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(続)フランス国立視聴覚研究所(INA):バスティーユこけら落しガラコン [仏国立視聴覚研究所(INA)]

昨日の『NHKアーカイブス検索システム』の記事を書きながら、2006年5月15日にご紹介したフランス国立視聴覚研究所(INA)の記事を思い出して、久々に覗いてみました。
 あれれ、今までライモンディに関しては、3件の映像があったのですが、なんと2つ増えていました。しかも勝手に私のリストに入っているではないですか! す・す・すごい!やっぱり、こっちの方が、楽しいしわぁ。なんといっても見られちゃうんですから。

★ルッジェーロ・ライモンディ関連フランスTV放送(ニュース)リスト

▼1996年6月7日、オランジュ音楽祭の紹介ニュース
これは、最後の《ドン・ジョヴァンニ》と言われた公演(実際には最後ではなかった)
オランジュは風が有名ですけど、やっぱり吹いてますね。フェルッチョ・フルラネットがレポレッロ役で、カタログの歌がちょっと聴けます。
▼1996年12月22日、モーリス・ベジャール70歳お誕生日祝賀会
ダンスのプレゼントもあります。
▼2002年7月21日、アヴィニョン演劇祭
" L'immense solitude"一人芝居?朗読?
New!1984年6月22日、ジョセフ・ロージー監督の訃報
ロージー監督が、ライモンディの《ドン・ジョヴァンニ》の映画を撮った、と説明があるが、映像は、レポレッロ役のジョゼ・ファン・ダムのカタログの歌の場面がほんの少し流れるだけ。ダーク・ボガードがインタビューされてます。
New!1989年7月13日、パリ・バスティーユの柿落としのガラコンサート
ほんの数秒ですが、ライモンディが歌っている様子が写ります。
※右上の写真をクリックすると、INAのサイトに飛びます。ガラコンサートのニュースは4番目です。クリックすると映像が見られますので、ぜひご覧下さい。ジューン・アンダーソンもちらっと見られます。無料です。

1989年7月13日に開催された《バスティーユ・オペラ座こけら落しガラコンサート》についてのメモです。
 聞くところによりますと、劇場は突貫工事にもかかわらず、まだ未完成だったそうです。このコンサートは、フランス革命200年記念日の前日に開かれ、ミッテラン、ブッシュ、サッチャー、コール、宇野首相ら当時のサミット首脳をはじめ、計33カ国の国家主席が招待されました。ブッシュは、もちろんお父さんのほうです。
 指揮はジョルジュ・プレートル、オペラ座管弦楽団、合唱団 演出美術ボブ・ウィルソン、フランスで人気のオペラ歌手10人によるフランス・オペラ抜粋のコンサートです。おや、演出美術が、あのボブですね。なるほどね、とおもえる舞台です。歌手に変な動きはさせていませんが、ニュースでもちらっと写っているように、背景とか演出に、彼らしさがただよっています。さすがに白塗りメイクなんてことはないですけどね。女性歌手のドレスは、パリのオートクチュールだそうですが、美しい歌手さんばかりで皆さんお似合いです。
 ライモンディは、このコンサートには出演しましたが、この劇場が嫌いなようで、どこが嫌いなのかはわかりませんが、ここには、こんりんざい出演しないつもりのようです。

プログラム(出演者と曲目、出演順)
ルッジェーロ・ライモンディ
ジューン・アンダーソン
アラン・フォンダリー
シャーリー・ヴァーレット
プラシド・ドミンゴ&合唱
エリザベト・プラテル&マニュエル・ルグリ
マルティーヌ・デュピュイ
アルフレッド・クラウス
ジャン=フィリップ・ラフォン
オーケストラ
テレサ・ベルガンサ
バーバラ・ヘンドリックス
アルフレッド・クラウス
マルティーヌ・デュピュイ
全ソリスト&合唱
「ファウスト」 黄金の仔牛
「ディノーラ」 私を追う影
「タイス」 これぞ恐ろしき町
「アルセスト」 スティクスの神々
「サムソンとダリラ」 止めよ。ああ、兄弟達
「サムソンとダリラのバッカナール」からパドドゥ
「ウェルテル」 涙のアリア
「ウェルテル」 なぜ我を目覚めさすのか
「エロディアード」 はかない幻
「カルメン」 前奏曲
「カルメン」 ハバネラ
「ロメオとジュリエット」 ワルツ
「ロメオとジュリエット」 目覚めよ、太陽よ!
「ファウストの刧罰」 灼けつく炎の恋
「ラ・マルセイエーズ」

関連記事:
2006-05-152006年5月15日にご紹介したフランス国立視聴覚研究所(INA)


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コメント 4

Sardanapalus

INAのアーカイブはすごいですね。バスティーユのオープニング・ガラの映像、ボブの演出だってすぐに分かる背景で思わず笑ってしまいました。
某国営放送も、これくらいやってくれるならアーカイブ公開の意味もあるでしょうけど、今のは試験段階としても使えなさすぎです(^_^;)
by Sardanapalus (2007-02-09 20:50) 

keyaki

Sardanapalusさん
>ボブの演出だってすぐに分かる背景で思わず笑ってしまいました

そうなのよね、私たちも、かなりのボブ通になっちゃってますよね(笑
パリ・オペラ座の本の著者の方は、きっぱり、ダサイとバッサリ切ってますヨ。ちょっと抜粋してみますね。
「ウィルソンは時に幾何学模様、時に半抽象のデッサンを描いた何重ものカーテンを上げ下げして、シーンに変化を与えたが、ただ、マイムの人物を配したのが目障りだったり、泥臭かったり.....次から次に出てくる人物の動きが古臭いノイエタンツみたいで、垢抜けないことおびただしかった」
とかなりの酷評。
そうなのよね、歌っている歌手の後方に、人が、ポーズをつけて立っているのがいかにもボブなんですよね。
しかし、全編この『垢抜けないノイエタンツみたいな』オペラが増殖しちゃってますよね。
※ノイエタンツ=新舞踏=表現主義舞踊
by keyaki (2007-02-09 23:51) 

助六

まあ建物自体は完成してたものの、舞台機構が動かないとか、音響面とか細部の調整がまだまだ残っていたと言うことだったと思います。予算がなくて結局最終的に放棄されることになる可動式ホールも、当時はまだ一応「将来建設」の名目でしたしね。

これ当然招待客だけで、一般聴衆は完全閉め出しだったんですよね。高田賢三氏とかドヌーヴなんかも呼ばれてたような。まあ仮に一般売りがあったとしても、小生も関心なかったですね。クラウスが出るのだけは、さすがに気になりましたが。プログラムも注意してませんでしたが、全部フランスものだったんですか。当時実力的にも絶頂で仏では大変人気があったアンダーソンとか、やはり当時頂点だったフォンダリーとか懐かしい名前が並んでますね。特にロッシーニ歌いとして頂点だったデュピュイが2曲歌ってるのが嬉しいです。国家元首招待プログラムの関係で、全部で1時間程度と定められたとかで、アッと言う間に終わちゃったとか言うことでしたが。

ウィルソン初めて見たのはドビュッシー「聖セバスチアン」で、これはスタティックな音楽も彼のスタイルに合ってるし、やはり不思議な美しさに驚きましたね。グラスの「浜辺のアインシュタイン」(勿論全部は見てません)も。
その他「魔笛」「バタフライ」バルトーク「青ひげ」「ペレアス」「影なき女」「指環」、V・ウルフの芝居まで付き合わされたけど、対象が何であろうと、盲貼り絵、あそこまでワンパターンに徹してるのには敬服と言うか。向いてそうな「ペレアス」や「青ひげ」も何てことなし。逆に音楽は目まぐるしく変化していくから、ウィルソン・スタイルとは正反対に思われる「影なき女」は、息を呑む美しさで、造形屋としては終わってないんだと思わされました。「指環」なんかまるで思ったとおりに進むから、もう適当にしか見てなかったし、逆に音楽に集中出来たかも。さすがにハデなブーも出てましたね。
ウィルソン目当てで行ったのは一つもないけれど、これだけぶつかるんだから、売れっ子だったんですね。
by 助六 (2007-02-11 11:56) 

keyaki

助六さん
パリ・オペラ座の著者は、招待されたそうですが、地下鉄の駅も閉鎖、招待客は、3時間前到着が義務づけられ、検査された上、VIPの到着までかん詰めにされたそうです。

このコンサート、最初も国歌ではじまるのですが、舞台中央に奇妙な木枠に、昔日本のお風呂についていた、小さな煙突のようなものがくっついた物体が据えてあるのですが、もちろんこれもロバート・ウィルソンのデザインなんでしょうけど、遠目に見ると、ギロチンにみえて、ドキッとしました。
で、このニュース、最初のこの部分を出すのが普通じゃないかとおもうんですけど、一般人には、理解できないから、次のライモンディとのアンダーソン歌をながしたのかな....なんておもったのですが。

最初にこのコンサートの録画を見た時に、カーテンコールに、銀行家みたいな人が出てきたけど誰?と思っていましたが、なんとこれがボブのようなんですけど、いわゆる芸術家には見えません、ビジネスマンというか、CEOタイプ、ご本人も踊るそうですけど.....
by keyaki (2007-02-11 13:06) 

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