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エルネスト・ブラン(ク)の貴重な映像 [ボリス・ゴドノフ]

 フランスのバリトン、エルネスト・ブランクのファンブログの管理人のしまさんから、ルッジェーロ・ライモンディ主演の《ボリス・ゴドノフ》のLDにブランク先生が出演しているんですけど、ご存知かな?とコメントを頂きまして、ほんとぉですかぁ!とあらためてキャストをチェック。《ボリス・ゴドノフ》は、名前の付いている出演者が多いんですけど、ありましたシチェルカーロフ(書記官長):エルネスト・ブラン、今まで気づかなかったとは面目ない.........そこで、今まで、気づかなかったお詫びに、ブランク先生登場のワンシーンをアップさせていただきます。どうぞご覧下さい(右上の写真をクリック、途中カットしましたので、音楽的には繋がっていません)。 
 画質の悪さでは定評のある○○ライフのLDですので、鮮明とはいえませんが、ブランク先生、アップでしっかり写っています。パリ・オペラ座の黄金時代を築いたといわれるリーバーマンの任期最後の公演で、歌手も、実力のあるベテランを揃えています。
 この《ボリス・ゴドノフ》の演出は、前代未聞のびっくり演出ですので、この映像は、非常に貴重なものです。後の巨大なカゴの中にオーケストラと指揮者が入っています。オケピットに板を張ってそこを舞台にしていますから、観客の頭が手前に見えていて、舞台と客席がいかに近いかがわかります。歌手は、いろいろなところに設置されているモニターで指揮を見て歌っているそうです。詳細は過去記事ときんけんさんのサイトでどうぞ。
オペラの演出(ジョセフ・ロージー監督)
《ボリス・ゴドノフ》のワルラーム(乞食僧)
ホームページ:パリ・オペラ座の《ボリス・ゴドノフ》
★きのけんさんのジョゼフ・ロージー(1909-1984)監督の詳細な作品記録:
 1980 BORIS GODOUNOV (Opéra de Paris)《ボリス・ゴドゥーノフ》


エルネスト・ブランErnest Blanc (1923.11.01- フランス)略歴:
 トゥーロンの音楽院を卒業後、1950年マルセーユで、《道化師》のトニオ役で、デビュー。1954年パリで《リゴレット》のタイトルロールを歌う。愛の破片:リタ・ゴール 1958年と1959年にフランス人歌手としてはじめてバイロイトに招待され、《ローエングリン》のテルラムントを歌う。1959年には、彼の妻であるメゾソプラノのリタ・ゴールがオルトルートを歌った
えぇぇ!リタ・ゴールが奥さんですか! 
リタ・ゴールRita Gorr (1926.02.18- ベルギー)
って、有名ですよね。ウェルナー・シュレーター監督の映画『愛の破片』にも出演しています(左の写真をクリックするとDVDの紹介サイトに飛びます)。1971年に一旦、引退したそうですが、請われて復帰、80歳過ぎた今も現役だそうです。

横道にそれちゃいましたが、1969年〜1972年にかけて《カルメン》のエスカミーリョ、《サムソンとデリラ》のタゴンの大司祭でミラノ・スカラ座にも出演するなど、国際的に活躍した。
詳しくは、しまさんのサイト、とてもユニークなエルネスト・ブランクのファンブログでどうぞ。
名前の表記がブラン、ブランクとごちゃ混ぜになっていますが、どちらに統一していいのか判断できないので、こういうことになりました。ファンのしまさんは、ブランクですので、ブランクに統一してもよかったのですが、LDの表記がブランになっているんです。フランス語読みですとブランなんでしょうけけれど....


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コメント 22

northwest

すみません、便乗させていただいたブランのファンです。
リタ・ゴールが彼の妻と言うことは知りませんでした。フランス版のwikiにもでていなかったと思います。貴重な情報をありがとうございました。
by northwest (2007-06-12 00:08) 

しま

ありがとうございます……。・゚・(ノ∀`)・゚・。
こんなに興奮したのは久しぶりです。感激しすぎてうまく言葉が出てきません。
1980年6月の映像だそうで、御年56歳ですか。CDでいろんな年代の彼の声を聴きましたが、このLDでも独特の端正でみずみずしい声は健在なようです。
カツラも微妙でウケました。

ブランクの引退は87年だそうですから、この頃は普通に舞台に立っていたんでしょうね。こういった新しい試みにも参加していたのだと思うと、とても感慨深いです。

名前の表記は「ブラン」でいいんだと思います。ワタシは最初に目にしたCDの解説に「ブランク」とあった為にそっちで定着していまして、頑固に変えないだけなんですよ。

ブランクのファンブログだなんて、過分にご紹介いただいちゃったようで・・・。大変恐縮です。
ワタシは怠惰なファンなので、歌手の周辺情報は(たとえブランクであっても)あまり調べないほうなのです。ブログでもブランクの情報をきちんとまとめてはいませんで、単におバカに騒いでいるだけなので・・・。
わざわざリンクまでしていただき、重ね重ね感謝です。
by しま (2007-06-12 00:31) 

euridice

>リタ・ゴールが奥さん
>『愛の破片』
マルタ・メードルと共に強烈な存在感を発散してます。
ジョン・ヴィッカーズとのサムソンとデリラの録音、好きでよくききました。

彼女の夫が話題のブラン氏なんですか。
オペラ界ってけっこう狭いって感じ・・

このボリス・コドノフは大好きでして、一時はもう繰り返し見たものです。
ブラン氏もいい声してますね^^!!
by euridice (2007-06-12 00:35) 

keyaki

northwestさん、いらっしゃいませ。

>リタ・ゴールが彼の妻と言うことは知りませんでした
誰と誰が結婚しているって、その情報が正しいかどうか、判断が難しいんですけど......
なにしろ、日本では、ちゃんとした本に、ルチア・ポップとイエルザレムが夫婦だったなんて書いた学者さんがいたりしますから。(本当はルチア・ポップとザイフェルトが夫婦だったんです。奥さんのポップの死後、ザイフェルトは、誰だっけ、シュニッツァーと結婚しました)

リタ・ゴールが彼の妻と書いてあったのは、個人のブログ(きっとご存知だとおもいますが)なんですけど、エルネスト・ブランのファンのようですから、信頼性は高いと思います。

私が、略歴に引用させてもらった部分と、リタ・ゴールが、今も現役で歌っているという記述にも「私の大好きなエルネスト・ブランの妻のリタ・ゴール」と書いてあるんです。

こういういろんな発見があるので楽しくて、ネットで検索はくせになりますね。
by keyaki (2007-06-12 01:16) 

keyaki

しまさん、私も、新たな発見で、楽しませてもらいました。
同じ歌手のファン同士での馴れ合いも楽しいですけど、違う歌手さんのファンブログとの交流は、オペラの楽しみが更に広がりますし、刺激があっていいですね。

>カツラも微妙でウケました
ボリス側の人たちは、みなあの髪型で、シンプルな衣裳と合わせたんでしょうね。
by keyaki (2007-06-12 01:37) 

keyaki

euridiceさん、私も久々に見ましたが、歴史絵巻ボリスはたいくつですが、これは、演劇的で、面白いです。脇にベテランを起用していますから、完成度が高いということでしょうね。

>オペラ界ってけっこう狭いって感じ・・
ほんと、あれれぇですね。まさか間違いってことはないと思いますが、こうやって書いておけば、間違いなら、どなたかが指摘してくださるかな...なんて考えもあったりするんですけど。
by keyaki (2007-06-12 01:46) 

Sasha

おおお、リタ・ゴール大好きです。って言っても、フランスが本拠地だった(ですよね?)歌手さんだし、そんなに音源も持ってませんが。リサイタル盤やヴィッカーズとのサム&デリ、かつて繰り返し聞きました。やはり有名なブラン(ク)氏とご夫婦だった(である)可能性あり、というだけでも興味深いですねー。keyakiさん、またまたありがとうございます。
by Sasha (2007-06-12 23:05) 

euridice

>ヴィッカーズとのサム&デリ
大司祭はそのブラン氏というわけです^^!

>夫婦
詳細はわかりませんが、
Rita Gorr & Ernest Blanc
Les Telramund de Bayreuth
という題の本がフランスで出版されているみたいです。
http://www.amazon.fr/Rita-Gorr-Ernest-Blanc-Telramund/dp/2845212003/ref=sr_1_2/402-9489914-2229757?ie=UTF8&s=books&qid=1181652726&sr=8-2

というわけで、例のところでバイロイト音楽祭1959年のローエングリン、
さっそく聴いちゃいました。
by euridice (2007-06-12 23:22) 

keyaki

Sashaさん、
「愛の破片」を教えてもらったのはSashaさんでしたよね。
セルゲイ・ラーリンが話題になったときでしたか。
このアダルトビデオっぽい名前がオペラ関連だとは思えませんが.....

たしかに、リタ・ゴールとエルネスト・ブランの共演のCDが多いですね。
夫婦だからか、だから夫婦になったのか、どっちが先でざんしょ。(笑

検索の賜物、日本の出版物より信憑性は高いと思いますわ。
by keyaki (2007-06-13 09:27) 

keyaki

euridiceさん、これって本だったんですか。写真を見て、ビデオかとおもってました。
紹介文には、3年で分かれたというよなことが書いてあるような感じですね。
でも、二人の本が出版されているということは、共演者としてよりも親密な関係だったということのようなかんじですね。

>バイロイト音楽祭1959年のローエングリン、さっそく聴いちゃいました。
フランス人のテルラムントはいかがでしたか。
by keyaki (2007-06-13 14:23) 

euridice

>フランス人のテルラムントはいかがでしたか。
良いです^^! 

前のローエングリンの記事に
悪の夫婦二重唱をアップしましたので、お聴きください。
ここのところ、大好きなんです・・・

http://blog.so-net.ne.jp/euridiceneeds/2007-06-04
by euridice (2007-06-13 14:36) 

きのけん=CineKen2

 …すっかり忘れてましたが、そういえばぁ〜…あのロージー演出ライモンディ主演の《ボリス…》に出てましたねえ…。僕は、あれ、小澤征爾がエルネスト・ブランがいい…と押し付けたんじゃないかと思うんですよ。この制作、当初小澤征爾の棒で企画が立って、リハーサルの最終段階まで小澤がやってたんですが、背骨の異常で急遽ルスラン・レイチェフに代わったものだったんです。…というのも、その5年ほど前、小澤征爾指揮パリ国立歌劇場管の演奏会形式《ファウストの刧罰》のメフィストフェレスを歌ったのが彼氏で、これがかなり良かったから…。声の方は絶頂期をはるかに過ぎてましたが、ああいうエレガントで、皮肉たっぷりのメフィストなんて、フィッシャー=ディスカウ(バレンボイム指揮)を含め、以後出会った験しがなかったですねえ…。1975年かな?…。
 その後はほとんど活動してなくて、《サンソンとダリラ》で一度くらい聴いただけかな?…(ひょっとしたらロベール・マッサールと混同してるかも?)。《サンソン…》か《ボリス…》のどちらかで楽屋を訪ね、ちょこっと話をしたことがあります。トーマス・ビーチャム盤《カルメン》のエスカミーリョとか、そのベルリオーズとか…、ああいうフランス風バス=バリトンを満足いく形で歌える人がいなくなっちゃいましたねえ…なんて話をしたのを覚えてます。その時の記憶が、ジョゼ・ヴァン・ダムのインタビュー(1)をやった時にふと出てきちゃったりして、今読み直してみると、笑っちゃいます。

きのけん

(1) : http://members2.jcom.home.ne.jp/kinoken2/intv/intv_contents/intv_vdam.html
by きのけん=CineKen2 (2007-06-13 16:13) 

keyaki

euridiceさん、ありがとうございます。
古い録音なのに音質もいいですね。
by keyaki (2007-06-13 22:48) 

keyaki

きのけんさんは、この公演、実際にご覧になっているんですよね。
なるほど、エルネスト・ブランのエスカミーリョは、とても洒落ているんですね。やっぱり、フランス語って、フランス人じゃないと難しいってことかしら。
フランス人のエスカミーリョって、最近ほとんど聴いたことがないような気がします。ドゥセイの夫のローラン・ナウリくらいかな?
by keyaki (2007-06-14 00:02) 

きのけん

>きのけんさんは、この公演、実際にご覧になっているんですよね。

 「ご覧になっている」どころか、なにせロルフ・リバーマンがパリ国立歌劇場総監督を引退する最後の最後の新制作ということで、我々何度も通ったんですよ!…。Orfeoさんとこに出てくるドミニク・メイエルなんかと一緒に…。
 元はと言えば、リバーマンはメシアンの新作オペラ《アッシジの聖フランチェスコ》世界初演で最後を飾りたかったわけ。それで、指揮=小澤征爾だったんですが、メシアンが病気になって作曲が中断しちゃったもんで、《ボリス…》に変更になったんです。
 でも、非常に申し訳ないことに、エルネスト・ブランに関してはまるで憶えてない(笑)。僕にとって彼の実演はあくまでも小澤征爾指揮のベルリオーズ《ファウストの刧罰》のメフィストなんです。ボストンとのディスク…ではドナルド・マッキンタイアーでしたっけ?…よりもぜんぜんいいじゃん!…という感じ。実は、その頃、エルネスト・ブランが何者だかなんて全然知らなくて、後にディスクでエスカミーリョだの、《ローエングリン》のテルラムントを聴いて…、ああ、あの時の彼氏、すごい人だったんだ!…なんてね(笑)。小澤征爾もきっと憶えてるに違いないから、機会があったら訊いてご覧よ!
きのけん

PS:
 う〜ん、僕はやっぱりエド・デ・ワールト指揮レイフ・ロール+ルート・ヘッセよりも、アンドレ・クリュイタンス指揮エルネスト・ブラン+リタ・ゴールの方が好きだなあ!…。euridiceさんのブログに置いてあるの、クリュイタンス指揮盤の方ですよね。 
by きのけん (2007-06-14 10:17) 

euridice

>euridiceさんのブログに置いてあるの
きのけんさん、こんにちは。

えっと、私のところに置いてあるのは、バイロイト音楽祭1959年公演のラジオ放送録音で、指揮は、マタチッチだそうです。1958年のクリュイタンスもありますが、オルトルートがアストリッド・ヴァルナイです。
by euridice (2007-06-14 10:56) 

きのけん

 …ついでに、

>オペラ界ってけっこう狭いって感じ・・

 違うんです。これって、すごい変則的な舞台なのよ。まづ、舞台上にでっかい王冠を載せて、その中に管弦楽を詰め込んじゃった。つまり、舞台上にオケが載って、通常のオケ・ピットを埋めて、そこに歌手を出しちゃった。で、その歌手の出る演技空間が相当広いもんで、平土間が通常の2/3くらいに縮小されているのよ。なにせ、指揮者と歌手たちが背中合わせになるから、方々にヴィデオ画面が設置されていて、歌手たちはその画面に映る指揮者を見ながら歌ってる。この舞台装置を考えたのがエミール・アイヨーという本職の建築家だったんです(舞台美術家のジル・…はその息子でこっちの本職はコブラ派の画家)。
 リハーサル中小澤が背骨に異常をきたしたというのは、多分、しょっちゅう後ろを振り返って指示を出してたからじゃないかと?…。記事中のリンク(★ホームページ:パリ・オペラ座の《ボリス・ゴドノフ》:一番上の左の写真)の写真に写ってるのはフット・ライトじゃなくて、ヴィデオのディスプレーなんですわ。
 この舞台構造を真似した奴がおりまして…、アムステルダムで《指輪》全曲を演出したピエール・オーディ(1999)。あれも。舞台にオケを載せちゃって、歌手たちはピットを埋めた空間に出てくる。あれって、平土間で見てると、すごい迫力ですよ。もう目と鼻の先に歌手たちがいるんだから!…。それに、なにせオケが背後に置いてあるから、多少軽量級のブリュンヒルデなんかでもバッチリ声が通るんだよねえ…。
 そうそう、この《ボリス…》の時は、こういう変則構造だったもんで、安い席からよく見えて、音もすごくよかったんで、我々は随分トクしました(笑)。
きのけん
by きのけん (2007-06-14 11:01) 

きのけん

…どうも「界」を「座」と読み違えたらしい(苦笑)…。
きのけん
by きのけん (2007-06-14 11:05) 

きのけん

euridiceさん:

>指揮は、マタチッチ

わ〜反応早い!…。

へ〜マタチッチ!…そいつは珍しい!僕はヴァルナイ版はカイルベルト指揮だとばかり思ってました。ロヴロ・フォン・マタチッチって、昔よくN響に来てたよね(今でも名誉指揮者?…)。…うん、そうか、さすがのヴィーラント・ワーグナーも指揮者+テルラムント+オルトルートに全員フランス系を充てちゃうのは抵抗あったんですね。それとも、ひょっとしてこの年のブリュンヒルデがマルタ・メードルでヴァルナイが余っちゃった?(笑)…。
きのけん
by きのけん (2007-06-14 11:25) 

euridice

>…どうも「界」を「座」と読み違えたらしい(苦笑)…。
...で、納得です^^;;;
by euridice (2007-06-14 19:46) 

きのけん

>euridiceさん

 時々こういうチョンボをやるもんで、Orfeoさんによく叱られます!(爆)。
 そういえば「euridice」さんと「edc」さんというのはどう使い分けているの?…僕の場合は単純で、映画関係が「CineKen2」でその他が「きのけん」なんですが、ネット上に「きのけん」というのが他にもいまして、それで「CineKen2」でもあったわけですが…。
 そういや、最近見つけたんですが、ウチの近くに「けやき」というトンカツ屋がありまして、今度昼飯でも食いに行こうと思ってます(笑)。
きのけん
by きのけん (2007-06-16 07:18) 

euridice

きのけんさん、おはようございます。
反応早い!って時間ですが、だいたい朝飯前がパソコンタイムなもので・・

>こういうチョンボ
がまた楽しです^^!

>「euridice」と「edc」の使い分け
ソネットが勝手に入れちゃうのは「euridice」になってますが、自分で入力するときは原則省エネで「edc」です。みなさまも省エネでけっこうです^^

>ウチの
前には植木屋に毎年無惨に剪定されちゃてる巨大なケヤキがあります^^;
by euridice (2007-06-16 07:45) 

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