1989年メト《 ドン・カルロ》他-6-★☆フィリッポのアリア〜大審問官との問答 [ドン・カルロ]
↑三者三様フィリッポのVideoClip |
いよいよ、というかやっと、バス歌手になったからには一度は歌ってみたいというアリア「王妃は、私をもう愛していない....」のある場面、3幕(4幕/5幕もの)です。
オーストリアの音楽評論家カール・レーブル Karl Löblのクラシック音楽番組でフィリッポ歌いとして実力、人気のある3人の歌手を紹介しています。このVideoClipは、前にも紹介しましたが、それぞれ個性があって、なかなか面白い試みなので、再度アップします。
恐らく、1989年ウィーン国立歌劇場で、久々にアバド指揮、ピッツィの新演出で《 ドン・カルロ》が上演されるので企画された番組ではないかと思います。ウィーンでは1982年以来、7年ぶり上演です。ライモンディは、新演出のものですが、あとのネステレンコとギャウロフは、1982年のカラヤン演出のものです。
3幕1場(4幕1場/5幕もの):フィリッポII世の書斎
■フィリッポのアリア
一人もの思いに沈むフィリッポ。専制君主として絶大な権力をふるうフィリッポも、ひとりの人間としては、妻の愛を得ることができず、息子にも背かれた不幸な男だった。その苦悩と悲しみ、孤独をつぶやく、フィリッポ唯一のソロ。
★参考Don Carlo 楽譜
♪音声ファイル:1989年レヴァイン指揮メト:"Ella giammai m'amò!"
ルッジェーロ・ライモンディ
♪音声ファイル:2006年レヴァイン指揮メト:"Ella giammai m'amò!"
ルネ・パペ
関連記事:メトの《ドン・カルロ》新旧 (パペのフィリッポ)
■大審問官登場:
バス同士の劇的な二重唱。二大権力、絶対王権と教会の法権の対決。
フィリッポは、カルロをどうしたものか相談するために、大審問官を書斎に呼びます。国王の権威に反逆したカルロをこのまま見逃すか、断罪するか.....父が息子を殺すことを教会が許すのか....を尋ねるのですが、大審問官は、カルロの処刑も是認するし、その上、ロドリゴも罰っせよと要求します。そんなことはできないとはねつけますが、そうしなければ、国王自身が宗教裁判の場に立たされるのですぞ! と脅され同意せざるを得ない立場においこまれます。大審問官が立ち去った後、「王の誇りも坊主の誇りには歯が立たぬわ!」とフィリッポは悔しがるのでした。
♪フィリッポのアリア〜大審問官との問答のビデオクリップ→1988年バルセロナ
大審問官はハラルド・シュタム
♪音声ファイル:1978年カラヤン指揮:大審問官 ライモンディ
ギャウロフとルッジェーロ・ライモンディ
ライモンディは、舞台ではフィリッポ専門ですが、カラヤンとの録音では大審問官を歌っています。
※ヴェルディのオペラで、バスふたりの二重唱は《ルイザ・ミラー》のヴァルター伯爵とヴルムの二重唱の前例があるが、フィリッポと大審問官の二大権力の対決は、特に劇的で迫力にあふれ音楽面でもユニークな魅力をもっている。
参考:
フィリッポII(ドン・カルロ)主な公演 1968ー2003
ヴェルディ:ドン・カルロ録音
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1989年メト《 ドン・カルロ》-1-★☆Mp3カルロ&ロドリーゴ
《ドン・カルロ》フィリッポII世の映像 VidoClip
オペラ歌手のオペラ演出:R.ライモンディの場合(4)の1《ドン・カルロ》
オペラ歌手のオペラ演出:R.ライモンディの場合(4)の2《ドン・カルロ》
フィリッポ2世《ドン・カルロ》
フィリップ二世-Ruggero Raimondi Mensch ミュンヘン、RRのフィリッポ
待ってました!やっとフィリッポのアリア登場ですね。
ライモンディ素晴らしいですね!!
全休のところとか、終結部なんか鳥肌ものです。
フィリッポと大審問官の対決は名場面だとよく言われますが、
今一つ魅力が分からなかったりするんですけどね…。
by ふくきち (2007-12-14 00:40)
ふくきちさん、お待たせしました!
前の華やかな場面から一転、前奏のチェロのソロから聞くとよりいっそう、フィリッポの孤独が浮かび上がるのですが、長いのでここではカットしてアップしました。
ここは、チェロと同じようにビロードのように柔らかい声で歌って欲しい独白です。
>フィリッポと大審問官の対決
これは、内容的にすさまじいですから、その緊迫感でしょうか。
by keyaki (2007-12-14 10:41)