新国《リゴレット》2008.10.31 [オペラ生舞台鑑賞記録]
新国、開幕公演は《トゥーランドット》でしたが、パスしましたので、今シーズンはじめてのオペラ鑑賞です。
この《リゴレット》は、2000年6月初演(アレクサンドル・アガーケ、アンドレア・ロスト、ピエトロ・バッロ/ティート・ベルトラン)、翌年2月再演(ジャンカルロ・パスクエット、ヴィクトリア・ルキアネッツ、マルセロ・アルバレス)、そして今回7年ぶりの再々演です。私は、今回がはじめてです。前の2回は、外国人組と日本人組に分かれていて、外国人組はチケットが取りにくかった時代なんです。
舞台は、オーソドックスで、りっぱなものでしたが、全体的に低調というんでしょうか、ワクワクドキドキ感のない公演でした。《リゴレット》自体、どうころんでも面白くなるような要素がいっぱいのオペラだと思うんですけど....まあ、ですから、なんでこんなに盛り上がらないのよ〜なんて自問自答しながらも、しっかり楽しんできました。
頭抜けた歌手がいなかったというか、皆さんが、イマイチ。リゴレットのアタネリ、前回のパパジェルモンに続いての出演。この時は、なかなかいいじゃない...と思ったんですが、リゴレットは10年早いってかんじです。リゴレットは、バリトンにとっては、一番難しい役だと思いますので、若くしてやる場合は、よほど表現力(歌唱も演技も両方ですからね)にたけてないと.....見えないんですよ、哀れな道化に。アタネリのリゴレットは歌唱も演技もイマイチ。結局、スラリと背も高くハンサム過ぎで、私はクーラ、あのホセ・クーラです、が出てると何度も錯覚しました。これほんとです。
アニック・マシスのジルダは、初役、と言う情報もありましたが、8年前くらいにサンテチエンヌでジルダを歌っているので、2回目だそうです。久々のジルダなので、ぎこちなさを感じたのはそのせいか、役に合ってないのか...
マントヴァ公爵のムケリア、ちゃんとカツラをかぶって、ぽっちゃり可愛い系(たとえれば、ルネ・コロ)のプレイボーイに変身していました。高音は無理なく自然に良く出ていました。もちょっと存在感というか、俺様振りが欲しい役どころだとおもいますが、そのへんがイマイチ。
スパラフチーレとマッダレーナは日本人キャストでしたが、なかなかサマになってました。モンテローネ伯爵が、全くの迫力不足で、リゴレットが呪われた...と怖がるのも奇妙なかんじでした。
舞台はりっぱでしたが、演出的に、人の動かし方が、変なところがあったりで、それもこの公演のイマイチな要素でした。故アルベルト・ファッシーニの原演出ですが、うまく引き継げてないんでしょうね。良かったのは、嵐の場面、稲妻もすごかったし、雨と風が吹き荒れてました。建物の脇に配置された、ススキのおばけのようなパンパスグラスみたいなのが、ちゃんと風で揺れてました。
新国名物の合唱があまり印象的ではなかったのですが、合唱指揮の三澤 洋史氏の名前がスタッフに記載されてないですね。(1階5列で左よりで鑑賞)
※赤字の部分はあとで書き加えました。
主要キャストのひとくちコメントと略歴:『』内略歴は、新国プロフィールから
★リゴレット::ラード・アタネッリ Rigoletto : Lado Ataneli(1964-)
ホームページ→http://www.ataneli.com/
ちょっと足をひきづったくらいではリゴレットには見えません。リゴレットは歌唱も演技も表現過多と言われる位、徹底的にやらないとダメ。特にアタネリは容姿がりっぱ過ぎなんで尚更なんです。ライモンディがレポレッロをやらないように、歌えるからと言って、なんでもやればいいってもんじゃない見本みたいなもの。でもバリトンにとっては、リゴレットは絶対やりたい役なんでしょうから、もうちっと年をとってからやればいいんじゃないかと思います。
『グルジア生まれ。現在、世界中で活躍しているバリトン。レパートリーとしては、「椿姫」ジェロモン、「マクベス」タイトルロール、「運命の力」ドン・カルロ、「トスカ」スカルピア、「ドン・カルロ」ロドリーゴ、「ナブッコ」タイトルロール、「道化師」トニオ、「オテロ」ヤーゴ、「アンドレア・シェニエ」カルロ・ジェラール、「アイーダ」アモナズロ、「シモン・ボッカネグラ」タイトルロール、「仮面舞踏会」レナート等である。今までに出演した主な劇場は、メトロポリタン歌劇場、ロサンゼルス・オペラ、バイエルン州立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、ワシントン・オペラ、ハンブルグ歌劇場、英国ロイヤルオペラハウス等が挙げられる。2008年6月『椿姫』ジェルモンに続き、新国立劇場2回目の登場。』
★ジルダ:アニック・マッシス Gilda:Annick Massis
ホームページ→http://www.annickmassis.com/
もう若くないと思いますが、美しいです。この公演とは関係ないんですが、来年の5月にアヴィニヨンの《ルチア》でヴィットリオ・グリゴーロと共演予定だったんで、注目していましたが、いつのまにかエカテリーナ・シウリナEkaterina Siurinaに代わっていました。どうやら、ジェノヴァの《リゴレット》の方に出演するようです。
『フランス生まれ。現在最も高く評価されているリリック・コロラトゥーラソプラノ。世界中で活躍し、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場、パリ・オペラ座、バスチーユ・オペラ、チューリッヒ歌劇場、バルセロナ・リセウ歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラルか、ベルカント・オペラの蘇演を多く行い、さらにモーツァルト、ヴェルディ、マイヤベーアなどに及んでいる。最近では、2007年ヴェローナ野外劇場で『セビリアの理髪師』ロジーナ、同年『ランメルモールのルチア』タイトルロールで絶賛されている。新国立劇場初登場。』
★マントヴァ公爵:シャルヴァ・ムケリア Il duca di Mantova : Shalva Mukeria
ホームページ→>http://www.godirect-am.com/cms/192
『グルジア生まれ。音楽家の家に生まれる。トビリシでクラリネットを学ぶ。その後オデッサで声楽を専攻。プラハやトビリシのコンクールで優勝し、オデッサ歌劇場で研鑽を積んだ後、フィレンツェ歌劇場、デンマーク王立歌劇場、ライプツィヒ歌劇場などで『夢遊病の女』エルヴィーノ、『椿姫』アルフレード、『ラ・ボエーム』ロドルフォを歌う。2005/2006シーズンよりウィーン国立歌劇場のメンバーとなり、エディタ・グルベローヴァと共演した『清教徒』アルトゥーロは絶賛を博す。新国立劇場初登場。』
★スパラフチーレ:長谷川顯 Sparafucile : Hasegawa Akira
ボロ布にくるんだジルダを肩に背負ってました。アニック・マシスは小柄ではないですから、けっこう重かったと思います。力持ちであることが判明。
『1998年『アラベッラ』ラモラル伯、99年、2001年『仮面舞踏会』トム、00年『トスカ』アンジェロッティ、01年『リゴレット』スパラフチーレ、同年『ドン・ジョヴァンニ』騎士長、04年『カルメン』スニガ、05年『マイスタージンガー』ヘルマン、06年『魔笛』弁者、07年『ドン・カルロ』修道士、同年『西部の娘』アシュビー、そして、2001年〜04年「ニーベルングの指環」等、新国立劇場には多数出演している。国立音楽大学卒業。二期会合唱団に15年間在籍し、1996年二期会公演『ワルキューレ』のフンディングに抜擢され、好評を博す。続く『魔笛』ザラストロ役など、二期会公演『ばらの騎士』警部、『シンデレラ』アリドーロ、『フィガロの結婚』ドン・バルトロ、『ドン・ジョヴァンニ』騎士長等に出演している。二期会会員。』
★マッダレーラ:森山京子 Maddalena : Moriyama Kyoko
『1998年『ナブッコ』フェネーナ、『セビリアの理髪師』ベルタ、99年『マノン・レスコー』音楽家、『蝶々夫人』スズキ、2000年『イル・トロヴァトーレ』イネス、02年『カルメン』メルセデス、03年『オテロ』エミーリア、07年『フィガロの結婚』マルチェッリーナ、08年『軍人たち』ド・ラ・ロッシュ伯爵夫人等、新国立劇場には多数出演している。国立音楽大学卒業。ジョヴァンナ・ヴィーギ、アントニオ・ベルトラミの両氏に師事。93年秋より文化庁派遣芸術家在外研修員として1年間ミラノに留学。85年、ニッカ・カルメンシータのオーディションで第1位。また、ドイツのライプツィヒ歌劇場と1994/1995、1995/1996の2シーズンの契約のほか、イタリアのパルマのコンセルヴァトーリオでのリサイタル、パルマ、求[マニア国立歌劇場の『カルメン』にタイトルロールで出演している。藤原歌劇団団員。』
【指揮】ダニエレ・カッレガーリ Conductor : Daniele Callegari
2001年『ドン・カルロ』に続いて新国立劇場2回目の登場。ミラノ生まれ。現在、王立フランダース・フィルハーモニックの首席指揮者。これまでにバイエルン州立歌劇場、ベルリン州立歌劇場、ザクセン州立歌劇場(ドレスデン・ゼンパー・オペラ)、パレルモ・マッシモ歌劇場、ヴェローナ野外劇場、ローマ歌劇場、バルセロナのリセウ歌劇場などヨーロッパ各地の劇場で活躍。ヴェルディ、プッチーニといったイタリアもののほか、現代作品にも積極的に取り組んでおり、世界初演作品も数多く指揮している。
この《リゴレット》は、2000年6月初演(アレクサンドル・アガーケ、アンドレア・ロスト、ピエトロ・バッロ/ティート・ベルトラン)、翌年2月再演(ジャンカルロ・パスクエット、ヴィクトリア・ルキアネッツ、マルセロ・アルバレス)、そして今回7年ぶりの再々演です。私は、今回がはじめてです。前の2回は、外国人組と日本人組に分かれていて、外国人組はチケットが取りにくかった時代なんです。
舞台は、オーソドックスで、りっぱなものでしたが、全体的に低調というんでしょうか、ワクワクドキドキ感のない公演でした。《リゴレット》自体、どうころんでも面白くなるような要素がいっぱいのオペラだと思うんですけど....まあ、ですから、なんでこんなに盛り上がらないのよ〜なんて自問自答しながらも、しっかり楽しんできました。
頭抜けた歌手がいなかったというか、皆さんが、イマイチ。リゴレットのアタネリ、前回のパパジェルモンに続いての出演。この時は、なかなかいいじゃない...と思ったんですが、リゴレットは10年早いってかんじです。リゴレットは、バリトンにとっては、一番難しい役だと思いますので、若くしてやる場合は、よほど表現力(歌唱も演技も両方ですからね)にたけてないと.....見えないんですよ、哀れな道化に。アタネリのリゴレットは歌唱も演技もイマイチ。結局、スラリと背も高くハンサム過ぎで、私はクーラ、あのホセ・クーラです、が出てると何度も錯覚しました。これほんとです。
アニック・マシスのジルダは、初役、と言う情報もありましたが、8年前くらいにサンテチエンヌでジルダを歌っているので、2回目だそうです。久々のジルダなので、ぎこちなさを感じたのはそのせいか、役に合ってないのか...
マントヴァ公爵のムケリア、ちゃんとカツラをかぶって、ぽっちゃり可愛い系(たとえれば、ルネ・コロ)のプレイボーイに変身していました。高音は無理なく自然に良く出ていました。もちょっと存在感というか、俺様振りが欲しい役どころだとおもいますが、そのへんがイマイチ。
スパラフチーレとマッダレーナは日本人キャストでしたが、なかなかサマになってました。モンテローネ伯爵が、全くの迫力不足で、リゴレットが呪われた...と怖がるのも奇妙なかんじでした。
舞台はりっぱでしたが、演出的に、人の動かし方が、変なところがあったりで、それもこの公演のイマイチな要素でした。故アルベルト・ファッシーニの原演出ですが、うまく引き継げてないんでしょうね。良かったのは、嵐の場面、稲妻もすごかったし、雨と風が吹き荒れてました。建物の脇に配置された、ススキのおばけのようなパンパスグラスみたいなのが、ちゃんと風で揺れてました。
新国名物の合唱があまり印象的ではなかったのですが、合唱指揮の三澤 洋史氏の名前がスタッフに記載されてないですね。(1階5列で左よりで鑑賞)
※赤字の部分はあとで書き加えました。
主要キャストのひとくちコメントと略歴:『』内略歴は、新国プロフィールから
★リゴレット::ラード・アタネッリ Rigoletto : Lado Ataneli(1964-)
ホームページ→http://www.ataneli.com/
ちょっと足をひきづったくらいではリゴレットには見えません。リゴレットは歌唱も演技も表現過多と言われる位、徹底的にやらないとダメ。特にアタネリは容姿がりっぱ過ぎなんで尚更なんです。ライモンディがレポレッロをやらないように、歌えるからと言って、なんでもやればいいってもんじゃない見本みたいなもの。でもバリトンにとっては、リゴレットは絶対やりたい役なんでしょうから、もうちっと年をとってからやればいいんじゃないかと思います。
『グルジア生まれ。現在、世界中で活躍しているバリトン。レパートリーとしては、「椿姫」ジェロモン、「マクベス」タイトルロール、「運命の力」ドン・カルロ、「トスカ」スカルピア、「ドン・カルロ」ロドリーゴ、「ナブッコ」タイトルロール、「道化師」トニオ、「オテロ」ヤーゴ、「アンドレア・シェニエ」カルロ・ジェラール、「アイーダ」アモナズロ、「シモン・ボッカネグラ」タイトルロール、「仮面舞踏会」レナート等である。今までに出演した主な劇場は、メトロポリタン歌劇場、ロサンゼルス・オペラ、バイエルン州立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、ワシントン・オペラ、ハンブルグ歌劇場、英国ロイヤルオペラハウス等が挙げられる。2008年6月『椿姫』ジェルモンに続き、新国立劇場2回目の登場。』
★ジルダ:アニック・マッシス Gilda:Annick Massis
ホームページ→http://www.annickmassis.com/
もう若くないと思いますが、美しいです。この公演とは関係ないんですが、来年の5月にアヴィニヨンの《ルチア》でヴィットリオ・グリゴーロと共演予定だったんで、注目していましたが、いつのまにかエカテリーナ・シウリナEkaterina Siurinaに代わっていました。どうやら、ジェノヴァの《リゴレット》の方に出演するようです。
『フランス生まれ。現在最も高く評価されているリリック・コロラトゥーラソプラノ。世界中で活躍し、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場、パリ・オペラ座、バスチーユ・オペラ、チューリッヒ歌劇場、バルセロナ・リセウ歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラルか、ベルカント・オペラの蘇演を多く行い、さらにモーツァルト、ヴェルディ、マイヤベーアなどに及んでいる。最近では、2007年ヴェローナ野外劇場で『セビリアの理髪師』ロジーナ、同年『ランメルモールのルチア』タイトルロールで絶賛されている。新国立劇場初登場。』
★マントヴァ公爵:シャルヴァ・ムケリア Il duca di Mantova : Shalva Mukeria
ホームページ→>http://www.godirect-am.com/cms/192
『グルジア生まれ。音楽家の家に生まれる。トビリシでクラリネットを学ぶ。その後オデッサで声楽を専攻。プラハやトビリシのコンクールで優勝し、オデッサ歌劇場で研鑽を積んだ後、フィレンツェ歌劇場、デンマーク王立歌劇場、ライプツィヒ歌劇場などで『夢遊病の女』エルヴィーノ、『椿姫』アルフレード、『ラ・ボエーム』ロドルフォを歌う。2005/2006シーズンよりウィーン国立歌劇場のメンバーとなり、エディタ・グルベローヴァと共演した『清教徒』アルトゥーロは絶賛を博す。新国立劇場初登場。』
★スパラフチーレ:長谷川顯 Sparafucile : Hasegawa Akira
ボロ布にくるんだジルダを肩に背負ってました。アニック・マシスは小柄ではないですから、けっこう重かったと思います。力持ちであることが判明。
『1998年『アラベッラ』ラモラル伯、99年、2001年『仮面舞踏会』トム、00年『トスカ』アンジェロッティ、01年『リゴレット』スパラフチーレ、同年『ドン・ジョヴァンニ』騎士長、04年『カルメン』スニガ、05年『マイスタージンガー』ヘルマン、06年『魔笛』弁者、07年『ドン・カルロ』修道士、同年『西部の娘』アシュビー、そして、2001年〜04年「ニーベルングの指環」等、新国立劇場には多数出演している。国立音楽大学卒業。二期会合唱団に15年間在籍し、1996年二期会公演『ワルキューレ』のフンディングに抜擢され、好評を博す。続く『魔笛』ザラストロ役など、二期会公演『ばらの騎士』警部、『シンデレラ』アリドーロ、『フィガロの結婚』ドン・バルトロ、『ドン・ジョヴァンニ』騎士長等に出演している。二期会会員。』
★マッダレーラ:森山京子 Maddalena : Moriyama Kyoko
『1998年『ナブッコ』フェネーナ、『セビリアの理髪師』ベルタ、99年『マノン・レスコー』音楽家、『蝶々夫人』スズキ、2000年『イル・トロヴァトーレ』イネス、02年『カルメン』メルセデス、03年『オテロ』エミーリア、07年『フィガロの結婚』マルチェッリーナ、08年『軍人たち』ド・ラ・ロッシュ伯爵夫人等、新国立劇場には多数出演している。国立音楽大学卒業。ジョヴァンナ・ヴィーギ、アントニオ・ベルトラミの両氏に師事。93年秋より文化庁派遣芸術家在外研修員として1年間ミラノに留学。85年、ニッカ・カルメンシータのオーディションで第1位。また、ドイツのライプツィヒ歌劇場と1994/1995、1995/1996の2シーズンの契約のほか、イタリアのパルマのコンセルヴァトーリオでのリサイタル、パルマ、求[マニア国立歌劇場の『カルメン』にタイトルロールで出演している。藤原歌劇団団員。』
G.Verdi作曲:リゴレット/全3幕【イタリア語上演/字幕付】 2008年10月25,28,31日/11月1日、全4公演 【芸術監督】若杉 弘 【指 揮】ダニエレ・カッレガーリ 【演 出】アルベルト・ファッシーニ 【美術・衣装】アレッサンドロ・チャンマルーギ 【照 明】磯野 睦 【合 唱】新国立劇場合唱団 【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団 キャスト 【リゴレット】ラード・アタネッリ 【ジルダ】アニック・マッシス 【マントヴァ公爵】シャルヴァ・ムケリア 【スパラフチーレ】長谷川顯 【マッダレーナ】森山京子 【モンテローネ伯爵】小林由樹 【ジョヴァンナ】山下牧子 【マルッロ】米谷毅彦 【ボルサ】加茂下稔 【チェプラーノ伯爵】大澤健 【チェプラーノ伯爵夫人】木下周子 【小姓】鈴木愛美 【牢番】三戸大久 |
【指揮】ダニエレ・カッレガーリ Conductor : Daniele Callegari
2001年『ドン・カルロ』に続いて新国立劇場2回目の登場。ミラノ生まれ。現在、王立フランダース・フィルハーモニックの首席指揮者。これまでにバイエルン州立歌劇場、ベルリン州立歌劇場、ザクセン州立歌劇場(ドレスデン・ゼンパー・オペラ)、パレルモ・マッシモ歌劇場、ヴェローナ野外劇場、ローマ歌劇場、バルセロナのリセウ歌劇場などヨーロッパ各地の劇場で活躍。ヴェルディ、プッチーニといったイタリアもののほか、現代作品にも積極的に取り組んでおり、世界初演作品も数多く指揮している。
タグ:新国 オペラ
全く違った感想でコメントするのも気が引けますが、ラード・アタネッリはジェルモンの時より惹かれました。アニック・マッシスはちょっと期待はずれでした。
by つるりんこ (2008-11-01 16:11)
>アタネリは容姿がりっぱ過ぎ
なるほど、確かにこの写真ではクーラに見えますね!これじゃリゴレットが2枚目だわ(^^)あの「猿の惑星」演出なら違和感無いでしょうけどね…。アタネッリは応援していますが、折角良い声持っているのだからヴェルディでもルーナとかドン・カルロとか、若いうちに歌って欲しい役で聞きたいと思います。おじいさん役は10年後でいいかな。
でも、「リゴレット」はこういうゴテゴテ系時代劇の演出で一度は見てみたいなぁ~と思います。マッシスくらい見た目も美しいジルダなら尚更見たいですね。
by Sardanapalus (2008-11-01 20:09)
つるりんこさん
いえいえ、nice!とコメントありがとうございます。
こういう伝統的舞台衣裳の場合は、もうちょい、デフォルメされたリゴレットにした方がいいのではないかと...背中には大きなコブ、コブがなかったですものね。
「トスカの接吻」という映画で、リゴレットを得意としていた引退したバリトン歌手が、リゴレットのマイ衣裳を披露していましたが、背中のコブもちゃんと持ってました....
最近の現代的演出であれば、すっきりお父さんもありかもしれませんが、コテコテのリゴレットでやってほしかった...
by keyaki (2008-11-01 20:13)
Sardanapalusさん
>ゴテゴテ系時代劇の演出
上のコメントにも書いたんですが、こういう舞台の場合は、コテコテのリゴレット、背中には大きなコブ、禿げカツラに、曲がった鼻...というような大時代的に、素顔がわからないくらいにして欲しいです。
前回のパパジェルモンは2階席だったんですが、今回は、平戸土間5列ですから、よく見えたんですが、男前です。
リゴレットの隠れ家なんて、3階建てですごく立派、スパラフチーレのあばら屋もちゃんと船着き場があって、公爵はボートでお出ましなんです。
新国も最近は客の入りも良く客席も活気があって楽しいですよ。再演ものは、ちょっと安くなってますし。
by keyaki (2008-11-01 20:33)
そうかなぁ~?なんちゃって、さっそく釣られてやってきました。
http://www.ataneli.com/images_port/Ataneli-Cura.jpg
いつも陣内さんなんて呼ばせてもらっているアタネリのほうがエクボが立派で鼻も眉毛もスマートですけど、同じようなサイズだし、髭なんか生やして遠目に見ると、確かに、時々似てますよね。
立派な衣裳ですし、それらしい演技と小道具がないと、白塗りをしてるってくらいではリゴレットに見えませんね。折角コテコテ舞台なんだから、コテコテのリゴレットにしてあげればよかったのに。マシスはジルダ似合いそうですけど、初役なんですか。
ところで、どこに書いたものかわからないのでここに書いちゃいますが、来月、クラシカジャパンでライモンディの「大聖堂の殺人」を放送しますね^^
by りょー (2008-11-01 20:56)
私も昨日の公演を見ました。 クーラとアタネリは”オテロ”で共演してますが、”トロヴァトーレ”で濃い顔兄弟を演じたら、レオノーラも間違えるでしょう。マシスはもっと彼女の技巧が楽しめる役で 再来日して欲しいです。
by シャンティ (2008-11-01 21:36)
りょーさん
>クラシカジャパンでライモンディの「大聖堂の殺人」を放送しますね^^
うひょ、知りませんでした。日本語字幕付きですから、録画しなくちゃです。ありがとうございます。
クーラの方が精悍なんですけど、今回のリゴレットの普段着が、黒っぽくて、トリノのオテロみたいだったんで、横を向いてたりすると、オテロの見えちゃいました。
バルセロナのDVDでも衣裳がよく似てて、どっち?みたいでしたものね。
by keyaki (2008-11-01 22:31)
シャンティさん
”トロヴァトーレ”それいいですね。実は、兄弟なんですものね。
新国も今シーズンから、休憩前のカーテンコールも復活したようですね。
by keyaki (2008-11-01 22:37)
「外国人組はチケットが取りにくかった時代なんです。」
サンフランシスコ歌劇場では、外国人/アメリカ人は関係ないですね。
by サンフランシスコ人 (2008-11-02 03:17)
サンフランシスコ人さん
>外国人/アメリカ人は関係ないです。
そりゃそうでしょう。そもそもアメリカ人が外国人の寄せ集めだし....
アメリカで、外国人組とアメリカ人組に分けてもまったく意味がないでしょ。
これは日本の特殊事情でしょうね。
新国開設当初は、外国人組、日本人組ときっちり分けていたんですが、これは差別じゃないですよ。区別してたんです。これによって、日本人歌手も日本でオペラを歌えるチャンスが増えたわけです。
次は、ごちゃ混ぜダブルキャストの時代があって、今はシングルキャストです。
by keyaki (2008-11-02 10:15)
マシスのジルダを音響が素晴らしい1600席の新国で聴けるのは、私にはゼイタクに思えます。
ジルダをコロラトゥーラ・レジェロに配するのは元々私には趣味じゃないですし、彼女のジルダと言うと、聴いてみたいけど、やっぱりコワイような。
最近はヴィオレッタさえ歌ってるみたいだけど、私にはやっぱり「怖いもの聴きたさ」の感じですねぇ。
小生には彼女は永遠のウードクシー公女(アレヴィの「ユダヤ人の女」)、辺りを照らすような美しい音楽性の放射が忘れられません。その他バロックからベルカント、ドイツものまで色々聞かせてくれましたけど、個人的には音程に小さな難があるのが、いつもどうも耳に引っかかってしまいます。でもルチアは悪くなかった。
彼女は8年前くらいにサンテチエンヌでジルダ歌ってて、今回が2回目、次がジェノヴァだと思います。いずれにせよ久しぶりのジルダでしたね。
パリジエンヌのはずですが、近年はパリで舞台に立つことは多くなく、ちょっと残念。アメリカやイタリアが多くなってるみたいですね。まあこれは分かります。日本は嫌いじゃないみたいですね。また行って欲しいです。
美人さんだけど、長く小学校の先生やってたとかで(やはり音楽家の家庭出身ではあるようですが)気さくな感じで、最近のポートレート写真は髪型やメーキャップ変えてるけど、以前はその辺によくいるタイプのフランス人の顔かたちで親しみも持てる容姿でしたね。
かなり長身と思いますから、長谷川さんはリッパです。
アタネッリはバスティーユで、リゴレットの他、ルーナ、スカルピアなんか聴いたんですが、きれいサッパリ印象に残ってません。こんな美男だったというのも今初めて気付いた次第。
視覚より聴覚的リアリティーの方に気を取られてしまう方ですし、やはりTAROさん同様女声につい耳と眼が行ってしまうもんで。
>外国人組はチケットが取りにくかった時代なんです。
そうだったんですか。私自身はぜひ日本人歌手組も聴いてみたいですが、両方聴くカネとヒマを作るのは常に可能なことではないから、1回だけとなれば結局外国人キャストになってしまうでしょうね。
だから1000円程度の立見席を数百席設置すべきだったのだ。
公金を投入する公立劇場運営で、納税者である聴衆の希望を尊重すべきなのか、自国歌手の育成を重視すべきなのかは色々な考え方があるでしょう。
畑中・五十嵐両監督時代の選択は、一般愛好家からすれば、日本声楽界の権益囲い込み的な色彩が鼻に付く部分はあったのでしょうが、劇場事務方職員についても官僚機構の権益囲い込みという面は否定しがたい訳ですから、声楽界だけを責めるのも気の毒な気もします。
欧州劇場で、外国人スターを呼べる経済環境が欠如しているわけではないけれど自国歌手中心のキャスティングをしてるところと言うと、すぐ思い浮かぶのは北欧でしょうが、人口に比して北欧出身の国際キャリア歌手が多いのはそうした事情によるところも少しはあるのかも知れません。
まあやはり、欧米の多くの大中劇場の選択、つまり基本的に予算内で国際市場から最良の歌手を集め、自国歌手には脇役・中規模役でチャンスを与え、アカデミーや別枠公演で自国歌手育成を補完するというのが一番妥当な選択なんでしょうね。ノヴォ監督は、苦役仕事を押し付けられた形でしたね。
今回の新国キャスティングも予算内でまあいい線行ってるとは思います。
by 助六 (2008-11-02 10:45)
はあ、アタネリってハンサムだったんですか〜知りませんでした。
例のコヴェントガーデンの演出のトロヴァトーレのルーナも歌ってたんですね。ホロ様の裏でしょうか?
by babyfairy (2008-11-02 11:00)
>アニック・マッシス
ずっと以前にテレビで「ミニョン」を見て、印象が強くてすぐ覚えたソプラノです。1992年公演の映像でした。ヒロインのミニョン(Ms)の恋敵、女優のフィリーヌ役でした。2004年公演の「真珠採り」もテレビでみましたが、これはよくわかりませんでした。ちょっときついというか厳しい感じのする美人ですね。なるほど、小学校の先生だったことがあるんですか・・納得なような・・^^; すくなくとも私のイメージするジルダではなかったです。ああいう男にいつまでもひかれて身代わりになるのがとても不自然な感じがしました。
by euridice (2008-11-02 13:54)
babyfairyさん
「蓼喰う虫も好き好き」の部類ではなく、一般的にハンサム系です。しかも背も高いので、容姿共に良いということになるかと思います。まあ、これで小さいと誰もハンサムとは言わないかも。
>コヴェントガーデンの演出のトロヴァトーレのルーナも歌ってたんですね
そうなんですか、それは知りませんでした。どなたがマンリーコだったんでしょう。
ホロストフスキーもリゴレットは似合わないし、シモンもこけしみたいで、とてもドージェには見えない....こういうタイプのハンサムもちょっと困ります。アタネッリの方が、まだましかも。
絶対ハンサムがいいのは、テノールなんだけど、これが.....
スカラ座のドン・カルロのBキャスト見ました? 誰じゃこれ!とイタリアのオペラフォーラムで話題になってました。
by keyaki (2008-11-02 14:12)
助六さん
>サンテチエンヌでジルダ歌ってて、今回が2回目
そうなんですか。準備不足ということで、自分のものになってなかったようなかんじで、かなり緊張していたのではないかと思います。外国人歌手にとっては、日本の観客はなにか得体がしれなくて怖いのかも....舞台から見ると、全部髪の毛が黒いのも異様にかんじるらしいですし.....
カーテンコールではほっとしたかんじでした。
>長谷川さんはリッパです
そう、死体袋を引きずって持って来る演出が多いと思いますが、ライモンディ並にリッパです。サザーランドの自伝にライモンディは背負って運んだのに、イヴォ・ヴィンコは腰を痛めてるとかなんとか言ってやりたがらないので、助手をつけたというのを思い出します。
新国では、舞台装置の関係で、絶対引きずれないんですよ。階段になってますから...(笑
主要キャストの方々、なんかお互いに遠慮し合っているというかんじで、チームというよりは、自分の歌を歌いに来ました...というかんじでしょうか。歌手同士の相性とか、かつて一緒に歌ったことがあるとか、チームとしてのまとめ役になるような歌手がいなかったとか、いろいろあると思います。
リゴレットとマントヴァはグルジア出身、マシスは、フランス人だし、女性だし、ちょっと溶け込めなかったかも....
>日本人歌手組
市民オペラっぽくなっちゃいますよ。今でも二期会の公演は、全員日本人がウリのようですね....
by keyaki (2008-11-02 14:58)
スカラ座のロドリーゴは・・・あれだけのキャストを集めておきながら、なんであの役に無名の人を連れて来るのか・・・抜擢された歌手には非常に失礼な言い方で申し訳ないですが、これで実演がよっぽど素晴らしくない限り、『そこで経費節約したのね』・・・としか思えませんでした。
フィリアノーティはかなり声が重くなって来てるから、軽いバリトンだとどっちがバリトンなのか判らなくなりそうです。 それに格好良くないロドリーゴなんて・・・。
by babyfairy (2008-11-02 20:53)
こんばんは。ようやく最終日に観てきました。
アタネッリって素の写真だとそんなにカッコよく見えませんが、私もなぜか、今回のリゴレットはハンサムに見えちゃいました(笑) 何が原因なんでしょうw
初期の新国の様子を知りませんので、助六さんとkeyakiさんのコメントを興味深く拝読しました。外国人歌手とのダブルキャストですか、悩ましいですねぇ。
TBさせていただきました。
by しま (2008-11-04 23:36)
babyfairyさん
スカラ座の《ドン・カルロ》はアバド時代のような、主要キャスト全員、著名な歌手を揃えた公演は、もう望めないでしょうね。
勘違いするような書き方をしましたが、これ誰?と話題になっていたのはBキャストのドン・カルロ、つまりフィリアノーティとダブルのテノールさんです。
http://www.stuartneill.com/
by keyaki (2008-11-05 01:47)
しまさん
>今回のリゴレットはハンサムに見えちゃいました(笑) 何が原因なんでしょうw
スラリと背が高いのがネックでしょうね。もうちょっと背が低くて、背中に大きなコブをつければ、顔がちょっとよくても、リゴレットになると思います。
ごちゃ混ぜダブルキャストの時代もわざと悩むようなキャスティングにしてましたから、悩ましかったですよ。
TBありがとうございます。
by keyaki (2008-11-05 01:57)
>、これ誰?と話題になっていたのはBキャストのドン・カルロ、つまりフィリアノーティとダブルのテノールさんです。
http://www.stuartneill.com/
うわあ〜〜〜っ 誰これ(爆)
天下のスカラ座なんだからセコンドキャストだってもう少し気を遣って人選して欲しいですね。 これで声が飛び抜けて良くなかったら『入場料返金しろ』って言いたくなります。 スカラ座も失墜しましたね。
by babyfairy (2008-11-05 21:36)
上に付け足して。
未だ、ドン・カルロのセコンドキャストが判らなかった時に、実は私、『グリゴーロ君かも』と淡い期待を持っていたんです。ジュネーヴ公演では大好評だったから、決してあり得ない話では無いと思うんですよね。
フィリアノーティ/グリゴーロだったら、両キャストとも観に行くのに。
by babyfairy (2008-11-05 21:39)
babyfairyさん
そうなんですよね。アバド時代は、それあったんですよ。前半ドミンゴ、後半カレーラス....1984年の開幕公演の《カルメン》がそうでした。ドン.カルロだって、ロドリーゴはブルゾンとヌッチのダブルキャストとかでしたし.....
来日公演に《ドン・カルロ》を持って来るみたいですけど、グリゴーロ君ってことはないでしょうね。ガッティとも縁がないわけじゃないし。でもこれって絶対無理でした。2009年の9月はフェニーチェですものね。
by keyaki (2008-11-06 09:48)
先日新国立でくばっていたNBSNEWS(ちらし)の予定出演者だと、ドン カルロはラモン・ヴァルガスのようですね。 テノールはあと、ヨハン・ボータとワルター・フラッカーロとありますが、ラダメスがダブルキャストになるのでしょうか? 舞台と衣装デザインを見ると 前回の新国立のドン・カルロに似ているような...。
by シャンティ (2008-11-07 07:35)
シャンティさん、情報ありがとうございます。
ワルター・フラッカーロは、ラダメスでしょうけど、ヨハン・ボータはどっちなんでしょう。
ドン・カルロは新演出で、すっきりモダン系の舞台みたいですね。
by keyaki (2008-11-07 09:38)
ヨハン・ボータは、来月ウィーンで『ドン・カルロ』のタイトルロールを歌うようです。
http://www.staatsoper.at/Content.Node2/en/spielplan/spielplan_detail_mitwirkende.php?eventid=517394
ヴァルガスだったら手堅く歌うでしょうね>ドン・カルロ
フラッカーロ、アラーニャの一件以来、すっかりラダメスを持ち役にしてしまったみたいですね。そんなに凄いテノールだと思わないけど、役得ってこの事でしょうか。
by babyfairy (2008-11-11 03:42)
babyfairyさん
オペラ歌手は、ほんの一握りのスター歌手の下に並の歌手が大勢という図式ですね。
ボータとかフラッカーロ程度の歌手は、あちこちの劇場を飛び回って忙しいようです。劇場としても、ギャラの関係で一番使い易いランクの歌手なんだと思います。
フラッカーロも、アラーニャ事件で、名前を覚えたんですが、あの事件の前から、世界の有名劇場でラダメスとかカラフとか歌っているんですよね。ヨハン・ボータも、メトでもドン・カルロを歌ってますね。
by keyaki (2008-11-11 21:17)
「アメリカで、外国人組とアメリカ人組に分けてもまったく意味がない....」
アメリカ人指揮者は、サンフランシスコ歌劇場には、ほとんど出ません。
by サンフランシスコ人 (2008-11-12 11:21)