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ファジョーニ演出《ドン・キショット》1幕 [ドン・キショット]

↑写真は、1982年初演の時のRRのドン・キショット
 屋根部屋で騎士物語を読みふけるドン・キショット、次第に妄想の世界へ....続きはビデオクリップでどうぞ。♪↑上の写真をクリックするとビデオクリップのサイトに飛びます
 暗い上、煙幕でほとんど見えませんが、羽ばたくペガサスに乗って,空を舞うドン・キショット、その周りを多数の騎士が囲みます。この部分の音楽は、5幕への短い前奏曲を用いています。ドン・キショットに従う騎士たちは、子供が扮していますが、それがなんとも可愛く素敵です。これ、大人ではダメですね。大きさの問題ではなく、子供の動きだからこそなんです。
 このオペラは、アルザ!アルザ!アルザ!とにぎやかに始まりますが、ファジョーニ演出の《ドン・キショット》は、5幕への短い前奏曲を冒頭に用い静かに始まります。
『現実と夢のはざまを終りなく行きつ戻りつするこのオペラの連動性を、よりよく表現するためには、5幕の"死への前奏曲"をこのオペラの序曲として用いることが、私には必要に思われた。最初は、ジョルジョ・プレートル、その後はアラン・ギンガルの全面的な賛同を得た。』ファジョーニの演出メモより
 この演出は、劇中劇の形をとっており、舞台はお金持ちの屋敷の石炭置き場、時代は、マスネがこのオペラを作曲した20世紀初めということです。旅芸人の一座は、石炭置き場に舞台をしつらえ「ドン・キショット」の芝居を演じる。村人や子供たちは、石炭の上に腰を下ろし、金持ちたちは、上の快適な場所から芝居を見物している、という設定です。
 演出、美術、照明すべてファジョーニのこだわりの舞台ですので、ローソクの火だけの場面もあったりで、暗くて、見えにくい映像で、その上画質も悪いときているわけですから、見ていただくようなしろものではありませんが、めったに上演されないオペラですので、関心のある方は、どうぞご覧下さい。
※エクスプローラーご利用の方が多いと思いますが、ビデオが表示されないようでしたら、Firefoxでご覧ください。
関連記事:
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コメント 9

euridice

幕開けの舞台、ほんとによかったです。
>騎士たちは、子供が
これがなんとも言えない雰囲気。
by euridice (2007-07-26 08:01) 

Bowles

keyakiさんの残念さ、よくわかります。私もRRの正式な映像がちゃんと残されるべきだったと思います。RRのフランス語はちゃんとフランス語の響きですが、今回の「彼」はそういう風には聞こえませんでした。響きが重くて...。今回は脇役まで結構凝っていたのですが。

この映像、楽しませていただきます。
by Bowles (2007-07-27 03:38) 

keyaki

euridiceさん、新国の資料室にあるビデオでは、一人がコロンと転げちゃっているのが、またとてもかわいい、まさか演出ではないですよね。(笑
ドン・キショットに子供たちがむらがる場面で、一人だけだっこされますが、その子がかわいいんですよね。前の記事で紹介した、舞台裏のビデオでも、子供たちがたくさんいて、ライモンディにサインをもらったり、大騒ぎでしたね。
by keyaki (2007-07-27 08:54) 

keyaki

Bowlesさん、慰めて下さってありがとうございます。
このドン・キショットは、体力的にかなりきついとライモンディ自身が言ってますので、今回出演して欲しいというよりは、今までの公演を映像に残すチャンスがなかったのかと、今更ながらくくくく悔しいぃ..です。
2000年の新国での公演で、腰を痛めたかなんかで、この直後に出演するはずだった、テレビ版パリの椿姫(クーラ主演)をドタキャンせざるを得なくなって、先輩のパネライを引きづり出したこともあったりしましたしたので、もう、年齢的にも限界ですしね。

>この映像、楽しませていただきます。
画質が悪くても、もう少し明るければ、と思うようなビデオですが、想像で補って、ご覧になって下さい。
ファジョーニにしてみれば、撮影のために照明を変えるなんて愚の骨頂と思っているんだと思いますが、今回は、撮影のための公演だということで、納得したんでしょうね。
by keyaki (2007-07-27 09:14) 

Bowles

>今までの公演を映像に残すチャンスがなかったのかと、今更ながらくくくく悔しいぃ..です。

まったく同感!!やはりお金の問題かと...。

それから、今回の公演、私が観たのは初日でしたが、やっぱり子どもが一人転んでました。まさか演出じゃぁ??????
by Bowles (2007-07-27 09:21) 

keyaki

>やっぱり子どもが一人転んでました。まさか演出じゃぁ??????

わぁ..それって演出ということじゃないですか。
DVDがどうなっているか、ですね。
大人が転ぶとなんともブザマですが、5,6歳の子供がコテッと転ぶと、実にかわいいんですよね。それに子供って、本当によく転びますものね。
by keyaki (2007-07-27 09:52) 

euridice

>コロンと転げちゃっている
そうそう騎士がころんと馬ごと転げたのが、ほんとに可愛かったです。

ドン・キホーテに抱かれた子ども、その前か後か忘れましたが、ドン・キホーテのそばに座って、おずおずと彼を触ってみるんですよね〜〜ここがまたよかった・・

以上、2000年新国上演と資料室ビデオ鑑賞によります^^
by euridice (2007-07-27 10:53) 

安琶さらだ。

こんにちは、ファジョー二さんの「ドン・キショット」をずっと
探していました。

ここにこうして見つける事ができて感謝感激しております。

2000年新国立劇場公演の「ドン・キショット」でマイム役として出演しました。どんな感じで皆さんがご覧になっていたのか十一年を経てやっと理解出来ました。

こちらは、チューリッヒでの舞台公演のようですが、初台のオペラハウスよりも何だかとっても暗いように想いちょっとびっくりです。
あの時は、ランプを手渡しでまわして、いくつか紗幕からお客様に見えたと思うので(^_^;)

舞台の大きさも関係しているのでしょうけど、でも映像を残して下さり
本当に、ありがとうございます。

安琶さらだ。
by 安琶さらだ。 (2011-09-09 01:28) 

keyaki

安琶さらださん

>「ドン・キショット」でマイム役として出演
見に行きましたよ。完成度の高い、素晴らしい公演でした。

この映像は、1992年のモンテカルロ歌劇場のものです。多分、劇場の記録用の映像だと思います。
ライモンディとファジョーニの共同制作のようなものなのに、結局、ライモンディ主演の公演が、ちゃんと録画されることはありませんでした。

geocitiesのホームページは、事情があって閉鎖しましたが、この映像は残っていたんですね。全編(1幕から4幕)ご覧になりましたか。リンクが途切れていますので、アドレスをこちらに書いておきます。
http://www.geocities.jp/mitodellopera/donqui1maku.html
http://www.geocities.jp/mitodellopera/donqui2maku.html
http://www.geocities.jp/mitodellopera/donqui3maku.html
http://www.geocities.jp/mitodellopera/donqui4maku.html


by keyaki (2011-09-11 02:10) 

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