SSブログ

モンセラート・カバリエ:クラーケントルプ公爵夫人って誰?!? [RRと女声歌手]

 4月12日は、モンセラート・カバリエのお誕生日、74歳だそうです。当日は、ウィーンでドニゼッティのフランス語版《連隊の娘》に出演中で、共演者、観客の皆さんから盛大な祝福を受けたそうです。74歳の数日前の公演の録画がありますので、ご紹介します。
 カバリエは、クラーケントルプ公爵夫人の役です、と言って、すぐにわかる方は、かなりの《連隊の娘》通かもしれませんが、なにそれっ?という人の方が普通かもしれません。私は、《連隊の娘》は、あらすじを知っているくらいなんですけど、最初は、マリーの伯母と名乗っていたのに、実は実母だったベルケンフィールド伯爵夫人と勘違いしました。そして、次に、あれれぇ、こんな役あんの?!?でした。お話の中にはクラーケントルプ公爵というのが登場するんですね。イタリア語版だとduca Krakenthorp 、フランス語版だと Duc de Crakentorp、つまり、マリーの婚約者.....貴族ですから、家同士で決めたことなんでしょう.....クラーケントルプ公爵の母上の役ということです。今回のローラン・ペリの演出で初めて登場した役ですよね??(間違ってましたら教えて下さい)
 このプロダクションは、1月にコヴェントガーデンですでに上演されていますが、その時は、イギリスの喜劇女優ドーン・フレンチが演じたとか。レポートがロンドンの椿姫さんのブログにあります。『歌わないセリフだけの伯爵夫人役のとても短いカメオ出演です」と書いてあります。もう一つ、babyfairyさんのブログにもレポートがありますので、あわせてどうぞ。
 さて、この役に、ウィーンはカバリエをかつぎだした、といいますか出演していただいて、歌まで歌わせちゃったんです。観客の皆さんも大喜び、さすがウィーンってことですね。きっと、公演中にお誕生日が来ることも計算済みだったんでしょうね。カバリエも、ドイツ語でなにやらたくさんお喋りして観客をわかせています。カバリエが、スイスのフォークソングを歌うわ、と言ったら執事が飛び上がって喜ぶ、という場面からビデオクリップでどうぞ(左上の写真をクリック)。
 このプロダクションは、この後ニューヨークに渡り、メトでも上演されるそうですが、クラーケントルプ公爵夫人はどなたがカメオ出演するんでしょうね。せっかくですから、フィナーレもご覧にいれますね(右の写真をクリック)。マリーが、戦場で拾われ、連隊の娘として育てられたことをせつせつと語り、実母の伯爵夫人も心を動かされ、マリーとトニオの結婚を許し、めでたし、めでたしの大団円です。
★ドゥセ、フローレス、ベヒレ、C.アルバレス、指揮はイヴ・アベル、ロラン・ペリ演出衣裳、ウィーン国立歌劇場
カバリエは、1965年に歌った《ルクレツィア・ボルジア》の成功で、国際的な活躍がはじまりますが、ライモンディとのはじめての共演は、1968年、同じ《ルクレツィア・ボルジア》でした。ライモンディは27歳、世界の劇場からお呼びがかかりはじめた頃です。その後、舞台、レコーディングと共演しています。長くなりましたので、カバリエの略歴とか、ライモンディとの共演の記録は、次回にします。
★カバリエのウィーン国立歌劇場、最後の公演は、1989年10月の《ランスへの旅》、東京文化会館です。来日公演詳細

関連記事:
《連隊の娘》のハイCは何回?フアン・ディエゴ・フローレス
突然走る王様《ランスへの旅》アバド指揮
3種類の14声のコンチェルタート ペーザロ、ウィーン、ベルリン
《ランスへの旅》14声によるコンチェルタートいろいろ(2)とおまけ



nice!(0)  コメント(17)  トラックバック(1) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 17

Bowles

>今回のローラン・ペリの演出で初めて登場した役ですよね??

いえいえ、もともとちゃんと楽譜にも登場する役なんですが、今回のカバリエのように第二幕開幕早々から登場することはなく、パーティーの場面だけの登場です。カバリエのために大幅に登場シーンならびにセリフetc.が加えられています。

カバリエのスイス民謡というと、ランスの時のRRとのヨーデルを思い出しますね。
by Bowles (2007-04-19 10:44) 

keyaki

Bowlesさん、いつもありがとうございます。
記事にも書きましたが、連隊の娘には、とんと関心がなかったのですが、カバリエ出演!ということで、見る気になったのですが、えぇーー、公爵夫人って、??でした。字幕もドイツ語ですし。
リブレットを見ると、フランス語版では、ちゃんと台詞(歌)があるんですね。
イタリア語版には公爵夫人の台詞(歌)はないようなんですけど、どうなんでしょうか。最近はフランス語で歌われることが多いようですが、イタリア語版は、フランス語のを翻訳改訂のようですから、登場人物を減らしたということでいいのかしら?

>カバリエのスイス民謡というと、ランスの時のRRとのヨーデルを思い出しますね
そうなんですよね。あの時が、カバリエ59歳、とても楽しそうでした。
by keyaki (2007-04-19 13:44) 

tsukune☆彡

思いっきりマヌケなんですが、クラーク・ケントをもじったのかと思っちゃいました。^^;^^;
by tsukune☆彡 (2007-04-19 20:39) 

わぁ、これ、映像になったんですね!
見たいです~。
ベルケンフィールド伯爵夫人はアルトの役ですから、カバリエはさすがにちがいますよね。でもカバリエに出てもらうからには一声歌ってもらわないと!楽しそうな公演ですね。
by (2007-04-19 22:33) 

keyaki

tsukune☆彡さん、
>クラーク・ケント
って、誰々?→検索→あぁ、スーパーマンだ!

《連隊の娘》って、最近はよく上演されているようですけど、ウィーンでは1945年以降、初めてみたいですね。
by keyaki (2007-04-20 00:47) 

keyaki

りょー さん、
>見たいです~
すっごくきれいですよ。4月1日の放送です。
頑張ってもらっちゃって下さい。
by keyaki (2007-04-20 00:50) 

Bowles

実際の舞台に接したのは仏語版だけなので、手持ちの伊語版の録音を調べてみましたが、伊語版にもちゃんと登場しています。ちゃんとメゾプラノの指定あり。まあ演出によっては、黙役or役者で充分可能な役ですよね。カバリエ登場で、収録時間が長くなった...。

今回のペリの演出、第一次大戦の頃の舞台設定、貴族の女性たちに眼鏡をかけさせたりして、ミンコとのジェロルスタイの舞台と双子みたい!
by Bowles (2007-04-20 07:29) 

ロンドンの椿姫」

ロンドンでの私の感想をリンクして下さって、ありがとうございます。世界中でヒットしますよね、これは。ロンドンで3度も観られて幸せでした。

ウィーンはカバリエが出て、しかも歌ってくれたんですね。噂ではロンドンではサザーランドを引っ張り出すつもりだったようですが、実現せずに残念でした。ニューヨークではマリリン・ホーン?という話もどっかで聞いたような・・・
by ロンドンの椿姫」 (2007-04-20 08:43) 

keyaki

ロンドンの椿姫さん
こちらこそ、ありがとうございます。

なるほど、サザランドは出てくれなかったんですね。81歳ですか、歌わなくても出てくれれば、観客がわきますよね。

>ニューヨークではマリリン・ホーン?
これは、実現しそうですね。マリリン・ホーンは、マスタークラスを毎年開催していて、とてもお元気なようですから。
by keyaki (2007-04-20 08:58) 

keyaki

Bowlesさん、毎度ありがとうございます。
>伊語版の録音
そもそも伊語版で、上演されることがあまりないような感じもします。
仏版でも、スカラ、ウィーン、メトに関しては、ほとんど上演されてないようです。

>今回のペリの演出、第一次大戦の頃の舞台設定、
メイドが女装させた男性ダンサーで、メヌエットに合わせてお掃除したり、たいくつさせない楽しいセンスのある舞台ですね。
by keyaki (2007-04-20 09:23) 

babyfairy

リンクありがとうございました。
今回のペリ演出の連隊の娘は本当にお洒落でした。あの役に、喜劇俳優を配役した『演劇の町』ロンドンと、かつての名歌手カバリエを配役した『音楽の都』ウィーン、それぞれの地域的特徴が現れて、ちょっと興味深いものがありますね。
by babyfairy (2007-04-20 19:35) 

まさにその当日観て来ました。カバリエ登場と同時に会場からは大きな拍手。カーテンコール時にはオーケストラから小さな花束が投げ入れられ、それをドゥセがひざまずいてカバリエに渡すと、オーケストラがハッピーバースデイを演奏、出演者、観客たちが歌いました。カバリエ、涙ぐんでいたようで、手を目にあてていました。いやはや何とも楽しかったです。演奏もすばらしかったですし。そのうち詳細ブログに書きますねー。
by (2007-04-21 00:32) 

keyaki

babyfairyさん、こちらこそ、再度楽しく拝見させていだきました。
ミラノ・スカラ座も、演出は違いますが、公爵夫人は女優さんだったようですね。
by keyaki (2007-04-21 01:32) 

keyaki

わ、わ、わ、わ、gonさん、14日にご覧になっていたんですか。
レポート楽しみにしてます。
by keyaki (2007-04-21 01:35) 

TARO

私もベルケンフィールド伯爵夫人を歌うんだとばかり思ってました。
エヴァ・ポドゥレスが歌ってるくらいの役だし、いくらなんでもカバリエの声じゃ無理じゃないだろうかと心配してたんですが、なんと全然違うゲスト出演だったんですね。
この「シェツリ」はカバリエ得意の曲で、何かのコンサートのライブ録音で(一度ならず)聴いたことがあります。たしかシュワルツコップのレパートリーでもあった筈。
by TARO (2007-04-21 01:57) 

keyaki

TAROさん、そうですよね。最近ではオブラスツォワが歌ったというので話題になりましたしね。

TAROさんの情報をもとに検索しましたら、ありました。
おっしゃる通りですね。
このスイスのヨーデルソング"G'Schätzli,"は、カバリエがリサイタルのアンコールでよく歌っていたものと記述がありました。
ドイツ語とフランス語の会話では、カバリエはよくキャンセルするというネタのジョークまで披露したとか.......
そういえば、初日は4月1日だったんですね!エイプリルフール
記事詳細は↓
http://www.playbillarts.com/news/article/6258.html
by keyaki (2007-04-21 12:43) 

えーと、誕生日は12日でした!!出来は16日のほうがよかったです。
大満足でした。。。
by (2007-04-22 00:57) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。