チャリティーコンサートで、いちゃもん?(2007.2.26 パドヴァ) [コンサート]
2月26日に、パドヴァでチャリティーコンサート、ということは、情報を得ていましたが、なんのチャリティーかとか、実際に行われたのかも何もわかりませんでしたが、面白い記事をみつけました。
このチャリティーコンサートは、パドヴァ出身で、白血病で早世したルチア・ヴァレンティーニ=テッラーニ基金(夫の俳優アルベルト・テッラーニ氏が設立)主催のコンサートで、親しい同僚であった、ルッジェーロ・ライモンディとチェチリア・ガスディアが、無報酬で出演しました。このことに感謝してパドヴァの芸術文化評議員のモニカ・バルビノットから、両者に記念品(Il Sigillo della citta')が贈呈され、それから、アバド指揮《チェネレントラ》の録音で、ルチア・ヴァレンティーニ=テッラーニの素晴しい歌声を偲び、その後、両歌手のコンサートというプログラムでした。
最初に、ライモンディが、ピアノ伴奏者のアン・ベックマンと共に登場。イベールのシャンソンを歌って、ドン・キショットの人物像の簡単な説明をして、セルバンテスの物語の主人公に捧げたマスネ晩年のオペラから、3幕の祈りと最後の死の場面を歌いました。正統的バス・バリトンのルッジェーロ・ライモンディは、柔らかい声と力強く響くアクートをみごとに使い分ける表現力で知られ、その歌役者cantante-attoreとしての魅力を40年以上も保持しています。
コンサートの第二部では、はじめに、カンツォーネから"Non ti scordar di me忘れな草"と"Parlami d'amore Mariùマリウ愛の言葉を"を歌いました。すると、無作法にも舞台に近い桟敷席から、一人の婦人が、もっとオペラの曲を歌って欲しいと叫んだのです。ライモンディは、「聴衆の皆さんの期待を裏切らないためにここにいます」と丁寧に答えましたが、この介入を遺憾に思ったはずです。プログラムでは、どっちみちヴェルディの《ドン・カルロ》から "Ella giammai m'amò" 、ロッシーニの "Calunnia"、ピッツェッティの最後のオペラ "Assassinio nella cattedrale"から、貴重で珍しい一節を歌うことになっていました。
ソプラノのガスディアは、デ・ファリャの"Ninnananna" と "Granada"、ライモンディと一緒にモーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》から二重唱の"Là ci darem la mano"を歌いました。ドン・ジョヴァンニは、ライモンディの最も良く知られた役です。聴衆の熱狂のうちに幕となり、主催者のテッラーニ氏が、来年は、ルチア・ヴァレンティーニ没後10周年に当たるので、またこの様なコンサートを開催することを約束して終りました。(2種類の記事を適当に混ぜて紹介しました)
それにしても、この「オペラを歌えーー!」と叫んだシニョーラは、プログラムをもらってなかったのか、それともカンツォーネなんか聴きたくなかったのでしょうか。
※ルチア・ヴァレンティーニ=テッラーニ(1946.08.28-1998.6.11)
ルッジェーロ・ライモンディとチェチリア・ガスディアのチャリティーコンサート
ルチア・ヴァレンティーニ=テッラーニ基金主催
2007年2月26日午後8時45分開演
テアトロ・ヴェルディ(パドヴァ)
入場料:15〜30ユーロ
関連記事:
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どこにでも変な人はいるということですね。残念ながらチャリティ会場にすら・・・
それにしてもヴァレンティーニ=テッラーニが亡くなって、来年で10年になるんですか。アバド指揮の「チェネレントラ」って放送録音でしょうか。RAIの録音があるんだったら、正規盤でだしてほしいものです。
by TARO (2007-03-07 11:51)
TAROさん
アバド指揮、スカラ座のCDは、正規盤ではないんですね。
記事になるということは、イタリアでも、変な人ということですね。
by keyaki (2007-03-07 21:08)
サンフランシスコでチェチリア・ガスディアを観ています。
by サンフランシスコ人 (2008-02-06 09:19)