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《アイーダ》国王&ランフィス;中くらいの役(10) [アイーダ]

バス歌手が歌う、小さい役より、ちょっと大きい、中くらいの役シリーズ第10回。


ヴェルディ作曲《アイーダ》のランフィスと国王も中くらいの役でしょうね。バスの定番、坊主と国王ですが、主役専門の歌手は、早々に歌わなくなります。

※右の写真は1979年ザルツブルグ音楽祭のカラヤン指揮・演出の《アイーダ》、音声ファイルは一幕の最後、ランフィスとラダメスの歌です。

Ankenbrand著-Ruggero Raimondi Mensch und Maskeから《アイーダ》についての抜粋

『グァルディアーノ神父 プロチダ、シルヴァ、パガーノこれらの役はすべてイタリアのバス歌手の定番の役で、長く付き合うことになるだろう。「アイーダ」の国王とランフィスは必ずしもそうではない。ライモンディは、この二つの役を、1979年と1980年のザルツブルクでカラヤンの下で歌った。歌手たちの間のいざこざのうわさが口づてに広がっていたが、彼もこのころのことは思い出したくないようだ。カラヤンは確か、一度彼を、フィリッポを歌わせるために、自家用機でザルツブルクに連れて行ったことがある。それにもかかわらず、モーツァルトの都ザルツブルクの「王様」について尋ねられると、「彼はマエストロのなかのマエストロです」といった決まり文句で上品にかわすのが常だ。
1976年( 1979年の間違いか)、一体だれがこんなことを思いついたのか知らないが、彼は好きじゃないランフィスを歌うためにミュンヘンにやってきた。モントレソールの衣装は、パリのナブッコと同じような効果があった・・・  ライモンディとしては、「アイーダ」問題は、終わりにしてもかまわないところだろう。ファラオと高僧は、彼にとってどうしてもやらなければならない役というわけではない。彼はこの役を、ザッカリアや他の同類の役同様、文句なくやり遂げた。』

ミュンヘンにわざわざランフィスを歌いにやって来たのは、出演記録を観察しますと、カラヤンのスタジオ録音がウィーンで5月におこなわれていますので、私の推測では、わざわざではなくて、ついでに出演したのではないかとおもいます。下記一覧表のNYメトでのランフィスも、他の演目のついでというかんじです。

ライモンディの《アイーダ》の国王&ランフィスをまとめてみました
《アイーダ》:国王&ランフィス公演記録
♪1970年ロンドン、ラインスドルフ指揮 録音
☆1970年7月〜8月 ローマ・カラカッラ野外音楽祭、Cristofort指揮
☆1971年6月8日 メトロポリタン歌劇場、クレヴァ指揮
☆1972年6月20,24日 メトロポリタン歌劇場、モリナーリ=プラデッリ指揮
☆1973年2月9日 メトロポリタン歌劇場、クレヴァ指揮
☆1973年3月1日 メトロポリタン歌劇場、モリナーリ=プラデッリ指揮
☆1976年1月23日〜4月8日 ミラノ・スカラ座、シッパーズ指揮 ライブCD
☆1979年4月22日〜5月21日 ミュンヘン、マルティネス指揮
♪1979年5月 ウィーン カラヤン指揮、CD録音
☆1979年7月26-29日 ザルツブルグ音楽祭 カラヤン指揮演出 ★国王→ランフィス
☆1980年7月30日-29日ザルツブルグ音楽祭 カラヤン指揮演出
♪1981年1月-6月  ミラノ・スカラ座、アバド指揮 ★国王 録音

※《アイーダ》ディスコグラフィー
RCA Opera Treasury - Verdi: Aida / Leinsdorf, Price, Domingo, Milnes, Bumbry, et al
Verdi: Aida
ヴェルディ:「アイーダ」全曲
Verdi: Aida
ラインスドルフ
'70ランフィス
シッパーズ
'76年ランフィス
カラヤン
'79年ランフィス
アバド
'81年エジプト王

関連記事:中くらいの役シリーズ
《トゥーランドット》ティムール(9)
《リゴレット》スパラフチレ(8)
《ファヴォリータ》バルダッサーレ(7)
《ボエーム》コリーネ(6)
《ノルマ》オロヴェーゾ(5)
《ジョコンダ》アルヴィーゼ(4)
《ランメルモールのルチア》家庭教師ライモンド(3)
《ルクレツィア・ボルジア》4番目の夫ドン・アルフォンソ(2)
《マクベス》バンコー:(1)


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コメント 7

わぁ、懐かしい、この音声クリップのCDが私の初アイーダでした^^
by (2006-11-17 00:02) 

ヴァラリン

わーい♪ランフィスだ(笑) 
ラダメスは、あのお方ですね♪
このCD、持っているんですけど、あまり聴く機会がないのですが、こうやって部分的に取り出すと、やっぱりしびれますね(^^!

76年の録音は、ベルゴンツィのラダメスでしたよね。

ダレカさんも今年の3月に、ボルドーでランフィスを歌ったんです。あんまり批評はよくなかったんですけど「断定は出来ないんですけど、多分彼だろう写真」を見る事ができました。
それを見つけた翌日に、たまたま漫画の「王家の紋章」の表紙を目にする機会があって、なんか、似てるかも…と思って一人でニヤニヤしたことが(^^;
by ヴァラリン (2006-11-17 09:03) 

keyaki

りょーさん、クーラのヴェローナの「青のアイーダ」は、ハイライトでしか放送しないんですよね、NHKは。
今日(明朝)でしたね、「うわさによれば....」は、(笑
by keyaki (2006-11-17 09:54) 

そうですね、今日の夜ですね、パピさんのよる「うわさによれば」、、、(笑)
NHKでも全部放送したこともあるようですけど(ビデオ持ってる人いました)、もう二度と放送しないつもりなんでしょうかねぇ?版権もなにも、NHKの撮った映像なのに。
by (2006-11-17 10:17) 

keyaki

ヴァラリンさん、なかなかオペラ全曲のCDは聴くチャンスがないですね。
国王とランフィスって、同程度の役だと思いますが、ランフィスのほうが、ちっとばかり格上?のような気がします。
>ボルドーでランフィス
写真見ました。長い巻き毛のようでしたね。カラヤン演出のは、ランフィスは坊主頭なんですよ。
by keyaki (2006-11-17 10:27) 

Yuhko

絶対にランフィスの方が、国王より、上の役です。
東京国際フォーラムのこけら落とし公演に、コーラスで、出演しましたが、
どう、見てもランフィスの方が、良い役です。

by Yuhko (2009-06-28 18:13) 

keyaki

Yuhkoさん
ランフィスの方が、出番が多いし、歌いがいがあるということですね。

>東京国際フォーラムのこけら落とし公演に、コーラスで、出演
最近ミュージカルのアイーダをやったようですが、こけら落とし公演はほんもののオペラだったんですか....
私は、あの巨大なAホールでは、講演会とか株主総会とかの経験しかないですけど、5000席ですよね。
by keyaki (2009-06-28 20:32) 

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