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1989年メト《 ドン・カルロ》他-5-★☆MP3 Autodafè 1979年カラヤン指揮 [ドン・カルロ]

1989年メト《 ドン・カルロ》録音入手記念記事 その5
2幕2場(3幕2場/5幕もの):壮大かつ最も劇的な場面。演出はなかなか難しいようです。
■大フィナーレ:Autodafèの場(異端者火刑の場)
マドリッド中心部にあるアトーチャ聖母大寺院前の広場、中央には、異端者処刑のための火刑台が作られている。


↑VieoClip:フランドルの使節の直訴に怒るフィリッポ

♪音声ファイル(1)
群衆の中を修道僧たちが、死刑を宣告された異端者たちを引きつれ、暗い不気味な葬送行進曲風の音楽にのって登場。つづいて王妃を先頭に廷臣たちの行列。

♪音声ファイル(2)
王家の伝令(テノール)の布告。やがてきらびやかな王冠をいただいて威厳をただした国王が歓声に迎えられて姿をあらわし、「みなの者よ、この王冠を与え給う神に誓いを立てた、これにそむく者には剣と焔の復讐を!」と。一同、ひれ伏す。国王は聖堂の階段を降り、エリザベッタの手をとり行進を続けます。

♪音声ファイル(3)
そこに、フランドルの使節がカルロの先導で姿を現し、国王の足もとにひれ伏す。あなたの息子がフランドルの使節を連れてきました...とカルロ。6人(バス)のフランドルの使節は、祖国の窮状を直訴、自由を嘆願します。
国王は、訴えを退け、この反逆者どもを逮捕せよ!と衛兵に命じ、そのまま行進しようとします。

♪音声ファイル(4)
しかし、「フランドルとブラバントの地を私にお譲り下さい....」とカルロが国王の前に立ちふさがり、「神も照覧あれ、君らを救うぞ、高潔なフランドルの民よ!」と剣を抜きます。王子ご乱心!と一同はいっせいに驚きの声をあげます。フィリッポは動揺を隠し、冷然として、王子の剣を取り上げよ!取り押さえろ!と命じますが、誰一人動こうとしません。何と!誰も出ないのか!皆しりごみして動こうとしません。その時、カルロの身を案じたロドリーゴは、カルロの前に進み出て、剣を渡すように促します。カルロもおとなしく従い、ロドリーゴに剣を渡し、ロドリーゴはその剣を国王に差し出します(友情のモチーフ)。彼の勇気ある行為に、国王は即座にロドリーゴを公爵に昇進させることを宣言します。(カルロは、反逆罪で逮捕され牢獄に入れられます)
 国王と王妃、お付の者たち一同は火刑台の見物席に着席。火刑台の炎は強くなり、そこに天から来世の平和を約束する声(舞台裏のソプラノ独唱)が響きわたり、処刑される人々の魂を慰めるが、群衆は燃えさかる火に熱狂するのでした。幕。

参考:♪VideoClip→1989年ウィーンのAutodafèの場のビデオクリップがほんのちょっと見られます。この年がプレミエでしたが、今でもこの演出で上演しているようです。
★参考Don Carlo 楽譜

★1989年NYメト:レヴァイン指揮;Shicoff,M.Price,Weikl,Troyanos,RR
♪音声ファイル(1):行列

♪音声ファイル(2):国王フィリッポ登場

 王の伝令:チャールズ・アンソニー
♪音声ファイル(3):フランドルの使者直訴

♪音声ファイル(4):カルロ抜刀
 天の声:ヘイ=キュン・ホン

★1979年Wiener Staatsopernorchester / Don Carlo - Premiere
♪音声ファイル(1):行列

♪音声ファイル(2):国王フィリッポ登場

 王の伝令:トーマス・モーザー
♪音声ファイル(3):フランドルの使者直訴

♪音声ファイル(4):カルロ抜刀
 天の声:エディタ・グルベローヴァ
Date: 6.May.1979 (11,20)
Wiener Staatsopernorchester, Orchester
Wien Hall: Staatsoper
Konzertvereinigung Wiener Staatsopernchor, Chor

Ruggero Raimondi, Philipp II
José Carreras, Don Carlos
Piero Cappucilli, Marquis von Posa
Matti Salminen, Der Großinquisitor des Königreichs
Luigi Roni, Ein Mönch (Karl V)
Mirella Freni, Elisabeth von Valois
Agnes Baltsa, Prinzessin Eboli
Marjon Lambriks, Tebaldo
Renate Loucky, Gräfin von Aremberg
Ewald Aichberger, Graf von Lerma
Thomas Moser, Ein königlicher Herold
Edita Gruberova, Eine Stimme von oben
Walter Fink, 1. flandrische Deputierte
Sergei Kopcak, 2. flandrische Deputierte
Rudolf Kostas, 3. flandrische Deputierte
Alfred Sramek, 4. flandrische Deputierte
Chigusa Tomita, 5. flandrische Deputierte
Peter Weber, 6. flandrische Deputierte
Helga Indra, Duena

Herbert von Karajan, Dirigent und Inszenierung
Günther Schneider-Siemssen, Bühnenbild
Georges Wakhevitch, Kostüme
Hans Langer, Technische Einrichtung
Robert Stangl, Beleuchtung
Helmut Froschauer, Chordirektor

 1976年ウィーン国立歌劇場のインテンダントに就任したエゴン・ゼーフェルナーは、長年の懸案であったカラヤンの復帰を実現させた。77年5月、実に13年振りのことであった。その後1981年まで、毎年5月に「カラヤン・フェスティヴァル(カラヤンスタジオーネ)」と称する公演がが行われたが、3年目の1979年には、《 ドン・カルロ》がプレミエになった。
 カラヤン演出のザルツブルグのプロダクションをウィーンに持ってきたもので、舞台が極端に横長の祝祭大劇場用に作ったシュナイダー=シームセンの装置をウィーンにあわせて、両端を切ってしまったので、場面によってはバランスのおかしなところがある。異端者火刑のシーンではバンダを二手に分けステレオ効果を出し、分厚い合唱とともにドラマを盛り上げる。ただ、囚人を火の上でもだえさせるのはやりすぎで、趣味が悪いという声が専らであった。『ウィーン国立歌劇場 オペラの殿堂』より抜粋
参考:
フィリッポII(ドン・カルロ)主な公演 1968ー2003
ヴェルディ:ドン・カルロ録音

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フィリップ二世-Ruggero Raimondi Mensch ミュンヘン、RRのフィリッポ


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コメント 2

euridice

刺激的な場面をどう見せるかは、異論があるところですね・・;
あまりにも直接的、写実的だと、気分が悪くなりますが、
意味不明で扇情的なエログロは論外として、
人間の醜さや被害者の悲惨さを強調したい、直視させたい
という演出する側の気持ちもわからないではないです。
高みの見物で現実逃避するばかりの観客という立場に対する
引け目みたいなものもありますし・・
by euridice (2007-11-29 08:03) 

keyaki

この場面は、伝統的演出でも、なかなか難しいんですね。
カラヤンの演出でさえ
>火の上でもだえさせるのはやりすぎ
なんて言われたんですから....

今は、やりたい放題、
>扇情的なエログロ
でさえ受け入れる観客が増えているような感じがします。
by keyaki (2007-11-30 02:54) 

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