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ポネル演出《フィガロの結婚》4幕★☆VideoClip(9)(10) [フィガロの結婚]

 ポネル演出《フィガロの結婚》3幕の続き、いよいよ、やっと最終幕です。
スザンナに裏切られたと思い込んでいるフィガロ、女を信用するとバカを見るんだ、と嘆き、続いてのアリア「世の男たちよ、眼を開け...」と歌いはじめると、ポネルは、客席を明るくします。観客もフィガロの説教を神妙に聞かされているようで、傑作です。そして、すったもんだの長い一日は、ハッピーエンドで終ります。
 この公演はクリスマス前から新年にかけての公演ですから、辛気くさい演出はお呼びじゃないですね。人生先のことはわかりませんが、この《フィガロの結婚》の一日は、最後の歌詞にもあるように「苦しみと悩み、出来心とバカげたおこないで過ぎた一日、こうして満足と喜びに終ったのは、すべて愛の力です....」ということでいいんじゃないですか。

↓♪QuickTime7以上が必要です(期間限定)
 

第4幕:夜の城内の庭園
4幕1場:
バルバリーナがピンをさがしている。みつからない、どうしよう、スザンナや伯爵様に叱られるわ、どうしよう...短いながらピンをなくしたにしてはちと大袈裟な歌ですが、このピン、フィガロとスザンナ、伯爵と伯爵夫人を繋いでいたピン、愛とか信頼を象徴しているのでしょうか....。
※新国ホモキ演出では、バルバリーナが伯爵にレイプ(いきなりかい!の早業)されて、この歌を歌うような演出になっています。これでは、失ったものが、はぁ〜ですし、この年代の少女がレイプされたとしたら、そのあとケロッとして、ケルビーノにお弁当を届けに行くでしょうか(あり得ない)、それに伯爵は、プレイボーイで、女を追いかけ回していますが、レイプをするほどのげす野郎ではないでしょう。レイプでことを済ませようとする人間であれば、スザンナにだって同じことをするんじゃないですか。ここの演出に感心する向きが多いのですが、私は嫌いです。こういう演出では、ライモンディに伯爵をやって欲しくないのが本音ですけど。(笑
4幕2場:マルチェッリーナとフィガロ登場
どうしたんだ、とバルバリーナに声をかける。フィガロはピンを見つけるふりをしてマルチェッリーナの服のピンをバルナリーナに渡す。誰に届けるのか聞くと、殿様がスザンナにこのピンを「松の木の封印だ」って、誰にも見つからないように渡すようにおっしゃったの、だから内緒にしてね....といまからケルビーノの所に行くのだと走っていってしまう。
4幕3場:
スザンナが伯爵と密会すると知ったフィガロは、母のマルチェッリーナに、死にたい...と泣き言をいい、なぐさめられる。しかし、フィガロは、復讐してやる、と息巻いて退場。
4幕4場:
マルチェッリーナは、スザンナがそんなことをするはずがない、なにかの間違いにちがいないから、知らせなければと退場。
※ここで歌われるマルチェッリーナのアリア「牝のヤギと牡のヤギはいつも仲良い...でも人間の世界では、女は横暴な男に騙され,押さえつけられる...」は、カットされることが多いが、この公演でもカットされている。
4幕5場:
バルバリーナは、果物とビスケットを持って、園亭に隠れているケルビーノに会いにやってくる。
4幕6場:フィガロは、密会の現場をとりおさえようとバジリオとバルトロにを呼んで来て加勢をたのんで、フィガロは退場。
4幕7場:
バジリオとバルトロは、おかしなことになったと話す。
※ここで歌われるバジリオの長いアリアはカットされることが多いが、この公演でもカットされている。
4幕8場:再び、ランプを手にフィガロ登場♪VideoClip(9)
「世の男たちよ、眼を開け、女にだまされてはいけない...」と歌って立ち去る。
4幕9場:衣裳を交換したスザンナと夫人、それにマルチェッリーナ登場
フィガロがそろそろ現れるようです....とスザンナ、マルチェッリーナは、あずまやに隠れましょう...夫人は、寒いから部屋に戻っているわ.....と立ち去る。
4幕10場:スザンナのアリア
スザンナは、フィガロが立ち聞きしていることに気づいて、からかって歌う
4幕11場:
フィガロは大いに怒る。ケルビーノが出てきてスザンナに変装している伯爵夫人を見つけてからかう。
4幕12場:伯爵登場
夫人をスザンナだと思い込み、甘い言葉をかけて、指輪を贈る。
4幕13場:
フィガロは、スザンナを伯爵夫人だと思っているが、声を聞いてスザンナだということがわかり、ふざけて「おしたいしています....」 スザンナは怒って正体を現す。
4幕14場:
伯爵が出てきたので、スザンナは夫人のふりをして、フィガロに私はあなたのものよ...と一緒に園亭に入って行く。伯爵は、吃驚仰天、皆のもの出会え、と大騒ぎ。
4幕15場:
その声で、バジリオ,バルトロ、クルツィオ、アントニオが、松明を手になにごとかと集まってくる。
伯爵は、不義者め、出てこい!とさっきフィガロと夫人(実はスザンナ)が入っていった園亭の扉を開ける。中から、ケルビーノとバルバリーナ、フィガロと夫人(実はスザンナ)が出て来て、みんなで、お許し下さい、と懇願するが、断じて許さん、と強気の伯爵。
♪VideoClip(10)
そこに反対側の園亭から本物の夫人が出てきて、この人たちのために私がお許しを願ってみましょう....伯爵は、自分が誤解していたことに気づき、平身低頭。夫人は、私はあなたより素直ですから許します....全員で、あぁ、よかった!さあ、みんなで宴会に行きましょう...と、歓びの合唱で幕。
Figaro:Ruggero Raimondi
Susanna:Kathleen Battle
Count Almaviva:Thomas Allen
Countess Almaviva:Carol Vaness
Cherubino:Frederica von Stade
Dr. Bartolo:Artur Korn
Marcellina:Jocelyne Taillon
Don Basilio:Michel Sénéchal
Antonio:James Courtney
Barbarina:Dawn Upshaw
Don Curzio:Anthony Laciura
Conductor:James Levine
Production/Designer:
   Jean-Pierre Ponnelle
★メトデータベース
1985年11月22,25,28日
12月4,7,10,14,27,30日
1986年1月2日
全10公演、12月14日TV収録

関連記事:
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ポネル演出《フィガロの結婚》1幕1場・2場★☆VideoClip(1)(2)

《フィガロの結婚》公演記録
《フィガロ×伯爵》《ドン・ジョヴァンニ×レポレッロ》
モーツァルト《フィガロの結婚》フィガロと伯爵
追記)「フィガロの結婚」のフィガロ役と伯爵役
Mozart「フィガロの結婚」のフィガロと伯爵
ジュネーヴ大劇場公演記録1983年《フィガロの結婚》で念願の伯爵を歌った
《フィガロの結婚》公演記録
元祖!ジョナサン・ミラー演出《フィガロの結婚》その4VideoClip日本語字幕付き
元祖!ジョナサン・ミラー演出《フィガロの結婚》その3VideoClip日本語字幕付き
元祖!ジョナサン・ミラー演出《フィガロの結婚》その2VideoClip日本語字幕付き
元祖!ジョナサン・ミラー演出《フィガロの結婚》その1VideoClip日本語字幕付き


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ふくきち

フィガロのアリアで客席が明るくなるっていうの、いいですね。そういう工夫、ちゃんと台本に基づいた工夫がいいですよね~。

カットされることが多いマルチェッリーナ、バジリオのアリアは、歌の内容がよく分からない!
by ふくきち (2007-11-03 01:23) 

keyaki

ふくきち さん、ぱぁーっと客席が明るくなると、いずまいを正している人もいたりして、やっぱり、あれれっという感じなんでしょうね。
最後の人が入り乱れてややこしいところも、真ん中に松の木、左右に園亭の扉があって、舞台がト書き通りにつくられているので、よくわかります。
>マルチェッリーナ、バジリオのアリア
スタジオ録音ならともかく舞台では、カットが普通ですよね。
by keyaki (2007-11-03 20:17) 

彩

やっとビデオクリップ楽しめました~。
やっぱり一度も見たこと無いオペラで英語字幕は辛かったので、日本語字幕つきのを通しで見て、改めて見せていただいた次第。
当たり前ですが、筋と歌詞が頭に入ってる方が断然楽しいですね。
当初は同じポネル演出の映画版を見るつもりが、最近偶然YouTubeで見たガーディナー指揮のドン・ジョヴァンニがえらい気に入ってしまったので、同じ指揮者ので見ることに。
スザンナがめちゃくちゃ可愛く、バジリオ面白すぎ、ケルビーノもきかん気の男の子の雰囲気が良く出てて、なるほど楽しいオペラなのね♪ と大満足でしたが、伯爵の目つき、怖すぎです・・・(笑)。

1月に「魔笛」「フィガロの結婚」で来日のプラハ国立劇場、予定キャストを眺めてましたら、夏のプラハで記憶に残ったNo.1とNo.2の歌手さんの名前がある!
「魔笛」の方が近場に来るんですが、第一の侍女とパパゲーナよりは伯爵夫人とバルバリーナで聴きたいし、とまたまた遠出決定です。
ダブルキャストなので大博打なのですが(苦笑)、まあバルバリーナは一応シングルキャストなので・・・
by (2007-11-10 12:52) 

keyaki

彩さん,お楽しみいただけてよかったです〜

>プラハ国立劇場
あれぇ、今も来てますよね。
好きな歌手さんが出演とは嬉しいですね。きっと演出も伝統的なもので楽しませてくれると思います。
ホームページの音楽コーナーがますます充実してきますね。
by keyaki (2007-11-11 01:42) 

彩

> あれぇ、今も来てますよね。

プラハって、Národoní divadlo、Státní opera、Stavovské divadloとオペラ上演可能な建物が3つもあるんです。
ナーロドニー=National、スタートニー=State(divadloはtheaterのこと)なんですが、日本語に訳すとどっちも“国”が入るからややこしいですよね。

ネタ本が手元にないのでうろ覚えで書きますが、ナーロドニーはチェコ語の演目を上演する劇場を、とチェコ人が資金を出し合って建てた劇場だそうで(こけら落としはスメタナのオペラ「リブシェ」)、それに対抗してドイツ人が建てたのがスタートニー。そういうわけで、ナーロドニーはチェコオペラ専門、外国オペラをやるのはスタートニー、という風に分かれているそうです。
「椿姫」なんかで来日するのは当然スタートニーの方なわけで、今来てる「国立歌劇場」はこちら。

1月に来る「国立劇場」はナーロドニーの方です。
(いきさつからして訳語はやっぱり「国民劇場」が相応しいと思いますが。)
スタヴォフスケーに専属てものはなく、組織としてはナーロドニーの管理下にあるらしいのですが(夏の公演はナーロドニーとスタートニーの混成でした)、公演案内、なんだかスタヴォフスケーの引越公演のように読めるような・・・(笑)。
ともかく「ドン・ジョヴァンニ」初演の地としてはモーツァルトは別格らしいですね。
まあ、ルサルカやリブシェじゃ外人にはあまり受けないてのもあるでしょうが・・・

どうやられっきとした音楽評論家でも、このあたりをきちんと理解してない人もいるみたいで。ドンジョ・プラハ公演のDVD感想をさっきアップしましたが、最後にネタとして載せさせていただいております(笑)。
by (2007-11-11 23:00) 

keyaki

彩さん、なるほど、勉強になりました。

>音楽評論家でも、このあたりをきちんと理解してない
音楽評論家ではないですが、主催者が、スポレート歌劇場をローマ・イタリア歌劇団なんて、勝手に名前をつけちゃうこともありますしね.....

>ドンジョ・プラハ公演のDVD感想
行かなくては.....
by keyaki (2007-11-12 02:00) 

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