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ムーティの《アッティラ》2題....♬ 1970年と2010年 ♬ [アッティラ Attila]

 メトロポリタン歌劇場の3月6日の《アッティラ》が生中継されました。印象的だったのは、とにかく拍手が早過ぎ....メトでは毎度のこととはいえ、いつもに輪をかけて早い....メトロポリタン歌劇場では、今まで一度も上演されていないせいもあるのかもしれません。

 右の写真は舞台写真の中で一番私に受けた写真.....フォレスト(オダベッラの恋人)のラモン・バルガスですが、ビリャソンのお兄さんみたいなメイクで、大きな人たちに囲まれて小さな宇宙人のようです。この写真をクリックすると他の写真も見られます。オダベッラは、鬼瓦メイク(もともとの顔だったかも.....)で「ザ・シンプソンズ」の奥さんのマージのような髪型、つまり頭にはソフトクリームをのっけています。舞台には工事現場の青いビニールシート.....コンクリートの建物が崩壊しているので、これから工事をするんでしょうか....まあ、写真を見ただけでもあまりピンとこない舞台ですが、交流ブログ"Opera! Opera! Opera!"さんに公演の感想が掲載されています。
ATTILA (Sat Mtn, Mar 6, 2010) ATTILA (Tues, Feb 23, 2010)

 《アッティラ》では、4人の登場人物、アッティラ(バッソ・カンタンテ)、オダベッラ(ソプラノ・ドラマティコ・タジリタ)、エツィオ(バリトン)、フォレスト(テノール)に一曲づつアリアがあります。

★オダベッラのAriaとCavatina:"Allor che i forti corrono.." "Da te questo or m'è concesso,.."
★フォレストのAriaとCavatina:"Ella in poter del barbaro!" "Cara patria, già madre e reina..."
★アッティラのAriaとCabaletta:"Mentre gonfiarsi l'anima parea dinanzi a Roma," "Oltre a quel limite t'attendo, o spettro!""
★エツィオのAriaとCabaletta:"Tregua è cogl'Unni. ~ A Roma," " Dagli immortali vertici belli di gloria, un giorno, " "È gettata la mia sorte, pronto sono ad ogni guerra;"

ATTILA libretto

1970年11月21日:ムーティ指揮
 ローマ(演奏会形式)RAI管弦楽団/CD


Odabella/Antonietta Stella

Foresto/Gianfranco Cècchele

Attila/Ruggero Raimondi

Ezio/Gian Giacomo Guelfi
2010年3月6日:ムーティ指揮
 メトロポリタン歌劇場


Odabella/Violeta Urmana

Foresto/Ramón Vargas

Attila/Ildar Abdrazakov

Ezio/Giovanni Meoni


※ムーティは、演奏会形式であるが、フィレンツェに音楽監督としてデビューする直前の1970年11月21日、ローマでイタリア放送協会RAIの公開演奏で、ヴェルディの《アッティラ》を指揮している。デビューしてまだ数年のルッジェーロ・ライモンディ(29歳)をタイトルロールに、アントニエッタ・ステッラ、ジャン・ジャコモ・グエルフィ、ジャン・フランコ・チェケレと豪華にそろったキャストで「初期ヴェルディにピッタリの指揮で、オーケストラと声を巧みに共存させ、堅実でありながら厳しすぎることはない」(オペラ誌1971年3月号)

◎公演時の年齢(カッコ内):
リッカド・ムーティ Riccardo Muti 1941.07.28- [イタリア]指揮 (29才)
ルッジェーロ・ライモンディ Ruggero Raimondi 1941.10.3- [イタリア]バス (29才)
アントニエッタ・ステッラ Antonietta Stella 1929.03.15- [イタリア]ソプラノ (41才)
ジャン・ジャコモ・グェルフィGian Giacomo Guelfi 1924.12.21- [イタリア]バリトン (46才)
ジャンフランコ・チェッケレ Gianfranco Cecchele 1940.06.25- [イタリア] (30才)

リッカド・ムーティ Riccardo Muti 1941.07.28- [イタリア]指揮 (68才)
イルダール・アブドラザコフ Ildar Abdrazakov 1976- [ロシア](34才)
ヴィオレッタ・ウルマーナVioleta Urmana [リトアニア](?40才前後)
ジョヴァンニ・メオーニ Giovanni Meoni 1964-[イタリア] (46才)
ラモン・バルガス Ramón Vargas 1960.9.11- [メキシコ] (49才)


 《アッティラ》は、ルッジェーロ・ライモンディの主要レパートリーの一つで、まともな映像はないものの大手レーベルからCDも発売されていますし、ライヴ録音もありますので、メトロポリタン歌劇場のブロードキャストで放送してくれたお蔭で、久々にいろいろ聞いて楽しみました。

関連記事:
ヴェルディ作曲《アッティラ》ルッジェーロ・ライモンディのアッティラ
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コメント 4

Madokakip

ありがとうございます。こうやって並べて比較して聴くと、いろいろ面白い発見がありますね。
この1970年は、スカラでしょうか?
若い頃のムーティの方が思い入れを感じさせる演奏で、メトはさくさく進んでいく感じがします。
今回メトではムーティの指示を出来る限り忠実に守って演奏しているはずなんですが、
金管の音色、吹き方が全く違うのが印象的でした。スカラは柔らかい音ですね。
今回金管はいつものパワーある音をかなりトーン・ダウンしていたと思うのに、
それでもまだ全然違う、、、、と軽くカルチャー・ショックです。
メトにしみついた吹き方としてムーティがあきらめたのか、時を経てこういう吹き方も良いと考えるようになったのか、興味が湧きます。

歌は、、、技術の面ではそれほど遜色なくとも、やはり、声のもともとの魅力で、70年に軍配が上がる気がします。
特にアッティラ、、、こうして並べて聴くと、軽いですね、、アブドラザコフは、、。
今回の舞台でまず最初に私がすっ転んだのが、アッティラがオダベッラに恋する場面ですが、
こうして聴くと、一つにはアブドラザコフの声にそんな雰囲気とか匂いが全くしないために、説得力を欠いていることが原因かと思います。
それに比べて、ライモンディの声はいい意味での色気がありますね。
アッティラからきちんと”男性”が感じられないと、この作品はつまらなくなってしまうと思います。
by Madokakip (2010-03-16 12:21) 

keyaki

Madokakipさん
本文にも追記しましたが、1970年の演奏は、ローマRAI(イタリア放送協会)管弦楽団のものです。
ライモンディ自身も言ってますが、彼は、深いバスではなくて、バッソ・カンタンテだそうですが、巷では、軽い....なんて言われています。アブドラザコフの方が、なんか軽くて淡白な感じがするのは、やっぱり表現力の差でしょうか。これって、訓練とか経験とかで得られるものではないような気がします。あとは、カリスマかな....
by keyaki (2010-03-16 22:12) 

ペーターのファンです。

上の写真でつい吹きだしました。へ、朝青龍の悪魔メイク?と一瞬思ったら違いましたね。
メトの方がムーティにしては軽く運んでいるような印象ですね。私の好みはやっぱりローマの方です。
ライモンディを聴いて思ったのは、やっぱり芸品があるということです。何を歌っても崩れない品格とか、役柄に関わらず主役を張るオペラ歌手にそもそも備わってなきゃいけないはずの威厳とか、これが決定的に違う気がします。ある人には最初からあり、ない人には努力や経験で身につくものではない、酷な違いでもありますが。ライモンディやアレンがコミカルな役を歌っても品を失わないのを考えると、名歌手たり得るか否かの分岐点かもと思います。
by ペーターのファンです。 (2010-03-20 11:47) 

keyaki

ペーターのファンさん
衣装がプラダ(あのファッションブランドの...)なんですけど、このメイクも衣装の一部なのかしら....プラダの注文だったかもしれませんね。これって完璧悪人顔ですよ.....

1970年のは、ムーティが選んだのではないと思いますが、メトのは、当然ムーティが選んでますね、皆さんムーティのお気に入りです。イルダール・アブドラザコフは、若いのに、なんか小さくまとまっているかんじで、面白くないですね。
by keyaki (2010-03-21 03:09) 

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