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ウィーン(2016.4.16):Tosca (=ゲオルギュー)non arriva e Cavaradossi(=カウフマン) intona: "Non abbiamo il soprano" [オペラの話題]

◎ことの真相が分かりました。裏方さんが楽屋にゲオルギューを呼びに行くのが遅れただけだったそうです。なあんだ....ですよね。ゲオルギューってやっぱりいろいろ言われちゃうんですね。まあ、スターは皆そうですけど。でなぜ呼びに行くのが遅れたかは、前の公演(4月9日)では、アンコール"bis"があり、その後も数分の拍手があったそうです。16日も同じだと思って、楽屋で待機していたんだそうです。ところが16日の指揮者は、アンコールの後拍手の隙を与えないで、そのまま音楽を続行したということです。9日の指揮者はMikko Franck、16日は代役のJesús López Cobos でした。指揮者が代わったのもトラブルの原因だったってことですね。記事はこちら"Angela Gheorghiu’s late show: the simple truth"
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 4月16日にウィーン国立歌劇場でゲオルギュー、カウフマン、ターフェルの「トスカ」が上演され、ライブストリーミングでも世界に配信されました。生舞台なのでたまにはそういうこともあるのではないかと思いますが、ゲオルギュー絡みだったせいか、前代未聞とかニュースになっちゃったようです。
 カウフマンの歌う “E lucevan le stelle 星は光りぬ” に5分又は7分間の拍手喝采がありbis!2回目の大サービス。この後、トスカがスカルピアからせしめた通行証を持って現れるのですが、なかなか来ない......音楽は進んでいく.....という状況で、カウフマンが "Non abbiamo il soprano" と歌い、観客を笑わせました.....その後ゲオルギューのトスカが走って登場、音楽はその場面からもう一度やり直して、「助かったわよ!通行証を手に入れたわ」と何事も無かったように舞台は進行した.....ということです。ゲオルギューが登場するまでに10分〜15分だったそうです。
 "Rai News 24" でその時の映像の一部がご覧頂けます。観客も楽しんでいる感じで、ゲオルギュー叩きしなくてもいいと思いますが。下の画像をクリックすると"Rai News 24" にリンクしています。


 イタリアのオペラフォーラムでも話題になっていて、「カウフマンが便座に座ってる感じ」なんてコメントもありましたが、確かにリラックスしてそんな感じですね。「アンジェラ、どうしちゃったの、早く出て来てよ」って顔してます。
 なかなか出てこなかったのは、カウフマンに熱狂している観客が冷静になってからおもむろに登場して、プリマドンナである自分に注目させるための一種のトリックだとか.....へぇ...そうなんだ....いろんな見方があるようです。

 la Stampa に詳しい記事があります。A Vienna “Tosca” inizia senza Tosca. Risate, commenti e imbarazzo in sala

◎"bis"について:
"bis"ってテノールのアリアとか、バリトンとか、バリトンとバスの二重唱とかナブッコの合唱とか定番というかお約束になっているものもありますが、ソプラノはやらないですよね。どうなんだろう.....プリマドンナは軽々しく2回歌ったりしませんことよ....なのかなぁ。リゴレットではカーテンコールでバリトンとソプラノがやったりしますけど、あれはヌッチだけかなぁ。このブログでもちょっと記事にしていますが、ゲオルギューは、2007年のローマでの「椿姫」でレナート・ブルゾンが第2幕の「プロヴァンスの海と陸」を2回歌ったら、その時は最後まで歌いましたが、次の公演では1幕で降板しちゃった事件があります。もちろん表向きは体調不良ということでしたが、陰では、これは初日に「プロヴァンスの海と陸」に観客から" bis!"がかかり、ブルゾンに人気が集中したからだ....なんて言われました。ゲオルギューってとてもナイーヴで、いつもと違うことをされるとパニックになるのかもしれませんよね。

関連記事:
ゲオルギューとグリゴーロ★☆Rai3のラジオ番組"La Barcaccia"
2007年ローマ、ゼッフィレッリ《椿姫》のドタバタ舞台裏:ゲオルギューの相手役は...
Bi〜s!Bi〜s!熱狂の渦 2回歌っちゃいま〜す(清教徒:ラッパを鳴らせ) その他"bis" についていろいろ


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