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ヴェルディ《椿姫》=エディット・ピアフ=シェーファー [椿姫]

 6月にパリで上演された《トラヴィアータ》、エディット・ピアフとテオ・サラヴォに置き変えた演出が話題になったものですが、今シーズンの再演を、フランス在住の助六さんが、ご覧になって感想を寄せて下さいました。こちら→ずーっと下のコメントです。
 《トラヴィアータ》は、音声だけではそれほど興味がないし、シェーファーのヴィオレータは、2003年ベルリンの放送をちらっと聞きましたが、好みではなかったので、初演時の放送もパスしましたが、これは、聞いてみたいと思わせるとても興味をくすぐる内容のコメント、『演出優先の「イタリア・オペラ」ではないユニークな《トラヴィアータ》で、荘重かつ陰鬱な、音楽による感動的悲劇』に仕上がっているそうです。映像で見ないと演出の効果はわかりませんが、とりあえず、音だけでも聴いてみたくなったというわけです。演出に合わせたのかテンポもかなりゆっくりめ、繰り返しの有る無しもあったりで簡単には比較できませんが、一覧表を作ってみました。


Verdi:La Traviata テンポ比較
Atto1
Preludio
Dell'Invito
Brindisi
Che e cio
Un di felice
Ebben?
Si ridesta
E strano
Follie
'07Paris
4'00
5'11
(1)3'35
2'39
4'04
1'32
1'46
7'16
(3)5'20
35'23
'03Barenboim
4'42
4'30
3'15
2'16
3'37
3'22

7'18
4'06
33'06
'77Kleiber
3'34
4'35
(2)2'56
2'18
3'06
1'13
1'38
3'37
(4)4'23
26'20
'62votto
4'13
5'23
3'04
2'26
3'10
1'25
1'47
4'26
(5)4'55
29'49
Atto3
Preludio
Annina ...
Teneste ...
Baccanale
Parigi ...
Ah, non piu ...
Ah, Violetta ...
Prendi, ...


3'58
5'34
7'46
0'51
(6)7'12
5'04
1'54
5'20
37'42

8'17

6'10
4'14
5'48
5'09
6'17

35'54

3'36
3'54
3'59
0'45
(7)4'46
3'00
1'43
3'52
25'35

4'01
4'54
4'40
0'49
5'11
3'48
1'57
4'24
29'44
(※繰り返しがある)
★2007Paris:カンブルラン指揮、シェーファー、カウフマン,ヴァン・ダム
★'03Barenboim:ベルリン国立歌劇場:シェーファー、ヴィリャゾン、ハンプソン
★'77Kleiber:バイエルン:コトルバシュ、ドミンゴ、ミルンズ
★'62votto:ミラノ・スカラ座:スコット、G.ライモンディ、バスティアニーニ
音声ファイル、一緒に歌いたい人は→La Traviata楽譜

乾杯の歌 Brindis

 (1)2007年パリ・オペラ座
 iPad/iPhone用mp3:Sylvain Cambreling指揮:乾杯の歌
 (2)1977年バイエルン
 iPad/iPhone用mp3:クライバー指揮:乾杯の歌

1幕フィナーレ:Follie!Delirio vano.....
 (3)2007年パリ・オペラ座
 Pad/iPhone用mp3:TraviataParis2007:Follie
   (4)1977年バイエルン
 iPad/iPhone用mp3:クライバー指揮:Follie
   (5)1962年ミラノ・スカラ座
 iPad/iPhone用mp3:ヴォットー指揮:Follie

3幕:Parigi,o cara...
 (6)2007年パリ・オペラ座
 iPad/iPhone用mp3:Paris2007:Parigi
 (7)1977年バイエルン
 iPad/iPhone用mp3:クライバー指揮:Parigi

★演出と指揮者(テンポ):
ストレーレルが、テンポについて語ってます
 73年ヴェルサイユ宮殿、次いでガルニエで上演された《フィガロの結婚》は大成功を収めた重要な舞台だが、その裏には私と指揮者ショルティとの意見の対立があり、私は、初日にすでに荷物をまとめて帰ろうとしたくらいだ。.......ショルティはかなり後になって稽古に加わった。私はすでに演出の作業を終えていた。歌手たちとも、完全に打ち合わせを済ませていた。彼は、自分がのけ者にされたと感じたのだろう。注文をつけたり、批判したり、テンポを修正しようとした。オーケストラと歌手に大幅なテンポアップを要求した。歌手たちも最初は戸惑っていたが反発しはじめた。私はショルティに言った。「失礼ですが、マエストロ・ショルティ、.....あなたが指示したテンポでピアノ伴奏者と作業を進めた。今、こうして別のテンポでオーケストラの指揮をされると、演出もなにも台無しになってしまう」と。これを聞いて彼は言った。「心配するなストレーレル君。これは私の仕事だ、君には関係ない」と....(Io, Strehler/高田和文訳)
 初日の劇評は、ストレーレルの演出に軍配が上がったそうですが、オペラでの歌手、指揮者、演出家、その時々の力関係でいろいろあるんでしょうね。

★クリスティーネ・シェーファ Christine Schäfer(1965- フランクフルト):
1995年ザルツブルグで《ルル》を歌い注目される。リートや現代音楽で力量を発揮。イタリアオペラでは、《リゴレット》《トラヴィアータ》《ドン・ジョヴァンニ》のドンナ・アンナ、《フィガロの結婚》のケルビーノを歌っている。ヴィオレータやドンナ・アンナと同時期にケルビーノを歌うという異色の歌手とも言える。

ついでの話:
 《椿姫》と《トスカ》は、必ず満席になる...という人気のオペラですが、残念なことに《椿姫》はバスの出番がありません。もちろん脇役はありますけど...お医者さん。
 しかし、ライモンディは、《トラヴィアータ》のジョルジョ・ジェルモン(アルフレードのパパ)を歌うことになっていたんです。2000年の6月、1992年ローマでの再現《トスカ》の二匹目のドジョウを狙ったパリでの再現《トラヴィアータ》、後日NHKでも放送されました。本当に直前の急病で腰がどうのこうので出演できなくなったんです。本人も残念だったでしょうけど、ファンとしてもほんと悔しい! 代役は、ライモンディと親しいローランド・パネライ、当時76才でしたが、苦境をみかねての出演だったのではないかと思います。
 ヴィオレータは、オーディションで選ばれたエチェリ・クヴァザワ、アルフレードは、ホセ・クーラ、CD、DVDでもリリースされています。


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コメント 2

euridice

舞台や映像を見ながらだと、違うのかもしれませんけど、相当いらいらしますねぇ・・ 
それと、
ヨナス・カウフマンて意外におじさんというか分別くさい声なんですよね^^;
バリトンっぽいと言われるようですが、私はそういうのとちょっと違うと思います。もっと声がすっと出てほしいというか。ちょっとこもった感じが・・ちょっと・・ もちろんあくまで私の個人的問題^^?ですけど、容貌と声が一致しない、外見に対して違和感があります。
by euridice (2007-10-21 10:01) 

keyaki

euridiceさん
>おじさんというか分別くさい声
ほんと、これでフェントンかいってなもんですね。チューリヒでライモンディのファルスタッフでフェントン歌ってるんですよね。
カウフマン,私も買ってたんですけど....
DVDとかも見てるし、カルメンもざーっと聞きましたが、なんか違うような....もしかしたら、ドミンゴ指揮のヴェルディレクイエムとか、チューリヒの9月のドン・カルロもキャンセルしたんで、喉にポリープでもできたかしら? 喉になんかひっかかってる感じですものね。
by keyaki (2007-10-21 10:56) 

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