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元祖!ジョナサン・ミラー演出《フィガロの結婚》その3 [フィガロの結婚]

ビデオクリップは、前回の2幕に続いて3幕です。
  

伯爵は、おかしなことばかりだとぶつぶつ、そこへ、伯爵を庭に誘い出すように伯爵夫人に頼まれたスザンナがやってきます。スザンナは、伯爵に気がある素振りをみで、伯爵は案の定ひっかかってきます。伯爵を丸め込んだスザンナは、フィガロに「訴訟は勝ったも同然よ」と耳打ちします。ところがそれを伯爵が聞いていました。罠に落ちたかもしれない、だが、こっちにも考えがあるぞ!と歌います。
フィガロは、金を払うか、マルチェッリーナと結婚するかという裁判。ところがフィガロの身元が判明。なんとマルチェッリーナは母、バルトロが父だったのです。

ジョナサン・ミラーが語る『フィガロの結婚』
「・・・よく言われるフランス革命との関連といったことはさておいて、このオペラは、人間の四季を描いたものだ。春は、バルバリーナとケルビーノ、夏はフィガロとスザンナ、秋は伯爵夫婦、冬はマルチェリーナとバルトロなんだよ」
「愛が生まれ育ち、うまくいかなくなっても、人はそれを許容し、また再び始めて、今度はよりよい結果になるだろうと考える。その繰り返しだ。考えてみれば、妙な能力を人間は持っているものだ。やり直して良くなろうとすることで、自分の悪いところを癒すのだから」
「シリアスなドラマ、コミカルなドラマと、この作品を区別してしまうつもりもない。まさに人間の現実社会では、とてもコミカルなことが同時にとてもシリアスであるってことがあるしね」
そしてミラーは現実のディテールにも忠実であろうとする。
「原作者のボーンマルシェの劇では『セビリアの理髪師』でアルマヴィーヴァ伯爵とロジーナが結ばれ、『フィガロの結婚』も続く三番目の作品では、ロジーナは、ケルビーノとの子供ををもうけている。伯爵との間に子供がいないのは、むしろ妙なので、私はこれを埋めようと思って、伯爵の小さい子と、新しい赤ちゃんを登場させてみた。作曲家は美の世界をつくるほうで、細かなディテールまでは書き込まないからね。ギャップを埋めるのは演出家の仕事だと思うよ」
1994年ウィーン国立歌劇場来日公演プログラム、演出家ジョナサン・ミラーのインタビューから抜粋
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コメント 2

Cecilia

euridiceさんのところでもこの演出の記事を拝見し、先ほど、そこでTBされているkeyakiさんの別の記事を拝見したところでした。
今回はGoogle検索をかけてやって来ました。
ジョナサン・ミラーの話もなるほど・・・と感じましたが、そもそも「セビリアの理髪師」の何年後なのだろう・・・と考えています。

スキンのヘッダーの写真はkeyakiさんなのですね。
イラストにも確かに似ていますね~♪
by Cecilia (2007-03-08 14:28) 

keyaki

Ceciliaさん
>そもそも「セビリアの理髪師」の何年後なのだろう・・・
ミラーは、7年後くらいのつもりですね。「7年目の浮気」というのもありますしね、そんなところかなぁ...と思っています。

>スキンのヘッダーの写真はkeyakiさんなのですね。
そうなんですよ。「昔昔のアルバム」と書いてますが、本当は、「昔昔昔のアルバム」なんです。
by keyaki (2007-03-09 09:32) 

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