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訃報:ジャンジャコモ・グエルフィ Giangiacomo Guelfi (1924.12.21-Roma〜2012.2.8-Bolzano) [訃報]

 イタリア、ローマ生まれのバリトン、ジャンジャコモ・グエルフィが2月8日、ボルツァーノで亡くなりました。享年87歳、ご冥福をお祈りします。
 グエルフィ縁の地、スポレート(オペラデビュー)と晩年を夫婦で過ごしたボルツァーノの訃報記事をリンクします。
Scomparso il baritono Giangiacomo Guelfi, aveva debuttato a Spoleto con il Rigoletto
È morto Guelfi Addio al grande baritono che amava Bolzano

 ルッジェーロ・ライモンディと共演の1970年ムーティ指揮の「アッティラ」のライブ放送と、1971年バルトレッティ指揮「ジョコンダ」のライブのCDを持っていますが、アッティラは好きなオペラですし、数少ないバスが主役のオペラですし、若き日のムーティとライモンディの貴重な録音でもありますし、よく聞きました。右の写真をクリックするとライモンディのアッティラとグエルフィのエツィオの二重唱が聴けます.....YouTubeにかっこいいTV映画の映像をつけてアップしました。

 ジャンジャコモ・グエルフィは、1950年スポレートで「リゴレット」のタイトルロールでデビュー、1952年スカラ座デビューは、アルゼンチンの作曲家、JUAN JOSE' CASTRO作曲"PROSERPINA E LO STRANIERO"、指揮は作曲家自身、演出はストレーレル、Prosperinaは、エリザベッタ・バルバト、Demetriaは、シミオナート、Lo stranieroがグエルフでした。1954年シカゴ・リリック・オペラデビュー、イタリア人バリトンとして主役級で国際的い活躍しました。主なレパートリーは、19世紀の作品ですが、レパートリーは幅広く、1954年のイルデブランド・ピッツェッティの“La figlia di Jorio”の初演にも出演しています。スカラ座では、1952年から1969年までに、ワリー、アイーダ、モゼ、カルメン、フランチェスカ・ダ・リミニ、夢遊病の女、カヴァレリア、友人フリッツ、西部の娘、マクベス、ボエーム、シモン・ボッカネグラ、蝶々夫人、ナブッコ、ウィリアム・テル、オリンピア、トロヴァトーレ、ルチア、マリア・ディ・ロアン(1969年)等に出演、NYメトには、1970年に「トスカ」、「西部の娘」とそれぞれ1公演づつ出演、日本には、NHKが招聘した1956年第1次イタリア歌劇団として来日、「アイーダ」「トスカ」に出演、1961年第3次「イタリア歌劇団」公演では、「アンドレア・シェニエ」「トスカ」「アイーダ」に出演しました。

 以上簡単な経歴ですが、キャリアはわりと短かったようです。確かなことはわかりませんが、この時代の歌手は、60,70まで歌い続けるということはまれで、50歳前後で表舞台からは引退して後進の指導にあたるというのが普通だったのかもしれません。「イタリア歌劇団」として来日していますので、日本では生で聞いた方も多く、知名度も高いのではないかと思います。

 時代のせいもあって、正規録音はほとんどないようですが、1951年録音のジュリーニ指揮の「2人のフォスカリ」、1967年ライヴ録音のアバド指揮「ランメルモールのルチア」カラヤン指揮の「カヴァレリア・ルスティカーナ」があります。

 グエルフィ縁の地、スポレートとボルツァーノの訃報によれば、ボルツァーノの病院に入院して一週間後に亡くなったそうです。

関連記事:
(資料室)アッティラ Attila:ルッジェーロ・ライモンディのアッティラ
ヴェルディ作曲《アッティラ》ルッジェーロ・ライモンディのアッティラ
ジョコンダ


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コメント 2

夏

ジャンジャコモ・グェルフィが亡くなられたのですか…こちらで初めて知りました。
確かスポレートでコレッリと同期で、親友同士でした。コレッリ最晩年のアンコーナ、フランコ・コレッリ国際声楽コンコルソでも毎年審査員を務めておられました。
私はコレッリと共演した録音を集めたCDをずっと以前に購入しましたが、もう何年も聴いていないので、これを期に探してもう一度聴いてみようと思います。

「アッティラ」のご紹介ありがとうございます。男性的な二重唱で、まさにヴェルディ!ですね。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。
by 夏 (2012-02-27 22:52) 

keyaki

夏さん
グエルフィの経歴をネットで検索していて、コレッリとの共演がけっこうあるな...と思いました。スカラ座デビューも同時期、西部の娘、カヴァレリア、アイーダで共演してますね。
夫婦でボルツァーノにお住まいで、一週間入院の後亡くなられたそうです。ということは、それまでは元気に過ごされていたということですね。
by keyaki (2012-02-28 01:42) 

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