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あらら、シュロットどうしたの?第2弾 (アリア集CD発売)★私が魅力を感じるオペラ歌手 [アーウィン・シュロット]

 このところ、いろいろ不義理を重ねているアーウィン・シュロットErwin Schrott(1972年生 ウルグアイ出身)、最近では、5月末ナポリの《ロンバルディ》と6月11日のロンドン・カドガンホールのキャンセル、こちらは、主催者側が告訴!と息巻いてましたし、《ロンバルディ》はまたルッジェーロ・ライモンディがカバーしたわけです。
 今は、ザルツブルグの音楽祭でレポレッロをやっているようですが、まるまる2ヶ月どうしていたんでしょう。今後の予定など、彼のファンが運営しているホームページをチェックしようとしたら、なんと彼自身のホームページができてるではないですか。右の写真をクリックするとリンクしていますが、突然くらぁ〜い歌声が聞こえます.....どうやらDECCAからアリア集をリリースする(した)らしく、DECCAが主体で作成しているホームページだと思います。なんだ、こんなことやってたの....(実際に録音をいつしたかは知りませんけど)。

 このホームページに行くと、彼のアリア集の一部が、ずーっと流れますが、実は、最初何を歌っているか全く分かりませんでした。よくよく聞くと、これが《ドン・カルロ》のフィリッポのあの有名なアリアだったのには、本当に吃驚しました。私は、このアリアに関しては、ライモンディについても若い時から今に至るまでの各種録音、それからいろんな歌手のを聞いていますので、私が、すぐに分からなかったのには、自分自身でも驚いていています。なんかお経みたいなんですもの。他の曲も、バス歌手のアリア集にははずせないのか、《マクベス》のバンコーのアリアとかグノーの《ファウスト》とかもあるようですが、なんか全部同じに聞こえます。ということで、一部分を試聴した限りにおいては、あまり魅力を感じませんでした。

 だいたい彼は、慎重なのか2005年のインタビューで、当分《ドン・ジョヴァンニ》と《フィガロの結婚》でやっていきます....なんて言ってますが、(多分)レパートリーにしてないものをアリア集で先行して出しちゃうって......選曲はレコード会社の決めたことなんでしょうか。長年、バス歌手ライモンディのファンをやってますので、バス歌手のアリア集も各種持ってますが、最近の歌手では、大手レーベルではないですけど、ペルトゥージとかコロンバーラですが、選曲は、自分のレパートリーのものを網羅しています。バス歌手のアリア集が、どれほど売れるものか見当もつきませんが、ネトレプコの妊娠騒動でDECCAが食指をのばしたってこともないこともないような....なんでも宣伝になる時代ですから。

私が魅力を感じるオペラ歌手:
 私が魅力を感じるオペラ歌手の基準は、声域は関係ありません。総合的に、声、歌唱スタイル、容姿全部に魅力がないとだめです。それがたまたまバスのルッジェーロ・ライモンディだったというだけで、バス歌手が好きということではありません。シュロットは、これに適合してたはずなんですが、このアリア集は、私の好みからはずれたようです。
 もちろんオペラ歌手はまず声、声そのものに魅力がないと話しになりませんから、まず声を聞いていいなぁ....で第一段階パス、それから、どんな顔かな、スタイルは、演技は....ということで、私のお眼鏡にかなえば、私の好きなオペラ歌手ということになります。ですから、ライモンディの声は大好きですが、バスという声域に惹かれているわけではありますせん。つまり、暗くて深いこれぞ真のバスなんて言うのには魅力を感じないんです。ライモンディの声は、彼自身の分析によれば、バリトンの役も歌えなくはないバス....なんで、所謂バリトンの役のエスカミーリョとかも魅力的に歌えるということです。
 最近、声自体に魅力を感じた歌手が、もう一人、テノールのヴィットリオ・グリゴーロです。彼も、声、歌唱スタイル、容姿全部が、私の基準をクリア、しかもライモンディ同様、チャレンジ精神旺盛で、オペラ界から異端視されているところも似てます。話題も事欠きませんし。声域は違いますが、私にとっては、第二のライモンディとして、今後注目して行くつもりです。

関連記事:
あらら、シュロットどうしたの?
★ROH出演中のシュロットに突撃〜 ☆ケテルセンがレポレッロ〜玉突き型
シュロット契約違反で告訴★☆ナポリの《ロンバルディ》もキャンセル!

l'operaの注目記事(2005.9月号)アーウィン・シュロットのインタビュー
モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》1967ー2005(Cagliari歌劇場公演終了)
ライモンディ最後のドン・ジョヴァンニのレポレッロ役がシュロット、とても息の合った素晴しい主従だったと好評でした。

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なつ

…このフィリッポのアリアの違和感、音程の問題でしょうか?

私はマチェラータの『愛の妙薬』のイケ面ドゥルカマーラのDVDを観てシュロットに興味を持ったのに、一昨年のMET引越公演『ドン・ジョヴァンニ』で生で聴いてから、熱が冷めてしまいました…
その時の自分の日記を読むと、声量十分、レガートきれい、レチタティーヴォ上手、でも息継ぎが耳につく、歌唱にムラがあるetc. 書いてあります。
でも、将来に期待-と好意的に締めたのに、結局がつん!とくるものがなかったんでしょうかねえ。
今後よい方向に伸びていってくれて、縁があったら、また追っかけるかも…そのためにも、私ももっとアンテナ張らなくては、と思いました。

あの時のドン・ジョヴァンニとドンナ・アンナが私生活でもカップリングとは、吃驚!でした。
by なつ (2008-07-27 02:00) 

euridice

>マチェラータの『愛の妙薬』のイケ面ドゥルカマーラ
そういえば、そうでした・・すっかり忘れてました・・

>くらぁ〜い歌声が
なんだかぼわぁ〜〜んとした録音悪いんじゃないのぉ?みたいな・・
ほんとに、あれれ、あらら、何?って感じ。
どうなっちゃってんでしょうか???
by euridice (2008-07-27 05:50) 

サンフランシスコ人

「 バス歌手のアリア集が、どれほど売れるものか見当もつきませんが....」

アメリカでは売れません。
by サンフランシスコ人 (2008-07-27 08:19) 

hasida

>魅力を感じるオペラ歌手
今週見つけた中では、1963年収録の「ダントンの死」のヴェヒターが私にはめちゃめちゃ格好よかったのですが、女性の耳と目にはどうなのかな、と思っておりました。
by hasida (2008-07-27 20:36) 

keyaki

なつさん、 euridiceさん
やっぱり、変ですよね。それに、あえてフランス語版を選んだのも理解に苦しみます。
私も、コメディーっぽい役のほうが、うまいと思うんですけど。ドゥルカマーラはよかったですよね。本人もドン・ジョヴァンニよりレポレッロが好き!とインタビューで語ってますし。

>今後よい方向に伸びていってくれて、縁があったら、また追っかけるかも…
そう、私もライモンディと共演したレポレッロの評価が高かったし、イケ面ドゥルカマーラとか、ボチェッリのボエームでも、ボチェッリはよくなかったけど、シュロットのコリーネがよかったとかで、とても期待してたんですけど....今後、どうするんだろう....

バス歌手のアリア集をわざわざ録音するというのもレコード会社の悪あがきみたいですよ。今までのアリア集というのは、全曲録音のバスのアリアの部分を抜き出して、1枚のCDにまとめたベスト・セレクションとかの形で発売するとか、コンサートのライブをCDで発売するとかが普通なんで、こういう形でわざわざ録音しているのってあったかしら。オペラのアリアではなくて、歌曲とか、ポップス、カンツォーネとかはありますけど。

by keyaki (2008-07-28 08:42) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
そうですよね。私もそう思います。
by keyaki (2008-07-28 08:44) 

keyaki

hasidaさん
ヴェヒターって、エーベルハルト・ヴェヒターのことですよね。
ヴェヒターはかっこいいですよ。今ならヴェヒターさま〜なんて言われてるはずです。
ライモンディと《ドン・カルロ》とか《シモン・ボッカネグラ》で共演していますが、二人とも舞台での存在感は抜群でしょう。映像が残ってないのが残念です。

>1963年収録の「ダントンの死」
なにそれ?って感じで、ぜんぜん知りません。検索でG. V. Einem作曲 dantons todというのをつきとめました。

>今週見つけた中では
ということは、あそこにあるということですね。
さっそく見てみなくては。
by keyaki (2008-07-28 09:11) 

hasida

>ヴェヒターはかっこいいですよ。
と、断言してくださって、私が安心しました。#55719です。
DVDになっているアイゼンシュタイン(こうもり)より23才若いヴェヒターです。
by hasida (2008-07-28 21:45) 

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