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2006年フィレンツェ5月音楽祭《ファルスタッフ》メイキング映像 [ファルスタッフ]

 2006年フィレンツェ5月音楽祭の《ファルスタッフ》の"Prima della Prima"の録画が今頃手に入りました。"Prima della Prima"は、イタリアのテレビ番組で、イタリア国内の劇場で上演されるオペラ公演の紹介番組です。この公演は、来日でも上演されましたし、CSでも放送されましたし、DVDでも発売されましたので、ご覧になっている方も多いと思います。ルカ・ロンコーニのちょっと変わった演出です。
アリーチェとメグに、同時に同じ手紙を出すとは、けしからん、ファルスタッフに仕返ししてやろうと女3人組が計画します。クイックリー夫人が、ファルスタッフにアリーチェが会いたがってるんだけど、2時〜3時まで夫がいないから....と伝えにやって来るシーン。
どうやらクイックリー夫人はファルスタッフに気がある...という演出のようなんですが、クイックリー夫人役のエレーナ・ジーリオの最初の演技に指揮者のズービン・メータが失笑...ほんとにそれでいくの?....ツィリオさんは、えぇ、そうよ....メータが、ファルフタッフのお腹はこうなんだけどわかってる....笑...で結局ベッドではなくて下に降りての演技となりました。
※当初の発表ではクイックリー夫人は、マンカ・ディ・ニッサ(1954-)でしたが、急なキャンセルで、エレーナ・ジーリオに、1941年生まれですのでライモンディと同じ年、この時63才です。ロンコーニもジーリオだから、ファルスタッフに気があるような演出にしたんだと思います。ファルスタッフがテムズ川に放り込まれて、風邪で寝込んでいる時も、かいがいしく看病したりしてました。
騙されているとも知らずにファルスタッフは意気揚々とアリーチェのところにやって来ます。
ファルスタッフが若い頃はとっても痩せていたんだ...と歌う場面、40代、50代、そしてこの時の60代とたまたま映像があります。それぞれ違っていて愉快です。
フリットリが、ファルスタッフを誘惑するふりの演技にルカ・ロンコーニは「いい、すごくいいよ」と満足....
※衣裳は全部フェラガモの提供です。

ファルスタッフを洗濯物カゴに隠す場面では、いつも女声歌手たちは楽しそう.....

1999年、ジョナサン・ミラー演出、アバド指揮の《ファルスタッフ》のリハーサルのビデオクリップもとても面白いです。洗濯物カゴの場面では、クイックリー夫人のサラ・ミンガルドが笑いをこらえるのに必死....

フィナーレは、ファルスタッフが、風邪を引いて高熱でうなされて.....夢の中.....観客の目の前での場面転換で幻想的な美しい場面です。

この演出のファルスタッフのメイクは、かなり強烈、イタリアのオペラフォーラムでも、何のオペラなの? オズの魔法使い? 妖怪変化、メフィストフェレスの生まれ変わり、 ベートーヴェンのゾンビ、コッペリウスのおじいちゃんとか大騒ぎでした。
 ライモンディがファルスタッフを演じたのは、1986年ジュネーヴ大劇場、44才でした。このときのジュネーヴ大劇場のインテンダントは、パリ・オペラ座のリーバーマンの右腕といわれたウーゴ・ガル。当然、ライモンディとウーゴ・ガルはとても親しい間柄だったわけです。ライモンディにしても、自分がやりたい役をやらせてもらえるし、ガルは、人気のあるライモンディが出演してくれるわけですから持ちつ持たれつの仲だったわけです。1988年の《"La Forêt 森林》事件まで、ライモンディは、ガルがインテンダントに就任した1980年からジュネーヴ大劇場で意欲的にいろいろ出演していた時期です。ウーゴ・ガルにしてみれば、自分の劇場でライモンディが初役を演じることは、宣伝にもなるし、願ったりかなったりだったんでしょう。
 前置きが長くなりましたが、44才でファルスタッフを演じましたが、この後、レパートリーからはずしています。50代になってから、レパートリーに戻し、定期的に演じています。ライモンディは、ファルスッタッフは50歳過ぎてからの役と位置づけているようです。

参考:ファルスタッフ:主な公演1986ー2008
ブログ関連記事:ファルスタッフ

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