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《モゼ Mosè 》ボローニャ歌劇場のライヴ録音(1991.10.4録)★MP3 [モゼ/エジプトのモゼ]

ロッシーニ作曲《モゼ Mosè 》ボローニャ歌劇場: 1991年3月1日〜4月10日


参考同じ場面のクリップ《モイーズとファラオン》
ダニエレ・ガッティ指揮/ボローニャ歌劇場管弦楽団、合唱団
ウーゴ・デ・アナ演出
キャスト:
モゼ:ルッジェーロ・ライモンディ
エリゼーロ(モゼの兄):エツィオ・ディ・チェーザレ
ファラオーネ(王):ミケーレ・ペルトゥージ(1965-)
アメーノフィ(王子):ラモン・バルガス(1960.09.11- )
アウフィーデ(エジプト軍の隊長):フランチェスコ・ピッコリ
オジリデ(エジプトの神官):ジョヴァンニ・フルラネット
マリア(モゼの姉、アナイデの母):グロリア・バンディテッリ
アナイデ(モゼの姪、王子と恋仲):中丸 三千繪 (1960.07-)
シナイーデ(エジプト王妃):グロリア・スカルキ
天の声:ジョヴァンニ・フルラネット

Broadcast Rai :1991.10.4録
※アナイデはアンナ・カテリーナ・アントナッチ,(1961.04.05- イタリア)とダブルキャスト

 1991年10月4日RAI放送の録音入手しました。このロッシーニの、あの十戒で有名なモゼを題材にした作品は、いろいろあってややこしい.....すっかり忘れていますので、まず、おさらいから。
 最初に作曲されたのが《Mosè in Egitto エジプトのモゼ》1818年3月5日、ナポリ・サンカルロ劇場で初演、翌年の1819年3月7日に改訂されイタリア各地とパリで上演。この《エジプトのモゼ》を元にして改作したのがフランス語版《モイーズとファラオン Moise et Pharaon》、これは同時にカリスト・バッシがイタリア語に翻訳して、1827年12月に、ローマ(演奏会形式)で上演、1829年2月4日、ペルージャで、初めて舞台上演された。フランス語版《Moise et Pharaon》と区別するためにイタリア語版は単に《モゼ》と呼ばれている。(ロッシーニ作曲《 エジプトのモーゼ》《 モイーズとファラオン》《モゼ》から)

 ますます分からなくなりますが、つまり《Mosè in Egitto エジプトのモゼ》と《モイーズとファラオン Moise et Pharaon》という2つの作品が存在していて、《モイーズとファラオン Moise et Pharaon》にはフランス語版とイタリア語版があって、混乱を避けるためにイタリア語版は《モゼ》と呼ぶことにしているということです。
 2003年スカラ座の開幕公演でムーティがで上演したのは《モイーズとファラオン Moise et Pharaon》ですから、フランス語だったということになります。イタリアなんだから、《モゼ》でもいいでしょうに.....《ドン・カルロ》はイタリア語版でやったのに.....なんでだろう.....謎....ご存知の方、コメントお願いします。

★音声ファイルMP3:
3幕フィナーレのみんなで大騒ぎの場面。アナイーデが、"Mi manca la voce,Mi sento morire,....."と歌い→アメノフィ→シナイーデ→エリゼーロ→ 
モゼが、"Faraon, cedi alfine...."→オジリデ→ファラオーネ→全員

★YouTube:1993年フェニーチェ Mosè - atto3 - Ruggero Raimondi - Serra - Ganassi -
参考:《 Mosè》の歌詞
★ビデオクリップ (ただいまリンク切れ):2003年12月ミラノ・アルチンボルディ劇場 ムーティ指揮《 モイーズとファラオン》つまり音声ファイルのフランス語版、字幕付きですので参考のためアップしました。開幕公演ですけどなんか若者公演みたい.....(I.アブドラザコフ、フリットリ、シュロット、フィリアノーティ、ガナッシ)
《 モイーズとファラオン》のあらすじを含めた詳しい解説は、いつも利用させて頂いている『オペラ御殿』にありますので、リンクします。《モゼ》も内容は同じです。

★R.ライモンディの《 Mosè in Egitto》《 Mosè》に関する公演記録のまとめ
《モゼ》:1968(Fenice)、1988 ,89(München録)、1991(Bologna録)、1993(Fenice)
《エジプトのモゼ》:1981(録音CD)、1981(Perugia録)、1988(Roma)、1994(London録)
詳細は→《 Mosè》《 Mosè in Egitto》:主な公演 1968〜1994


余談:この時、ライモンディは、共演した若いテノールの声楽のレッスンをチェレッティに依頼した....若いテノールはバルガスでしょうね。経緯は→毒舌評論家ロドルフォ・チェレッティとR.ライモンディ(2)出会いとその後

関連記事:
ペーター・マーク指揮 1818年版《Mosè in Egitto》Rai3で明朝放送
ロッシーニ作曲《Mosè in Egitto》1818年版 Rigacci校訂 Maag指揮MP3

ロッシーニ作曲《 エジプトのモーゼ》《 モイーズとファラオン》《モーゼ》
ロッシーニ《 エジプトのモーゼ》1819年版(1) MP3
ロッシーニ《 エジプトのモーゼ》1819年版(2) MP3
ロッシーニ《 エジプトのモーゼ》1819年版(3) MP3

♪サバリッシュ指揮《 Mosè》リハーサル VideoClip
♪ダニエレ・ガッティ指揮《 Mosè》リハーサル VideoClip

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コメント 10

hasida

これ、ぼちぼち聞き始めたところですが、
「モゼ」コレクターのはしくれとしては、スカラ座盤に対しての

>開幕公演ですけどなんか若者公演みたい

に座布団3枚! 1993年のナポリ(1819年版)と比べると、
歌手陣が軒並み、力不足か、或いはチグハグ(娘役のフリットリが
一番貫禄あるようでは・・・)に聞こえました。
ファラオンは話題のシュロットだったのですね。かなり印象悪し。

ファラオンは第2バスでも重要な役どころですから、1993年同様に
ペルトゥージが回ってくれると安心できます。1819年版には不要の
第3バスにフルラネットというのも贅沢なような。
by hasida (2008-09-04 22:38) 

keyaki

hasidaさんも、絶対聞いていると思ってました。
この映像は、シュロット君ってかんじでういういしいですね。今のあのふてくされた顔は、誰の影響かしら。(笑

>1819年版には不要の第3バスにフルラネットというのも贅沢なような。
このフルラネット君はフェルッチョじゃなくてジョヴァンニ・フルラネットで、ボローニャ歌劇場の専属っぽい若いバスです。
ボローニャの公演もライモンディ以外はみんな若い、ペルトゥージなんか25か26ですけど、ライモンディがいるんで若者公演とはいえないですね。

ムーティがイタリア語版があるのに、なんでフランス語版を選んだのか理由がわかりません。
マンカ・ラ・ヴォーチェ・ミ・セント・モリーレ...なんて有名なフレーズだって、なんて言ってるのかまったくわかりませんもの、フランス語版はよくないです......なんでスカラ座であえてフランス語版なんでしょ、こういうのにブーイングはしないのかしら。ここは「イタリアだぞ〜」とかやじってもいいと思うんですけど。

この録音の司会者ずいぶんとぶっきらぼうなおばさんですね。アナウンサーとかじゃなくて、劇場の人かしら?
by keyaki (2008-09-05 01:20) 

euridice

>ミラノ・アルチンボルディ劇場 ムーティ指揮《 モイーズとファラオン》
王妃、迫力のおばさんのイメージでしたが、ガナッシでしたか・・
過去記事をTBします。

モーゼはなんといっても旧約聖書第一の大スターですから、
小説、映画など各種に登場ですね。

このオペラの旋律からつくられたパガニーニの「モーゼ変奏曲」が大好きです。
こっちもとても小さい記事ですけど、ついでにTBします。
by euridice (2008-09-05 06:11) 

hasida

>このフルラネット君はフェルッチョじゃなくて
おお、やってしまった・・・そりゃそうですよねぇ・・・。
この演奏、スカラ座よりはずっといいと思いますが、
1819年版が染み付いている私には録音だけなのは
厳しいです。映像が欲しいです。
このボローニャの演出を1993年のナポリ「エジプトのモゼ」
に流用したのでしたっけ?
by hasida (2008-09-05 20:11) 

keyaki

euridiceさん、TBありがとうございます。
スカラ座のはフランス語版なので、興味がありませんでしたが、日本語字幕が役に立ちますね。
by keyaki (2008-09-06 01:26) 

keyaki

hasidaさん
1819年版とは音楽は似ていても内容がずいぶん違いますから、ほんとややこしい...モゼとファラオ以外は名前までゴチャゴチャで、更に頭が混乱。
スカラ座の映像を見て、想像しながら聞くしか無いですね。
ミュンヘンのピッツィ演出のが、すごい大スペクタクルですから、どこかに映像が残ってそうなものなのに、出て来ませんね。

>1993年のナポリ「エジプトのモゼ」
ウーゴ・デ・アナ演出なんですよね。多分同じだと思います。
1994年のコヴェントガーデンの「エジプトのモゼ」は、ライモンディがモゼですが、これもボローニャの「モゼ」と同じ演出みたいです。あぁ、ややこしい!
by keyaki (2008-09-06 01:43) 

rosina

フィリアノーティとシュロットが出ている公演のはDVDで持っています。
二人とも初々しい、と言う言葉がぴったりですね^^。私も基本的にはフランス語版よりイタリア語版を好みますが、これはフィリアノーティ目当てで買ったのでした。
by rosina (2008-09-07 06:19) 

keyaki

rosinaさん
フィリアノーティってけっこう可愛いんだな..と思いました。シュロットも今なら、ファラオンに見えたかもしれませんね。
しかし、しつこいですが、歌手だってあれだけイタリア人歌手を揃えておきながら、なんでフランス語なんでしょう。後のペーザロもフランス語版だったようですが、専門的になにか理由があるのかしら。
by keyaki (2008-09-07 12:38) 

助六

>2003年スカラ座の開幕公演でムーティがで上演したのは《モイーズとファラオン Moise et Pharaon》ですから、フランス語だったということになります。イタリアなんだから、《モゼ》でもいいでしょうに.....《ドン・カルロ》はイタリ ア語版でやったのに.....なんでだろう.....謎.
>歌手だってあれだけイタリア人歌手を揃えておきながら、なんでフランス語

ムーティは同窓のデグラーダ氏とか音楽学者のアドヴァイスもあって、以前から伊ロマン派オペラの成立に重要なグルック、ケルビーニ、スポンティーニなんかの仏オペラの上演に熱心でしたね。

スカラのシーズン開幕公演にさえ、93年にはスポンティーニの「ヴェスタの巫女」、96年にはグルックの「アルミード」、02年にはグルックの「アウリスのイフィゲニア」、そして03年には「モイーズとファラオン」を仏語で取り上げていた。どの公演も仏人歌手は皆無でエキゾティックな発音で歌われていたと思います。
03年にはさすがに「何で2年も続けて開幕に仏語の有名じゃない作品をやるんだ」という声も出てましたね。
88年の開幕はロッシーニの「グリエルモ・テル」でしたが、ムーティは「本当はオリジナルの仏語上演が理想だが、スカラの合唱に仏語で歌わせても練習に時間が掛かり得られる成果は僅かだから」とか答えていたと思います。

その他シーズン中にも、91年にはケルビーニの「ロドイスカ」、92年にはグルックの「タウリスのイフィゲニア」を仏語で取り上げてましたね。

97年の開幕公演に「マクベス」をやった時には、「(グルック、ケルビーニ、スポンティーニを取り上げて)これでマクベスを振る準備ができた」とか言ってたと思います。

それで「モイーズとファラオン」ですが、確かにムーティゆかりのナポリのために書かれた伊語オリジナルの「エジプトのモーゼ」があるのに、敢えて仏語版「モイーズとファラオン」を選択したのは不思議です。
彼は09年にザルツブルクで再び別の演出で仏語版「モイーズとファラオン」」を仏人歌手抜きで上演してますから、仏語版に明らかに愛着があるんでしょう。

ザルツでは記者会見で訊かれてこう答えています。
「私は仏語版の方が好きですが、それはロッシーニ自身が仏語版を好んでいたからです。誤解しないで頂きたいんですが、『エジプトのモーゼ』は素晴らしいオペラです。でもそれは『モイーズとファラオン』の単なるスケッチに留まっています。私ではなく偉大なロッシーニ自身がそう言っているのです」。

僕自身は「エジプトのモーゼ」も「モイーズ」もそれぞれ完成度が高いと思え、両方好きですが、後者の方が最後の合唱が壮麗で優れており効果的とする意見もあるとは思います。

by 助六 (2013-09-04 13:19) 

keyaki

助六さん
詳しい解説ありがとうございます。

>仏人歌手は皆無でエキゾティックな発音で歌われていた
>仏人歌手抜き

うーーん、よくわかりません....ムーティは、つまりフランス語の響きが曲にあっているとかではなくて、純粋に音楽的にフランス語版がいいんだってことなのかな。

by keyaki (2013-09-04 14:10) 

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