2009年お正月お遊び企画:《ボエーム》から、ロドルフォのミミ〜!....ミミ〜★MP3 [ボエーム]
★『ロドルフォのアリア"Che gelida manina"の半音下げ』の記事を書きました。(2009.1.9)
★ロドルフォのアリア"Che gelida manina"の半音下げについて追記しました。(2009.1.8)
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。さて、お正月お遊び企画です。
オペラでは、手紙を読んだり、レチタティーヴォではなく喋ったりの部分がありますが、これがけっこう面白い、国際色豊かなオペラ歌手ならではのケッサクなのもあります。今回は、《ボエーム》の最後の場面、ミミが死んだ....と気づいた時のロドルフォ君。先日BShiで放送した、ネトレプコとビリャゾンの映画版《ボエーム》は、いろいろギョっとさせられる場面満載の映画でしたが、この場面のヴィリャゾンの低い声に吃驚仰天、これって地声でなくて、やっぱり、テノール声で喋って欲しいです。じゃないと若さが感じられません。それで、他の歌手はどんなだろう.....ということで思いついた企画です。
※左上の写真は、ヨーロッパ仕様のポスターらしいのですが、オペラファンの間では、ヴァンパイアのカップルと揶揄されていましたが、確かに《ボエーム》のイメージではないですね。右上の写真は、私が作ってみましたが、2007年ワシントン・ナショナル・オペラの開幕公演でヴィットリオ・グリゴーロのロドルフォが話題になった《ボエーム》、もちろん舞台ですが、演出は映画監督のマリウシュ・トレリンスキ(Mariusz Trelinski 1962〜ポーランド)です。
それでは、音声ファイルを聞いて、「初泣き」をどうぞ! 偶然ですが、スペイン人、メキシコ、イタリア人と二人づつになりました。オペラにはまっている方は、すぐに誰だかおわかりだと思います。
参考:La Bohème 楽譜 リブレット
場面は、ショナールが、マルチェッロに「ミミが息をしてない」とつぶやく。そこにコリーネが戻って来てムゼッタに外套を売ったお金を渡す。ミミが死んだと気づいたマルチェッロはムゼッタを見る。ムゼッタもミミが死んだことに気づく。コリーネは、「ミミの具合は?」とロドルフォに声をかける。
↓音声ファイルはここから
ロドルフォは、「見て、落ち着いているよ "Vedi?..È tranquilla."」と答えるが、ムゼッタとマルチェッロ、ショナールの様子を見て不安になり「どうしたんだ?なんでそんな目で見るんだ...."Che vuol dire quell'andare e venire, quel guardarmi così..."」、そこで、マルチェッロがかけよってきて「しっかりしろ"Coraggio !"」と言う。ロドルフォはあわててミミの側にかけより、すでに息をしていないことに気づき「ミミ〜!....ミミ〜"Mimì..Mimì!.."」と叫ぶ。幕。
(録音レベルが低い場合は、shiftを押しながら左のスピーカーマークをクリックして音量を上げて下さい)
たまたまかもしれませんが、出身国で似ている気がします。5.と6.のイタリア人組がやっぱり一番。
音楽が終らないのに拍手をしているのはすべてみごとにメトロポリタン歌劇場。少しは余韻に浸るってことはないのかい! 昔も今も同じ、学習するつもりもないみたいです。ワシントンの観客(6番)は、ちゃんと最後の音を聞いて、拍手をしていますから、アメリカ人の問題ではなく、メトはおのぼりさんが多いということかしら。
関連記事:2007年ワシントン/ナショナルオペラの《ボエーム》
★1.ドミンゴ('77メト)コンロン指揮 2.カレーラス('77メト)レヴァイン指揮 3.バルガス(2009メト)シャスラン指揮 4.ビリャゾン(映画)ド・ビリー指揮 5.パヴァロッティ('74メト)レヴァイン指揮 6.グリゴーロ(2007WNO)ヴィローム指揮
★ロドルフォのアリア"Che gelida manina"の半音下げ:
映画版《ボエーム》は、ドイツ・グラモフォンのCDをサントラに使っています。従って、これは当然スタジオ録音だと思いますが、(※ミュンヘンのライブだそうです....だとすると後の話しが腰砕けですが、面倒なので、このままで...) ヴィリャソンは、ロドルフォのアリアを半音下げています。ドミンゴは「舞台では、半音下げで歌います」と公言していますが、録音では、ハイCを聞かせています。録音は何回でもトライできるわけですから、この曲を録音で残したいのであれば、移調して歌うのはいかがなもんでしょう。
たまたま、今回のボエームの幕切れのMP3を6種類アップしましたが、その中では、このアリアはどうなんだろう...と興味が湧いて来て調べてみました。なんと6人中4人が下げ組でした。
下げていた歌手は、ドミンゴ('77メト)、カレーラス('77メト)、バルガス(2009メト)、ビリャソン(録音)の4人。正調組は、パヴァロッティ('74メト)、グリゴーロ(2007WNO)
半音下げがすぐ分かるのは、絶対音感のようなものがある人でしょうけど、だからといってねぇ....
上の写真の下に、声質が全く違いますから比較にはなりませんけど、移調と正調の"Che gelida manina"のMP3をアップしました。
※2007年4月演奏会形式のライブ録音:Puccini: La bohèmeCD/Deutsche Grammophon/Netrebko, Villazon, Daniel, Cabell/Bavarian Radio Symphony Orchestra/de Billy
★ロドルフォのアリア"Che gelida manina"の半音下げについて追記しました。(2009.1.8)
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。さて、お正月お遊び企画です。
♬2005パリ《ボエーム》 ビリャソン(半音下げ) |
♬2007WNO《ボエーム》 グリゴーロ(正調) |
※左上の写真は、ヨーロッパ仕様のポスターらしいのですが、オペラファンの間では、ヴァンパイアのカップルと揶揄されていましたが、確かに《ボエーム》のイメージではないですね。右上の写真は、私が作ってみましたが、2007年ワシントン・ナショナル・オペラの開幕公演でヴィットリオ・グリゴーロのロドルフォが話題になった《ボエーム》、もちろん舞台ですが、演出は映画監督のマリウシュ・トレリンスキ(Mariusz Trelinski 1962〜ポーランド)です。
それでは、音声ファイルを聞いて、「初泣き」をどうぞ! 偶然ですが、スペイン人、メキシコ、イタリア人と二人づつになりました。オペラにはまっている方は、すぐに誰だかおわかりだと思います。
参考:La Bohème 楽譜 リブレット
場面は、ショナールが、マルチェッロに「ミミが息をしてない」とつぶやく。そこにコリーネが戻って来てムゼッタに外套を売ったお金を渡す。ミミが死んだと気づいたマルチェッロはムゼッタを見る。ムゼッタもミミが死んだことに気づく。コリーネは、「ミミの具合は?」とロドルフォに声をかける。
↓音声ファイルはここから
ロドルフォは、「見て、落ち着いているよ "Vedi?..È tranquilla."」と答えるが、ムゼッタとマルチェッロ、ショナールの様子を見て不安になり「どうしたんだ?なんでそんな目で見るんだ...."Che vuol dire quell'andare e venire, quel guardarmi così..."」、そこで、マルチェッロがかけよってきて「しっかりしろ"Coraggio !"」と言う。ロドルフォはあわててミミの側にかけより、すでに息をしていないことに気づき「ミミ〜!....ミミ〜"Mimì..Mimì!.."」と叫ぶ。幕。
(録音レベルが低い場合は、shiftを押しながら左のスピーカーマークをクリックして音量を上げて下さい)
1. 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら | 分別臭いロドルフォ....ってとこかな。 |
2. 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら | 誰だかすぐにわかっちゃうなぁ... |
3. 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら | 3日のメトのライブ。もたついてますな。全体的にも一本調子で疲れる演奏でした.... |
4. 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら | これがテノール君の声とは思えない....バリトンのマルチェッロの"コラッジョ"と同じじゃないか.....2005年の舞台では、もう少しはましな声なんですけど、まあ、これではアリアも半音下げでしか歌えないでしょうね。なんで人気があるのかわからん...いかにもまじめに必死に一所懸命にみえる歌手が好きな人ってけっこういるようですね。 |
5. 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら | これぞイタリアのテノール声です... |
6. 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら | こんなにはっきり何を言っているのか分るのは初めてでとても新鮮。ミミ〜の前のバーンという音は、ロドルフォが頭を壁(シャッターかな?)にぶつけている音だそうです。 |
たまたまかもしれませんが、出身国で似ている気がします。5.と6.のイタリア人組がやっぱり一番。
音楽が終らないのに拍手をしているのはすべてみごとにメトロポリタン歌劇場。少しは余韻に浸るってことはないのかい! 昔も今も同じ、学習するつもりもないみたいです。ワシントンの観客(6番)は、ちゃんと最後の音を聞いて、拍手をしていますから、アメリカ人の問題ではなく、メトはおのぼりさんが多いということかしら。
関連記事:2007年ワシントン/ナショナルオペラの《ボエーム》
★1.ドミンゴ('77メト)コンロン指揮 2.カレーラス('77メト)レヴァイン指揮 3.バルガス(2009メト)シャスラン指揮 4.ビリャゾン(映画)ド・ビリー指揮 5.パヴァロッティ('74メト)レヴァイン指揮 6.グリゴーロ(2007WNO)ヴィローム指揮
★ロドルフォのアリア"Che gelida manina"の半音下げ:
映画版《ボエーム》は、ドイツ・グラモフォンのCDをサントラに使っています。
たまたま、今回のボエームの幕切れのMP3を6種類アップしましたが、その中では、このアリアはどうなんだろう...と興味が湧いて来て調べてみました。なんと6人中4人が下げ組でした。
下げていた歌手は、ドミンゴ('77メト)、カレーラス('77メト)、バルガス(2009メト)、ビリャソン(録音)の4人。正調組は、パヴァロッティ('74メト)、グリゴーロ(2007WNO)
半音下げがすぐ分かるのは、絶対音感のようなものがある人でしょうけど、だからといってねぇ....
上の写真の下に、声質が全く違いますから比較にはなりませんけど、移調と正調の"Che gelida manina"のMP3をアップしました。
※2007年4月演奏会形式のライブ録音:Puccini: La bohèmeCD/Deutsche Grammophon/Netrebko, Villazon, Daniel, Cabell/Bavarian Radio Symphony Orchestra/de Billy
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
新年早々の泣き比べ、興味津々で聞き比べました。
2と6がひときわ泣いてるというか、こちらも泣けますが、私はやっぱり6が一番好みでした。ハデに頭をぶつける音はちと心配になりますが。
左のポスター、これはちょっとボエームの宣伝としてあんまりです。
ボエームなんだから、右側みたいに若さがないとダメでしょう。
by ペーターのファンです。 (2009-01-05 21:22)
ペーターのファンさん
今年もよろしくお願いします。
>ハデに頭をぶつける音はちと心配になりますが。
ちょうどあそこでシンバルが鳴るみたいで、それに合わせて、ぶつけているようですね。最初は手で叩いているのかと思っていましたが、ネットで見つけた鑑賞レポートに頭って書いてあったんですよ。グリゴーロならそのくらいはやるでしょうね。チューリヒの《ルチア》でも、音楽に合わせてテーブル返ししてましたし。
この吸血鬼版《ボエーム》は、バレンタインに合わせて公開されるようです。BShiとはいえテレビで先行してやっちゃうってどうなんでしょう。
映画館の大画面で見たいというような出来映えとはいいがたいので、逆効果のような気がします。いくらチョコレートで釣ってもダメでしょう。主役の二人に若さがなくて、なんか薄汚いだけだし。
さすがに日本ではあんな不健康なポスターは使ってないんですね。
http://laboheme.eiga.com/
グリゴーロの《ボエーム》が見たい! アメリカでは大学なんかに貸し出して上映しているようですね。商業目的でなければいいってことなんでしょうね。
by keyaki (2009-01-06 01:34)
あけましておめでとうございます。
今年もブログ楽しませてください。よろしくお願いします。
このポスター、ちょっと心がわかりませんねぇ・・???
下の文字を含めて青春群像物語のポスターには見えません。
吸血鬼映画と思われても仕方ないと思います・・
間違えて録画しちゃったので、先日ざっと見ましたが、
新作映画にしてはあまりにも新鮮さのない映画でした。
ひとつだけ言えばムゼッタより化粧の濃い、ケバいミミって・・??
by euridice (2009-01-06 09:00)
あらためておめでとうございます!
面白い比較ですね。
2、いいですね。光景が目の前に浮かんできたのはこれが一番でした。
6、すんごい音がしてますが、手で、ではなくて、頭で??!!!す、すごい、、。彼が歌うと、この役に限らず、個性を感じる私です。
これも他のロドルフォよりも、一世代若いような、
(実際、彼の年齢が若いのもそうなんですが、それより、役として、、。)そこが新鮮に感じる理由の一つな気がします。
南米系、もっとがんばれ!
by Madokakip (2009-01-06 13:10)
日本版宣伝サイトを見てみました。ちょっとコワいもの見たさもあったのですが、ミミは厚化粧、ロドルフォはオヤジ、これでは見に行けません。
私もグリゴーロのボエームが見たいです。それこそ映画館の大画面で。
by ペーターのファンです。 (2009-01-06 21:11)
euridiceさん
このポスターの文字は、ホラー映画にしか見えませんね。血がしたたってるし...怖!
>ムゼッタより化粧の濃い、ケバいミミって・・??
ほんと、ネトレプコは、ミミよりムゼッタがあってるんじゃないかしら。
by keyaki (2009-01-07 00:03)
Madokakipさん
>2、いいですね。光景が目の前に浮かんできたのはこれが一番でした
2番は、カレーラスですが、今のグリゴーロと同じくらい若い時のですね。
カレーラスのロドルフォは、はまり役ですね。1984年のストラータスとのボエームは、一番好きな映像です。
この録音は、Cosiのsiがziになってるのが気になりますけど、カレーラスっていつもそうだったかな.....
グリゴーロは、他の同年代の人気歌手に比べると、オペラ出演が非常に少ないですから、その分、徹底的に役を自分のものにして楽しんでいるという感じがします。
by keyaki (2009-01-07 00:49)
ペーターのファンさん
日本の宣伝サイト、オペラを知っているものからみると、えぇ!ですよね。
ショナールとコリーネは無視しているのに、端役のアルチンドーロを掲載、ウィーンのインテンダントだからって、片手間のバス歌手を紹介しちゃって....
コリーネは、新国の《ドン・カルロ》のフィリッポを歌ったバスなんですよ。とても堂々とした立派なフィリッポでした。
http://keyaki.blog.so-net.ne.jp/2006-09-14
これはNHKでも放送してるんですから、映画の宣伝でも紹介しなくちゃ....でしょ。
しかし、いくら宣伝とはいえ、あまりにそらぞらしい言葉が並んでいて、いやになりますね。ウソばっかり.....
by keyaki (2009-01-07 01:11)
Keyakiさん、又新年から楽しい話題をどうもありがとうございます。
うーん、私はグリゴーロ・ファンなんで、完璧に色眼鏡になってしまいますが、グリ以外なら、まずは声的にイタリア的な明るさがあるパヴァ、後はやはり、声は暗めでも若さが感じられるカレーラスでしょうか。若さの感じられないロドルフォなんて。。。。
このヴァンパイヤ・バージョンのポスター、どうにかして欲しいです。ちっとも綺麗じゃない。こんなレベルでヴァンパイアなんて言ってると、その道のファンから文句が来ますよ。。。
by babyfairy (2009-01-07 06:52)
babyfairyさん
やっぱり、イタリア的明るさってあるんだな...と実感しますね。
それに、その役柄にあった声を出すっていうのも演技の一つなんで、ビリャソンはなんか勘違いしてますね。仲間に対して、あんな「ガンを飛ばすな」みたいな言い方はないでしょう。
グリゴーロのこの部分の演出が、実際にどうなっているのかは分からないんですけど、演出的に変えている気がします。
音声だけから、次のようなシーンが目に浮かびます。
コリーネが「様子はどう?」と聞いてロドルフォが「うん、落ち着いてるみたい」と言ってから、ここで、ミミの様子を見に行くわけですよ。それで、息をしていないみたい、どうしたんだろう.....でも、でも、死んでるはずないよね...そんなことないよね...と、仲間を見回して、死んでないって言ってくれよ..と、懇願するように「どうしたんだ?なんでそんな目で見るんだ...."Che vuol dire quell'andare e venire, quel guardarmi così..."」と言うわけですよ。で、マルチェッロが「しっかりしろ!Coraggio!」、ロドルフォは皆に背を向け、頭を壁にぶつけて、「ミミ〜ミミ〜」と叫んで、床につっぷして泣く....幕。客席シーン。拍手
普通の演出だと、マルチェッロが「しっかりしろ!Coraggio!」と言ってから、ミミの様子を見に行って、死んでいることに気づくいて、ベッドのそばで、「ミミ〜ミミ〜」と叫ぶんですよね。
コリーネに「どんな様子?」と聞かれて「落ち着いてるみたいだけど..」と言いながら、ここで、ロドルフォ自身がミミの様子を見に行く方が自然に感じますものね。
by keyaki (2009-01-07 10:43)
面白いですね。
この幕切れは「ミミー」の叫びとオケの後奏共に耳に残って、演奏の全体的印象を決定してしまいかねない箇所だから、結構バカになりませんね。
昔から叫びもオケ後奏も「これでもか」と言わんばかりにガンガン、リアルにシャクリ上げるタイプと、もっと冷静・沈着に音を響かせて行くタイプと2通りありますね。
私はやはり後者のタイプが好みで、深い悲哀を込めて沈着・端正にやられるとグッと来ます。でもヴェリズモの演奏スタイルって、小生には今ひとつ分からない。戦前までは相当大仕掛けにシャクリ上げてやってたのではなんて気がします。
その意味で、小生はドミンゴが一番好きです、これはオケ後奏もよい、指揮は誰でしょう?
大根トップはバルガスだけど、パヴァロッティも負けず劣らずというか。パヴァロッティはアリアの端正な見事さと演劇的部分の稚拙さの落差が極端な人でしたね。ハデに泣き入れてるのも彼らしいけど、グリゴーロはパヴァロッティ研究したのかも。譜面見ても2度目の「ミミー」のとこに「泣きながら」って書いてあるし、これでいいんでしょうが、今はシラケかねないせいか、泣かない人も多いですね。ドンジョヴァンニの高笑い(これはト書きなし)などと共に戦前の演奏伝統をチェックしてみたい気がしてきます。
ビリャソンが地声使ってるのは、映画というせいもあるかもしれません。テノールって地声が相当バリトンっぽい人は珍しくないですよね。強調感が強い歌唱なのも映画であることと関係があるかも。映画のトラヴィアータのストラータスがえらい白黒極端みたいな歌唱だったのを思い出しました。ビリャソンは実演で聴くと、劇的投入全開の時も歌の形を崩さず、むしろ端正な印象を与えられる人です。
カレーラスは、卓越したベルカント歌いたりえた歌手がヴェリズモに落ち込む運命を示してるみたいな。
by 助六 (2009-01-07 12:01)
助六さん
1番のドミンゴのロドルフォの指揮者は、ジェイムズ・コンロンです。その他のも書き加えました。
いい加減にピックアップしたんですが、この部分は、聞き取れないのが多いんですよ。アラーニャのもなにを言ってるのか分らなかったので、不採用にしました。(笑
>ビリャソンが地声使ってるのは、映画というせいもあるかもしれません
どうなんでしょう....ドイツ・グラモフォンのCDをサントラに使っているんですが、この部分だけ差し替えたかどうかは知りませんが、これはあくまでロドルフォなんで、ビリャゾンになるのはどうかと思います。
>ビリャソンは実演で聴くと、劇的投入全開の時も歌の形を崩さず、むしろ端正な印象を与えられる人です
そうなんですか。最大の賛辞ですね。ビリャゾンは作られた人気としか思えないんですが、そうでもないということですね、助六さんが好きだということは.....
>劇的投入全開の時も歌の形を崩さず、端正な印象を与えられる人
そうですか..これって、クラウスにピッタリの言葉だと思いますけど。
ビリャソンは、必死に歌っているわりには、単調に聞こえるんですけど。
ところで、ビリャゾンは、昔から"ハイC"無しのテノールなんですか?
>グリゴーロはパヴァロッティ研究したのかも
グリゴーロは、この公演の前にパヴァロッティ(亡くなる直前かな)に会ってますが、最初から飛ばしすぎないように...とかのアドバイスはあったみたいです。彼は、けっこう年寄りっ子、お父さんが40才の時の子供だそうで、ジーリとか、コレッリ、デル・モナコとか一世代前の歌手を聞いて育っているようです。
>ドンジョヴァンニの高笑い(これはト書きなし)などと共に戦前の演奏伝統をチェックしてみたい気がしてきます。
そういえば、高笑いは、ライモンディはやってますが、最近の歌手はどうなんだろう....
前に現役のドン・ジョヴァンニ6人をピックアップした記事がありますが、全曲じゃない歌手がほとんどなので、なんともいえませんが、ライモンディは派手に高笑いしてます。
http://keyaki.blog.so-net.ne.jp/2007-01-09
マクベスとか、ヤーゴのクレドとかの笑いもいろいろですね。これも最近は笑わないのが主流のような気がします。
by keyaki (2009-01-08 13:55)
半音下げの追記と音源も楽しませていただきました!
これですよね、やっぱり!(どちらが、とは、あえて言いますまい、、)
少なくともこのアリアに関しては、
こうして、心理的にも肉体的にも極限に挑戦!で歌ってくれる歌と、
心理的に安全な(肉体的に無理、という可能性もありますが)のをとって歌った歌が同じなはずがないですよ!
オリジナル万歳!
by Madokakip (2009-01-08 15:07)
>移調と正調の"Che gelida manina"のMP3
ありがとうございます。実はこのアリアは全然好きじゃないのですが、
グリゴーロのを聴いてはじめていい歌だと思いました。音感なんてものは持ち合わせていないと思うのですが、この映画のはなんとなく締まらない印象でした。
ここであらためて耳にして思うのですが、やっぱりグリゴーロが断然いいです!
by euridice (2009-01-08 17:54)
Madokakipさん
メトは、多分もうオリジナルの楽譜は倉庫の奥深くに眠っているのではないかしら。
2008年のバルガス&ゲオルギューも下げてました。ゲオルギューは内心「ウチの旦那はオリジナルで歌えることよ....」なんて思っていたかも。
by keyaki (2009-01-09 15:38)
euridiceさん
この映画のビリャソンは、ちっともよくないですよね。6年前の湖上の《ボエーム》の声と全く違いますもの。5年くらいでこんなにガサガサ声だなんて...気の毒な気もしますが、ドイツ・グラモフォン専属というのが最大のウリのようですけど......作られた人気でも一旦人気をとれば、あとはどうでもよろしいということみたい....
by keyaki (2009-01-09 15:46)