アバド指揮 ベルリン・フィル《オテロ》ドミンゴ&クーラ+フリットリ+R.ライモンディ(1) [オテロ]
クラウディオ・アバドは、1996年と1997年にベルリン・フィルを指揮して、《オテロ》を上演しています。ベルリン・フィルの「シェイクスピア・チクルス」の一環として上演されたもので、演出は映画監督のエルマンノ・オルミ、歌手は、オテロ以外は、ほとんど同じキャストです。この両方のヤーゴを歌ったのが、ルッジェーロ・ライモンディで、1996年に、54才でロール・デビューを果たしました。
♫音声ファイル:1幕のオテロ登場の”Esultate”とヤーゴの"Inaffia l'ugola! Trinca, tracanna!"
★1996年ザルツブルグ:Placido Domingo (Otello), Barbara Frittoli (Desdemona),Ruggero Raimondi (Iago),
Sara Mingardo (Emilia),Vicente Ombuena (Cassio)
★1997年トリノ:Placido Domingo (Otello), Barbara Frittoli (Desdemona),Ruggero Raimondi (Iago),
Serena Pasqualini (Emilia),Vicente Ombuena (Cassio)
ヤーゴはバリトンの役ですが、ライモンディにとっては声域的には問題なく歌えることは分かっていましたが、若い時にはあえて歌うことを避け、50歳過ぎてからの役と考えていたそうです。
このベルリン・フィルのチクルスは、アバドがベルリン・フィルの芸術監督就任(1990〜2002年)後はじめたもので、毎年一つの文化的テーマを掲げて「チクルス」が組まれ、音楽だけでなく文学、映画、演劇、造形芸術といった多彩な分野から捉えようという画期的な企画でした。1992年「プロメテウス」、1993年「ヘルダーリン」、1994年「ファウスト」「ギリシア神話」、1995年「シェイクスピア」、1996年「ベルク=ビュヒナー」と続きました。
アバドは、エルマンノ・オルミとともに1年間《オテロ》の研究に取り組み、1995年11月30日と12月3日にベルリンで半舞台形式で上演します。その時のキャストは、オテロは ジャコミーニ Giuseppe Giacomini と Frederic Kalt ,ヤーゴはレナート・ブルゾン、デズデーモナは、バルバラ・フリットリでした。そして、1996年のザルツブルグ復活祭音楽祭では、タイトルロールがドミンゴ(1941.1.21生)、ヤーゴがR.ライモンディ(1941.10.3生)、1997年5月のトリノでの再演は、ホセ・クーラ(1962.12.5生)のオテロ・デビューとなり、新たなオテロ歌手登場と大評判になりました。オルミは、海に囲まれた島に象徴的な意味を持たせ、登場人物たちの孤独感を強調しました。
もう一つのブログで、ヴィットリオ・グリゴーロのカッシオ・ハイライト版を作りましたが、こちらでは、R.ライモンディのヤーゴをメインにハイライト版を作って紹介するのもなかなか面白いのではないかと.....なにしろ、同じ舞台、同じ指揮者とオーケストラ、他のキャストはエミリアを除いては全部同じで、オテロがドミンゴとクーラですから。
ちなみに両方とも、ラジオ放送されていて、1997年のクーラのオテロ・デビューはテレビで、実況生中継されました。アバドが指揮というのもあると思いますが、34才の若いオテロを歓迎して熱狂しているのが伝わってくるような実況生中継です。
ドミンゴは、1975年9月28日、ハンブルグでロールデビュー、やはり34才、翌年のミラノ・スカラ座の開幕公演で、クライバー指揮、ゼッフィレッリ演出の《オテロ》に出演、共演はフレーニ、カップチッリでした。YouTubeで全編見られます。
★Verdi OTELLO Domingo, Freni, Cappuccilli (Kleiber 1976)
クーラのオテロ:カッシオ・ハイライトですが.....オテロはクーラ
★《オテロ》ヴィットリオ・グリゴーロのカッシオ
上記の《オテロ》のヤーゴ・ハイライト
★Otello-Domingo-Cura-Frittoli-Raimondi
♫音声ファイル:1幕のオテロ登場の”Esultate”とヤーゴの"Inaffia l'ugola! Trinca, tracanna!"
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Sara Mingardo (Emilia),Vicente Ombuena (Cassio)
★1997年トリノ:Placido Domingo (Otello), Barbara Frittoli (Desdemona),Ruggero Raimondi (Iago),
Serena Pasqualini (Emilia),Vicente Ombuena (Cassio)
ヤーゴはバリトンの役ですが、ライモンディにとっては声域的には問題なく歌えることは分かっていましたが、若い時にはあえて歌うことを避け、50歳過ぎてからの役と考えていたそうです。
このベルリン・フィルのチクルスは、アバドがベルリン・フィルの芸術監督就任(1990〜2002年)後はじめたもので、毎年一つの文化的テーマを掲げて「チクルス」が組まれ、音楽だけでなく文学、映画、演劇、造形芸術といった多彩な分野から捉えようという画期的な企画でした。1992年「プロメテウス」、1993年「ヘルダーリン」、1994年「ファウスト」「ギリシア神話」、1995年「シェイクスピア」、1996年「ベルク=ビュヒナー」と続きました。
アバドは、エルマンノ・オルミとともに1年間《オテロ》の研究に取り組み、1995年11月30日と12月3日にベルリンで半舞台形式で上演します。その時のキャストは、オテロは ジャコミーニ Giuseppe Giacomini と Frederic Kalt ,ヤーゴはレナート・ブルゾン、デズデーモナは、バルバラ・フリットリでした。そして、1996年のザルツブルグ復活祭音楽祭では、タイトルロールがドミンゴ(1941.1.21生)、ヤーゴがR.ライモンディ(1941.10.3生)、1997年5月のトリノでの再演は、ホセ・クーラ(1962.12.5生)のオテロ・デビューとなり、新たなオテロ歌手登場と大評判になりました。オルミは、海に囲まれた島に象徴的な意味を持たせ、登場人物たちの孤独感を強調しました。
もう一つのブログで、ヴィットリオ・グリゴーロのカッシオ・ハイライト版を作りましたが、こちらでは、R.ライモンディのヤーゴをメインにハイライト版を作って紹介するのもなかなか面白いのではないかと.....なにしろ、同じ舞台、同じ指揮者とオーケストラ、他のキャストはエミリアを除いては全部同じで、オテロがドミンゴとクーラですから。
ちなみに両方とも、ラジオ放送されていて、1997年のクーラのオテロ・デビューはテレビで、実況生中継されました。アバドが指揮というのもあると思いますが、34才の若いオテロを歓迎して熱狂しているのが伝わってくるような実況生中継です。
ドミンゴは、1975年9月28日、ハンブルグでロールデビュー、やはり34才、翌年のミラノ・スカラ座の開幕公演で、クライバー指揮、ゼッフィレッリ演出の《オテロ》に出演、共演はフレーニ、カップチッリでした。YouTubeで全編見られます。
★Verdi OTELLO Domingo, Freni, Cappuccilli (Kleiber 1976)
クーラのオテロ:カッシオ・ハイライトですが.....オテロはクーラ
★《オテロ》ヴィットリオ・グリゴーロのカッシオ
上記の《オテロ》のヤーゴ・ハイライト
★Otello-Domingo-Cura-Frittoli-Raimondi
おくればせながら、ビデオクリップのアップロードありがとうございます!
全部、ダウンロードして楽しませていただいています。Keyakiさんの編集力がまた絶妙でした^^画面が小さくなるせいか、持っているビデオの映像をテレビ画面で見るよりダウンロードした映像をiPodで見るほうが綺麗に見られる様な気がします。このときの上演は3幕の合唱が全然ちがうのですよね。ヤーゴの「A caccia! a caccia!!!!」がこっちの版のほうがカッコよく目だっていて好きです。
by りょー (2009-05-09 22:24)
りょーさん
TV放送されたものはほとんどといっていいほどYouTubeにアップされているのに、このオテロがアップされてないのが不思議ですよね。
お役に立ててよかったです。
>このときの上演は3幕の合唱が全然ちがうのですよね。
そうなんですよね。でもどっちかというとリセウの方が違うのかもしれません。字幕をつけるのにスカラ座のを拝借しちゃったんですけど、あれぇ..あわない...どうなってるの...違うじゃない...でしたから。それでいい加減に誤摩化しちゃいました。
クーラもフリットリも初々しいですよね。特にフリットリは産後で、まだぽっちゃりふっくらしていてかわいいですね。どうしてこれがDVDにならないんでしょう。アバド指揮の「ランスへの旅」がDVDにならないのと同じに不思議です。
by keyaki (2009-05-10 03:12)
あれれっ、
オテロの音源はわりとたくさん持っているほうだと思うんですが、私はこのトリノのバージョンはこの音源でしか聞いたことがありません。
リセウの公演のバージョンのほうが一般的のようですよ。
トリノで歌われている3幕フィナーレの合唱は、ヴェルディがパリで初演したときに書き直した「パリ版」といわれるもののようです。
デスデモナの最初のソロが途中で終って(Ed or, l'angoscia in viso, E l'agonia nel col…というところの歌い方が全然違うのですぐ分かります。)、すぐにヤーゴとオテロの会話がはっきりと聞こえて来ます。「Quel Sol sereno e vivido...あの生き生きとした太陽は…」というデスデモナのソロはその後に入ります。ヤーゴとロドリーゴの会話もはっきりしています。
一般的と思われるほうは、最初のデスデモナのソロが長く、「Quel Sol sereno e vivido...」というところも続けて歌ったあと、アカペラの重唱と合唱が続きそれを挟んでもう一度デスデモナが同じ旋律を歌って、それからヤーゴとオテロが会話しますが、重唱合唱にかき消され気味であまり聞こえないです。同じ台詞を歌ってるんですが。
というわけで気になったので、いまちょっとDVDレヴューを探してみました。スカラのドミンゴ、ヌッチ、フリットリでの公演は、3幕フィナーレがこのトリノと同じパリ版なんですね。発売されている音源としてはとても珍しいようです。(これは見てないんですが^^;)
ということは・・・
>どうしてこれがDVDにならないんでしょう
ほんとですよねぇ。アバドでベルリンフィルで、しかも主役3人に役者を揃えて収録もして…なのに。不思議です。
by りょー (2009-05-10 22:57)
りょーさん
パリ版というのがあるんですね。知りませんでした。
たまたま熱心に聞いたのが、パリ版だったので、こっちが一般的なのかと思いました。だって、アバドとムーティだし.....
アバドが先にパリ版をイタリア語で演奏して、そのあとムーティが同じパリ版を使ったってことになるのかしら。
勉強になりました。
>ヤーゴとオテロの会話がはっきりと聞こえて来ます
この会話が合唱に埋没して聞こえないので、改善したんですね。なるほど。確かに、初演版は、聞こえませんね。
by keyaki (2009-05-11 02:55)