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新国《リゴレット》2008.10.31 [オペラ生舞台鑑賞記録]

 新国、開幕公演は《トゥーランドット》でしたが、パスしましたので、今シーズンはじめてのオペラ鑑賞です。
 この《リゴレット》は、2000年6月初演(アレクサンドル・アガーケ、アンドレア・ロスト、ピエトロ・バッロ/ティート・ベルトラン)、翌年2月再演(ジャンカルロ・パスクエット、ヴィクトリア・ルキアネッツ、マルセロ・アルバレス)、そして今回7年ぶりの再々演です。私は、今回がはじめてです。前の2回は、外国人組と日本人組に分かれていて、外国人組はチケットが取りにくかった時代なんです。
 舞台は、オーソドックスで、りっぱなものでしたが、全体的に低調というんでしょうか、ワクワクドキドキ感のない公演でした。《リゴレット》自体、どうころんでも面白くなるような要素がいっぱいのオペラだと思うんですけど....まあ、ですから、なんでこんなに盛り上がらないのよ〜なんて自問自答しながらも、しっかり楽しんできました。
 頭抜けた歌手がいなかったというか、皆さんが、イマイチ。リゴレットのアタネリ、前回のパパジェルモンに続いての出演。この時は、なかなかいいじゃない...と思ったんですが、リゴレットは10年早いってかんじです。リゴレットは、バリトンにとっては、一番難しい役だと思いますので、若くしてやる場合は、よほど表現力(歌唱も演技も両方ですからね)にたけてないと.....見えないんですよ、哀れな道化に。アタネリのリゴレットは歌唱も演技もイマイチ。結局、スラリと背も高くハンサム過ぎで、私はクーラ、あのホセ・クーラです、が出てると何度も錯覚しました。これほんとです。
 アニック・マシスのジルダは、初役、と言う情報もありましたが、8年前くらいにサンテチエンヌでジルダを歌っているので、2回目だそうです。久々のジルダなので、ぎこちなさを感じたのはそのせいか、役に合ってないのか...
 マントヴァ公爵のムケリア、ちゃんとカツラをかぶって、ぽっちゃり可愛い系(たとえれば、ルネ・コロ)のプレイボーイに変身していました。高音は無理なく自然に良く出ていました。もちょっと存在感というか、俺様振りが欲しい役どころだとおもいますが、そのへんがイマイチ。
 スパラフチーレとマッダレーナは日本人キャストでしたが、なかなかサマになってました。モンテローネ伯爵が、全くの迫力不足で、リゴレットが呪われた...と怖がるのも奇妙なかんじでした。
 舞台はりっぱでしたが、演出的に、人の動かし方が、変なところがあったりで、それもこの公演のイマイチな要素でした。故アルベルト・ファッシーニの原演出ですが、うまく引き継げてないんでしょうね。良かったのは、嵐の場面、稲妻もすごかったし、雨と風が吹き荒れてました。建物の脇に配置された、ススキのおばけのようなパンパスグラスみたいなのが、ちゃんと風で揺れてました。
 新国名物の合唱があまり印象的ではなかったのですが、合唱指揮の三澤 洋史氏の名前がスタッフに記載されてないですね。(1階5列で左よりで鑑賞)
※赤字の部分はあとで書き加えました。

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