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ちょっと普通じゃない《椿姫》"シェーファー&カウフマン"と "メイ&グリゴーロ"★ビデオクリップ [椿姫]

 かなり前に話題にしたパリ・オペラ座の《椿姫》、あの時は、音声ファイルのみの鑑賞でしたが、あちらでTV放送されたものがあったのを思い出しました。ずっと放置していましたが、最近、ヨナス・カウフマン(Jonas Kaufmann 1969生)が人気上昇中なので、見てみようか...という気になりました。
 《チューリヒ中央駅の椿姫》と比べてみるのも面白いかな...ということで同じ場面のビデオクリップを作ってみました(本当は私が見たいだけなんですけど)。偶然ですけど、イタリア人カップルとドイツ人カップルというのもめずらしいと思います。
↑写真をクリックするとYahooブリーフケースのビデオクリップにリンク、画質はかなり落としています。

 パリ・オペラ座の《椿姫》は、エディット・ピアフとテオ・サラポに見立てたパロディーっぽいものですが、音楽まで妙なかんじです。クリスティーネ・シェーファ( Christine Schäfer 1965生)が歌いはじめると、間延びしますし、それ何語....ってかんじなんです。カウフマンは、もちろん見た目は素敵なアルフレードですが、この声ってテノールなのかなぁ.....少なくとも私がテノールに求めるものが感じられない...冷静、知性的で、あまりにもフツー。歌唱は安定していて、高音も余裕で出してますけど、高音が高音に感じられないのもテノールっぽくないということでしょう。今回は、《チューリヒ中央駅の椿姫》に合わせて、カットしましたが、パパ・ジェルモンは、ジョゼ・ヴァン・ダムで、けっこう暴力おやじで、メイクがメフィストなんです。
 《チューリヒ中央駅の椿姫》は、さんざん記事にしていますので省略します。しかし、アルフレード(Vittorio Grigolo 1977生)が子犬のように全速力で走って来るところから感動しちゃうのはなぜかしら......。

余談、横道:
ヨナス・カウフマンの映像は、《フィデリオ》とか《カルメン》で見られますが、化粧が濃くて、汚れています。この《椿姫》は、髭のない素顔で一番いいと思います。年の割には若く見えますしね。だから、子供にみられないように無精髭スタイルが多いのかな.....つらつら観察していて、似てる!を発見。玉木宏じゃないですか......→

★2007パリ:シルヴァン・カンブルラン指揮、クリスティーネ・シェーファー、ヨナス・カウフマン、ジョゼ・ヴァン・ダム
★2008チューリヒHB:パオロ・カリニャーニ指揮、エヴァ・メイ、ヴィットリオ・グリゴーロ、アンジェロ・ヴェッチャ


関連記事:
ヴェルディ《椿姫》=エディット・ピアフ=シェーファー 聞き比べMP3
誰でしょうね、この二人は? 再演をご覧になった助六さんのレポートがコメントにあります。


♪ブリーフケースのビデオクリップについて
・QuickTime7以上で視聴できます →http://www.apple.com/jp/quicktime/download/win.html
・ウィンドウズの場合、QuickTime7以上がインストールしてあっても見られないことがあるそうですが、その時は、ブラウザをエクスプローラではなくFirefoxにしてみて下さい

(私の経験上、読み込みスピードもFirefoxがだんぜん早いです。また、大きなファイルは、自分のパソコンにダウンロードして視聴することをお勧めします。)


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コメント 16

babyfairy

ドイツ人組の方は、まず演出が駄目です。歌唱の方もなんだか間延びしていて、危急性が感じられません。皆とは言いませんが、どうもドイツ系の歌手の歌うイタリア・オペラには確かにうまいし、何も間違ってないんだけど違うんだよなあ・・・と思わせられる事が多いですね。それにこの指揮のリズム。ヴェルディじゃないですよ、こんなの。ヴェルディが聴いたらひっくり返ると思います。
by babyfairy (2009-01-23 23:35) 

keyaki

babyfairyさん
そうなんです。あんまり間延びしてるんで、前の記事でタイムを計っちゃいましたよ。

>何も間違ってないんだけど違うんだよなあ・・・
それ、それ、シェーファーはトクベツ扱いなので、ご自由になんですけど、カウフマンは、チューリヒの秘蔵っ子でしたから、かなり前から注目していましたが、顔もよくない、高音も出ないビリャソンの方が、人気が先行したのは、その辺にも理由があるような気がします。

by keyaki (2009-01-24 00:00) 

babyfairy

たぶん、演出家は自分の意図を音楽にも反映させられて、うまくやったと思っているんでしょうけど(再公演されてて人気あるみたいだし)、ヴェルディの指定したリズムを崩してまでも合わせるって、それこそヘンテコなクロスオーバー以外の何ものでもないと感じてしまいます。

私には完全に『別世界な』シェーファーは置いといて、確かにカウフマンの方がヴィリャソンなんかよりハンサムで、しかも見た目がラテンでも、声の方はワーグナー向きですね(と知り合いのドイツ人も言っていました)? アルフレードにはもっとスコーンと抜ける声じゃないとね。私はラテン系(出来ればイタリア系)の歌手が歌うイタオペが好きなんで、どうしても心が狭い感想になってしまいますが。

by babyfairy (2009-01-24 00:28) 

keyaki

babyfairyさん
好評ではなかったようですが、再演はすでに決まっていたからだそうです。
「撮影が入っていたが、DVDにはして欲しくない。演出も音楽も歌もダメ....」とプレミエを見た方が、書いてました。

>見た目がラテン
確かにカウフマンは、「見た目がラテン」ですよね。あのへんは、けっこうミックスしてるんで、イタリア人が混ざっている可能性がありますね。イタリアオペラの方が好きみたいだし.....
カウフマンの映像を見てますが、《フィデリオ》《カルメン》あとは、マイナーな《ニーナ》だったかな、バリトンっぽい声もあまり気になりませんでしたが、完璧イタオペだと違和感があるのかも知れませんね。
5月にはウィーンとベルリンで《トスカ》で、ライモンディ(キャンセルしなければ)と共演なんですけど、プッチーニはヴェルディよりはいいかもしれませんね。
by keyaki (2009-01-24 09:16) 

Madokakip

不思議な演出、不思議な演奏ですが、それでも観れて嬉しいです!ありがとうございます。

>パパ・ジェルモンは、ジョゼ・ヴァン・ダムで、けっこう暴力おやじで、メイクがメフィスト

うわー、来てますね、それも(笑)。

>高音が高音に感じられないのもテノールっぽくないということでしょう

なるほど、、私の場合、そのテノールらしくない声が高音にあがっていくのが好きだったりするんですが、
それは確かに逆に言うとテノールっぽくないということであり、コインの裏表ではありますね。

babyfairyさんの、ドイツ人の方が、彼がワーグナー向きと感じられている、というご証言も、
とても興味深く読みました。
私は彼の声はちょっとワーグナーの主役級の役には実際の舞台では無理かな、と思っていたのですが、
歌う日が来るなら、それは絶対聴いてみたいです。



by Madokakip (2009-01-24 16:14) 

babyfairy

keyakiさん、

おっしゃる通り、プッチーニとかヴェリズモの方が似合いそうですね。>カウフマン ドラマティック・テノール/バリテノール系ならバリトンっぽい声質を行かせるかもしれないと思います。でもアルフレードじゃないけど。

Madokakipさん、

彼は今年、ミュンヘンで『ローエングリーン』に出ますよ。私はワーグナーにはとんと疎いので、真性ヘルデンテノールと言えるのかどうか良く判りませんが。。。。
by babyfairy (2009-01-24 19:12) 

euridice

>ヨナス・カウフマン
2005年後半から注目です。確かにいい男なんですけど、
視覚的雰囲気にも声にも、なんというか色気欠如です。

アルフレート@椿姫はメトのネット放送でも聴きました。
そのときの簡単なメモがありましたので、TBします。

この映像は未視聴です。
音だけはざっと聴きましたがいただけませんでした。

>この《椿姫》は、髭のない素顔で一番いいと思います。
クリップ見ましたが、すっきりしてよろしいですね。
映像付きだとけっこうおもしろいかもしれません。
見てみます。

by euridice (2009-01-24 23:58) 

keyaki

Madokakipさん
お楽しみ頂けたようでよかったです。
演出は、いろいろありでいいんですけど、最初に録音で聞いて、演奏がしっくりこなかったのですが、こういう場合は、映像付きで見た方が、まだまし....ということなんですよね。

>ミュンヘンで『ローエングリーン』
だそうですけど、私も、ヘルデンテノールとはいえないような気がします。声自体は、テノールとかバリトンとかじゃなくて歌曲向きなのかもしれませんね。でも、見た目もいいし、自然な演技もできるので、オペラを歌って欲しいですけど.....

by keyaki (2009-01-25 01:20) 

keyaki

babyfairyさん
カウフマンは、2月にフェニーチェで、グノーの《ロメオとジュリエット》で、マチャイゼがジュリエットで、演出が、あのミケレッティになってますね。

>彼は今年、ミュンヘンで『ローエングリーン』に出ますよ
満を持して...なのかしら.....
by keyaki (2009-01-25 02:07) 

keyaki

euridiceさん
懐かしい、というか愉快なコメントで、盛り上がってますね。
TBありがとうございます。
2006年頃から、ネット放送を聞き始めたんですね。
やっぱり、カウフマンのアルフレードは見てなんぼ....ということかな...

>確かにいい男なんですけど、視覚的雰囲気にも声にも、なんというか色気欠如
カウフマンは、かなり前から注目はしているけど、ハマるほどではなかった...ということは、そういうことなんでしょうね。
フツーにいい男ってことかな。欠点がないのが欠点.....つまり面白味に欠ける......


by keyaki (2009-01-25 02:27) 

ペーターのファンです。

ドイツ組の映像、ヘンですね。オペラでなくヘンなアングラ演劇みたい。ヴィオレッタは胸を患ってたはずですが、精神を病んで入院してるのかと思います。(マッツ・エックを連想しました。)
演奏はさらにダメで受け付けませんでした。あまりに間延びして悲劇性もへったくれも感じられません。シェーファーはあまりにも私が思うオペラ歌手とかけ離れて前衛演劇の女優が歌ってるみたいなので無視ですが、カウフマンは不思議ですね。
見た目も声も悪くないのに、魅力はないのは何故でしょう。バリトンっぽい声といえばそうですが、低音が魅力的かといえばそうでもなく、テノールとして高音が美しいわけでもなく。
いや、この声でローエングリンはやめてくれと叫びたいです。声は合うとしても、違うと思います。もしかしたらフォークトのヘナチョコな歌唱よりマシかもしれませんが、ローエングリンには崇高なたたずまいがないといけません。

by ペーターのファンです。 (2009-01-25 12:20) 

keyaki

ペーターのファンさん
これは、シェーファー用演出でしょうね。

>ヴィオレッタは胸を患ってたはずですが
エディット・ピアフは、癌で亡くなったそうです。
最近は、病気も変えちゃう演出もありますからね。髪の毛が抜けてまばらになっているヴィオレッタもいましたが、白血病ということにしていたようです。もしかして、アメリカのネバダの核実験で被爆したという設定だったのかなぁ....

カウフマンの「白鳥の騎士」どんな演出なんでしょうね。
by keyaki (2009-01-26 02:03) 

みど

私の友達もみんなカウフマンかっこいいって言ってるけど。。。
どうも苦手です。。。
by みど (2009-01-27 18:42) 

keyaki

みどさん
そう、オペラ基準ではもちろん、一般的にも「かっこいい」と思います。
みんなが「かっこいい」という場合は、個性に欠けている場合が多いですけどね。

2007年のミラノ・スカラ座の《椿姫》も、収録の日は、ヴァルガスからカウフマンに変わる...なんて噂もありましたが、結局そのままでした。
他の日にカウフマンとゲオルギューの組み合わせで歌っていますから、替えるのは簡単だったと思うんですけど.....
みどさんが苦手といっているのは、容姿だけでなく声も含めてですよね。

by keyaki (2009-01-28 09:21) 

M. F.

はじめまして、ときどき記事を楽しく拝見しています.
このチューリヒの《椿姫》、いいですね.救急車が赤色灯を回しながら待機しているところがすっとぼけた味を出していますが、Adrian Marthalerという人は他にも幾つか妙ちくりんな音楽フィルムを撮影しているようです.(YouTubeで引っ掛かりました....)
by M. F. (2009-02-02 03:46) 

keyaki

M. F.さん、はじめまして。
この駅の椿姫は、たまたまグリゴーロに注目しはじめたのと同時期の企画でしたので、実行されるまで、どんなものになるのか全く想像できませんでしたが、日本にいながら、パソコンで同時に見られる....というおまけ付きで、おおいに楽しませてもらいました。
駅専用の救急車がある..というのもはじめて知りました。
実際にアルフレードが列車に乗って帰って行く....というのは、駅ならではのアイデアですが、救急車とストレッチャー.....なかなか考えつかないですね。

>Adrian Marthaler
>妙ちくりんな音楽フィルム
ご紹介ありがとうございます。ユーチューブ恐るべしですね。
ほんとだ! 妙ちくりんな音楽フィルムですね。(笑
by keyaki (2009-02-02 10:48) 

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