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訃報:カルロ・フェリーチェ・チラーリオ(1915.2.7〜2007.12.13) [訃報]

 指揮者のカルロ・フェリーチェ・チラーリオが、12月13日に亡くなりました。享年92歳、ご冥福をお祈りします。 チラーリオは、2003年3月に引退して、故郷のボローニャ近郊のカステル・サン・ピエトロ・テルメで余生をおくっていたそうです。
Castel San Pietro Termeのサイトの訃報
■略歴
 1915年2月7日、アルゼンチンのサンラファエルでイタリア人の両親のもとに生まれた。幼い頃からヴァイオリンを習い神童といわれるほどだった。後に、両親と共にボローニャに移る。(ボローニャ出身のイタリア人指揮者とかかれているものもあります)
 ボローニャ音楽院で、ヴァイオリンと作曲を学び、はじめはヴァイオリンのソリストとして音楽活動をはじめ、国際的に活躍していたが、サッカーで手首を骨折したのをきっかけに、指揮の勉強に専念し、1942年にオデッサで《セビリアの理髪師》を振って指揮者としてデビュー。第二次世界大戦後は、ヨーロッパ各地、北米、南米、オーストラリアの多くの主要歌劇場でオペラ公演を行い、録音も多く残している。近年の「ドニゼッティ・ルネサンス」にも寄与した。ボローニャ室内楽団(Orchestra da Camera di Bologna)、ミラノ・アンジェリクム室内合奏団(Orchestra dell'Angelicum di Milano)の首席指揮者、また、長年シドニーのオーストラリアオペラの首席客演指揮者と芸術顧問を務め、貢献した。
余談ですが、ウィーン国立歌劇場の次期音楽監督に決まっているフランツ・ウェルザー=メスト Franz Welser-Möst(1960.8.16生) も最初はヴァイオリニスト志望だったが交通事故(18才)で重症を負い、指揮に転向したんですよね。

■モンセラート・カバリエとのエピソード
1965年4月、カーネギーホールでの演奏会形式の《ルクレツィア・ボルジア》にマリリン・ホーンの代役にとオファーがきたものの、どうしようかと迷っていたカバリエに、「あなたは、ベルカントを歌うために生まれてきたようなものだ。ピッタリの仕事だ。」と躊躇していた彼女を説得したということです。これによって、カバリエは世界的歌手として活躍するようになります。

■ルッジェーロ・ライモンディとの共演
♪《ノルマ》1972年 ロンドンフィルハーモニック管弦楽団 スタジオ録音 CD
 カバリエ、コッソット、ドミンゴ、RR 詳細
♪《ノルマ》1973年3月9,13日 メトロポリタン歌劇場

 カバリエ、コッソット、ドミンゴ、コッスッタ、RR キャスト詳細


↑コヴェントガーデン、1964年カルロ・フェリーチェ・チラーリオ指揮《トスカ》
1964年1月21日から2月にかけてフランコ・ゼッフィレッリの新演出でカラスはトスカを6回歌い、2月9日にBBCが第2幕だけをテレビ放映しました。上の写真でカラスと抱き合っているのは、ゼッフィレッリ。右端がチラーリオ。カヴァラドッシはレナート・チオニ(写真左)、写真には写っていませんが、スカルピアはティト・ゴッビでした。この映像は、発売されていますので、ご覧になっている方も多いと思います。
関連記事:
《ノルマ》オロヴェーゾ:中くらいの役(5) チラーリオ指揮のノルマの音声ファイル
モンセラート・カバリエとのエピソード


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コメント 7

Sasha

そっかぁそーかぁそーだったのねぇ...
カバリエがソレでブレークした件も有名だし、カラスのその映像も、いちおう持ってます。が、その両者の指揮者が同一人物だったとは、今初めて知りました。

つい数日ぐらい前、わたしのひいきの現役ソプラノさん(ディミトラ・テオドッシュウ)が初役でボルジア役に挑戦して、好評だったみたいなんですよ。

カルロ・フェリーチェ・チラーリオ氏の業績に敬意を表し、ご冥福をお祈りします。
by Sasha (2007-12-22 22:14) 

keyaki

Sashasさん
ちょうどチラーリオの指揮で歌っている最中にこのルクレツィア・ボルジアのオファーが舞い込んできたんですよね。
こういうチャンスって後から見ると、いろんなラッキーなことが重なっているんですね。代役といっても急なものではなくて、ホーンの出産のためだったんで、練習期間もあったということもラッキー!ですものね。

>ルクレツィア・ボルジア
テオドッシュウ、初役ですか...上演の機会の少ないオペラですけど、テオドシューって、そんなに若くないですよね,と思ったけど、彼女のHPは1999 年からしか書いてない...けどデビューとも書いてないし...オペラ歌手辞典のようなものにも出てないから、若いってことかしら...30そこそこには見えないけど.....おいくつかしら.....
by keyaki (2007-12-24 09:41) 

Bowles

テオドッシュウは1965年生まれですから、現在42歳ですね。

Sashaさん、そのルクレツィアですが...。

http://parsifal79.blogspot.com/2007/12/dimitra-in-trouble.html
by Bowles (2007-12-24 17:08) 

keyaki

Bowlesさん、ありがとうございます。40前後ではないかと思っていましたが、当たってましたか。

パルジファルさんは、テオドッシュウの記事が充実してますよね、同国人ですから。私も時々覗いてます。
おぉ、なかなか面白い、さすがイタリア、最後の着地にちょっと失敗、すかさずブー、対抗してブラーヴァ、シー....疲れてんじゃん...とか....最後ですから、やっぱり疲れますよね。
私は、ドン・アルフォンソとの二重唱を聞いてみたい!です。
by keyaki (2007-12-24 18:28) 

Sasha

Bowlesさん、情報ありがとうございます。たいへんありがたいです。
keyakiさん、みなさん
本業が多忙で裏をとっている時間もないのに伝聞情報をついそのまま信用してしまいました。いくら気楽な掲示板とはいえ、無責任なことを書いてはいけませんね。ごめんなさい。m(__)m 
by Sasha (2007-12-25 11:43) 

keyaki

Sashaさん、
>伝聞情報
って、
>好評だったみたいなんですよ
これのことかしら....実際に聞いた方がよかったと思ったんだし、ブラーヴァも拍手もあるんだし、好評って言ってもいいんじゃないかなぁ。
伝聞情報じゃない情報は、なかなかないわけだし、伝聞も重要ですよ。
私なんか伝聞だけでいろいろ書いちゃってますし....そんなこと気にしていたら、なんにも言えないじゃないですか.....
ぜんぜん、無責任とかってレベルの話しではないですよ。気楽にいきましょう!

これってベルガモ音楽祭なんですね。ルクレツィア・ボルジアは2回だけだったんですね。公演数が少なすぎですね。
テオドシューは、他のキャストより抜きん出てたし、部分的にはいろいろあっても、全体的に見れば充分満足できるものだった、というコメントもありましたですよ。
by keyaki (2007-12-25 20:53) 

Sasha

keyakiさん、フォローありがとうございます。(^^ まあ、たしかに、あまりおおげさに考えることもないですね。ただ、ま、やはり音楽というのは自分の耳がすべてなんだなぁ、とちょっと反省もしたしだいです。
by Sasha (2007-12-26 11:09) 

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