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トロヴァトーレのマンリーコ! ....なんだ半音下げか〜 ☆フランチェスコ・メーリ(2012.1.28) ☆ 続いてヨナス・カウフマンも(2013.6 ) [テノールの高音]

◎巷で話題のカウフマンのマンリーコ、ロールデビュー....やっぱり半音下げか〜...まあ、有名テノール軒並み半音下げなんで、当然かもしれませんが、もしかしたら頑張っちゃうかな...と思ってたんですけど、マルセロ・アルバレスは、ロールデビューの時は原調で歌ってましたよ。これはもうグリゴーロに期待するしかないんですけど、私の目の黒いうちに歌ってくれるかどうかも分かりませんが.........カウフマンのマンリーコって私のイメージとは違うんでこれだけ聞けばもういいよってかんじ...."Ah si ben mio"より"Di quella pira"の方がいい(まし)かな.....本人はいいと思ってるのかなぁ....もう大物なんだから自分にあったものを歌うべきでは。


 新国では2011/2012シーズンの開幕公演(私も行きました)が、「イル・トロヴァトーレ」だったんですが、マンリーコ役のヴァルテル・フラッカーロがインタビューで「見よ、恐ろしい炎を」について『半音下げて歌われることもありますが、私は伝統に従って原調でハイCを歌います。実は、楽譜にはハイCは書かれておらずGなのですが、Cに上げるのが慣習で、ヴェルディも認めていたそうです。楽しみにしてください!』と言ってます。えらいぞ!テノールはハイCが出てなんぼじゃ......まあ、原典主義のムーティは上げさせなかったとか、クーラがこのことで観客と言い争いになったとか.....マンリーコって聞く方も歌う方もなにかといろいろある役なんですね。
*  *  *  *  *  *  *  

◎以下2012-01-28の記事
 昨年2011年の12月フェニーチェで、フランチェスコ・メーリ(Francesco Meli1980-ジェノヴァ生)が弱冠31歳でマンリーコを歌いました。あのスチュアート・ニールStuart Neill とダブルキャストだったんですが、私は、興味津々、内心歌えるの?どうぜキャンセルするんじゃないの....と思っていましたが、予想に反して、ちゃんと歌いました......なんでも前々から本人が歌いたかったんだそうです。
 メーリは、日本でもコンサートを開催したりしているからか知名度も高いので、どんなものだったか聞いてみたい方もいるのではないかと思います。残念ながら放送はなかったんですが、オペラ番組で取り上げていましたので、"Di quella pira "のさわりの部分だけですがアップします。ロールデビューでしかも若いのに、「半音下げ」てます。前半はしっかり落ち着いて歌っていますが、最後の"ararmi,ararmi,ararmi!"の部分が、急に録音レベルが低くなっているとはいえ、しょぼい。比較のため、グリゴーロの正調"Di quella pira"の同じ部分をアップします。
★フランチェスコ・メーリ/2011.12
♪ iPhone/iPad用mp3

★ヴィットリオ・グリゴーロ:"The Italian Tenoe"
♪iPhone/ iPad用mp3
 トロヴァトーレのマンリーコは、若い時から歌うテノールさんもいるんでしょうが、一般的に、40過ぎてから歌うもののようです。パヴァロッティもそう言ってますし、ヴィットリオ・グリゴーロもCDでは"Di quella pira "を録音しましたが、「実際に歌うのは15年先かな....今は1公演なら歌えるかもしれないけど、まだ無理...」とか言っています。オテロは絶対歌わない役と断言していましたが、マンリーコはいつかは歌うつもりがあるようです。ちなみにメーリはオテロも視野に入れているようです....「仮面舞踏会」もすでに歌ったんですね。2010年にメトデビューだった「リゴレット」でこけて、リベンジのチャンスがあったのに、メトからしっぽ巻いて逃げちゃった過去があるんですけど、イタリアではなぜかあまり批判されないタイプの歌手のようですから、まわりにつぶされることはないのでしょうけど.....

関連記事:
スチュアート・ニール、ハイCの着地に失敗しました! "Di quella pira l'orrendo foco"
アラーニャ、クーラ、アルバレスの "Di quella pira "も聞けます。

l'opera"12月号 No.253:スカラ座《カルメン》 メト《リゴレット》《ホフマン物語》
メーリのマントヴァ公爵不調?で不評

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コメント 5

Kinox

メーリまだたった31歳というのにびっくり、そしてこのふにゃけた歌唱にもびっくり。これは個人的には一時期、気合を入れるために出勤前に聴いていた思い出のアリア。コレッリ版でした。そういえばそれは31,2歳ぐらいの時だったかも。そろそろ新人ではなく、難しいものも任される年頃だと波長があったりするのかな。
大好きなものを歌いたいという気持は分かりますが、これはちょっと無理、と言ってあげる人が回りにいなかったもんですかねぇ。
by Kinox (2012-02-01 12:31) 

keyaki

Kinoxさん
"Di quella pira "は半音下げが当たり前になっているとは言えロールデビューで半音下げって、チャレンジ精神に欠けますね。それにせっかく半音下げたのにヘロヘロになっちゃってますし。楽譜通りに最後を上げないという選択肢もあるのに、それをやる勇気?もないって....
イタリア国内では、若い歌手をつぶしては...という配慮はけっこうあるようですから、あまり批判されてませんが、この歌唱だと、海外では、風当たりが強いと思います。メトへのリベンジはいつするつもりなんでしょうか.....

by keyaki (2012-02-01 16:27) 

ぴっちん

半音下げじゃないですね~
ハイCの半音下げだとHですけど、カウフマンもメーリもちゃんとCで歌っています。オケも下げてません。むしろ、keyakiさんのあげてらっしゃるグリゴーロが高いんですよ。Cを超えてCisに近い音になっています。これは、グリゴーロのオケ(どこのオケかは存じませんが、446hrzくらいでチューニングしているのでは?)の基調ピッチが高いうえに、グリゴーロが自分の声をオケから際立たせるために全体にオケより高めに歌っているためです。
だから、グリゴーロをほめこそすれ、これでカウフマンやメーリをけなすのは酷っていうか勘違いってもんです。
まあこのグリゴーロみたいなことを昔の歌手は結構がんばってやってたけど、最近の歌手はあんまりがんばらなくなったっていうのはありますね。ピッチを高めに設定したオケが歌手と楽器を疲弊させてるっていうのは最近よく言われることです。それに誰だって喉酷使して歌手生命縮めたくないですもんね。
by ぴっちん (2015-06-01 02:01) 

keyaki

ぴっちんさん

>半音下げじゃないですね~
そうなんですか。
グリゴーロのは録音ですからどうとでもなるでしょうね。
これって昔からほとんど半音下げが当たり前ですから、
ほめるとかけなすとかってつもりはないです。
関連記事でも取り上げましたが、皆さん半音下げでしたし。

しかしグリゴーロの録音がオケのピッチをあげてるとは....
グリゴーロは、高音得意の歌手ではないのに、それは大変だったでしょうね。
これとは関係ないですけど、グリゴーロはヴェルディの432ヘルツで演奏するオケを作りたいって言ってます。なんでも音楽には癒しの効果があるけど、今のようにピッチが高いとダメなんだとか。
by keyaki (2015-06-02 11:10) 

Toscanini

いや、上の音源では半音下げてますね。
昨日のびわ湖ホールの実演でも、「Suo Figlio」のところから下げてました。あとコーダのMadre infeliceのあたりも合唱に任せっきりで、最後のアクートに備えていました。そのわりに最後は声が奥に引っ込んでた。
それはともかく、Si ben mioでの筋の通った声と伸びのある歌唱、すばらしかったです。オペラは高音だけではないですね。
お邪魔しました。
by Toscanini (2018-07-01 10:03) 

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