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新国《トーキョーリング・第2日 ジークフリート》2010.2.23 [オペラ生舞台鑑賞記録]

 2001年からはじまったキース・ウォーナー演出「トーキョー・リング」は、2004年に完結して、昨年2009年から第2周目がじまりました。今年2010年2月《ジークフリート》、3月には《神々の黄昏》が上演され完結します。それにしても、ワーグナーだからか《 ジークフリート》だからかは分かりませんが、明らかに男性が多い....女子トイレがすいていることからも実感できます。
 《ジークフリート》は2003年が初演キャストは、ダブルキャストでしたが、私は第一キャストで見ましたので、ジークフリートのクリスティアン・フランツとさすらい人のユッカ・ラジライネンは今回も同じです。
 フランツは、なんていいましょうかあの風貌と(幼児)体型とはいえ、やはり7年の歳月は感じられましたが....といっても1968年生まれのようですから、まだ40そこそこなんですね.....最後のブリュンヒルデとのあの長い二重唱....テオリンの迫力にも負けてなかったです。ラジライネンは、前回の公演ではほとんど印象に残っていませんでしたが、今回は、7年の歳月で貫禄がついたのか、なかなかよかったです。そうそう、前回は、ハンナ・シュヴァルツ(1943.08.15-)がカメオ出演といいますか....素晴らしいエルダだったのを思い出しました。(1階8列左中央寄り、目線は舞台よりちょっと高い位置で舞台奥まで見える)

 幕間の45分と50分の休憩をはさんでの5時間55分(正味4時間20分)の長丁場でしたが、1幕、2幕とマンガチックで仕掛けがいっぱいでたいくつさせずに3幕にもって行く....という手法で、3幕の....おいおい、お前は氷の姫君か...とつっこみを入れたくなるようなブリュンヒルデとジークフリートの長いやりとりも感動的でした。
 ヴォルフガング・シュミットは、ミーメにしては、声も体型もりっぱすぎるのが気になりました.....ワーグナー通の知人によれば、シュミットは、ジークフリートも歌っているそうですが、フランツと声が似ていてどっちが歌っているのか分からなくなったり.....もうちょっと弱々しい性格テノールっぽい方がよかったのではないかと思いました。
 イレーネ・テオリンのブリュンヒルデは、今までポッチャリ体型が多かったのですが、イメージもピッタリで.......歌唱の力強さでもギネス・ジョーンズ系かな...と思いました。
 妻屋さんは、相変わらずうまいです....印象的なファフナーでしたし、安井陽子さんの小鳥ちゃんもよかったです。《神々の黄昏》楽しみです。

関連記事:
新国《トーキョーリング・第1夜 ワルキューレ》09.4.15
新国《トーキョーリング・ラインの黄金》09.3.13 コメントに助六さんの《ワルキューレ》の感想有り。


楽劇「ニーべルングの指環」《ワルキューレ》 【作曲/台本】リヒャルト・ワーグナー
【指 揮】ダン・エッティンガー
初演:キース・ウォーナー演出/デヴィッド・フィールディング装置衣装/ヴォルフガング・ゲッベル照明
【企 画】若杉 弘
【芸術監督代行】尾高忠明
キャスト
【ジークフリート】クリスティアン・フランツ
【ミーメ】ヴォルフガング・シュミット
【さすらい人】ユッカ・ラジライネン
【アルベリヒ】ユルゲン・リン
【ファフナー】妻屋秀和
【エルダ】シモーネ・シュレーダー
【ブリュンヒルデ】イレーネ・テオリン
【森の小鳥】安井陽子

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
 ジークフリート/神々.pdf

新国HP掲載の主要キャストのプロフィールを転載
【指揮】ダン・エッティンガー   Conductor : Dan Ettinger
2003年と07年『ファルスタッフ』、05年『コジ・ファン・トゥッテ』、06年『イドメネオ』08年『魔弾の射手』09年『ラインの黄金』に続いて、7回目の新国立劇場登場。
ニュー・ イスラエル・オペラ常任指揮者を務めた後、2003/2004シーズンからベルリン州立歌劇場首席指揮者兼音楽監督助手に就任。(同劇場の音楽監督は、ダ ニエル・バレンボイムである。)これまでに、劇場主席指揮者しての活動により多くのオペラをレパートリーとしている。特に近年は、ワーグナー作品、ヴェル ディ作品の活躍が目覚しい。次世代を担うオペラ指揮者として、世界中が注目している。 日本においては、初来日の04年『ファルスタッフ』で新国立劇場にデビュー。その後、数回の来日においてその実力は日本中に知れ渡っている。このたび、待望の本プロダクション・レパートリー公演において、その手腕が大いに期待されている。
2009/2010シーズンよりマンハイム歌劇場の音楽監督(GMD)に就任する事が予定されている。


★ジークフリート:クリスティアン・フランツ Siegfried : Christian Franz
2003年『ジークフリート』、04年『神々の黄昏』、06年『道化師』カニオに続いての新国立劇場登場。
ミュ ンヘン生まれ。ミュンヘン音楽大学を卒業。1991年に弱冠23歳で歌劇場と契約して『魔弾の射手』マックスでオペラ・デビュー。99年にダニエル・バレ ンボイムの招聘に応じてベルリン州立歌劇場に出演。その後の活躍は目覚ましく、ワーグナー作品、特に楽劇『ニーべルングの指環』ジークフリートをレパート リーとして出演。世界的ヘルデン・テノールとして活躍している。近年はバイロイト音楽祭、ウィーン国立歌劇場、ケルン歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラな どに出演している。09年にはメトロポリタン歌劇場においてデビューが決定している。現在、世界で最も活躍しているヘルデン・テノールが待望の再登場を遂 げる。


★ブリュンヒルデ:イレーネ・テオリン Brünnhilde : Iréne Theorin
コペンハーゲ ンの王立オペラ・スクールに学ぶ。デンマーク王立歌劇場のメンバーとなり多くのレパートリーで活躍。近年の活躍は目覚しく、楽劇『ニーべルングの指環』ブ リュンヒルデ、『トゥーランドット』タイトルロール、『トリスタンとイゾルデ』イゾルデを主なレパートリーとしてヨーロッパを中心に活躍。特に2008年 バイロイト音楽祭においての『トリスタンとイゾルデ』イゾルデは劇的な成功を収め、世界中にワーグナー歌手としてその名を轟かせた。同年に新国立劇場にお いて『トゥーランドット』タイトルロールに出演。その強靭な美声は6回公演いずれにおいても満席の客席に大きなインパクトを残した。そして10年、彼女が 最も得意とする楽劇『ニーべルングの指環』ブリュンヒルデで新国立劇場に再登場する

★ヴォータン:ユッカ・ラジライネン  Wotan :Jukka Rasilainen
2003年『ジークフリート』さすらい人、09年『ラインの黄金』『ワルキューレ』に続き、新国立劇場4回目の登場。
フィ ンランド生まれ。ローマで学ぶ。その後、チューリヒにおいてインターナショナル・オペラ・スタジオのメンバーとなり研鑽を積む。ドイツでオペラ歌手として のキャリアをスタートする。その後、ベルリン州立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、ウィーン国立歌劇場、ローマ歌劇場、パリ・オペラ座、バイロイト音楽 祭、エジンバラ音楽祭、フィンランド国立歌劇場などで活躍。中でも1992年にデビューしたザクセン州立歌劇場(ドレスデン・ゼンパー・オペラ)では、 10演目におよぶ新プロダクションに参加した。レパートリーは、ワーグナー作品を中心に、ヴェルディ作品、プッチーニ作品と幅広い。ザクセン州立歌劇場に おいて『ラインの黄金』『ワルキューレ』ヴォータン、『ジークフリート』さすらい人、『さまよえるオランダ人』タイトルロール、『トリスタンとイゾルデ』 クルヴェナールなどに出演している。04年にザクセン州立歌劇場より宮廷歌手の称号を授与される。


★ミーメ:ヴォルフガング・シュミット Mime : Wolfgang Schmidt
2002年、08年『サロメ』ヘロデに続いて3回目の新国立劇場登場となる。
ド イツ生まれ。本役をはじめ、ワーグナー作品を主なレパートリーとして、ヨーロッパを中心に活躍。近年は『サロメ』ヘロデ、『ラインの黄金』『ジークフリー ト』ミーメ、『ヴォツェック』鼓手長などが挙げられる。今までに出演した主な歌劇場は、ザクセン州立歌劇場(ドレスデン・ゼンパー・オペラ)を中心に、 ウィーン国立歌劇場、ドレスデン州立歌劇場、バイロイト音楽祭などである。
09年にはザクセン州立歌劇場において楽劇『ニーべルングの指環』に出演が予定されている。

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コメント 6

euridice

こんにちは
「ジークフリート」おもしろかったですね。
>明らかに男性が多い....
なぜかそうなんですね・・
日本独特の現象かも??? よその国でもそうなのかしら??

>ミーメ
私もツェドニクミーメで刷り込まれてます。新演出時もミーメとジークフリートの区別がつきにくかったという記憶があります。シーゲルミーメより、シュミットミーメのほうが男手ひとつで一生懸命子育てしたって雰囲気があるような気がします。

フランツジークフリートは、外見的には前のほうがぴったりだったけど、声的&歌的には今回のほうが良いと思いました。

>妻屋さん
妻屋さんのバス声、とっても好きです。いいですね〜〜〜演技も巧いし。

>小鳥ちゃんも
今回のほうが良かった!印象的でしたね。

TB、ありがとうございます。こちらからもしますので、よろしくお願いします。



by euridice (2010-02-27 20:49) 

keyaki

euridiceさん
フランツの年齢が今まで分からなかったのですが、意外に若いのに吃驚。
ミュンヘン出身のテノールというと今はカウフマンをすぐに思い起こしますが、対照的ですね。
フランツは若くして主役級のテノールとして認められ、カウフマンは、なかなか芽がでなくて.....CD屋の後押しで40に手が届こうとする時にやっとこさですよね。やっぱり、これは、一にも二にもあのテノールらしからぬ声のせいでしょうね。
こ のジークフリートって、グリゴーロが似合いそう...と思いました。でも、イタリア人って、ワーグナーを避ける傾向にありますけど、どうしてでしょう か.....ライモンディにしても、オランダ人をドタキャン....あれは、手術のせいにしてますけど、やっぱり歌わない方がいい...と判断したのでは ないかと私は思ってるんですけど.....

>シュミットミーメのほうが男手ひとつで一生懸命子育てしたって雰囲気があるような気がします
下心を抜きにすると、演出のせいもあって、親としては、けっこう身につまされるというか、納得する部分が多々あって、おかしかったですね。

男性の方が、こういう壮大な物語が好きなのかも....
TBありがとうございます。
by keyaki (2010-03-02 11:01) 

euridice

書き忘れたことです。

ジークフリート役のカバーはシュミットだったということ。ミーメに性格テノールを持ってくるより、便利ですね。
by euridice (2010-03-02 17:39) 

keyaki

euridiceさん
新国はキャンセルされると大変ですから、苦肉の策ってとこですね。
どおりで似ているわけですね。
by keyaki (2010-03-03 20:20) 

kametaro07

こちらもTBさせていただきます。
この公演がすごく良かったので、ぜひ「神々の黄昏」もと思ってるのですが、「ジークフリート」よりチケットの売れ行きが良いようで土日のチケットは完売してます。
他の日もA席以上じゃないと残ってなくて、このところ出費がかさんでる身としては悩ましいところです。
当日券でがんばってみようかと考えてます。
by kametaro07 (2010-03-03 21:14) 

keyaki

kametaro07さん
フランツとテオリンが引き続き出演するので、人気なのか、それとも「神々の黄昏」の方が人気があるのか.....やっぱりリングの最後だから見に行こう...という人が多いのかもしれませんね。前回は、トレーケルが大ヒットだったんですよね。
TBありがとうございます。こちらからも返させていただきます。
by keyaki (2010-03-04 01:34) 

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