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Arena di Verona引越し公演「東京ドームのアイーダ」やっぱり中止!(2013.8.27発表) [オペラの話題]

 ヴェローナのニュースを伝えるサイト"L'Arena.it" に日本公演中止の8月25日付けの記事がありました。Niente Giappone salta la trasferta per il centenario
 この記事によれば、同時期にミラノ・スカラ座の日本公演があるので、観客動員が困難だった(そんなのずっと前から分かっているのに.....言い訳にもならんでしょ!)、日本の主催者側は、損失を最小限におさえるために中止を決断した....この損失を埋めるため来年の春に再度やりたい(日本では無理でしょう、韓国でやって下さい).....んだそうです。舞台装置を運ぶ前だったので、最小の違約金ですんだみたいですけど.....私の推測では、ヴェローナ側は、名前の使用の許可とか、舞台装置の貸し出しにかかわっているくらいで、どっちに転んでもなんの損害もないのではないかと思います。一番損害を受けたのは、アラーニャじゃないのかな....パリの公演をキャンセルしてファンをがっかりさせた上、20万ドル稼ぐ予定もパーになっちゃった....(2013.8.31追記)
*アラーニャなりふりかまわず損を少しでも取り戻しにかかる、どうやったかはこちら→ 「東京ドームのアイーダ」中止の波紋がウィーンまで..... Roberto Alagna が Lance Ryan を押し出し(2013.9.6追記)

*  *  *  *  *  *  *  *

以下8月29日の記事
 いやはや、やっぱり...でした。8月18日に第二ブログの記事「メルビッシュ湖上音楽祭:DIE GROSSE VERDI GALA (2013.7.23) →公演自体がなかったようです....」でちょっとふれましたが....
東京ドームのヴェローナ引越し公演の「アイーダ」も2014年春に延期との噂がネットでささやかれています。この噂の出所のブログ(8月16日)の記事は管理人の音楽評 論家によって削除されています。主催者側からの延期発表はないようですが、その後、間違いでした....お騒がせしました....という管理人さんのコメ ントがないのも、本当っぽい......」
 そう、このブログではその後、この件についてはなんのコメントもなしに記事を次々アップしていますので、主催者から公式な発表があるまで沈黙せざるを得なかったわけですね。主催者は、27日まで何をやっていたのか、テレビでも大々的に「アイーダがやって来る....」とか宣伝してましたし、チケットの販売を「主催者の都合により」として停止していたのはJTBだけだったような......何かが好転すると期待していたのか.....公演中止理由も不透明です。
tokyo_verona_aida.jpg
↑ベローナとヴェルディが並ぶと気持ち悪い....ヴェルディがベルディじゃないのならベローナじゃなくてヴェローナでしょ....

・第三者の立場のメディア(朝日等)が発表した公演中止理由:チケット販売不振
 関係者によると、チケットの売れ行きが低迷し、採算が取れなくなったという。アイーダはイタリア・ベローナ劇場で100年続く野外オペラ。フルオーケストラを使い、本場の舞台装置を丸ごと持ってくる計画で、3日間で約10万人の集客を見込んでいた。
(現地のアレーナは、観客収容数16000といわれていますが、1万前後は入ればいい方で、ちなみに昨年、ヴェローナ市をあげての一大イベント"アレーナ・ディ・ヴェローナ 2012 “LO SPETTACOLO STA PER INIZIARE”(2012.6.2)"の観客動員数は13000と報じられている)

・主催の「オペラアイーダ実行委員会」の公演中止理由:準備が間に合わない
 開催の準備が予定の日程までに整わないため、中止となりました

・主催の「読売新聞社」の公演中止理由
 韓国企業などで構成される実行委員会の事情によるもの

 しかし、読売新聞社の「ひとごと」みたいな理由はなんでしょう。しかも「諸般の事情により」ではなくわざわざ「韓国企業」名指しはなにを意味するんでしょうか。東京ドームで開催するため、読売新聞社が名前を貸しただけとでも言うんでしょうか.....確かにオペラアイーダ実行委員会=KBSメディア / ソウルオペラクラシックですから韓国一色、でもそれは最初から分っていたことじゃないですか。
 6月20日に唐突に「100年続く野外オペラが、まるごと日本にやって来る」と発表されましたが、歌手で自分のスケジュールにちゃんと書き加えたのはロベルト・アラーニャだけ、チェドリンスもウルマーナも予定に入れていませんでした。ラダメスのアラーニャ以外は、ヴェローナのアイーダに出演した歌手たちをとりあえず並べただけのようです。だいたい9月8日まで、ヴェローナで夏の音楽祭が行われていて、9日後の17日に東京で公演って可能なんでしょうか。オーケストラ、合唱団、バレー団、スタッフ…総勢400名以上って、無理でしょう。ということはチケット販売の不振よりもそもそも計画自体に無理があったような。それに28日にはArena di Verona の アイス・ショー"Opera on ice 2013" が開催されますし.....本当にヴェローナからオケとか合唱団とかバレエ団を呼び寄せるつもりだったのか.....それに彼らは専属なの? 他の劇場が協力していたりの寄せ集めじゃないのかな.....だとしたら、ソリストはともかくオケとか合唱のメンバーを集めるのが難しかったんじゃないですかねぇ。

 韓国ではこんなこともありましたよ.....2組4公演を計画していたが、チケット販売の不振により1組2公演になりました。この時削られた公演にチェドリンスが出演予定だったんですよ....
その時の記事:
オランジュ音楽祭の「ボエーム」ソウルで公演 (2012.8.28と9.1) 延世大露天(野外)劇場でマイク無し!の公演を実行:ゲオルギュー&グリゴーロ
グリゴーロとゲオルギュー:ソウル 延世大学校(Yonsei University) 野外円形劇場で「ボエーム」(2012.8.28と9.1) ☆台風上陸で28日の公演は30日に延期 ☆ また雨で延期 9月1日と2日に...☆ 2公演とも無事終了

参考:
公演名: 2013 Opera AIDA in Tokyo Dome from Arena di Verona
公演日: 2013年9月17日(火)、18日(水)、19日(木)
会 場: 東京ドーム
主 催: 読売新聞社、 オペラアイーダ実行委員会(KBSメディア / ソウルオペラクラシック)
後 援: J-WAVE
特別協力: 東京ドーム
制作・運営協力: ウドー音楽事務所 / ALIVE
公式HP:http://www.veronaaida.jp/
出演: 演出:フランコ・ゼフィレッリ 指揮:ダニエル・オーレン(アレーナ・ディ・べローナ常任指揮者)
出演:アレーナ・ディ・ベローナ管弦楽団・合唱団・舞踊団/ロベルト・アラーニャ(ラダメス)/フィオレンツァ・チェドリンス(アイーダ)/ヴィオレータ・ウルマーナ(アムネリス)/アルベルト・マストロマリーノ(アモナズロ)/ほか

◎チケット料金: 東京ドーム:7万円〜8千、Arena di Verona:約2万7千円〜3千6百円
東京ドーム9月17,18,19日
VVIP :¥70,000
VIP :¥50,000
R席 :¥30,000
S席 :¥18,000
A席 :¥8,000
読売ファミリーサークル(年会費1365円):無料   
 但し、満席の場合は入場不可
アレーナ・ディ・ヴェローナ9月8日アイーダ
正面A席 :201€(26,130円) 1€/130円換算  
正面B席 :171€ (22,230円)
正面C席 :133€ (17,290円)
正面階段A席 :108€ (14,040円)
正面階段B席 : 85€ (11,050円)
階段A席 : 32.5€(4,225円)
階段B席 :28€(3,640円)
特典:
VVIP 特典:記念チケット、専用シート、無料バーカウンター、プログラム、クッション
VIP 特典:記念チケット、専用シート、プログラム、クッション
R席 特典:記念チケット、専用シート、プログラム
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マルチェッロ

つくづく不可思議な仕切りの公演でした。今年2月にボローニャで話したオケの一人から『9月にアイーダで東京に行くよ』と聞かされ、スカラ祭りの開催される月なのに、と半信半疑でした。そのうちに公式発表がなされたのに、チェドリンスは公演のスケジュールを知らず。概要を教えてくれ、とメールが来ました。合唱やオケの方々は来日をとても楽しみにしていたようでした。そこに例のブログからの情報。こうしたことは前代未聞です。しかし、正式に社告を出す前に朝日新聞電子版に中止の記事が出る始末。なんともお粗末な仕切りようです。
by マルチェッロ (2013-08-30 03:23) 

keyaki

マルチェッロさん
普段からオペラに注目している人たちにとっては、発表があった時から、なんか変だな....でしたね。アラーニャがパリをキャンセルしてまで出演するというので、私も、本当にやるつもりなんだ...と思ったくらいです。

>今年2月にボローニャで話したオケの一人から『9月にアイーダで東京に行くよ』と聞かされ.....

ということは、アイーダ実行委員会は実行する気はあったってことで、とりあえずオケのメンバーは何人かは確保してたということですね。しかし、開催、中止においても、全くヴェローナ側の顔が見えないのはどういうことでしょう。ドミンゴがなにかコメントをしたようですが、これも名義貸しみたいなものかドミンゴも知らなかったかもですね。
チェドリンスもウルマーナもあてにしてなかったようですが、アラーニャは気の毒というか、どういう経緯で話があったんでしょうね。うまい話にひっかかったみたいですね。

本当に公演を成功させたければ、野球観戦並みの入場料、5,6千円にして、ダブルキャストでなく一組で2公演であれば、2万人くらいは動員できたかも....オペラに興味はあるけど、劇場は値段も雰囲気もハードルが高くて....と思っている人たちにはいい機会だったのに.....

例のブログはどこからのリーク情報かは分かりませんが、すぐにでも正式発表があると思って、書いたんでしょうね。実行委員会が、馴染みの無い韓国の組織でも、「読売新聞社」の名前が最初にあるわけですから、こんないい加減な企画にのっかったこと自体、責任有りですよ。どうしてこうなったのか新聞社なら説明責任があると思いますけどね。
by keyaki (2013-08-30 08:44) 

マルチェッロ

コロもオケも6月辺りに来日を口にし始めた気がします。当然に大人数ですが、主要な来日メンバーも決まっていました。劇団員は未だに正式な中止理由を告げられていない様子でいたく憤慨しているようです。
これは推測ですが、今回の公演に関して劇場側は固定のギャラでの契約なのではないでしょうか。チケットの売れ行き等に何の責任もないのであれば、コメントを出す立場にもないのでは、と推測いたします。

ブログの方は、確か本公演サイドで現地取材をしていたわけで、守秘義務違反の勇み足だった、ということでしょうね。

こうした形態の公演って珍しく、一般の方も形はどうあれオペラに触れることのできるいい機会だったのに至極残念です。読売も実に不誠実な対応な気はします。自分らも被害者だ、とでも言いたいのでしょうか。
by マルチェッロ (2013-08-30 21:43) 

keyaki

マルチェッロさん
マーケティングもしないで、こんな企画が成功すると思っていたとは思えませんが、なんか裏があるんでしょうか。金銭的な損失だけでなく、信用も失ってますけど.....
日本の公演なのに韓国にまかせっぱなしって全くわけがわかりません。韓国だって、なんで日本でおかしなことをするんでしょう。韓国から、「東京ドームでアイーダを見よう!」とかのツァーでも企画していて、集客に自信があったんでしょうか。

>3日間で約10万人の集客を見込んでいた

これって無謀ですよね。
本家本元だって、1日1万人前後集客できればいいほうなのに。

読売は、自ら韓国と手を組みながら、あっちの都合だから知らん....なんてひどい新聞社ですね。
by keyaki (2013-08-31 13:03) 

マルチェッロ

ホントですよね、昨日かおとといで17000人集客でスタッフ大喜びだってのに、ドームで10万人って、ロックコンサートです・・。
せっかく、スタッフも楽しみにしてたのに、ホントに残念です。
ま、これでスカラ祭りに専念できますケド(苦笑)
昨日辺りにソリストも来日して、舞台稽古始まってますね。
by マルチェッロ (2013-08-31 22:26) 

助六

中丸さんの件にせよ、ヴェローナ客演の件にせよ、日本の音楽ジャーナリズムは、芸術的内容についての批評と(音楽好きなら知ってることばかりの内容の)紹介・宣伝記事ばかりで、消費者の利益を擁護する批判的調査報道が殆ど存在してないのが問題ですよね。
Keyakiさんブログのレヴェルの事実確認が明記された報道もオフィシャル・メディアには殆ど見出せないのが残念ながら現実でしょう。
それでも今回のヴェローナの件では、朝日は関係者に当たって一応独自報道をしただけでもマシですけど。楽壇インサイダーの音楽雑誌には批判的報道は殆どまるで期待できませんしね。

まあ欧州メディアも音楽に関しては、日本よりは批判的報道を目にするものの、突然の公演中止などは、公共劇場でも真相については藪の中で客は腑に落ちずということは珍しくありませんが。
メディア、特に音楽メディアはカネがないから、仏でも批評家=ジャーナリストは招待券提供に加え、一部地方劇場からは交通費の支給も受けてるという「利益相反」の問題も誰もがある種の居心地の悪さは感じていても透明化される見込みはないですね。

フィガロ紙のギャラ調査報道や、英のレブレヒト氏(訴えられて敗訴したり明らかな事実誤認もあるらしいにせよ)や独ヴェルト紙ブルック氏の報道などには敬意を表しておきたいと思います。

アラーニャも早速ヴィーンの「カルメン」への代役出演が決まったようですよ。
パリの意欲的新演出公演を振って、日本出稼ぎを決めたんでしょうから踏んだり蹴ったりだったでしょうが、さすがにいつでもどこでも仕事はあるみたいですね。
by 助六 (2013-09-04 13:03) 

keyaki

助六さん
今回の件、実質的に「韓国」の呼び屋が日本での公演を企画していたようなので、日本では異例なことでも「韓国」では普通のことなのかも....うまくいけば何億も儲かるとおもったんでしょうね。
オランジュ音楽祭がソウルで「ボエーム」をやった時も、チケット代が高過ぎると批判されて、結局チケットが売れなくて、Bキャスト中止にしたんですが、なんかとりあえずやってみてダメなら変更すりゃいいんだ...みたいな行き当たりばったり、マーケティングも無し....準備万端整えてから行動するって習慣がないのかな...と思います。
読売新聞社がついていながら大失態ですよね。

アラーニャもうまい話に乗って、パリのアラーニャファンを裏切り、あてにしていたギャラももらえず....でしたがウィーンのカルメンで、パリに出演したくらいのギャラは確保できるということですね。横車を押したのか、ウィーン側が、積極的にアラーニャに決めたのか.....
ランス・ライアンは、ドン・ホセをウィーンで歌うのを楽しみにしていたよですが、9月2日に、「あんたにはむいてないから降りろ...」って言われたようです。これは、クルザックが同時期「椿姫」に出演なので、アラーニャがウィーンでチョロチョロして横車押したとみるのが妥当でしょうね。
http://www.lanceryan.com/en/blog.html
by keyaki (2013-09-04 15:45) 

Semper

韓国がらみは韓流の日本公演でもサクラを大量動員して動員数水増しとかやってますからね。
嫌韓ネチズンの言う通り見栄が目的であればアホらしくて開いた口が塞がりませんが。
韓国側が完全に仕切っていたのであれば似たような事案の匂いがしますが、
いずれにせよ批判を受ける先鋒に立つべきは読売新聞側ですね。
これだからマスゴミとか言われるんですよ。自業自得です。
by Semper (2013-10-10 05:03) 

keyaki

Semperさん
>いずれにせよ批判を受ける先鋒に立つべきは読売新聞側ですね。
>これだからマスゴミとか言われるんですよ。自業自得です。

その通りですよね。
日本の大新聞のくせに情けない....ちょっとオペラに興味のある人なら、この時期集客可能かどうかくらい判断できますよ。
しかし「韓国」の呼び屋もどういうつもりで日本公演を仕切ったんでしょうね。
by keyaki (2013-10-10 20:43) 

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