こちらにはなかなか入らずもう2ヶ月待っています。
by ふくろう (2005-03-22 02:27) 

euridice

>普段できないことを
そりゃね、舞台上ですることの責任を問われるなんてことがあったら
・・・ お芝居は成立しません・・・ が、政治的には皆無とも言えないのが悲しいですね・・・

例によって、P.ホフマン曰く
『何故私は歌うのか? ひょっとしたら・・・ひょっとして歌っていなかったら、犯罪者になっていたかもしれないかな? ・・・
http://www.geocities.jp/euridiceneedsahero/8302.html
by euridice (2005-03-22 09:04) 

keyaki

ライモンディとペーター・ホフマンって、不思議に同じようなことを言ってますね。
スカルピアとか楽しんでやってますね、ドン・ジョヴァンニにしても普段の自分とのギャップが演じがいがあるということでしょうねぇ。

「レポレッロを歌いたくないですか?」
という質問に対しては、「ドン・ジョヴァンニを代わりにやってくれる人がいればね。」と答えています。

ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレスさんと同じスペイン人のベルガンサは、カルメンを歌うことで、自分を解放し、はじめて自立、独立できたそうです。
by keyaki (2005-03-22 15:36) 

ユルシュール

ヴィッカーズがタンホイザーを歌わなかった理由は私も耳にしたことがありますが、その彼が、無神論者で近親相姦を犯すジークムントはレパートリーに入れていたというのはちょっと不思議な感じがします。ここでの「神」はキリスト教ではないから良いのかな?

>ベルガンサは、カルメンを歌うことで、自分を解放し、はじめて自立、独立できたそうです。
スペインの家庭は保守的といわれています。ベルガンサが現状を打破するべく立ち上がるには私たちの想像以上に勇気が必要だったと思います。カルメンは、彼女にその勇気を与えてくれたのかな、とその昔彼女のインタヴューを読んで感じました。

これはベルガンサさん自身も語っておられたことなのですが、ロス・アンヘレスのカルメンとベルガンサのカルメンには、通じるものがあると思います。
by ユルシュール (2005-03-22 16:20) 

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