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メト《ボエーム》ベチャラ&ネトレプコ☆オリジナル"Che gelida manina 冷たい手" [ボエーム]

2010.2.24Broadcast
 メトロポリタン歌劇場で最も上演回数の多い演目は《ボエーム》、ドル箱演目なんでしょうね、このところ毎シーズン上演しているようですが、2009/10シーズンの《ボエーム》は、ピョートル・ベチャラ&アンナ・ネトレプコのコンビで、2月20日〜3月20日までの全9公演です。
 このところ、メトではロドルフォの『冷たい手』をオリジナルの調ではなく半音下げで歌うのが、当たり前になってきていましたが、今回は、ベチャラがちゃんと歌いました(右の上の音声ファイル)。
 もちろん劇場の問題というよりは、テノールによるわけですが....その辺の事情の記事"『冷たい手 Che gelida manina"の半音下げの移調は誤摩化し、賞味期限のつけかえみたいなもの...』を書いていますので、興味のある方はどうぞ....
 "Che gelida manina 冷たい手"をオリジナルで歌った場合は、1幕フィナーレのミミとロドルフォの二重唱"O soave fanciulla"の最後は、上げてミミとユニゾンで終わるのが伝統となっています(右の下の音声ファイル)。
 ネトレプコ のミミは映画版でも感じましたが、見た目は魅力的ですが、声はこれといって特徴がないし、惹かれるものがない.....それにこの公演では中音域がなんか喉にひっかかっているようなかんじで、聞いていて心地よくないです。交流ブログ "Opera! Opera! Opera!" さんに鑑賞レポート"LA BOHEME (Sat, Feb 20, 2010)"が掲載されています。
 ピョートル・ベチャラ Piotr Beczala(1966.12.22生)は、チューリヒ歌劇場でたいせつにされているテノールの一人で、世界の主要歌劇場でも活躍しています。メトデビューは、2006年12月19日《リゴレット》のマントヴァ公爵、その他《ルチア》《オネーギン》《ボエーム》にも出演しています。派手さはないですが、実力のある堅実なタイプのテノールと言えるでしょう。


 さて、来シーズンは、いよいよヴィットリオ・グリゴーロがこの《ボエーム》でメトデビューとなりますが、10月16, 20, 23, 28/11月1,5日の6公演(全19公演)に出演します。ROHの会員用の冊子(ABOUT THE HOUSE )では、ヴィットリオ・グリゴーロのメトロポリタン歌劇場デビューに関連して、次のように書かれています。

『.....2010/2011シーズンのメトデビューはずっと以前に計画されていた。2007年にワシントン・オペラで、ロドルフォの彼を見たアメリカ人は、彼が戻ってくるのを首を長くして待っている。ワシントン・ポスト紙のアン・ミジェットはこう書いた。「演技力と声の威力で、ヴィットリオ・グリゴーロは突出している。生まれながらの市場価値のあるイタリア人テノールである。』
(インタビュー記事全文)

 左の音声ファイルは、2007年ワシントン・ナショナルオペラ開幕公演の《ボエーム》のアリアと二重唱です。ヴィットリオ・グリゴーロ&アドリアーナ・ダマートのコンビで、好評でした。まだアメリカのオペラ界ではほとんど知られていなかったグリゴーロを開幕公演に抜擢したプラシド・ドミンゴはさすが目が高い!ですね。

 来シーズンのメトのロドルフォは、グリゴーロ(1977生)の他、カレイヤ(1978生)、ベチャラ (1966生)、バルガス(1960生)が歌う予定、バルガスはそろそろロドルフォは後進に譲ってもいいのではないかしら.....メトロポリタン・オペラのことならなんでもおまかせ!のMadokakipさんも10月にメト登場のグリゴーロのロドルフォを楽しみに手ぐすね引いて待っていて下さっていますので、鑑賞レポートが楽しみです。

◎メトロポリタン歌劇場ウェブサイトに掲載されている今回の《ボエーム》写真を数枚転載します。グリゴーロもこの衣装ということになりますが、こういう古典的な舞台と衣裳は初めてですが、モデル並になんでも着こなせますので、きっと似合うと思います.....
参考:メトロポリタン歌劇場2010/11シーズンのロドルフォ君
ラモン・バルガス Ramón Vargas : 1960年9月11日- メキシコ (メキシコシティー) 50才
ピョートル・ベチャラ Piotr Beczala:1966年12月28日- ポーランド 44才
ヴィットリオ・グリゴーロ Vittorio Grigolo:1977年2月19日- イタリア(アレッツォ)33才
ジョセフ・カレヤ Joseph Calleja:1978年1月22日-マルタ 32才


★YouTube:La Bohème-WNO2007 - Petruzzelli2010 - Vittorio Grigolo
関連記事:
ヴィットリオ・グリゴーロの[ボエーム La Bohème]
ROYAL OPERA HOUSE マスネ作曲《マノン》で劇場デビュー(インタビュー記事)
メト2010-11シーズン概要発表(2010.2.22)
冷たい手 Che gelida manina"の半音下げの移調は誤摩化し、賞味期限のつけかえみたいなもの...
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コメント 7

Madokakip

今年はやっとメトにまともなロドルフォが戻ってきて、ほっとしました。
逆にミミやムゼッタがまともでなくなって来ている感があって、どうしてセットで上手く行かないのか!と思いますが。

>10月にメト登場のグリゴーロのロドルフォを楽しみに手ぐすね引いて待っていて

いや、本当に。一番の若手ですので、もしかすると、後のランになってしまうかと思っていましたが、
Aキャストのため、思いのほか、早く彼の歌を聴けます!
私のブログの方でも書きましたが、頂いたTBのリクエストが上手く反映されていないようです。
もう一度送っていただけたら嬉しいです。
by Madokakip (2010-03-06 18:52) 

keyaki

Madokakipさん
メトでも一番はじめがAキャストなんですか。ロドルフォもムゼッタもマルチェッロも劇場デビューなので、ちゃんとリハーサルも必要でしょうね。
ミミもムゼッタも美人揃いのラトビア出身ですし、若いし.....グリゴーロはお姉さん歌手との共演が多いので、ワンマンショーにならないようにしないと....(笑

>TBのリクエストが上手く反映されていない
こちら側でうまく送信されなかったようです。再度送りました。お手数かけます。
by keyaki (2010-03-07 02:29) 

サンフランシスコ人

メトのファンで、《ボエーム》しか観ない人もいるようです。
by サンフランシスコ人 (2010-03-09 06:16) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
アメリカ人はこういう青春群像劇のようなのが好きなんでしょうか。
毎年やってるようですから、《ボエーム》しか見ない人がいても不思議ではないかも.....ですね。


by keyaki (2010-03-10 00:54) 

サンフランシスコ人

アメリカ全体では、最も公演回数の多い演目は『蝶々夫人』でしょう。
by サンフランシスコ人 (2010-03-11 06:44) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
アメリカ人にとっては、『蝶々夫人』のような女が憧れというかあり得ないところがいいのかもしれませんね。

by keyaki (2010-03-11 16:39) 

サンフランシスコ人

わかりません。
by サンフランシスコ人 (2010-03-13 08:44) 

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