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1989年メト《 ドン・カルロ》他-7-★☆むごい運命よ(呪われし美貌) [ドン・カルロ]

1989年メト《 ドン・カルロ》録音入手記念記事 その7
3幕1場(4幕1場/5幕もの):フィリッポII世の書斎
■エリザベッタが駆け込んでくる

♪音声ファイル(1)
エリザベッタが宝石箱が盗まれた....と駆け込んできます。フィリッポは、これかな...と机の上の宝石箱を見せ、それをこじ開けます。そこにはカルロの肖像画が大事にしまってあるではないですか....なんということを、まさか息子のカルロと....。エリザベッタは困惑するものの、毅然とした態度で、身の潔白を主張します。しかし、フィリッポは、なんとそらぞらしい、恥知らずめ!と怒りに震えるフィリッポ。私は間違ったことはしていません....。不貞の妻が何を言うか!あまりの言葉にエリザベッタは気を失います。あわてて助けを呼びます。エボリが駆けつけ、気絶した王妃を見て、大変なことをしてしまった...と後悔します。実は、宝石箱を盗み、あらぬ不貞を告げ口したのは嫉妬に狂ったエボリだったのです。陛下!世界のなかばを支配するあなたが、ご自分を抑えることができないのですか? とロドリーゴ。

■それぞれの心境と決意:四重唱
♪音声ファイル(2)
呪われよ、恥ずべき疑惑の心....とフィリッポ。おお!胸が痛む、苦い悲しみ! 気高い王妃を裏切った....とエボリ。時は迫った、スペインのために一人の男が喜んで死のう!...とロドリーゴ。われにかえったエリザベッタは、ここはどこ? あぁ、この悲しみと苦しみ、お母様、故郷を離れてここは異国!....フィリッポ退場、ロドリーゴもあとを追って退場。エボリとエリザベッタだけが残る。

■エボリの告白
エボリは、すべてをエリザベッタに打ち明けます。宝石箱を盗んだこと、告げ口のこと、それはカルロを愛してていたのに、彼が私のことを見向きもしなかったから、嫉妬に狂って....そして、フィリッポに誘惑されたとはいえ不義の関係であったこと告白します。エリザベッタは、修道院に入るか、国を出るかどちらかになさい!とエボリに申し渡して部屋を出て行きます。

♪音声ファイル(3)
■エボリのアリア「むごい運命よ(呪われし美貌)」
嫉妬と愚行に駆り立てた美貌を呪い、修道院に入り懺悔の生活を送ることを決意、その前に、明日にも処刑されるかもしれない愛するカルロを救い出す、きっと助けてみせます! と誓うのでした。
この「呪われし美貌」、すごい内容の歌ですよね。メゾの歌としては、異例の幅広い音域(最高音do♭=Si)とドラマティックな表現力が要求されます。
★参考Don Carlo 楽譜

★1989年NYメト:レヴァイン指揮;Shicoff,M.Price,Weikl,Troyanos,RR
♪音声ファイル(1):Giustizia! o Sire!
 M.プライス、R.ライモンディ
音声ファイル(2):四重唱 Ah! si maledetto, sospetto fatale
 RR、トロヤヌス、ヴァイクル、M.プライス
音声ファイル(3):O don fatale, o don crudel!
 タチアナ・トロヤヌス

★1979年Wiener Staatsopernorchester / Don Carlo - Premiere
♪音声ファイル(1):Giustizia! o Sire!
 フレーニ、R.ライモンディ
♪音声ファイル(2):四重唱 Ah! si maledetto, sospetto fatale
 RR、バルツァ、カップチッリ,フレーニ
♪音声ファイル(3):O don fatale, o don crudel!
  アグネス・バルツァ

もうひとつおまけ!
★2006年メト、レヴァイン指揮:
♪音声ファイル(3):O don fatale, o don crudel!
 オリガ・ボロディナ
ボロディナが、半音下げて歌っています。めずらしいのではないかと思いますが.....どうでしょう。


参考:
フィリッポII(ドン・カルロ)主な公演 1968ー2003
ヴェルディ:ドン・カルロ録音

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コメント 4

Sardanapalus

>陛下!世界のなかばを支配するあなたが、ご自分を抑えることができないのですか?
このロドリーゴの台詞、シラーの原作での2人の関係を髣髴とさせるので大好きです。ここを上手に歌って(語って?)くれると惚れちゃいます(^^)

>半音下げて歌っています
半音下がるだけで印象が違うものですね!私は無理してキイキイと高音を出すよりは、移調してばっちり歌って欲しい派なのでそれなりに楽しみましたが、ちょとオバサンっぽいかも…。ボロディナの声質のせいかしら?
by Sardanapalus (2007-12-16 12:24) 

keyaki

Sardanapalusさん、《 ドン・カルロ》なかなか終りません。やっぱり奥の深い大作ですね。

半音下げは、観客にとってはどっちでもお好きになんですが、歌手にとっては重大問題でしょうね。
全体的な移調も、そのときの気分でもOKなのかなぁ...歌手が指揮者に今日は下げて歌うってサインを出せば、プロのオーケストラだと楽譜がなくても半音下げて弾くくらいお茶の子さいさいなのかしら....
エボリ姫のこのアリア、半音下げると、なんか妙に落ち着き払って、ドラマティックに真に迫ってくるものが薄れるようなかんじかな、バルツァのカルロを助けなきゃ、殺される!と最後は息も絶え絶え、音程ぶら下がり気味かもしれないけど、真に迫っていると言えなくもないし。
今まで気づいてなかった、ということはどっちでもいいってことなんでしょうけど。
この2006年のメトの《ドン・カルロ》は、パペ(フィリッポ)の歌い回しが、田中邦衛(俳優)が喋ってるみたいですし、レイミーの大審問官は、いくらなんでもというくらいのひどい揺れだし、レヴァインのテンポはやけに早いんですけど、聞いていてイライラするんです。でも、ボロディナは、いいって評判だしと思って、再度聞いてみて、他のと違うな、と楽譜を見ながらキーボード(鍵盤)を叩いちゃいました。自分の耳では分かりませんので。
by keyaki (2007-12-16 14:53) 

モンテカルロのこの美しいエリザベッタはグリャコヴァですか?
keyakiさんのドン・カルロ特集、楽しみに読んでいます^^
by (2007-12-16 22:25) 

keyaki

りょーさんも《ドン・カルロ》は、相当好きですよね。ウィーンでも素晴しい舞台を堪能しましたしね。
ちょっと検索したら、2年前にりょーさんやSardanapalusさんの《ドン・カルロ》祭り...の記事がヒットしました。コメントも私を含めていろいろ書いてあって、懐かしかったです。

>モンテカルロのこの美しいエリザベッタはグリャコヴァですか?
そうです。りょーさんが見に行ったウィーンのも彼女でしたよね。エボリもディンティーノだったんですよ。写真しかないのが残念ですけど。
by keyaki (2007-12-16 23:25) 

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